P2Pとかその辺のお話

WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。

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欧州連合、電気通信改革パッケージ案にて仏スリーストライク法を否定?

以下の文章は、TorrentFreakの「File-Sharers Protected Under Proposed EU Legislation」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:File-Sharers Protected Under Proposed EU Legislation
著者:enigmax
日付:November 05, 2009
ライセンス:CC by-sa

違法ファイル共有を疑われた欧州インターネットユーザは、エンターテイメント産業の気まぐれによって切断されることはない。欧州連合のロウメイカーたちは、夜を徹しての議論の末に、妥協案に合意した。疑われた人々は、「公正かつ公平な」手続きを受ける権利を有することになる。 そこには審理を受ける権利などが含まれる。

昨晩、欧州政府、欧州議会議員、欧州連合理事会の代表が参加した委員会にて、それぞれの相違を解決するための議論が取り交わされた。ここでは、競争を促すことを目的とした、問題の欧州電気通信改革のパッケージ案を承認すべきかどうかについて話し合われた。

今年5月、欧州議員達はこのパッケージ案を、インターネットユーザの権利保護が不十分であるとして、賛成407、反対57、棄権171で理事会に差し戻していた。

夜を徹しての交渉の末、この行き詰まり状態は解かれ、妥協案への合意に達した。加盟する全27カ国のインターネットユーザは、「公正かつ公平な手続き」を受ける権利を有することになる(ただし、この手続きが具体的に何を意味するのかは全く明らかにされていない)。ここには、最終的な懲罰−切断−を受ける前に、申し立てに対する審理を受ける権利が含まれる。

海賊党のクリスチャン・エングストロームは、昨晩満場一致で承認された修正版文書の作成に助力した。

「電気通信改革パッケージ案は、加盟国に対し、違法ファイル共有を疑われたユーザを切断するというスリーストライク法を要請したり、禁止したりするものではありません。」とエングストロームはTorrentFreakに語った。更に彼は、加盟国がそうした措置を導入する場合には、指令の制限の範囲内で行わなければならないのだという。

以下に、エングストロームが報告しているテキストを引用しよう。

3a. 加盟国による、電気通信ネットワークを通じたサービスおよびアプリケーションへのエンドユーザのアクセスまたは使用に関する措置は、欧州人権条約ならびに共同体法の通則が保証する自然人の基本的人権および自由を尊重しなければならない。

基本的人権または自由を制限しかねない電気通信ネットワークを通じたサービスおよびアプリケーションへのエンドユーザのアクセスまたは使用に関するすべての措置は、民主的社会において適切、適当かつ必要である場合においてのみ強制しうるものであり、その実施に際しては、欧州人権条約ならびに共同体法の通則に従い、有効な司法による保護および適法手続き等の十分な手続き的セーフガードを必要とする。

従って、これらの措置は、推定無罪およびプライバシーの権利の原則を十分に配慮して実施されなければならない。欧州人権条約に則り正当性が立証された緊急の場合に、適切な条件および手続き上の用意を必要とした上で、審理を受ける権利を含む事前の公正かつ公平な手続きが保証されなければならない。

有効かつ適時の司法審査権が保証される。

エングストロームは、合意には至らないだろうと考えていたため、この文書が合意に至ったことがうれしいサプライズだったという。これが彼の求めるすべての理想を実現するものではないにしても、正しい方向への大きなステップである。

「ネット活動家たちのコミュニティの協力なくしては、これを達成することはできなかったでしょう。」と彼は更に書き加えている。「私たちは、普通の市民が力を合わせ、世界を変えられることを示しているのです。これは始まりに過ぎません。インターネットコミュニティは、肩慣らしを始めたところなのですから。」

エングストロームは、この結果には満足してはいるが、まだまだ多くの戦いが待っているのだとTorrentFreakに語る。「何人たりとも、オープンかつ自由な社会のインターネットから切断されてはならないのです。」と彼はいう。

欧州議会および欧州連合理事会は、11月後半にはこの電気通信改革パッケージ案について決定を下すことになっており、同案の成立は2010年はじめが予定されている。加盟国は、同法に準じた国内法を制定するまでに18ヶ月の猶予が与えられる。

憲法院の追求を振り切ったフランスのスリーストライク法に、更になる難関が立ちはだかった、といったところでしょうか。ITProは「EU電気通信改革,ネット接続遮断を巡る修正条項で合意」という記事の中で、仏スリーストライク法が完全に否定された、とまで書いている。

ただ、これに関しては、Green Sound from Glasogowの@yanoさんから教えてもらったのだが、今回のEUの決定がスリーストライク・ポリシー導入を後押しするものではないか、という報道もあるらしい。

Music Ally | Blog Archive » EU backs internet access restrictions for pirates

これは、海賊党党首が「スリーストライク法を要請したり、禁止したりするものではありません」と言っているように、スリーストライク・ポリシーの導入を禁止しないことを明確にしている。パッケージ案の文書にも「民主的社会において適切、適当かつ必要である場合に」「欧州人権条約ならびに共同体法の通則に従い、有効な司法による保護および適法手続き等の十分な手続き的セーフガード」を用意した上であれば、いかなる措置をも講じてよいともとれる。

ただ、その前提となる条件をクリアしているか否か、という点が重要なのだ。無名の一知財政策ウォッチャーの独言さんの記事にもあるように

行政機関に過ぎない公的機関が一方的に認める事実に基づいて、そのまま裁判がなされるというのは、行政と司法の役割から考えて全くおかしな話であるし、このような行政機関による認定がまず信用され、弁論を必要としない簡易裁判所における略式手続きで、一方的にネット切断という個人に極めて大きな影響を与える罰が科されかねないというのは、推定無罪の原理、弁護を受ける権利などの基本的な権利を完全にないがしろにするものだろう。

推定有罪の原則の上に立つ仏HADOPIが、このままで「事前の公正かつ公平な手続き」が保証されているとは思いがたい。従って、手続きに関して定まっていない国では、スリーストライク・ポリシー導入の呼び水になるかも知れないが、フランスのように手続きが定まってしまっており、今回の決定に抵触しうる場合には、ブレーキともなるのかもしれない。

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海賊党、欧州議会に2つ目となる議席を獲得

以下の文章は、TorrentFreakの「Pirate Party Gets Second Seat in European Parliament」という記事を翻訳(および加筆)したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Pirate Party Gets Second Seat in European Parliament
著者:Ernesto
日付:November 04, 2009
ライセンス:CC by-sa

リスボン条約が全欧州連合加盟国に署名されたことで、海賊党は欧州議会にもう1議席を獲得することとなった。この海賊党第二の議席は、22歳のアミーリア・アンダースドッターに委ねられることになる。これにより彼女は欧州議会最年少議員となる。

今年6月、スウェーデン海賊党は欧州議会選挙にて7%以上の投票を得て、初の議席を獲得した。更にリスボン条約が全加盟国に批准されることで、もう1議席を獲得する可能性があった。昨日、チェコ共和国大統領ヴァツラフ・クラウスが同条約に署名し、全欧州連合加盟国に批准されることとなった。

皮肉にも、海賊党はリスボン条約に反対しているのだが、しかしその条約が今は海賊党の議席を二倍にしたのである。

新たに獲得した議席は、アーミリア・アンダースドッターに与えられ、彼女は欧州議会最年少の議員となる。彼女は政治活動のための時間を確保するため、スウェーデン ランド大学での経済学、スペイン語学をやめることを決断した。

彼女はフェアかつ理解しやすい著作権立法のために戦う傍ら、欧州知識経済の教育および発展のためにも時間を費やすのだという。

「欧州議会はサステナブルな知識経済に向かう必要があるのです。まさにそれが、私がこれからやろうとしていることです。」とアーミリアはTorrentFreakに語った。

アーミリアが正式にブリュッセルの議席を手にするのは12月1日になる。その日をもって、彼女はクリスチャン・エングストロームとともに欧州議会に参加することになる。両名は今後数年間にわたって、ますます強まりを見せる著作権ロビー団体からの影響に対抗する大仕事を抱えることになるのだろう。

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大手ISP、英国版スリーストライク提案を人権侵害として法的措置を示唆

以下の文章は、TorrentFreakの「ISP Threatens Legal Action Against UK Over Anti-Piracy Plans」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:ISP Threatens Legal Action Against UK Over Anti-Piracy Plans
著者:enigmax
日付:October 29, 2009
ライセンス:CC by-sa

昨日、ピーター・マンデルソンは、2年間でパイラシーを70%減少させるという政府目標の一環として、違法ファイル共有ユーザのインターネット接続を切断する措置を講じる可能性を確認した。この決定に失望したと言われている英国第2位のISP TalkTalkは現在、そうした措置が人権侵害に当たるとして法的措置を辞さない構えを見せている。

8月、英国政府は厳格なオンライン・パイラシー対策プランを公表した。その提案は音楽・映画産業からは強く支持されたものの、広範囲にわたる反発も引き起こした。その提案を支持しない人々は、政治家達が考え直すことを期待したが、本日、その期待は失望に変わった。

最終的な決定は次会期に延期されたものの、ビジネス・イノベーション・技能大臣のピーター・マンデルソンは昨日、違法ファイル共有を疑われる英国居住者のインターネット接続の切断を「最終手段」とするプランを認めた。

2011年までにオンライン・パイラシーを70%減少させることを目標として、数ヶ月にわたって警告状を送付することで、複数回にわたって著作権侵害を警告されるような継続的な違反者だけが、最も厳しい措置の影響を受けるだろうとマンデルソンは主張した。

しかし、1曲の楽曲をダウンロードすることも侵害を構成するため、1ヶ月のうちに3,4曲の楽曲をダウンロードしたことに基づく警告によって、世帯全体がインターネットから隔離されることも十分にあり得る。約束された「分相応な」レスポンスとは言い難いものだろう。

マンデルソンは、すべての告発を誤りのないものとするために、独立した申し立て手続きが用意されると主張しているが、彼の言葉はインターネット・サービス・プロバイダを信用させるほどの説得力を持ってはいないようだ。

昨日、BTグループは政府提案に対し懸念を表明し、ISPがそのスキームに必要となるコストの一部を負担しなければならないこと、その結果、ISP料金が値上がりすることになることに失望するとした。

以前にも詳細をお伝えしたが、これらのコストは年間3億6,500万ポンドに上るとみられている。音楽産業が被っていると主張するパイラシーによる「損失」2億ポンドを霞ませるほどの額である(日本語訳記事)。

「加入者の方に対するいかなる措置であれ、それを講じるようブロードバンド提供者に要請がくる前に、加入者が何らかの公正な法的審判を受けられるのかどうか、についても私たちは伺いたいと思っています。」とBTは言う

一方、TiscaliおよびAOLブランドを所有し、ウェブサイトDont Disconnnect Usを運営する英国第2位のISP TalkTalkは、より強い反発を示した。

「このアプローチは、『無実が証明されるまで有罪(推定有罪)』の原則に基づいており、適正な司法手続きを不正規裁判に代えてしまうものです。現在なされている提案は、原則的に間違っており、実際にうまくいくこともないでしょう。このアプローチが不当な告発に繋がることは避けられないだろうと私たちは考えています。」とTalkTalkの戦略・規則部門代表アンドリュー・ヒーネイは語った。

今朝の報道によると、TalkTalkは、マンデルソンがこの提案を通し、適法手続きなしの切断スキームが実装されることになれば、法的措置を辞さない構えであることをほのめかした。

ヒーネイはGuardianに対し、「もし政府が第二ステージへを移行するというのであれば、私たちは法廷の管轄外の技術的措置を講じざるを得なくなるでしょう。そうなれば、その決定が人権を侵害するとして申し立てを起こさざるを得なくなります。TalkTalkは、裁判所や定められた裁定機関からの指示がない限り、同社に加入者に対する技術的措置を講じることを強制するいかなる試みに対しても抵抗を続けるでしょう。」と話した。

ここでは全く取り上げられてはないが、他にも緊急の問題がある。それは英国で違法ファイル共有を疑われるユーザを罰するために用いられている現在の著作権法の存在である。

ACS:Lawのような会社は既に、彼らのクライアントの著作権を侵害したとされる英国インターネットユーザへの告訴を行っており、著作権を侵害したとされる楽曲1曲につき600ポンド+を請求している。

となれば我々は、インターネットユーザが1つの法律違反によって、一方では政府からはインターネットを切断され、他方では私企業からは金銭的な罰を受けるというデュアルシステムを押しつけられることになるのだろうか?政府はどちらのシステムが優先されるのか、どちらのシステムを残すのかを、必要に応じて法律を変えつつ決定しなければならない。

この段階的レスポンス提案の完全版は、今年終わりに公表されるDigital Economy Billにて詳細が明かされることになっている。

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RapidshareとMegaupload、2つあわせてFacebookのトラフィックを抜く

以下の文章は、P2P Blogの「Rapidshare and Megaupload cause more traffic than Facebook」という記事を翻訳したものである。

原典:P2P Blog
原題:Rapidshare and Megaupload cause more traffic than Facebook
著者:Janko Roettgers
日付:October 26, 2009
ライセンス:CC by-nc-sa

ネットワーク管理デバイスメーカーSandvineの新たな調査によると、ワンクリック・ホスティング・サイトRapidshare.comとMegaupload.comの2つが、3億人のユーザを抱えるFacebook以上にグローバルなIPトラフィックを生じさせているのだという。

同社の2009 Global Broadband Phenomenaレポートによると、Facebookが引き起こしているトラフィックは全グローバルIPトラフィックの1.5%未満であるという。Rapidshare、Megauploadの両サイトがそれに続き、それぞれグローバルIPトラフィックのおよそ1%を引き起こしている。またSandvineによると、ワンクリック・ホスティング・サイトやその他同様のストレージサイトは、2008年から今年にかけて56%もトラフィックが増大しているという。

Sandvineのレポートはさらに、ファイル共有アプリケーションによって消費されるトラフィックのシェアについても興味深い洞察を提供している。平均して、上り帯域全体の31.4%が、下り帯域全体の15.6%が、P2Pによって生じているという。ちょうど1年前には、上り帯域全体の60.18%が、下り帯域全体の22.31%が、P2Pによるものであった。

先日、これと類似したレポートについて指摘したように、この結果が、必ずしも人々がもはやP2Pを利用していないことを示しているわけではない。単に、ほかの領域、特にビデオストリーミングが急速に成長を遂げているだけのことである。Sandvineは、YouTubeが現在、全グローバルトラフィックの5%を生じさせているとレポートしている。

おそらく、より興味深いのは様々な地域間での差異であろう。Sandvineによると、アジア・太平洋地域での全トラフィックに占めるP2Pトラフィックの割合はたった8.6%であった。一方、アフリカでは35%にも上った。欧州では29.2%、北アメリカでは18,5%であった。ラテンアメリカでは35%で、この地域で主に利用されているP2Pファイル共有クライアントAres(スペイン語で利用できるクライアント)によって引き起こされているものだろう。Ares単体で、同地域の上り帯域の34%を消費しているという。

調査元が調査元だけに、P2P対策の次の市場を狙っているわけだからまぁいろいろと考えるだろうね、位には思っておいた方がよいかもしれない。

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ドイツ連立政権、スリーストライク・スキームに反対の立場を示す

以下の文章は、FreakBitsの「No Three-Strikes Anti-Piracy Law in Germany」という記事を翻訳したものである。

原典:FreakBits
原題:No Three-Strikes Anti-Piracy Law in Germany
著者:Ernesto
日付: October 19, 2009
ライセンス:CC by-sa

ドイツの新連立政権は、著作権侵害を疑われるユーザをインターネットから切断することを可能にする法案に反対する声明を提出している。政権与党であるCDU(ドイツキリスト教民主同盟)、FDP(自由民主党)の両党は、そうした法律をもってパイラシー『問題』を解決しないことで合意に至った。

現在、起草された連立合意において、両党は著作権侵害者に対するインターネットの切断を許容しないことで合意した

この決定は、映画・音楽産業のロビイストにとって大打撃となるのだろうが、これはそれほど予想を超えた動きではない。

選挙以前より、FDPのリーガル・エキスパートSabine Leutheusserは既に彼女の党が著作権侵害者に対するスリーストライク・スキームに対して反対の立場をとっていることに言及し、それをドイツ市民の基本的な権利を侵害する不相応な措置であるとした。この見解は、現在の連立合意にも含まれている。

一方で英国やフランスなどの他諸国では、いわゆる「段階的レスポンス」法案が、市民からの大きな反対の声があるにもかかわらず、依然として検討されている。

余談ではあるが、先日のドイツ総選挙の結果、ドイツ海賊党は議席獲得まではいかなかったものの、約84万5千票、総得票数のおよそ2%を獲得し、存在感を示した。18歳未満を対象にした模擬選挙でも、9%の支持を集めており、政治的にもそうした層を見据えた政策が必要とされる・・・のかもしれない。もちろん、パイレーツ・フレンドリーになる必要はないと思うが、あけすけにインターネットを敵視するような、または安易に諸悪の根源とするような姿勢では、今後は厳しいのかもしれない。

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