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EFF:YouTube対Viacomで差し戻し判決、だがインターネットとイノベーションは守られた

以下の文章は、Electronic Frontier Foundationの「Viacom v. Google: A Decision at Last, and It's Mostly Good (for the Internet and Innovation)」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Viacom v. Google: A Decision at Last, and It's Mostly Good (for the Internet and Innovation)
著者:Corynne McSherry
日付:April 05, 2012
ライセンス:CC BY

インターネットは今日、ほっとため息をついたことだろう。長らく続いているViacom v. YouTube裁判に新たな動きがあった。第2巡回控訴裁判所は、大エンターテイメント企業がGoogleを訴えた裁判を下級審に差し戻した。しかしそれと同時に、法廷は訴訟の根幹をなす法理論を骨抜きにした。

2010年、地方裁判所はYouTubeに対するViacomの訴えを棄却した。デジタル・ミレニアム著作権法のセーフハーバー条項によりYouTubeはすべての著作権侵害の責任から免責されると判断したためだ。この判決を受けてViacomは上訴した。Viacomの主張は、それが採用されたらDMCAセーフハーバーが無効になる、というほどの先例のない法理論に基づくものであった。

本日の控訴審判決は基本的には地裁判決を支持したものである。本件に係る特定の著作権侵害、またはそのような特定の侵害を指し示す状況的事実について知っていた(もしくは意図的に知りえないようにしていた)場合を除いて、YouTubeは免責されると判断された。

控訴審はさらに、YouTubeが著作権侵害を「意図的に知りえないようにしていた」ならば窮地に立たされうるとしたが、YouTubeにユーザ活動を監視する義務はないことも強調した。言い換えると、同社は著作権侵害に気づかないようにするための措置を講じることはできないけれども、著作権侵害を積極的に監視する義務があるわけではないということ。ややテクニカルなポイントとしては、ビデオクリップのシンジケーションがセーフハーバーで免責される種類の活動かどうかは明確ではないとしつつ、本件のクリップを実際にシンジケーションしていたかはさらなる証拠が必要だとされた。

最後に法廷は、YouTubeがユーザの著作権侵害行為に「相当な影響」を及ぼしたのであれば、YouTubeは責任を負う可能性はある、とした。法廷は、さらなる実態調査のために、未解決の問題について裁判を地裁に差し戻した。つまり、裁判は今後も続く。今のところ、和解が結ばれない限りは地方裁判所は2,3の問題を解決しなければならない。

結局、どういうことになるのか。YouTubeには敗北(しかし極めて小さく、ほとんど影響を受けない敗北)だが、インターネットユーザとイノベーションにとっては勝利だ。Viacomの勝利を宣言する人もいるかもしれないが、失うものが大きく得るものが少ない勝利でしかない。判決は、明確に(そして正しく)Viacomの大半の主張を棄却した。Viacomの主張の中には、インターネットの表現の自由が依って立つDMCAセーフハーバーを覆す主張も含まれていた。

たとえばViacomは、YouTubeは著作権侵害について一般的な認識をもっており、したがって、それを取り締まる「商業的に合理的なステップ」をとる義務があったため、セーフハーバーでは免責されないと主張した。もしこれが認められれば、侵害取り締まりの負担がコンテンツオーナーからサービスプロバイダに押しつけられてしまう。セーフハーバー自体がそれを防ぐための規定だというのに。今回の判決は、第9巡回裁判所に加え第2巡回裁判所までもがこの理論を却下したことを意味する。大コンテンツ企業にはよいレッスンになっただろう。

同様に、Viacomは、ISPが著作権侵害活動をコントロールする権利と能力を有しているのであれば、判例法における「代位責任(vicarious libility)」スタンダードに基づいてDMCAセーフハーバーでは免責されないというアグレッシブな解釈を持ち込もうとした。その理論が認められれば、特定コンテンツへのアクセスをブロックできる全てのサービスプロバイダがセーフハーバーを失うことになってしまう。もちろん法廷はそれを認めず、ノーティス・アンド・テイクダウン条項は、侵害の通知があった場合にそのようなブロッキングをするよう意図したものであるとした。Viacomの主張が正しいならば、セーフハーバーは全く「セーフ」ではなくなってしまう。

さらに法廷は、YouTubeが著作権侵害の監視に失敗したことをもって「意図的に知りえないようにしていた」とするViacomの主張についても棄却した。法廷は、DMCAが故意に知らないようにすることを禁じてはいるが、サービスプロバイダに監視する義務を課すものではないとした。

最後に、YouTubeがストレージ・ロッカー以上の存在でありつつ、関連ビデオのリスト生成などユーザのビデオへのアクセスを促進するためのさまざまな方法を用いていることから、DMCAで規定されるサービス・プロバイダとしては不適格であるというViacomの主張に対しても、第2巡回裁判所は大幅に割り引いた。この主張は第9巡回裁判所でも否定されていた。法廷は、DMCAの立法の立法に際してそこまで細かい解釈は意図されていない、と結論づけた。

本日の控訴審の決定は、DMCAがイノベーションに必要不可欠であるという判断に、さらなる権威の重みを加える。YouTubeはこの点について明確に肯定されたことを好ましく評価するだろう。そして、インターネットもこのことを盛大にお祝いしているだろう。しかし、安心してはいけない。大コンテンツ企業が議会の友人たちに既に電話をかけていることは疑いない。そして、次のYouTubeを阻止するための権限を与える新たなSOPA/PIPAを要求しているのだろう。

この記事のほかにも、Public Knowledgeエリック・ゴールドマン教授TechDirtのマイク・マズニックの視点が参考になる。

CNET Japanの記事によれば、Googleはこの判決について、「米連邦巡回控訴裁判所は、長期にわたるDMCAの解釈を支持し、Viacomによる同法律の解釈を却下した。YouTubeに対する全面攻撃という形で始まったViacomによる訴訟で残されている議論は、かなり以前にYouTubeから削除されたほんのわずかな割合の動画に関するもののみとなった。今回の判決によって、YouTubeの運営方法には何の影響も生じない。」とコメントしている。

Viacomはセーフハーバーの範囲を削りたいという思惑があったのだろうが、その試みは今のところ失敗しているといえる。

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Megaupload、超豪華キャンペーンビデオを不正に削除したUniversalを訴える(ついでにSOPA反対に動く)

以下の文章は、TorrentFreakの「Megaupload to Sue Universal, Joins Fight Against SOPA」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Megaupload to Sue Universal, Joins Fight Against SOPA
著者:enigmax
日付:December 12, 2011
ライセンス:CC BY

ファイルホスティングサービス Megauploadは、同社がYouTubeにアップロードしたビデオを、Universalが不当に削除したとして提訴する構えであることをTorrentFreakに明かした。先週金曜、UniversalはMegauploadが製作したビデオを削除するよう要請していた。このビデオは、同サイバーロッカーサービスを著名なアーティストらが絶賛する音楽ビデオであった。また、Megauploadは、こうした措置を受けたことで、検閲なきインターネットのために戦う、反SOPAの動きに合流するという。

先週金曜、ファイルホスティングサービスMegauploadは、世界で最も有名な音楽アーティストらをフィーチャーした、プリンス・ボードプロデュースの楽曲を全面に押し出したキャンペーンを展開し、インターネットを震撼させた

このビデオには、P・ディディ(パフ・ダディ、ショーン・コムズ)、ウィル・アイ・アム、アイシア・キーズ、カニエ・ウェスト、スヌープ・ドッグ、メイシー・グレイ、クリス・ブラウン、ザ・ゲーム、メアリー・J.ブライジらが出演し、Megauploadへの愛情を告白するという、RIAAやIFPIには耐え難い光景であろう。

このストーリーが広がりを見せ、Mega SongがTwitterのトレンドになったころ、このビデオは突然YouTubeによってブロックされてしまった。Universal Music Group(UMG)とIFPIが著作権侵害に基づく削除要請を行ったためであった。

金曜以降、Mega創設者のKim Dotcom(キム・シュミット)はYouTubeにビデオの回復通知を送付したものの(詳細はこちら)、Universalは再びビデオの削除を要請した。週が明けた現在も、この紛争は解決していない。

「明確にしておきましょう。Universal Music Groupは、私たちの楽曲やビデオの権利を所有していません。(ビデオに出演した)Megauploadを支持するアーティスト全員とはきちんと契約を交わしています。」とMegaupload CEOデイヴィッド・ロブはTorrentFreakに話してくれた。

「私たちはUMGにコンタクトをとり、このDMCAプロセスの濫用について協議するよう要請しましたが、彼らからは、事実無根の根拠のない法的な脅しと謝罪の要求という返答が得られるのみでした。」

大手エンターテイメント産業からMegauploadへの圧力は今に始まった話ではないが、それでも現在まで、映画産業、音楽産業が法的措置をとるということはなかった。にも関わらず、同社への中傷は続いている。

「遺憾ながら、私たちは、映画、音楽産業の一部を代表するRIAAやMPAAのような団体から攻撃を受け、『悪徳オペレーター』というレッテルを貼られています。彼らは間違っています。」とロブは言う。

「私たちはこれまで、著作権侵害を繰り返すアカウントを停止したり、違法なファイルを削除してきました。これは、パイラシーに反対し、コンテンツ所有者の権利を尊重しているためです。」

しかし、Megaが法によって求められている正式な削除要請を常に応諾してきたと主張する一方で、RIAAやそのメンバーレーベルはそれ以上のことを求めている。彼らがStop Online Piracy Actを支持するのも、その1つの現れであろう。

「UMGは現在、ワシントンの議員たちにロビイングし、ウェブサイトから特定のコンテンツを削除するだけではなく、インターネットからウェブサイト全体を排除できる法律を求めています。UMGによる権限の濫用がこのようにして行われたことで、インターネット検閲のためのツールを企業に手渡してはならないのだという確信に至りました。」とロブは言う。

またロブは、UMGがYouTubeのMega Songを検閲するために(DMCAに基づく)権限を濫用したのは、商業的目的があったためではないかと指摘する。Megaは近日中にMegaboxの再ローンチを予定しており、これはiTunesの競争相手としてレーベルが恐れているものかもしれない。Megaboxでは売上全体の90%がアーティストに渡り、現行のほとんどのサービスに比べ、かなりの割合を受け取ることができる。

Universalが削除要請を行った動機づけがなんであったにせよ、Megaupload創設者 Kim Dotcomは、UMGは法廷において自ら講じた措置について弁明しなければならない、としている。TorrentFreakは、Megaの法務チームがUniversalによるMega Songの違法な削除要請について、提訴するよう支持を受けていることを確認している。Kimによれば、この行為は同社の口コミキャンペーンを妨害する目的で行われたのだという。

さらに、SOPAの問題について消極的であったMegauploadだが、今回のMega Songの削除をきっかけに、姿勢を変化させているようだ。

「私たちはどなたからの支援でも歓迎します。力を合わせ、検閲のないインターネットのために戦いましょう。SOPAやPIPAのような法案に対し、立ち上がり、反対しましょう。」とMega CEO デヴィッド・ロブは言う。

「地元の国会議員にあなたの考えを伝えるのです。言論の自由やイノベーションを助ける運動に参加してください。コンテンツ企業は、大規模な検閲ファイアウォールによるインターネットの独裁を目論んでいるのです。それを許してはなりません。」

TorretFreakはRIAAにもコメントを求めているが、依然として回答はない。

Update:本日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に訴訟が提起された。Megauploadのプレスリリース

MEGA SONG

なんかこう、仁義無き戦いという感じがするのだけれども。

それはさておき、Megaupload側が強硬な姿勢に出るのも理解できなくもなくて。ビデオに出演した顔ぶれをざっと見ただけでも、相当なお金が動いているんだろうなぁと思えるわけで、それをキャンペーンの序盤からいきなりDMCAの濫用で潰されたってんだから、そりゃ腹も立つだろうし、どうしてくれるのよ、と言いたくもなるだろう。

一方で、Universal側も強硬な姿勢を崩していないのだけれども、感情的な部分は抜きにしても、Megauploadのような憎きサイバーロッカーのキャンペーンビデオに大スターが大勢出演しているのは、ものすごく都合が悪いのだろう。Megaboxへの妨害だという主張はよくわからないが、少なくとも違法な音楽共有の温床となっているサイトを、スターがおすすめするなんてのはあってはならん、というところは強いんではないかなと。

背景には積もり積もったものがあるのだけれど、今回の件だけ見れば、Universalが無理筋を承知で強情を張ってるように思えるのだけれども。さすがに、契約アーティストが作った/参加した作品の著作権は、すべてのUniversalに譲渡する、なんてマジキチな契約交わしてるとも思えないし。

YouTubeは音楽産業を殺すのか?それとも生かすのか?

以下の文章は、TorrentFreakの「Is YouTube Killing Music Piracy?」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Is YouTube Killing Music Piracy?
著者:Ernesto
日付:June 05, 2011
ライセンス:CC BY

長きにわたり、メジャーレーベル経営陣は、フリー(Free)との競争は不可能だと主張してきた。しかし、YouTubeはその主張の誤りを証明している。彼らの音楽を無料で共有することで、毎月、数億回にわたって視聴されて、メジャーレコードレーベルは、数百万ドルの利益を手にしている。多くの人々にとって、YouTubeは「海賊版」のインセンティブを失わせる。しかし同時に、合法的な音楽セールスの機会も失わせているのかもしれない。

近年、音楽産業は劇的な変化の舞台となっている。パイラシーが全く関わらない場面でさえ。この10年、インターネット革命とMP3革命は、リスナーの音楽消費習慣を再定義した。

以前、音楽リスナーがアルバムよりもシングルを購入するようになってきていることをお伝えした。しかし、それとは別の、大きな変化が訪れている。これは、音楽産業全体に大きな影響を及ぼすのかもしれない。YouTubeなどの『フリーな』音楽ソースの存在によって。

5年、6年ほど遡れば、オンラインで自分の大好きなアーティストの曲を無料で聞きたいと思っても、選択肢はたった1つしかなかった。その唯一の選択肢こそ、パイラシーであった。しかし今日では、多種多様な合法的選択肢がある。そして、大多数の人々に選ばれているメディアが、YouTubeだ。

熱狂的な音楽ファンを喜ばせるのは難しいが、大部分のリスナーは、YouTubeにあるお気に入りの曲を無料で聞くという選択肢に満足している。また、Googleも、音楽ビデオが重要な収入源であると主張することはない。

では、レーベルはどうだろうか?彼らもハッピーなのだろうか?容易に答えられる疑問ではないが、考えてみる価値はあるだろう。

収益面では、YouTubeとVevoは莫大な収入源であると言える。メジャーレーベルは、こうした収益の分配契約についてほとんど明らかにはしてこなかったが、LimeWire裁判の最中、EMI Musicの最高財務責任者ポール・カーンは、YouTubeで音楽ビデオが再生されるたびに、EMIが0.5セント(half a penny)を受け取ると認めている。(PDF

0.5セントなんて大したことないじゃないか、と思われるかもしれない。しかし、それが数十億回に上るとなればどうだろうか。

EMIのトップ・アーティスト デヴィッド・ゲッタを例にとろう。YouTubeにアップロードされた彼のビデオは、この12ヶ月間に308,000,000回再生された。つまり、ただ1人のアーティストだけで、1,540,000ドルの収益があったということだ。

有料配信と比較してみよう。ゲッタとEMIが同じだけ稼ぐためには、シングルを200万回売らなければならない。

音楽産業団体IFPIの最新のレポートによると、メジャーレーベルの音楽ビデオは1ヶ月に17億回の視聴回数があり、その数は急速に増加しているという。Universal Music単独で12ヶ月間のYouTubeの視聴回数は、昨年5月の23億回から今年の5月には70億回と3倍にまでなっている。

これは驚くべき数字だ。フリーな音楽が少なくとも数千万ドルを生み出すのだから。

YouTubeの成功は、音楽パイラシーの代わりとなっている側面もあるかもしれない。大部分の人は、YouTubeにフリーな音楽があるため、海賊行為へのインセンティブを削がれてしまう。実際、BitTorrentでの音楽共有の人気は失速している。これは、YouTubeやその他の選択肢がオルタナティブになっているためである。

もちろん、BitTorrent音楽共有コミュニティが無くなってしまうとまではいかないが、カジュアルなダウンローダーは、YouTubeや他のストリーミングサービスをオルタナティブとして見ているだろう。

では、これはレーベルにとって素晴らしいニュースであるのだろうか?まぁ、慌てない慌てない。

毎月、YouTubeで数十億回視聴され、パイラシーを鈍化させたかもしれない。しかし、音楽産業のロジックに従うならば、実際のレコード・ミュージックの売り上げにも影響を及ぼしていると考えられる。彼らはこれまでずっと、海賊サイトの「フリーな音楽」が数十億ドルの損失を引き起こしていると主張してきた。YouTubeのフリーな音楽も同様の影響を及ぼしうる。

もちろん、大きな問題は、YouTubeから得られる収益が、音楽産業が主張する損失に見合うかどうかである。これも容易には答えられない問題はあるが、今後、レコード産業がどのようにして利益を上げていくかを定義する上で、パイラシーよりも遥かに重要な要因であることは確かだ。

TorrentFreakは、RIAAとBPIに、YouTubeが音楽セールスにどのような影響を及ぼしうると考えているのかを伺ってみた。しかし残念なことに、いずれからもコメントはもらえなかった。

コメントがもらえない以上、我々はこう結論づけるより他ない。これまで多くのレコードレーベル経営陣がしてきた主張とは異なり、フリーと競争することはできる、パイラシーでさえ競争できる、と。インターネットがもたらす結果がポジティブなものであるかどうかは、未だ定かではない。ただ、YouTubeは毎年、レーベルの収益の多くを占めるようになっている。

音楽ビデオ1再生につき0.5セント(half a penny)が、どれほど一般化できるのかはわからないなぁ。PDFのPage 834-836を読むと、被告弁護士に聞かれて、カーン氏がそうだと認めている、というところ。

この点については保留するにしても、リスナーの音楽リスニング環境は大きく変化していて、これまで手の届かなかった潜在的なリスナーに広くリーチできているという側面があるのは確か。YouTubeで万単位で再生数を伸ばせるアーティストは限られているとはいえ、レーベルのこれからにとって、重要な要因となりうる。

少なくともYouTubeで満足できる人であれば、YouTubeがなかったら購入していた人よりも、YouTubeがなければ聞くことはなかった人の方が遥かに多いのだろうね。それに、YouTubeで満足できる人と言っても、ただ1度だけ見て満足するわけではないのだしね。

楽曲無断使用のYouTubeビデオ、アーティストのアルバムセールスを伸ばす

以下の文章は、TorrentFreakの「‘Pirated’ Youtube Clip Boosts Band’s Album Sales」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:‘Pirated’ Youtube Clip Boosts Band’s Album Sales
著者:Ernesto
日付:July 27, 2009
ライセンス:CC by-sa

メジャーレーベルが本当のことを言っているのなら、彼らはYouTubeパイレーツ達のせいで数百万ドルを失っているのだろう。しかし、それは本当なのだろうか?アンチパイラシー団体が違法アップロードされた音楽を削除し、音楽をBGMとして使用するYouTubeクリップの音声を無効にしようとする一方で、バンドBarcelonaはビデオアップローダーに対し、自分たちの楽曲を使用してくれたことに感謝するビデオを掲載した。

日々、数十万のクリップがYouTubeにアップロードされ、その中には著作権で保護された音楽が使用されている。もちろん、メジャーレーベルはこうしたYouTubeユーザがホームメイドビデオにBGMとして音楽を利用するなどの違法アップロードのせいで人々がますます音楽を買わなくなることで利益を損ねていると主張する。

しかし、音楽ビジネスに関わるすべての人々が、こうした評価に同意するわけではない。インディーロックバンドBarcelonaは、彼らの最新トラックが100万ビューに達しようかというバイラルなビデオで使用されていたことについて、全く異なる反応を示した。彼らは、以下のビデオがアルバムセールスを上昇させ、コンサートの来訪者を増やしたと主張する。

Kuroshio Sea featuring the Barcelona track

彼らはこのYouTubeビデオの削除を要求するどころか、この『Kuroshio Sea』ビデオへのレスポンスビデオを投稿し、新たにファンになってくれた人たち、そしてオリジナルのビデオを投稿してくれたアップローダーに感謝の言葉を述べている。

「このビデオで僕らの曲『Please Don't Go』をフィーチャーしてくれたことを本当に光栄に思うよ。」とBarcelonaのリードシンガーBrian Fennellは言う。

さらにドラマーのRhett Stonelakeは「このビデオで僕らの曲を流してくれたおかげで、先週、僕らのレコード『Absolutes』はセールスはiTunes Storeのロックチャートをグングン駆け上がって行ったんだ。このことは是非ともみんなに知っておいてもらいたくてね。」と話す。

Barcelona’s response

レコードセールスが急上昇した以外にも、彼らはYouTubeでビデオを見てコンサートに足を運んだという新たなファンに出会ったのだという。それはオンラインで音楽をプロモーションする素晴らしい方法であり、優れたビデオと組み合わさればさらにその効果は顕著なものになる。

多くのアーティストにとっては残念なことに、RIAAやBPI、IFPIなどのアンチパイラシー団体は、YouTubeからすべてのコピーライテッドミュージックを排除せんと監視を続けている。そうした状況に苦しむ不幸なアーティストにCalvin Harrisがいる。彼は最近、音楽産業のロビー団体BPIと衝突した。

Harrisは、自身がYouTubeにアップロードしたクリップがBPIからの著作権クレームを受けて削除されたことを知り、「俺の曲に何しやがるこのクソ共が」とTwitter上にぶちまけた。

「ファッキュー『BPIさま』よぉ、テメーらのやってることなんざクソの役にも立ってねーんだよ」。Harrisはそれでも言い足りないとばかりに、BPIを「史上最悪の団体」、その従業員を「救いようのない無能」と罵倒した。

他の多くのアーティスト同様に、Harrisは自身の音楽を聞いて欲しいだけである。そして彼は、YouTubeにクリップをアップロードすることで、まだ彼の音楽を聞いたことのない人たちに聞いてもらえるかもしれないと考えているようだ。もし、人々が聞いて気に入ってくれれば、アルバムを購入したり、コンサートに来てくれるかもしれない。まさにそれがBarcelonaに起こったように。

YouTubeはバンドやアーティストにとって無料のプロモーションであり、収益を殺すのではなく、それをドライブする可能性を秘めている。メジャーレーベルやアンチパイラシー団体は、もう一度アーティストの声に耳を傾け、アーティスト自身が彼らのコンテンツの削除を望んでいるのかどうかを聞いてみるべきではないだろうか?

Calvin Harrisの件に関しては、彼のオフィシャルYouTubeチャンネルにアップロードされたものが削除されたのだろう。それに関連しているTwitterのログを見てみると…

Calvin Harris
@calvinharris
 Youtube just removed MY Fake Blood and High Contrast remixes of Ready For The Weekend due to a copyright claim from Sony Music. What?! RAGE(2009-07-21 08:14:47) link
Calvin Harris
@calvinharris
 Fake Blood and High Contrast mixes still havent been re-instated on Youtube, i'm still raging. Have to make do with this http://bit.ly/lKRw5(2009-07-23 04:10:59) link
Calvin Harris
@calvinharris
 Youtube have now removed the ORIGINAL mix and video of Ready For The Weekend, due to a 'copyright claim'.(2009-07-23 16:45:34) link
Calvin Harris
@calvinharris
 There are videos up there that other people have uploaded of the same song, and they haven't been removed!? But mine does!(2009-07-23 16:50:00) link
Calvin Harris
@calvinharris
 Fantastic use of time combating piracy by removing my own videos, what a fucking revelation. Fuck the Torrent sites, this is the way forward(2009-07-23 16:53:25) link
Calvin Harris
@calvinharris
 We already contacted them 3 DAYS AGO about the Fake Blood and High Contrast mixes and they've done nothing, just continued!?(2009-07-23 16:54:26) link
Calvin Harris
@calvinharris
 Yet the Dave Spoon mixes remain!? And all my other music videos. Again, if the BPI try to remove JAM TV i'm going to the House of Lords(2009-07-23 16:58:09) link
Calvin Harris
@calvinharris
 This is unbelievable, and it seems I am completely powerless to do anything. Sony have done nothing, the BPI have done nothing(2009-07-23 17:02:07) link
Calvin Harris
@calvinharris
 I'm going to drive my car into the big window in the BPI's offices on my way to the studio this morning(2009-07-23 17:02:41) link
Calvin Harris
@calvinharris
 I'm going to hire a 4x4 for the day so i make more of an impact, and hopefully reach the online monkeys at the back of the office(2009-07-23 17:08:14) link

彼がここまでぶちぎれている理由としては、数日前にも自身がアップロードしたクリップがSonyのクレームに従って削除されていたこと、その件について問い合わせをしていたものの返答がないこと、そしてその間に再び自身がアップロードしたクリップ、しかもオリジナルミックスが削除されたこと、自分がアップロードしたものが削除されたにもかかわらず、同じ曲をアップロードしている他のユーザのクリップはそのままであること等々が重なって、怒り心頭となってしまったようだ。終いには車(4WD)でカチこむぞバーローとまで。

ただ、Calvin HarrisのケースとBarcelonaのケースは若干異なっていて。Harrisは自分がアップロードしたクリップまで削除することねーだろ、ということに怒っているようにも思える。"Fuck the Torrent sites, this is the way forward"なんて言ってるのも、何から何まで是としているわけじゃないという印象を受ける。それでも他のユーザがYouTubeにリミックスアップロードすることは否定しないんだろうけど。

Barcelonaのケースは、比較的Creative Commonsを戦略的に採用しているアーティストに類似しているのかな。インディペンデントであるがゆえに抱えているプロモーションの問題を解決するための1つの手段として、UGC等で利用してもらうというところなのだろう。

いずれにしても、コントロールの効かないところでの動きがポジティブに働くことがあるという時代に、何から何までかっちりコントロールしようというのはナンセンスだよなぁと思ったりもする。

The Pirate BayのYouTubeキラー、ローンチはまだまだ先の模様

以下の文章は、TorrentFreakの「Pirate Bay’s YouTube Competitor is “Coming Soon”」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Pirate Bay’s YouTube Competitor is “Coming Soon”
著者:Ernesto
日付:June 27, 2009
ライセンス:CC by-sa

The Pirate Bayチームはビデオストリーミングサイトの開発を続けており、5年以内に一般公開することを目指しているという。The Video Bayでは、ユーザは著作権侵害によってネットを遮断されることを心配せず、ビデオを共有することができるようになる。これぞPirate Bayスタイルだ

The Pirate Bayチームが、ビデオストリーミングサイトに取り組んでいると最初に公表してから、2年以上が経った。しかし、彼らが取りかかっている他の大半のプロジェクト同様に、彼らが何に取り組んでいるのかを目にするまでには時間がかかっている。

プロジェクト名 The Video Bayは、数週間前に、ごく初期段階のテストバージョンとして一般に公開された。公開された当初は、ユーザはビデオを閲覧することができたが、現在ではできなくなっている。同サイトに書かれているアナウンスによれば、いずれは正式にローンチされるのだという。

「このサイトは実験的な遊び場であり、そんな感じで勢い(エン)コーディングされている。なので、サイトがうまく機能しないからといって、そんなに文句は言わないでね。」と同サイトのメインぺージにはある。

The Video Bay、テストモードでローンチ

サイトが正式に公開されるまでにどれくらいかかるのかは不明だ。The Pirate BayのTiAMOは、裏でやるべき仕事がまだまだあるとTorrentFreakに話してくれた。エンコーダー関連もまだ終わってはいないし、デザインも制作途中のものであるという。

The Pirate BayのスポークスマンPeter Sundeは、同サイトがオープンされるまでに長い時間がかかるだろうという点に同意した。彼は「いずれ公開されますよ。ただ、それは1年後になるか、5年後になるか。」と話す。

The Pirate Bayはビデオ・オーディオタグなどと特徴とするHTML 5や、ogg/theoraビデオ・オーディオフォーマットによる埋め込みなど最新のテクノロジーを実装しようとしている。しかし、ビデオストリーミングはP2Pテクノロジーを利用しないようだ。

いずれ同サイトがビデオストリーミング界隈でのメジャープレイヤーとなる可能性はあるのかもしれない。画像ホスティングサービスを提供するBayIMGのように。同サイトは、ユーザが共有を望むすべてのビデオを共有できるサイトとなる。もちろん、検閲されることはない。ハリウッドも喜んでくれるだろう。

Update: 現在、2本のプレビュークリップが利用可能となっている。試してみたい方は、HTML 5タグがサポートされている最新版のFirefox betaやSafari 4などのウェブブラウザでアクセスする必要がある。

上記にあげられたブラウザ以外では、Opera 9.52 previewやGooglge Chome 3が対応ブラウザとなっている。なおIEではいずれのバージョンでも視聴できないようだ。

試しにOperaにてアクセスしてみたものの、確かに現在作業中といった感じで、少なくとも機能としては魅力的なプラットフォームには見えなかった。この辺は、今後改善されていくのだろうが、まぁ、最も求められている機能は著作権クレームを無視してくれるという点だろうから、それほど多くは望まれていないのかもね。

なお、この記事はThe Pirate Bayの買収騒ぎ以前の記事である。

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