P2Pとかその辺のお話

WinMXとかWinnyとか、日本ではろくな扱いを受けていないP2Pですが、海外ではけっこう真面目に議論されてるんですよというブログ。

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英国、脅威のアンチパイラシー計画がリークされる

以下の文章は、TorrentFreakの「UK’s Terrifying Anti-Piracy Plans Leak」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:UK’s Terrifying Anti-Piracy Plans Leak
著者:Ernesto
日付:Novemer 19, 2009
ライセンス:CC by-sa

明朝、マンデルソン卿はDigital Economy Billを市民に公表することになっているが、この法案はとりわけ違法ファイル共有を抑止することを目的としている。本日リークされた法案の一部によると、違法ファイル共有ユーザに対する 刑事罰、 エンターテイメント産業にこれまで以上の権限を与えるものとなっている。

ここ数ヶ月、英国政府はオンラインパイラシー対策に取り組んできた。これは、違法ファイル共有を疑われたユーザを司法手続きなしにインターネットから切断するというマンデルソン卿の提案に繋がった。

明日、同法案の正式な文面が公表されることになっているが、これまでの報道によれば、海賊ユーザが私企業によって吊し上げられるというデジタル警察国家へのドアを開くものとなるようだ。

本日未明にリークされたこの計画の一部から判断するに、IFPIやBPIなどのアンチパイラシー団体による絶え間ないロビイ活動は確かに成果をあげているようである。

コリィ・ドクトロウがBoingBoigでスクープしているが、彼はTorrentFreakに信頼の置ける「労働党政府に非常に近しい」人物から得た情報であると語ってくれた。

もしその情報が正確なものであれば、この新たな法案はすべてのインターネットユーザのプライバシーに大きな災いをもたらす一方で、エンターテイメント産業には先例のない権限を与えるものとなるだろう。新たな法案の下では、国務大臣は議会の監督を避け、著作権者を保護するために派生法を通すことができるのだという。

以下の3つがあげられている。

1.国務大臣は、オンラインにおける著作権侵害に対する新たな救済措置を作成する権限を得る。(たとえば、ファイル共有に対して刑事罰を科す、家族の誰かが訴えられたとしても家族全員に負担を強いる「スリーストライク」プランを作成する、など)

2.国務大臣は、オンラインにおける著作権侵害から著作権者を保護することを目的とした「権利を与える」手続きを作成する権限を得る。(たとえば、レコードレーベルや映画スタジオに、調査および執行のための権限を与えることができる。この権限により、ISP、図書館、企業、学校に対し、インターネットユーザの個人情報を提供するよう強制したり、ユーザの切断、ウェブサイトの削除、URLのブロックなどを命じることができる。)

3.国務大臣は、「オンラインにおける著作権侵害の助長に関して、いかなる対象に対しても、特定の義務、権限、機能を負わせる」権限を得る。(たとえば、ISPに対しユーザをスパイするよう求める、または、ユーザ生成コンテンツを公開する前に、著作権弁護士にすべての箇所について問題がないかどうかを精査させる。他にも、ウェブ上の著作権を取り締まる権限を付与した著作権「自警団」を組織させることもできる。)

リークされた情報は、国務大臣が議会の監視なしに、ありとあらゆる厳格な対策を導入する権限を得ることを示している。未だファイル共有を疑われたユーザへの対処ポリシー、提案されているスリーストライクシステムの詳細は明らかにされてはいない。

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BitTorrentの次のスタンダードになる?:DHT、PEX、マグネットリンク概説

以下の文章は、TorrentFreakの「BitTorrent’s Future? DHT, PEX and Magnet Links Explained」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:BitTorrent’s Future? DHT, PEX and Magnet Links Explained
著者:Ernesto
日付:Novemer 20, 2009
ライセンス:CC by-sa

今週、The Pirate Bayは同サイトが運営するトラッカーを永久に停止することを認め、ソン代わりにDHT、PEX、マグネットリンクを使用するよう推奨した。この動きは、それに適応したくても、擁護やテクノロジーを理解するのが困難な多くのBitTorrent狂を混乱させた。幾ばくかの説明が必要なようだ。

先日、The Pirate Bayは、DHTやPeer Exchangeがトラッカー機能を十分に代価しうるとして、トラッカーの停止を公表し、それと同時に、彼らのサイトにマグネットリンクを加えた。このニュースは、議論を活発にするという目的は達成したものの、こうしたテクノロジーがどのように機能するかについては、多くの混乱が残されていることも露わとなった。

ここで理解しておくべきことは、マグネットリンクやトラッカーレストレントの使用が強制されるわけではない、ということである。これらの長期的なテクノロジーは未来となり得るのかもしれないが、それは既存のトラッカーを介したBitTorrentの利用とも共存しうる。今のところ、今すぐにでもこれまでのダウンロード習慣を変えざるを得ない事態にはなってはいない。ただ、これらのテクノロジーと互換性のあるBitTorrentクライアントに乗り換えることが賢明かもしれない。

DHT、PEX、マグネットリンク関連の曖昧さをクリアにするために、これらについて概説することにしよう。今週初めから混乱している人たちが安心してくれることを祈って。

動作中のDHT・PEX

DHT

トラッカーの代わりにDHTを利用することは、現在、The Pirate Bayが推奨しているものの1つである。このテクノロジーだけに頼って行われるTorrentダウンロードが、いわゆる「トラッカーレストレント」と呼ばれるものである。DHTは大抵、トラッカー機能に加えて、IPアドレスを発見するために用いられている。この機能は、uTorrentやVuzeではデフォルトで使用されており、多くの人々が知らず知らずのうちに利用していたりもする。

DHTの機能は、同じファイルをダウンロードしているピアを発見することであるが、The Pirate Bayがかつて運営していたような中央BitTorrentトラッカーとのコミュニケーションを必要とはしない。

DHTは新しいテクノロジーというわけではない。2005年5月、BitTorrentクライアントAzureusに実装されたことでデビューを飾り、その1ヶ月後にはメインラインクライアントにも導入された。ただ、前者と後者とでは互換性はない。それでも、Auzreus/Vuzeではプラグインを追加することで、uTorrentやその他のクライアントが利用しているメインラインDHTネットワークにアクセスすることが可能となる。

Peer Exchange(ピア交換:PEX)

Peer Exchangeは、IPアドレスを発見するもう1つの方法である。トラッカーのように動作するというよりは、自分が接続しているピアの情報を互いに提供しあう。PEX単独では機能せず、1度DHTネットワークまたはトラッカーに接続する必要があるが、DHTネットワークやトラッカーよりも、より純血なピアを発見することができるだろう。

マグネットリンク

伝統的に、.torrentファイルはTorrentサイトからダウンロードされる。Torrentクライアントはそのファイルに基づき、Torrentハッシュを計算し、ピアのアドレスをトラッカー(またはDHTネットワーク)から探し出す。そして、ピアに接続し、ご所望のコンテンツがダウンロードされることになる。

Torrentサイトは.torrentファイルをダウンロードさせる代わりに、あらかじめTorrentハッシュを計算し、それをダウンロードさせることで帯域を節約することができる。マグネットリンク内のパラメータとしてTorrentハッシュを提供することで、クライアントは即座にピアのアドレスを探し出し、始めにTorrentファイルをダウンロードするためにそれらのピアに接続する。その後、ご所望のコンテンツをダウンロードすることになる。

注意が必要なのは、BitTorrentは.torrentフォーマットを完全に捨て、マグネットリンクだけに頼ることができるわけではない。.torrentファイルは、ダウンロードプロセスを開始するための重要な情報を保持しており、この情報はSwarmないで利用できなければならない。

Pirate BayリンクとMininovaリンク マグネットリンクの仕様が初めて公開された昨年1月の時点では、特定のフォーマット(「base32 encoded」)が要求された。EZTV、Mininova、ShareReactorが掲載しているマグネットリンクは、このオリジナルの仕様に従っている。しかし、昨年5月には仕様が変更され、「hex encoding」が採用された。このリンクフォーマットは、現在The Pirate Bayが掲載しているものである。これら2つのリンクにを利用するためには、Torrentクライアントが対応していなければならない。

互換性を持つクライアント

uTorent 1.8.5、Vuze 4.3.0.2、BitTorrent 6.3、BitComet 1.16、Transmission 1.76(+その他)などすべてのメジャーTorrentクライアントは、Peer ExchangeやDHTをサポートしている(Vuzeは要プラグイン)。BitCometおよびTransmissionはマグネットリンクをサポートしていないが、Transmissionは次期バージョン1.8にてマグネットリンクに対応予定である。ただ、留意すべき点は、The Pirate Bayをはじめすべてのサイトが、未だに伝統的なTorrentファイルのサポートを中止してはいないということ。つまり、機能を追加するための時間は十分にあるということである。

この記事を読んだことで、今週初めThe Pirate Bayの発表に端を発した懸念を、幾ばくかでも取り払うことができたなら喜ばしく思う。この記事を読んだ後でもまだ混乱が続いているとしても、うろたえたり、泣いたり、怒り散らす必要はない。何も問題はないのだから。Torrentは今でも利用できるし、サイトがマグネットリンクを追加してくれたおかげで、もう1つのオプションを手に入れたというだけのこと。劇的な変化が、今すぐにでも起こるというわけではない。

本稿執筆にあたり、Adapaの協力に感謝する。

日本だとBitCometを利用している人が多いだろうから補足しておくと、BitCometにはマグネットリンクと同様の機能のBCリンク/BCTPリンクがある。これもマグネットリンク同様にTorrentのハッシュをURLで表現しているのだが、BitComet以外のクライアントはサポートしておらず、BitCometの独自仕様となっている。その一方で、BitCometはマグネットリンクには対応していない、と。

Ernestoが、「対応するだけの時間はある」なんて言ってるのも、おそらくはBitComet向けの皮肉なのかなぁと。BitCometはこれまで他クライアントとの互換性にはあまり気を配ることなく、それなりに問題を起こしてきた過去があるので、欧米圏では嫌われがちだったりもする。BCリンク/BCTPリンクという独自仕様以外にも、クライアント上に広告を表示したりSuper-Seedingを悪用したりPrivate TorrentをDHTに垂れ流したりパディングファイルをデフォルトにしたり(これもBitCometでしか利用できない独自仕様)。

とはいえ、BitCometはアジア圏では人気があり、主にダウンロードするコンテンツもBitCometの流儀に則ってリリースされているのであれば、それほど大きな障害とはならないのかもね。

私個人としては、軽いし、ダウンロードするコンテンツは欧米圏のもの、ということもあり、uTorrentを利用している。uTorrentでマグネットリンクからトラッカーレスダウンロードを試みてみたのだが、それなりにうまくいっている。

 

ピア、シーダーが少ないのは、このコンテンツ(Steal This FilmのXvid版)のピア・シーダーが元々少なかったためです。念のため。

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英国:著作権強化は大臣の思うがまま?

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation(電子フロンティア財団) の「A Pirate-Finder General for the UK?」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:A Pirate-Finder General for the UK?
著者:Danny O'Brien
日付:November 19, 2009
ライセンス:CC by

著作権法は繊細なバランスをはらんでいる。今、著作権法によって日々の行為を制約されることに人々が気づいたことで、そのバランスはいっそう不安定なものとなっている。一部の人々が利益を得る一方で、その他の人々は日常的に行っている行為が違法行為とされることに気づく。新たなテクノロジーに直面したことで、著作権法の改正は不可欠である。しかし、それは改正によって影響を受けるすべての人々と議論を尽くした上で、慎重に実行されなければならない。

英国では、「デジタル・エコノミー」政策をなんとしても通そうと焦る労働党政府が、そうしたバランスを投げ捨てる危険を冒している。あと12時間足らずで、Digital Economy Billの草案が公表される。国務大臣(現在はピーター・マンデルソン卿)に、議会での議論を最小限にしつつ、英国の著作権・意匠・特許法を書き直すことのできる権限を与えるという条項が明確に含まれている。

英国では、これまで派生法(secondary legislation)は強引なやり方を押し進める際に用いられてきた。英国のRIPA監視法は、重大犯罪のためだけに執行されるという約束の下で可決したものの、派生法はその後、郵便局や食品基準庁などの数十に及ぶ政府機関にその強力な権限を拡張させるよう提案された。

Digital Economy Billの一部として、派生法を用いることはあまりに危険である。この法案は国務大臣に、一部の利害関係者の要求を満たすために、英国市民の声を無視した上で、英国著作権システムの基盤に干渉する強力な権限を与えるものとなりうる。

そうした権限を与える責任を有する委員会委員長であるハリエット・ハーマンへの書簡の中で、マンデルソンは、「オンラインでの著作権侵害の防止または縮小の促進に向けた」1988 著作権・意匠・特許法の変更のために「あなたの緊急の合意を求めるために、この書簡を綴っている」という。

一度このDigital Economy Billが議会を通過してしまえば、著作権システムを広範囲にわたって、非常に迅速に変更することが可能となる。マンデルソンが任意に法律を変更することが必要であると感じる1つの理由として、彼は上記の手紙の中で、昨今現れてきた「サイバー・ロッカー(cyberlockers)」がメディア産業への脅威となっているとの懸念を示している。

「サイバー・ロッカー」は、Amazon S3Dropbox、AppleのMoblieMe iDiskUbuntu OneYouSendItなど、アップロード、同期、友人間での共有を可能にするサービスに対し、エンターテイメント産業がつけた呼称である。同僚との共同作業のために、家族の写真や大容量の仕事用ファイルなどのファイル転送のために、こうしたサービスは企業や個人に利用されている。英国のこれら大規模かつ有益なネット市場のイノベーションが、有権者の声すら反映されることなく規制されかねない。そうしたことは起こらないだろうと思われるかも知れないが、ならば、エンターテイメント産業が米国通商代表へのロビイングに成功し、米韓自由貿易協定()に同領域(「ウェブハード」)をターゲットとするよう韓国政府に義務を課したことをよく考えてみて欲しい(3通目の補足文書を参照のこと)。

もし、マンデルソンが現時の著作権法によって、未だ成長途中にある産業を気まぐれに排除するだけの権限を求めているのであれば、現在、著作権者たちが求めているスリーストライク以外の一連の規制手段が、法令で定められた規制措置となるかもしれない、と考えてみて欲しい。P2Pプロトコルの抑制やブロック?警察と知財権者の共同捜査チームの結成?全インターネットトラフィックに音楽著作権フィルターをかける?これらはすべて、エンターテイメント産業が押し進めてきた提案であり、裁判官や政治家がこれまで思案してきたものである。

そうした理由から一度この権限を与えてしまえば、その干渉はとどまるところを知らないだろう。政府が以下のように言及していることからも明らかであろう。

もし、[違法なファイル共有が]甚大な問題であれば、私たちは即時かつ強力に対処しなければなりません。もし、小さな問題であれば、それに見合った対処ができるでしょう。我々がどの程度厳格であるべきかということは、その問題が生じた時点での国務大臣が決定する問題です

定期的な罰則やイノベーションに対する規制の強化を押しとどめる唯一の方法は、そうした広範囲に及ぶ権限を絶対に与えないということである。あなたが英国人であるなら、今すぐ地元の議員にコンタクトをとり、彼/彼女に、国務大臣が気まぐれで著作権法を書き直すなどということは許されない、と伝えて欲しい。

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MCハマー、音楽業界のアンチ・パイラシー戦略に「STOP!」

以下の文章は、TorrentFreakの「MC Hammer: STOP… The Music Piracy Crackdown」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:MC Hammer: STOP… The Music Piracy Crackdown
著者:Ernesto
日付:Novemer 17, 2009
ライセンス:CC by-sa

ラップ現象を巻き起こし、自らをギークと自認するMCハマーが、音楽レーベルの行うアンチパイラシー戦略を批判している。ハマーは、ファイル共有ユーザ個人やISPに責任を求めるレーベルの判断は、正規のリスナーを 遠ざけるだけの失敗だったと語っている。

音楽パイラシーをどのように捉えるかについては、アーティストによって大きな隔たりがある。強力なアンチパイラシー法が自らの利益を高めてくれると信じるリリー・アレンのようなアーティストもいれば、RIAAやその他のロビイスト達がファンを疎遠にしていると考えるRadioheadMobyのようなアーティストもいる。

後者のグループは、アンチパイラシー戦略を転換するよう大手レーベルを説得することはできていないが、MCハマーがSTOPといったからには、レーベルはその意見に耳を貸さねばなるまい。

MCハマーは最近のインタビューで、音楽産業の海賊行為との戦い、そしてデジタル時代における音楽の未来についてコメントした。ハマーは、RIAAのファイル共有ユーザに対する法廷闘争は、正規のリスナーを遠ざけるだけだったという。「海賊行為と戦うという音楽産業のアプローチは、間違った戦略でした。」と彼はいう。

個人に対する追求の他にも、エンターテイメント産業は加入者に海賊行為を許しているとして、ISPをもターゲットにしている。その中でも現在最も突出しているのがAFACT対iiNetの裁判であろう。この裁判において、アンチパイラシー団体AFACTは、オーストラリアのISP iiNetに対し、継続して著作権侵害を繰り返す加入者をインターネットから切断するよう求めている。

ハマーは殺人と拳銃のアナロジーを用いて仲間のラッパーたちに訴えかけ、ISPをターゲットにするAFACTが誤った相手に責任を負いかぶせようとしていると主張した。

「殺人があった、銃が使われた、だからといって、拳銃を販売した店主を逮捕しにいきますか?そんなことはあり得ないでしょう。逮捕されるのは殺人を犯した人物です。このケースでいえば、フリーウェイを利用してコンテンツを盗んだ何者か。フリーウェイを作った人ではありませんよね。」とハマーはいう。

ハマーはこうした法廷闘争を中止することを求める一方で、スタンドアロンのCDプレイヤーを所有してすらいない世代にプラスティックの円盤を売りつけようとするのではなく、音楽産業はもっともっとデジタルコンテンツに注力すべきであるとも考えている。

「デジタルファイルが未来の主流になる、それは疑いないでしょう。しかし、それは現在においても言えることです。」とハマーは言う。「今、CDというフォーマットは終焉期にあるのだと思っています。それが音楽産業にとっての人工呼吸器である、とも。」

「CDの包装を開封するなんて激しい運動を、どうやったら彼らにさせることができるのか、見当もつきませんね。実際、CDを開封しようとしたら、信じられないくらい大変でしょ?カッター使わなきゃいけないとか、開封するだけで一苦労。そしてなんとかCDを開封したら…、結局、PCに取り込むんですよ。」とハマーは付け加えた。

ハマーの指摘は実に的を射ている。デジタルセールスは収益において年々記録を破り続ける一方で、CDセールスは低下の一途をたどっている。これは音楽パイラシーの副作用というよりも、時代の趨勢であるのだろう。

じゃあ誰が責任を負うのか、という問題には答えられていないんだよなぁ。

個人的には、最終的な責任は、ファイルを違法にアップロードした個人にあると考えている。もちろん、ジェイミー・トーマス・ラセットに対する1億8千万円の賠償金のような一罰百戒を狙うのも問題ではあるが(アルバムを2枚共有しているユーザが10万人いるとしたら、賠償金は18兆円になる。)。

とはいえ、MCハマーが言わんとしているのは、問題の解決のためには個人やISPを追求していても始まらないよ、ということなのだろう。結局みんなPCに取り込むんだから、というのは、なるほどと思った。あと個人のCDプレイヤー所有率ってどうなってるんだろうというのは、常日頃思っていたことではある。

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The Pirate Bay 世界最大のBitTorrentトラッカーを停止、海賊コミュニティのトラッカーレス・トレントレスへの移行を示唆

以下の文章は、TorrentFreakの「The Pirate Bay Tracker Shuts Down for Good」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:The Pirate Bay Tracker Shuts Down for Good
著者:Ernesto
日付:Novemer 17, 2009
ライセンス:CC by-sa

本日、ある1つの時代が幕を下ろす。The Pirate Bayチームは世界最大のBitTorrentトラッカ ーを永久に停止することを発表した。今のところサイトは運営が続けられているが、数百万のBitTorrentユーザが同サイトのトラッカーを失うことになり、ダウンロードを続けるためにはDHTまたは別のトラッカーに 頼らねばならない。

2003年秋、スウェーデンの友人グループは『The Pirate Bay』というBitTorrentトラッカーをたてることにした。そのトラッカーはすぐさま、インターネット上で最大規模のBitTorrentトラッカーとなり、常時2500万以上のピアのダウンロードを支えるほどにまでなった。

こうした成功を成し遂げたにもかかわらず、The Pirate Bayのオペレーター達は今日、そのトラッカーの機能を停止し、永久に閉鎖することを決断した。彼らは、DHTPEXのようなトラッカーレス・ソリューションがうまく機能しているように、BitTorrentプロトコルの進化がトラッカーを不要のものとしたと話す。

「ピアを発見するための分散システムがよりよい発展を見せている現在、TPBはこれ以上トラッカーを運営する必要がないと判断し、停止することを決断した!これは1つの時代が幕を下ろしたことになるのだろうが、しかしその時代はもはや最先端ではないということである。我々は既にサーバーを博物館に置いた。トラッキングも同様にそこに措くことができるのだろう。」とThe Pirate Bayクルーはブログに記している

このトラッカーの停止とは別に、もう1つの進展が水面下で議論されている。

舞台裏では、The Pirate Bayのオペレータらが他のBitTorrentサイトオーナーに対し、The Pirate Bayに続いてトラッカーを停止し、将来的には完全にTorrentを捨て去ることを推奨していることをTorrentFreakは掴んだ。BitTorrentは既にダウンロードを成功させるためにトラッカーやTorrentを必要としないところにまで到達している。すべてのメジャーBitTorrentクライアントに実装されているDHTやPEXは、転送を処理することができ、MagnetリンクはこれまでのTorrentファイルを容易に代替しうる。

「我々は他のTorrentサイトの管理人とマグネットリンクやDHT+PEXをすべてのサイトに導入するよう話し合っています。Torrentやトラッカーから完全に移行するということは、いつから始めるかを決めるということです。『この日以降、我々はTorrentのサポートを止める』ということは理解してもらえると思います。」とThe Pirate Bayの関係者はTorrentFreakに語った。

実際、パブリックBitTorrentサイトにおけるトラッカーレス、トレントレスのダウンロードへの切り替えは、1つのオプションであるようにも思える。以前より、The Pirate Bayのような支配的なトラッカーが停止すれば、BitTorrentは崩壊してしまうだろうという懸念はあった。しかし、こうした滅亡シナリオは現実のものとはならなかった。実際、最近のTPBトラッカーの一時的な休止によって、転送が減速、停止するということはなかった。これはDHTやPEXがシームレスにその機能を引き継いだためである。

もちろん、トラッカーレスを望まないBitTorrentユーザは、OpenBitTorrentやPublicBitTorrent、その他多数のオルタナティブ・トラッカーを利用することもできる。

The Pirate Bayやその他のサイトが将来的にTorrentファイルから脱却するにせよしないにせよ、それでも世界最大のBitTorrentトラッカーの終焉はインターネット史のマイルストーンであろう。本日よりThe Pirate Bayはそのうたい文句を「世界最大のBitTorrentトラッカー」から「世界最大の強力な(マグネティックな)BitTorrentサイト」に変更した。

The Pirate Bayの関係者って、主に2人(辞めた人も含めれば3人?)しかいないと思うのだけれども。

それはともかくとして、これまで世界中のパブリックTorrentの約半数をトラッキングしてきたThe Pirate Bayがトラッカー機能を停止するというのだから、その影響は世界規模に至るのだろう。たとえThe Pirate Bayのサイトを利用していなかったとしても、入手したTorrentがTPBのトラッカーを利用していた場合には、この件は他人事ではない。

とはいえ、TPBの中の人が発言しているように、同トラッカーが提供していた機能がDHT、PEXによってシームレスに受け継がれるのであれば、それほど問題は起こらないのかも知れない。こればかりは、今後の動向を見守るしかないだろうが。

The Pirate Bayがトラッカー機能を停止するというのは、以前からThe Pirate Bayが5年10年先にも存在しているとは思わないという彼ら自身の発言からも予想できたことであるが、こうした動きの背景にあるのは、以前よりTPBが提唱し続けていた「BitTorrentコミュニティはヒドラたれ!」であろう。あまりにも巨大化し、機能が集中化していた状態を緩和し、分散システムによって無限にヒドラの頭を増やす、ということなのかもしれない。

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