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あなたのCCコンテンツをコピペしてるのは誰?Tyntトレーサー・ツールで追いかけてみよう

以下の文章は、CreativeCommons.orgの「Who is Copying and Pasting Your CC Content? Discover More With Tynt’s Tracer Tool」という記事の翻訳である。なお、翻訳文は「みんなの翻訳」にてmabakoさんが翻訳されていたものを掲載する。

原典:CreativeCommons.org
原題:Who is Copying and Pasting Your CC Content? Discover More With Tynt’s Tracer Tool
著者:Fred Benenson
日付:July 24, 2009
ライセンス:CC BY

翻訳者:mabako
翻訳文:みんなの翻訳
ライセンス:CC BY

もしあなたが、昨日私たちのブログからテキストをコピーした数十人の一人なら、ペーストしたときクリップボードに余分なテキストがくっついていたことに気づいたかもしれません----私たちのサイトへのリンクと、コンテンツを提供しているライセンス(私たちの場合「表示」)です。これは、Tyntトレーサー・ツールをブログにインストールしたからで、このツールはちょっとしたJavascriptの技を使って、属性と、それから今のところCCライセンスをサイトからコピーされたコンテンツに付与するものです。

どんな風に機能しているのか知りたいなら、私たちのブログからどこでもいいからテキストの一部を選んでどこかにペーストしてください。リッチ・テキストエディタ(ほとんどのWYSIWYGのHTMLエディタやGmail)ではハイパーリンクが保たれますが、通常のテキストエディタでもテキストは見えます。

コモンズのコンテンツを作り提供する人には、「表示」の権利がありますから(CCライセンス6種類すべてがそれを要求しています)、オーディエンスがその情報を簡単に提供できるようにしてはどうでしょうか?

トレーサーを自分のサイトにインストールして設定するのは簡単です。サイトに行って、自分のドメインのアカウントを作り、作品を公開しているCCライセンスを選んで、javascriptのタグをページのフッタに埋め込むだけです。そうすれば、トレーサーのダッシュボードから、どのテキストやイメージが自分のサイトからコピペされ、どこで使われているかを見ることができます。

また、ご心配なさらないよう。付加されるマークアップはテキストです。ティントのツールは再利用者に何かを強いるわけではなく、適切な「表示」とライセンス通知を示す有用な付加的情報を提供するだけです。

へぇ、これはなかなか面白いね。この文章だけだとわかりにくいけれど、実際にこの原文エントリの一部(最初のパラグラフ)をコピペしてみるとよくわかるだろう。

If you’re one of the couple dozen people who copied text off our blog yesterday, you may have noticed some more text accompany your clipboard when you pasted it ― a link to our site and the license (Attribution) we’ve offered our content under. This is because we’ve installed Tynt’s Tracer tool on our blog which uses a bit of javascript wizardry to concatenate attribution and, as of now, particular CC license information to content copied from our site.

斜体にした部分(実際には斜体ではないが便宜上)がコピペした際に加えられる部分。原典へのURL(リンク)とライセンスが自動的に挿入されることになるようだ。また、そのようにしてコピペされると、どれくらい、またはどのサイトで引用、利用されたのかがわかる、と。以下のデモビデオでもわかるように、CC用のツールと言うよりは、CCにも対応したツール、といったところだろうか。

もちろん、コピペする側がこれを許容するかどうかは任意で、気にくわなければ斜体の部分(div要素)を削除すればよい。まぁ、不正に利用しているのでもなければ、あえて消さなくても良さそうなものだけどもね。当ブログでも導入できそうだけれども、個人的には要望がなければ必要ないかなと思っている。

なお、今回の記事の翻訳文はmabakoさんが翻訳し、みんなの翻訳に掲載したものをそのまま利用させてもらった。Creative Commonsのコンテンツって、使われてナンボですから。

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無料で入手できても購入を選択する人々:NINのCCアルバム、Amazon MP3ストアの2008年ベストセラーアルバムに

以下の文章は、CreativeCommons.orgの「NIN’s CC-Licensed Best-Selling MP3 Album」という記事を翻訳したものである。

原典:CreativeCommons.org
原題:NIN’s CC-Licensed Best-Selling MP3 Album
著者:Fred Benenson
日付:January 5, 2009
ライセンス:CC by

NINのCreative CommonsライセンスアルバムGhosts I-IVが、最近数多くのヘッドラインを飾っている。

先ずはじめに、同アルバムは批評家たちから賞賛を受け、グラミー賞の2部門にノミネートされている。これは同アルバムの音楽作品としての素晴らしさを示すものだろう。しかし、さらに我々を驚かせるのは、このアルバムがいかに音楽ファンに受け入れられたか、ということ。リリース第1週で160万ドル以上の収益を生み出したのみならず、Billboard Electronicチャートの第1位に輝き、Last.fmでは5,222,525回以上scrobbleされ、アルバム・オブ・ザ・イヤーの第4位につけた

しかし、さらにエキサイティングなのは、Ghosts I-IVがAmazon MP3ストア2008年最も購入されたMP3アルバムに輝いたことだろう。

少し、これについて考えてみよう。

NINファンはこのCC-BY-NC-SAアルバムを、合法的にファイル共有ネットワークから入手することができる。実際多くの人がそうしたし、現在でも数千人の人が共有を続けている。しかしではなぜ、ファンはファイル共有ネットワークでも手に入るファイルを購入する気になったのだろうか?1つの説明としては、NINのサイト、Amazon MP3ストアが便利で利用しやすいから、と考えられる。しかし、別の説明としては、ファンが、MP3の購入を自分の好きな音楽やミュージシャンのキャリアを直接サポートするものとして理解しているためであるとも考えられる。

もし、CCで音楽をリリースすることはデジタルセールスを食いつぶす、なんて主張する人に出会ったら、Ghosts I-IVがそのルールを打破したことを思い出して、このエントリを見せてやって欲しい。

もちろん、既に人気を確立しているNine Inch Nailsだからこそというところもあるのだけれど、それでも無料で手に入るにもかかわらず、お金を支払って購入した人が多数いたことは驚きに値する。無料で入手できることが、必ずしもペイを妨げるというものではない、という1つの例とも言える。

ここでも言われているが、1つには利便性からの説明も可能だろう。アルバム『Ghost I-IV』は、300ドルのウルトラデラックスパッケージ、75ドルのデラックスパッケージ、10ドルの2枚組CD、5ドルのダウンロード、そして4部作中第1部のフリーダウンロードが提供されており、公式にはフルで無料ダウンロード、というわけにはいかない。もちろん、CC by-nc-saでライセンスされているので、BitTorrentやオンラインストレージなどを通じて入手することも可能ではあるが、日頃そうしたものの利用になれていない人にとっては、わざわざ探したり、クライアントを導入する手間をかけるよりなら、Amazonで購入した方が楽でいい、と思えるのかもしれない。

それに『加えて』、Nine Inch Nailsのこうした『リスナー考を考えた戦略』に対して、音楽ファンはサポートしたいという感覚を得ることだろう。そうした感覚が、購入へとさらに後押しする。

さらにもう1つ説明ができるのだとすれば、『GhostI-IV』が人気ダウンロードアルバムとしてフィーチャーされていることで、こうした事情をよく知らないAmazon利用者にもリーチすることができた、ということも考えられるだろう。そして、同アルバムの価格設定は5ドルと、一般的なAmazonのアルバム価格8.99-9.99ドルよりも遙かに手が出しやすい価格であったことも影響したかもしれない。(さらに別の可能性としては、『Ghost I-IV』はアラカルトでの購入ができず、アルバムのみの購入となっていること、同アルバムがアラカルトでの購入を動機づけられないようなトータルなアルバムであったことなども、アルバム購入を促した理由であるとも考えられる。)

いずれにしても、ユーザとしては非常に手が出しやすいように設計された戦略であるといえる。無料のものよりも利便性が高く、さらにサポート感覚を満たしてくれ、その上、手ごろな価格である、それらが合わさってこうした結果を生み出しているのだと思っている。

当初、私はこうした戦略がフィジカルセールスやライブ、グッズ販売へと繋げるために、ダウンロードセールスを捨てることになるのではないかと思っていたが、必ずしもそうはならないことをこのケースは示している。もちろん、同じことをすればNINのような成功をえられるというわけではない。一部にはNine Inch Nailsのフロントマン、Trent Reznorの確立されたカリスマ性がそうさせるところもあっただろう(さらに言えば、そのTrent Reznorでさえ、失敗を経験している)。

ますますレコード産業は低迷から脱せず、ますます困難な時代を迎えつつあるのだろうが、しかし八方手を尽くして今に至っているわけではない。まだまだ時代の先端をいくどころか、追いついてさえいないという感もある。そう考えると、レコード産業には未だ多くの可能性が残されているとも言える。その可能性に期待したい(先日、お伝えしたSpotifyへのメジャーレーベルの参加もそのための一歩と考えられるだろう)。

Jonathan Coulton:「Creative Commonsは喜びの掛け算みたいなもの」

以下の文章は、CreativeCommons.orgの「Commoner Letter #3: Jonathan Coulton」という記事を翻訳したものである。

原典:Creative Commons
原題:Commoner Letter #3: Jonathan Coulton
著者:Melissa Reeder
日付:November 17, 2008
ライセンス:CC by


Jonathan Coulton; photo by Del Far under CC BY 2.0

私たちのコミュニティへ。私たちが次のコモナーレターでフィーチャーするのは、CCモデルがミュージシャンにとってうまくいくことを証明したアーティスト。Jonathan Coultonのキャリアは、彼の音楽をファンと共有するところから始まった。それも単に聴覚的な共有というのではなく、私たちのライセンスを用い、デジタルに、そして意味を持った形で共有することから。私たちは今年、Jonathanとともに、新しい刺激的なCCアイテム―彼の音楽とトラックソースが入ったUSBジャンプドライブ―の提供に向けて取り組んできた。それでは、彼の心を込めたコモナーレターをここに紹介しよう。私たちの新しいジャンプドライブの情報も話してくれている。これらのメールレターを受け取りたいという方は、こちらからご登録を。

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Dear Creative Commoner:

僕が初めてCreative Commonsを知ったのは、2004年のカンファレンスでのLawrence Lessigのスピーチで。僕がそこにいたのは、フューチャリストやスーパーサイエンティストのオーディエンスを前に、未来、復讐、ロボットアーミーについての馬鹿げた歌を歌うために招待されたからだった。それを聞いて私は少し怖くなってね―その頃、僕はインターネットで名前が知られてなかったから。その当時、僕はまだ以前の仕事を続けていて、30代中頃の職業プログラマがどうやって音楽を作って生計を立てていくことができるかを模索してた。Lessigはいつものプレゼンテーションで(でも僕にとっては、それまで目の当たりにしたことのない、そして未だに僕にとって最高のPowerPointカンフー)著作権の歴史や、Creative Commonsのゴールについて説明した。講演が終わり、皆がランチに出て行く中、僕は頭が燃えているかのような感覚に襲われていた。僕がこれまで聞いた話の中で、最も刺激的なアイディアだったから。

当時、僕がフルタイムで音楽に取り組むことができなかったのは、将来の見通しが全く立たなかったからなんだ。音楽を作る、何かが起きる、お金を儲ける、それが僕が考えることのできた限界だった。Creative Commonsは僕の中にあったギャップを埋めてくれたんだ。もちろん、インターネットのことは知ってたけど、リミックス文化、ファイル共有、ファンクリエイトコンテンツに気づいている程度だった。でも、Creative Commonsライセンスの考え方、自分で作ったアート作品にライセンスをつけることができて、自分の意図―たとえば、私の音楽を共有して、リミックスに使って、ミュージックビデオに使って下さい―を明言することができるってアイディアはすごい説得力があったんだ。自分の楽曲に翼を与えることができるんだ、それでその楽曲たちは世界中のいろんなところに羽ばたいて行って、僕が届けられるとは夢にも思っちゃいない人たちにまで音楽を届けることができるんだ、そんなアイディアに僕はゾクゾクしたし、すごく励まされた。すぐに自分の楽曲にCCライセンスをつけたよ。その1年後、僕はフルタイムで音楽を作るために仕事を辞めた。

CCが僕のミュージシャンとしてのキャリアにどれくらい貢献したのかを大げさに言うのは難しい。2005年に僕はThing a Weekっていうプロジェクトを開始した。そのプロジェクトは、毎週1曲新曲を作って、それを自分のウェブサイト、ポッドキャストフィードでリリースする、その全てをCreative Commonsでライセンスする、というものだった。その年を通じて、オーディエンスは増え続け、彼らは僕の音楽をベースにして作ったもの―ビデオ、アートワーク、リミックス、カードゲーム、塗り絵―をフィードバックしてくれるようになった。こうしたファンメイドのTorrentのいくつかは行方がわからなくなっちゃったし、単に僕の音楽を友だちと共有しているだけの人たちがどれくらいいたのか全くわかりようもない。でも、僕が今、こんな風に生活していられるのも、そのほとんどがCreative Commonsのおかげだってことは確信してる。実際、それがオーディエンスが僕のことを知るきっかけにもなってるんだ。たとえば、YouTubeにアップロードされたファンメイドのビデオ、中には数百万回も視聴されているのだってある。これは潜在的なファンに対してものすごい露出になるよね。それも、僕は1セントだって支払っていないってのに。

もしあなたがアーティストなら、自分のしてることを好きだって言ってくれるファンからの連絡は本当に素晴らしいこと。でも、もっとスリリングなのは、自分の作品を元に、何か新しいものを作ろうとしてくれること。自分の創造的な作品が、誰かにもっと創造的な作品を作ろうとインスパイアする、それはあなたの大切な曲に子供ができたようなもの。僕にとってその子供の一人がYouTubeのビデオで、それは百万の人々に視聴されている。Creative Commonsは喜びの掛け算みたいなものかな。誰かが評価してくれたとしたら、あなたが作った作品は世界に加えられる。でも、それが新しい作品をインスパイアするたびに、カルマクレジットを手に入れることにもなる。それは繰り返していく。これが僕がCreative Commonsの気に入ってるところかな。創造の行為には終わりないけど、コラボレーションって形で全くの他人同士を結びつけることで、創造プロセスの始まりになる。僕にとって、それは芸術や文化がどうあることができるかっていう部分に深い満足と美しいビジョンを与えてくれるものなんだ。

そういうわけで、僕はCreative Commons 2008キャンペーンをサポートするために、Thing-A-Weekの楽曲でグレイテストヒッツアルバムをリリースすることにしたんだ。CCグリーン1GBジャンプドライブに未リリースの『JoCo Looks Back』アルバムだけじゃなく、収録されてる全20曲のミックスされてないオーディオトラックを入れてリリースするために、僕らは手を組んだ。このドライブは全コンテンツがCC BY-NC-SAでライセンスされてて、12月31日までCreative Commonsサポートサイトでだけ提供されている。$50+を寄付すれば、手に入れることができるよ。

評価されるだけなら足し算だけど、それを使って誰かに新たな創作をしてもらうことで、乗算になる、というのは面白い考え方だなぁ。

もちろん、Jonathan Coultonと同じことをすれば、必ず成功するってわけじゃない。ただ、同じことをすることで、成功する可能性を得ることはできるだろう。何を目標とし、どうあることを望むかは人それぞれであるが、少なくともそこにいたる道のりは戦略的でなければならない(たとえば、上記のコンテンツ創造の連鎖は『SA(継承)』が付いていることで続いていくわけで)。その戦略の1つにCreative Commonsを利用したルートがある、という程度に考えればよいだろう。

まぁ、それはそれとして、Jonathan Coultonは以前から有名なCCミュージシャンの1人であるが、私が彼のファンになったのは、Creative Commonsとは全く関係のない『Portal』というゲームから。このゲームのエンディング曲"Still Alive"をJonathan Coultonが作曲しているのだけれど、(ゲームをクリアした人には)なかなかに刺激的な内容となっていて、そのくせ優しいメロディと曲調、淡々とした歌い方というアンバランスさに得も言われぬ感覚に襲われた。

そんな感じで、音楽とは全く関係のないところでJonathan Coultonが偉く気に入ってしまったので(Code Monkeyの人という認識はあったんだけど・・)、ついつい衝動的に全楽曲を一括ダウンロード購入してしまったり。で、ダウンロードしたあとで、Still Aliveが入ってなくて「アチャー」ということになったり…(ただ、『Portal』のインストールディレクトリ内にMP3形式で"Still Alive"がインストールされているので、そこからコピーしたけど。あと、Jonathan Coultonが歌っているバージョンもSteam経由でダウンロードできる音楽ゲーの体験版に入ってたり)。

余談だけれど、『Portal』ってゲームは、それほどゲームをやらない私がはまったくらい面白いので是非ともお勧めしたい。『ハーフライフ2 オレンジボックス』というPortalを含む5本のゲームが収録されたコレクションにて販売されている。DVD-ROMでも販売されているのだけれど、Steam経由でかなり安価なダウンロード版も提供されており、個人的にはそちらの方がお勧め(日本語字幕はでないけど)。

最後にJonathan Coultonの曲をご紹介。

彼の代表曲の1つ 『Code Monkey』このクリップが「YouTubeで数百万回再生されたクリップ」。現時点で300万回以上再生されている。この曲とCoultonのThing a Weekプロジェクトに感銘を受けたAdobeのプログラムマネージャーが作ったんだとか。楽曲後のクレジットにその辺のことが書かれているので、曲が終わってからも眺めてみて下さいね。

『Baby Got Back』という曲のライブバージョン。すてきなTシャツですね。

『Still Alive』のJoCoバージョン。AT&Tが以前に提供していたAT&T Tech Channelが収録・アップロードしたものらしい。なんでケーキを食べているかは、Portalをやってみないとわからない(笑)。

関連リンク

Jonathan Coulton公式サイト

■ Jonathan Coultonインタビュー:Sex, Drugs and Updating Your Blog - New York Times

NYTのインタビューはオンラインで奮闘するアーティストの光の部分だけではなく、陰の部分も描いているので、なかなかバランスの取れた内容になっている。未読の方は是非。

Creative Commonsを受け入れるオバマ次期米大統領

以下の文章は、TorrentFreakの「Obama Embraces Creative Commons」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Obama Embraces Creative Commons
著者:Ben Jones
日付:December 02, 2008
ライセンス:CC by-sa

次期米国大統領Barack Obamaの発するメッセージ、それは彼の遊説中のスピーチでもしばしば語られた『Change(変化)』である。そうした変化の1つには、クリエイティブ産業やそのロビーグループへの冷遇もあるのだろう。そしてCreative Commonsライセンシングの許容も。

Obamaはいくつかのエニグマが存在する。ほとんど完全に無名であった状態から、彗星のごとく現れ、数年後には大統領にまで上り詰める、それはまさしく『アメリカンドリーム』そのものであろう。ただ、彼は大統領としては(むしろ上院議員としてすら)若く、そして『変化』を約束するなど、彼を大統領府へと導いた若い投票者たちに証明しなければならないことは数多くある。

しかし、Joe BidenをVPに選んだという決定によって、多くの人が著作権ロビーと彼との関係を懸念し、彼が既に厳格な法律をよりいっそう強化するのではないかと感じているかもしれない。しかしそれにもかかわらず、彼はLawrence Lessigや米国海賊党のいずれからも支持されており、Lessigの妻などはObamaのキャンペーンに加わってさえいる。

選挙の後、彼はすぐさまchange.govに『政権移行』サイトを開設した。ただ、一部の人をがっかりさせたのは、そのサイトの著作権表示が、これまで通りの厳格なものであったことであろう。しかし、それは現在変化し、サイトはCreative Commonsを掲げ、CC-BYにて公開されている。ObamaがCreative Commonsを知らないわけではないのだろうが(彼のflickrの写真はCC BY-NC-SAライセンスで公開されている)、こうしたライセンスがフォトアルバムからサイト全体へと広がったことは決して小さなステップではない。

これは著作権にとって何を意味しているのだろうか?まぁ、Creative Commons自身がブログにて指摘しているように、change.govの背後にいるグループは-今はまだ-政府の一部ではない。それは非営利団体であって、従ってサイト全体に著作権表示をつけることができた(し、実際にそうした)のだろう。それでも、次期大統領がCreative Commonsライセンスを採用したことは、良いことだといえる。最も重要なことは、大統領がより制限的ではない著作権メソッドの知識を有しているということ、そして、その最初のエクスペリエンスが、CC下での提供でうまくいったというだけではなく、それを利用したことで問題が生じた、害を及ぼしたというわけでもないことである。選ばれたライセンスは、Lessig曰く「最も自由なライセンス」であったことも喜ばしい限りだ。

RIAAやMPAAといった人々が著作権のさらなる強化を求めてきたときには、彼には毅然とした態度で言い放って欲しい。「私はこれら優れたCCライセンスを使用している。君らはこれらのことを耳にしたことはあるかい?」と。6回目のバースデイを祝わんとしているCreative Commonsにとって、これは強烈なブーストとなることだろう。

TorrentFreakの記事は、Creative Commons Attribution-Share Alike 2.0 licenseにて公開されている。

ITMediaエンタープライズの記事にも

同サイトの著作権の項目には、「特に記述がない場合、このサイトのコンテンツはCreative Commons Attribution 3.0 Licenseを採用する。コンテンツとは、Obama-Biden政権移行プロジェクトが掲示したすべての資料を含む。Webサイトの訪問者は、自分が 提出したものに対し、このライセンスの下で非独占的、取り消し不可、ロイヤリティフリーのライセンスを提供することに合意する」という文章が掲載されてい る。

とあるように、かなり積極的にCreative Commonsを利用している模様。まぁ、メリットデメリットを考えれば当たり前の話。商業的損失を考える必要はなく、自らの主張をより広めたいと考えるのであれば、わざわざ拡散可能性を制限するなどナンセンスなことだ。むしろ、より多くの人に伝えてもらうことで、その声を広めようとするならば、「All Rights Reserved」などではなく、「Some Rights Reserved」のほうがよい。少なくとも『これが私の主張である』ということが伝わればよいのだから。

もちろん、悪用される心配もないわけではないだろうが、それでもCreative Commonsでパブリッシュしたために望まない結果となったということも考えにくい。結局、悪用されるときは悪用されるし、そういった人はどんなライセンスだろうがお構いなしだろう。

何にしても「私の主張を広めて下さい!」というのであれば、特に理由もなく「All Rights Reserved」を掲げることは意味がないどころか、逆にその主張の拡散を妨げる方向にしか働かない(もちろん、転載できないから拡散しないということではないが)。ツールは効果的に使わなければ意味がない。

余談であるが、当サイトがしばしば翻訳するTorrentFreakは(先日のエントリでも述べたように)CC by-sa(表示-継承)で公開されている。だからこそ、当ブログでも「訳していい?」と確認することなく翻訳、公開することができるのだが、このライセンスの元で作成された二次作品(つまり当ブログの翻訳パート)はオリジナルの作品と同様のライセンスにて公開されることになる。したがって、上記翻訳を営利であれ、非営利であれ、CC by-saの元であれば、いかようにでも利用することができる。

たとえば、そのままコピペして転載しようとも、この辺の訳がおかしいなぁと思える箇所を修正し公表しようとも、当ブログと同様のスタイルでブログを書こうとも、書籍に掲載しようとも、どんなものでも許諾される。そしてその際は、TorrentFreakに対しても、私に対しても、何ら問い合わせる必要はないし、気兼ねする必要もない。

確かにTorrentFreakの筆者たちは記事を書く労力を割いているし、私はその翻訳に労力を割いている。ただ、その利用に際して「他人の労力にフリーライドするのはちょっと…」と思われるのであれば、それは間違いだ。それは決してフリーライドではない。私は(そしておそらくTorrentFreakも)、情報を広めてくれること(欲を言えばそれに対して意見を付け加えてくれること)をこそ、労力への見返りと考えている。あなたのアテンションを得ることも、あなたにアクションを促すことも、いずれもタダではないのだから。

オバマ次期大統領、Creative Commonsライセンスにて投票日舞台裏の写真を公開(してた)

以下の文章は、CreativeCommons.orgの「President Elect Barack Obama CC-Licensed Behind the Scenes Photos on Flickr」という記事を翻訳したものである。

原典:CreativeCommons.org
原題:President Elect Barack Obama CC-Licensed Behind the Scenes Photos on Flickr
著者:Cameron Parkins
日付:November 07, 2008
ライセンス:CC by

次期大統領のBarack Obamaと彼のスタッフは、2007年初めからFlickrフォトストリームに写真を投稿している。その最新のセットは、なんと投票日の夜、アメリカの歴史的瞬間を見つめる舞台裏の写真である。


20081104_Chicago_IL_ElectionNight1032, Barack Obama | CC BY-NC-SA

すべての写真は、容易に共有、再利用可能なように、CC by-nc-saライセンスの下でリリースされている。選挙遊説の際の写真は、こちらから。

この記事と少し関連するものとして、TechCrunchの

「ネットが無かったらオバマ大統領はなかった」~政治勢力としてのインターネット  

という記事も面白かった。「インターネットの力が無かったら、オバマは大統領になれなかった」というのも過剰な感じもするが、多くの有権者(もちろんそうでない人も)にとって、情報を得る新たなメディアとして活用されたであろうことは疑いない。

ジョン・F・ケネディはその選挙戦において新媒体のテレビをうまく活用した、ということでよく知られている。ただ、こうした変化はラジオからテレビへの移行ではあるのだが、あるPUSH型メディアから別のPUSH型メディアへの移行でしかないとも言える。異なる特性をどう使い分けるか、どう活用するかが異なるというだけでね(「だけ」というほど簡単なものではないだろうが)。

そして今回の選挙では、「政治勢力としてのインターネット」とまで(ちょっと過剰な気もするが)言われるくらいの影響力が示唆された。こちらは一般的にはPULL型メディアといわれている。じゃあ、この選挙を機にPUSH型メディアからPULL型メディアへの移行が始まるのか、というとそうも思えない。どちらかと言えば、今後はこうした2つの特性を持つメディアを相補的、相乗的に活用するテクニックが必要になってくるのだろうと思われる。

確かに「個人の必要性に応じて、情報を取捨選択できる」というのは、非常に効率的であり、合理的であるようにも思われるが、それが妥当であるのは、「個人の必要性に応じて、情報を取捨選択するというコストを支払える」場合であるし、どういった情報を選択すべきかというガイドを、必ずしもすべての個人が持ち合わせているわけではない。情報に目を向けさせるためにも、一定の影響力のあるメディアを活用する必要は出てくるよなぁとは思う。

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