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ニュージーランド:スリーストライク法で初の有罪――権利者への損害賠償額は5.5ドル(505円)

以下の文章は、TorrentFreakの「First Kiwi File-Sharer Guilty, But Lack of Evidence Kills Large Fines」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:First Kiwi File-Sharer Guilty, But Lack of Evidence Kills Large Fines
著者:enigmax
日付:January 30, 2013
ライセンス:CC BY

ニュージーランドの著作権審判所は、あるインターネット加入者が無許諾で音楽をダウンロード、共有したとして、初となる罰を与えた。このケースはニュージーランド音楽産業協会(RIANZ)の勝利とも言えるが、彼らはその中身は満足はしていないだろう。音楽産業団体は多額の懲罰的損害賠償を求めたものの、証拠不十分として、その主張の大半は認められなかった。

2011年に施行されたニュージーランドの著作権侵害対策法――『Skynet』法であったが、しばらくは同法の犠牲者は出ずに済んでいた――昨日までは。

このケースには、同国ISP Telecomの女性加入者が関与していると見られており、発端は1年以上も前にさかのぼる。

背景

2011年11月24日、Telecomの著作権侵害対策チームはいわゆる『発見通知(detection notice)』を匿名の個人に宛てて送付した。そこでは、当該加入者がリアーナの『Man Down』という楽曲を共有していると述べられていた。これはIsland Def Jam Music Group(Universal)から寄せられたクレームに基づく通知であった。

2012年6月19日、女性加入者が再び同じ楽曲をアップロードしたことが発見されたことで、第二の『警告通知(warning notice)』が送付された。

その後、この女性加入者が今度はホット・シェル・レイの『Tonight Tonight』を共有していたとRCA Records(Sony Music)からクレームが寄せられたことで、2012年7月30日、第三の『執行通知(Enforcement Notice)』が送付された。

この最終『ストライク』の結果、2012年8月、この女性加入者のケースはニュージーランド著作権審判所に送られることになった。

翌月、女性は1つの楽曲に関するクレームを認めたものの、もう1つについては否定する答弁書を審判所に提出した。また、トレントクライアントの停止に困難が伴ったとも述べられた。

自白

「最初にダウンロードした曲はリアーナの『Man Down』です。これについては私の責任を認めます。違法なサイトからのダウンロードだとは知らずにこの曲をダウンロードしてしまいました」と彼女は答弁書に綴っている。

「この曲を私のコンピュータにダウンロードした時、uTorrentプログラムを使用しました。……私のコンピュータを起動した際、その曲はまだダウンロード中でした。同じ曲を2度登録したためだと思います。」

ホット・シェル・レイの楽曲については、不明なままである。

「私および私の家族はこの曲をダウンロードしてはいませんので、責任を認めることはできません。ただし、この曲を私のインターネットアカウントを使ってダウンロードした人物を発見したとすれば、その責任を負っていただきたいと思います」」と彼女は述べている。

有罪(しかし自白は助けにならず)

興味深いことに、著作権審判所はこのケースにおける調査結果が不十分であることを認めながらも、著作権侵害通知において指摘された個々のファイル共有の発生が実際の著作権侵害を構成する「制定法上の推定」にあたるとして、違法ファイル共有が行われたことを認めた。

罰金の計算

著作権審判所は現行法下では有罪になると判断し、罰金について検討を進めた。規則では、ダウンロードについては侵害された製品の価格が考慮されなければならない。Man DownはiTunesで2.39豪ドル(2.00米ドル)、Tonight Tonightは1.79豪ドル(1.50米ドル)で販売されている。

しかし、このケースはアップロード(配信)も含むことから、その分の上乗せも考慮する必要がある。RIANZとしては他のビットトレントユーザにアップロードした責任も課したかったところではあるが、著作権審判所はその提案に乗り気ではなかった。

「(RIANZ)が正しく認めているように、このケースではどれくらいダウンロードされたのか、とりわけこの加入者のアカウントによって当該録音物がどれくらいアップロードされたのかを知ることは極めて難しい。権利者は既存のインターネット監視サービスを用いているが、本件における楽曲をダウンロードした人物の詳細な数を特定することはできなかった」と著作権審判所は記している。

これを考慮して、著作権審判所は加入者に対し、Man DownのiTunesでの価格の2倍(2.39豪ドル×2)、Tonight Tonightについても同様の額(1.79豪ドル×2)――合計6.57豪ドル(5.49米ドル)をRIANZに支払うよう命じた。RIANZにすれば、有罪の裁定を得たことは喜ばしいものの、この点については失望しているだろう。

権利者に支払う罰金は少額に収まったものの、まだ2、3の問題を解決しなければならなかった。著作権審判所は、この加入者が警告通知の送付コストとして50豪ドル(42米ドル)、審判申請費用として200豪ドル(167米ドル)の支払いを命じた。

『抑止的な額』――と不十分な証拠

最後に「抑止的な額(deterrent sum)」の問題があった。これについては著作権侵害の「悪質さ」、侵害が当該作品の市場に与える影響、著作権審判所が命じる他の罰金の総額――の3点が考慮されることになっている。

RIANZはこの点について、この女性加入者がuTorrentをコンピュータにインストールし、8カ月の間に3度も侵害行為が検知されていること、RIANZが指摘した以外の著作権侵害行為をしていないとは「常識的に考えられない」ことを主張した。さらに、この加入者は著作権侵害をしないようにと警告した2つの通知を無視したとも述べている。

著作権審判所はこれに対し、これらの要素は今後審判所が扱うであろうケースにおいても共通する要素であるとしつつ、今回のケースは「特に目に余る」ものではないとした。また、長期間にわたって侵害が行われたことを認める一方で、この加入者が音楽を正規に購入していること、責任を認めていること、謝罪していること、審判に応じていることを挙げた。

著作権侵害の市場に対する潜在的な損害の影響については、RIANZの主張を裏付ける証拠がないとされた。RIANZはIFPIが英国で実施した2008年の報告書を提出していた。

著作権審判所は「この英国の報告書に重きをおくことはできないと考える」とした上で、この報告書では異なるビットトレントクライアントも含まれていること(uTorrentだけでなくAzureusも含まれている)、異なる作品を対象にしていること、個々の楽曲ではなくアルバム全体を扱っていること、5年近く前の調査であることなどを指摘した。

決定

著作権審判所はこれらの点を考慮して、1侵害につき120豪ドル、合計360豪ドル(301米ドル)を抑止的な額として、加入者に支払うよう命じた。

すべての額を合算すると、この加入者は616.57豪ドル(515.64米ドル=約4万7千円)を支払わなければならない。この額はRIANZが数年前、「スリーストライク」マシーンが稼働した際の皮算用とはかなり離れた数字であることは間違いない。

個人的には妥当な決定だと思う。ただ、今後頻度が高くなっていくのであれば、「抑止的な額」はもっと少額でも良いのではないかと思うけども。

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仏スリーストライク法:違法ダウンローダーの同居人にHadopi初の有罪判決が下される

以下の文章は、TorrentFreakの「French 3 Strikes: Court Fines First File-Sharer, Even Though He's Innocent」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:French 3 Strikes: Court Fines First File-Sharer, Even Though He's Innocent
著者:enigmax
日付:September 13, 2012
ライセンス:CC BY

論争を引き起こしているフランスのアンチパイラシー法『Hadopi』は今日、最初の獲物を捕えた。40歳の男性が複数回の著作権侵害に彼のアカウントが関係していたとして、法廷に立たされた。問題となった音楽著作権侵害が第三者によって行われたことが認められたにもかかわらず、裁判官はアカウント保有者に罰金を科す判決を下した。

フランスはおよそ2年間にわたって、オンライン・デジタルメディアの著作権侵害問題に対処することを目的として、賛否が分かれる「スリーストライク」メカニズムを実施してきた。

著作権侵害を疑われたユーザは、処罰を受ける前に3度の警告を受け、自らの行為を改めるか、もしくは自らのアカウントに著作権侵害のログが残らないような手段を講じるかする猶予が与えられる。

Hadopiが施行された2010年10月以降、権利者は合計300万の国内IPアドレスを収集した。そのうち、Hadopiは115万のユーザに「ファーストストライク」、102,854ユーザに「セカンドストライク」の警告を送り、そして340ユーザが「サードストライク」を宣告されることになっている。

Hadopiはこのうち、14の事件についてフランス検察に委ねた。本日、フランス東部の小さな村に住む職人が、継続的な海賊行為を行ったとして、初めて裁判所に召喚された。彼は最高1500ユーロの罰金が科せられる可能性があった。

PCInpactのマーク・リーによれば、「彼はHadopiから3度の警告を受けていたが、警告には従わなかった」という。

この男性への最初の警告について詳細はわかっていないが、興味深いことに、彼は法廷で自身がダウンロードすることはできず、著作権侵害には関与していなかったと主張した。彼の主張を裏付けるため、実際にファイル共有を行った人物を連れてきた。

実際に著作権侵害を行ったのは、離婚係争中の妻であった。彼女はリアーナの楽曲をダウンロードしたことを認めた。しかし、妻の証言によって彼はさらに不利な立場に立たされたかもしれないとNumeramaのギヨーム・シャンポーは言う。

「妻がコンテンツを違法にダウンロードしていることを知りながら、彼はそれを止めなかったと証言したことになります。その証言が彼自身の罪を認めることになったのです」とシャンポーはTorrentFreakに語った。

Hadopi法では、誰が著作権侵害を行ったかは重要ではなく、インターネット接続の契約者がその接続において行われた著作権侵害について責任を負う。

法廷 (le Tribunal de Police de Belfort) は、この男性がインターネット接続の管理を怠ったとして有罪判決を下した。検察は300ユーロの罰金と執行猶予付きの150ユーロの罰金を求めていたが、法廷は150ユーロの罰金を科す判決を下した。

法廷はインターネットの切断については認めなかった。

補足しておくと、Hadopi法では、実際に著作権侵害をしたユーザに対する刑罰と、自身が契約しているインターネット回線を明らかに過失によって著作権侵害に利用されたユーザに対する刑罰が規定されている。

今回の場合は後者に該当し、最高1500ユーロの罰金、1ヶ月間のインターネット接続の停止が科せられる。ちなみに、前者は最高3年の懲役、30万ユーロの罰金が科せられる。

Hadopi法については、以下の記事がわかりやすいので、参考までに。

第7回:フランス大統領選と違法DL取り締まり-HADOPIの終焉永澤亜季子のパリ発・フランス知財戦略(日経BP知財Awareness)

仏スリーストライク法、著作権侵害を激減させるも売上は上がらず

以下の文章は、TorrentFreakの「French 'Three Strikes' Law Slashes Piracy, But Fails to Boost Sales」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:French 'Three Strikes' Law Slashes Piracy, But Fails to Boost Sales
著者:Ernesto
日付:May 30, 2012
ライセンス: CC BY

仏スリーストライク法の影響に関する新たな報告書によると、昨年、フランスのインターネット海賊行為は半分に減少したのだという。世界中のロビイストたちがこの結果をネタに政治家にアピールしようと準備を進めているところだろう。しかし、この報告書には触れられていない事柄がある。確かに海賊行為は減少した、しかし、合法的な購入チャネルからの収益も減少したのだ。これまで海賊行為こそ収益減少の主因であると主張されてきたというのに、不思議なこともあるものだ。

著作権産業にとって、実に素晴らしい1日だろう。フランスの「段階的レスポンス」法(Hadopi)が、違法ファイル共有を吹き飛ばしたのだ。

独立機関Hadopiは新たな報告書を公表した。ご丁寧にも、世界中のロビイストたちが使えるように英語で書かれている。

「あらゆる関係方面をカバーしたベンチマーク調査の結果、違法P2Pダウンロードの明確な減少傾向が示された。ストリーミング技術やダイレクト・ダウンロードといった使用形態への大規模な移行は確認できない」

報告書では各種統計を引用し、2011年中の「海賊版」サイトへの訪問が29%減少、違法ファイル共有トラフィックも66%減少したという。実に印象的な数字を並べ、Hadopiはスリーストライク法の直接的な影響であると指摘する。

報告書で示された統計の妥当性についてここで異議を唱えるつもりはないが、同報告書において語られなかったことについて指摘する価値はあるだろう。重要な何か。

10年以上も前から、エンターテイメント産業は、デジタル・パイラシーこそ収益を徐々に減らしている主因であると主張してきた。では、フランスの海賊行為が大幅に減少したとなれば、収益が急上昇したと考えてもよいはずである。しかし、そうはならなかった。

フランス音楽産業を見ると、2011年は収益全体で3.9%減少している

同様に、フランス映画産業は、2011年に収益を2.7%減らし、依然として厳しい状況にある。皮肉にも、産業関係者はこの減少をオンライン・パイラシーのせいにしさえした。

まとめると、Hadopi報告書によれば、2011年のオンライン・パイラシーは半分に減少した、こうした先例のない減少にもかかわらず、音楽産業・映画い産業は2010年よりも収益を落とすことになった。この10年間、アンチパイラシー・ロビーが用いてきたロジックに従うならば、海賊行為が実はセールスを押し上げていたことになる。

もちろん、馬鹿げた理屈であることは承知している。

これまで我々が述べてきたように、エンターテイメント産業は極めて重大な第三の要因、つまり、テクノロジーを見落としてきたのだ。たとえば音楽産業では、高い利益を生み出すCDは、それより利益を生まないMP3やサブスクリプション・サービス、YouTubeなどの無料ストリーミングサービスに置き換わっている。

インターネットが音楽産業に革命をもたらしたと言っても過言ではない。

明らかに、ファイル共有はこのデジタル革命の副産物である。しかし、その収益に対する影響は大げさに誇張された。たとえ海賊版と競合するデジタルセールスが上昇を続けても、音楽産業は問題の原因を海賊行為に押し付け続けてきた。

フィジカルからデジタルへのフォーマットシフト、そしてそれに伴う購入習慣の変化ではなかったのか。そして、それは海賊行為以上に収益の減少を説明しうるものではないのか。Hadopi報告書はその可能性を示唆している。

もちろん、アンチパイラシー・ロビーは、この報告書をそのようには使わないだろう。それは自分のビジネスを殺すことになるからだ。そのかわり、彼らは非常に有効なアンチパイラシー戦略はどのようなものかを示すためにこの報告書を用いる。そして、フランスと同様の厳しい法律の導入を求めて、世界中でロビー活動を続ける。

記事内でリンクされたTelecomPaperの記事がなかなか面白い。2011年の仏デジタル音楽市場は、前年より25%伸びて1億1000万ユーロ、うちダウンロード配信は5600万ユーロ(+18.4%)、ストリーミング・サブスクリプションサービスは3900万ユーロ(+73%)、着信メロディは1400万ユーロ(-7%)。サブスクリプションサービスではSpotifyとDeezerが強く、合わせて2600万ユーロ(+89%)。2011年の合法ダウンロード配信サイトへのアクセスは、前年より19%上昇(3970万→4740万)。

一方、フィジカル音楽市場は減少を続け、4億1200万ユーロ(-11.5%)。デジタル、フィジカルを合わせた全体では3.9%の減少、と。

スリーストライク法の影響とデジタルシフトの影響とを切り分けることは難しいが、少なくともデジタルへの移行が進む中では、規制を強化してもフィジカルに戻ることは期待できない、と言えるのかもしれない。

米大手ISP各社、今年7月よりスリーストライク・スキームを導入か

以下の文章は、TorrentFreakの「ISPs To Begin Punishing BitTorrent Pirates This Summer」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:ISPs To Begin Punishing BitTorrent Pirates This Summer
著者:Enigmax
日付:March 15, 2012
ライセンス:CC BY

今年7月より、米国の大手インターネット・サービス・プロバイダが、オンライン著作権侵害対策を講じる著作権者への支援を開始する。コムキャスト、ベライゾン、タイム・ワーナー・ケーブルなど主要ISPは、昨年交わされた了解覚書(MOU:Memorandum of Understanding)の規定に基づき、彼らの義務を果たすことになる。これにより、数百万のISP加入者に著作権侵害警告が送付されることになるだろう。

昨年6月、長く苦しい交渉の末、RIAA/MPAAと米国の大手インターネット・サービス・プロバイダとの間で、インターネットにおける著作物の無許諾共有への対策について合意が交わされた

この協定では、レコードレーベルや映画スタジオなどのコンテンツオーナーが、BitTorrentを含むピア・ツー・ピア・ネットワーク上の著作権侵害を監視、発見された事例についてインターネット・サービス・プロバイダに報告することになっている。ISPは、通知、警告、そしてその他の措置という段階的なシステムを通じて、著作権侵害を疑われた加入者を「教育」する措置をとることに合意した。

当時はビッグニュースとして扱われ、非常にホットな話題ではあったのだが、2011年中頃からその進捗状況はほとんど報じられなくなった。当初の発表では、ISPが昨年末までにこの警告システムを実施することになっていたが、実際にはそうはならなかった。

しかし、同スキームを管轄する著作権情報センター(CCI:Center for Copyright Information)によると、前関係者間で今年7月12日の開始を目指して調整を進めているという。

「CCIメンバーは、消費者を教育し、著作権泥棒を防止するための協働システムの開発を順調に進めております」とスポークスマンはTorrentFreakに語った。

「CCIは先例のないシステムを実現するために取り組んでおり、了解覚書に従って進めております。近いうちに、私たちは[アンチ・パイラシー監視]パートナーの名前や、CCIやそのテクノロジー・パートナーがどのように協働するかの詳細を含めて、アナウンスする予定です。

CNETによると、こうした前向きな見通しは、RIAA会長ケアリー・シャーマンによっても確認されている。

シャーマンは昨日開催された米国出版社協会(Association of American Publishers)の年次総会において、(コムキャストやケーブルビジョン、ベライゾン、タイム・ワーナー・ケーブルなど)大手ISPの『ほとんど』が、いわゆる「段階的レスポンス」(スキーム)に加わったと述べた。

シャーマンは、このプロセスは決して容易なものではないと言う。ISPは著作権侵害を繰り返すユーザ(まさにレーベル、スタジオが行動を変えたい人たち)を追跡するために独自のデータベースを構築しなければならない。では、来る7月、大手ISP加入者たちはどのような変化を迎えるのだろうか。

P2Pファイル共有以外では、おそらくほとんど通知を受けることはないだろう(サイバーロッカーでの共有はカバーされない)。もちろん、このスキームが導入されることで、ISP料金が値上がりするといった影響は不可避だろうが。

EMIやソニー、ユニバーサル、ワーナーなどのポピュラー音楽、ディズニー、ソニー、パラマウント、20世紀フォックス、ユニバーサル、ワーナーの映画をダウンロードしている人たちにとっては、状況は一変するだろう。

昨年6月に公表され、ホワイトハウスや議員らに支持された了解覚書(MOU)の下、ISPは著作権侵害を疑われたユーザに勧告を送付する。

最初は『初期教育的ステップ(Initial Educational Steps)』と呼ばれる段階で、加入者は、著作権侵害が違法であり、ISPの利用規約違反であること、合法的な選択肢が存在すること、さらに著作権侵害を継続した場合にはISPアカウントの停止または終了もありうる、という勧告を受け取る。

次の段階は『確認ステップ(Acknowledgment Step)』と呼ばれ、上記勧告後に再び権利者から加入者に対し著作権侵害の報告があった場合、ISPは著作権警告(Copyright Alert)を送付する。加入者はその警告を受領したことを確認し、今後、自身のアカウントで違法な活動をしないことを誓約しなければならない。

こうした『教育的』試みに失敗すると、ISPは軽減措置著作権警告(Mitigation Measure Copyright Alert)を送付できるようになる。この通知では、加入者は再度確認を求められ、以前の警告を受け取っていること、ISPの利用規約に従い、加入者のアカウントに対して『軽減措置』が適用されることが告げられる。

軽減措置には、アップロードないしダウンロード速度の抑制、サービス品質の一時的な制限(ダイヤルアップよりちょっとマシな程度に)、加入者が更なる『教育』を受けられるためにライディング・ページのリダイレクト、そしてアカウントの停止などが含まれる。ISPはアカウントの停止に関して未だ合意しておらず、また、VOIP、電子メール、セキュリティ、テレビサービスの停止についても合意してはいない。

コンテンツ産業とISP業界との間で交わされた合意は、あくまでも任意であり、法的義務を負うものではなく、このスキーム実施の根拠となるのはISPの利用規約となる。

繰り返し警告をうけた加入者への措置として、アカウント停止ないし終了が選択肢に挙げられているが、これについてはコンセンサスがとれているとは言いがたく、またISP側に裁量が認められているため、ISP側も積極的には選択したくはないというところだろう。

日本でも類似したスキームが既に実施されている。ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)の活動がそれに当たり、現在のところは、啓発(メールでの通知)を目的とし、速度抑制やアカウントの凍結、停止などは行われてはいない。

CCIFでは、ISP業界団体と著作権団体との間で、ファイル共有ソフト(Winny、Share)を著作権侵害用途で利用するユーザに向けた啓蒙スキームを構築している。おそらく、日本においてスリーストライク(段階的レスポンス)制度が導入された暁には、このスキームがスライドしていくことになるのだろう。

英控訴院、デジタルエコノミー法司法審査でISPの訴えを退ける

以下の文章は、TorrentFreakの「UK File-Sharers Face Disconnections After Appeal Court Ruling」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:UK File-Sharers Face Disconnections After Appeal Court Ruling
著者:enigmax
日付:March 06, 2012
ライセンス:CC BY

英国のインターネット・サービス・プロバイダBTとTalkTalkは、デジタル・エコノミー法に対する異議を申し立てていたが。しかし、高等法院は政府を支持し、ISPは敗訴した。その後ISP側は同法がEU法と矛盾すると主張して控訴したものの、今朝、英国控訴院は彼らの控訴を棄却した。著作権者はこの判決を歓迎しているが、インターネット加入者は警告や切断、速度低下の危機に直面することになる。

英国最大手の2つのインターネット・サービス・プロバイダが、デジタル・エコノミー法に異議を申し立てたことで、その後1年間、同法は不確定な状態にあった。BTとTalkTalkは、問題の法律がEU法と相容れないものであると主張し、2011年3月、高等法院は司法審査を開始した。

2011年4月、高等法院は政府を支持し、著作権者には違法なファイル共有に対処する権利があるとした。しかし、2011年10月、デジタル・エコノミー法が複数のEU指令に違反する可能性があるという理由から、ISPは控訴の許可を得た。

たった今、控訴院のアーデン判事、リチャード判事、パッテン判事は、ISPの申し立てを棄却するとの判決を下した。つまり、デジタル・エコノミー法が有効になるということだ。

TalkTalkはこの判決に「失望した」として、BTと共に、別の選択肢を模索していると話している。一方、著作権者団体は、控訴院の判決を歓迎。

「ISPの申し立てが棄却されるまでに1年を要しました。これは、英国のミュージシャン、クリエイターが違法ファイル共有からの危害を1年間余計に加えられたということです。」とBPIのCEOジェフ・テイラーは言う

今回の判決により、英国のインターネット・サービス・プロバイダは、ファイル共有ネットワークにて著作権を侵害したと音楽、映画、ソフトウェア産業が主張する加入者に警告文書を送付しなければならなくなる。

英国情報通信監督機関Ofcomは、この警告文書送付スキームの開始から1年後に、このキャンペーンの結果を報告しなければならない。違法ファイル共有の減少に効果がないとみなされた場合には、いわゆる「技術的手段」が導入される。つまり、インターネトの切断や帯域制限が行われることになる。

同法への反対キャンペーンを展開するOpen Rights Groupは、控訴院の判決には欠点があると指摘する。ORGのピーター・ブラッドウェルは「裁判所は我々に、これは良い法律だなどとは言えないのです。文化・メディア・スポーツ省がデジタル・エコノミー法を起草した際、彼らは2,3の業界団体から提出された数字以外に、何ら証拠を示してはいません。適切な事実や分析によってではなく、伝聞や憶測に基づいた政策なのです」との声明を公表した。

「非常に重大な問題が残されています。公開されたWi-Fiが危険に晒されるということです。不十分な証拠であっても、人々を著作権侵害で訴えるために用いることができるようになります。人々はこうした追求から身を守る特権を得るため、20ポンドを支払わなければなりません。政府は、根拠に基づく適切な法の審査を行い、こうした誤りを修正しなければなりません。」

国際法律事務所Taylor Wessingの著作権弁護士アダム・レンドルは、BTとTalkTalkは英国最高裁判所に上告するのではないかとBBCにコメントしている。

ORGピーター・ブラッドウェルのいう20ポンドが何を指しているのかよくわからなかったが、匿名化にかかるコストのことかな?

それはさておき、この裁判では警告スキームに関わるコスト負担についても争われていた。ISP側は、自分たちは「単なる導管(mere conduit)」であり、著作権者による違法ダウンロードの抑止のために費用を負担させられるのは不当だと主張していた。Guardianによれば、ISP側の主張は退けられ、警告機関(appeals body)の設立にかかる費用、違法ダウンロードを疑われる加入者の特定にかかる費用、警告機関の処理手数料のそれぞれについて、25%の負担を求められた。権利者はそれぞれ75%の負担するとされた。

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