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アップル(ソニー、アマゾン、マイクロソフト)がジェイルブレイクを支持しなければならない理由

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Why Apple (and Sony, Amazon, Microsoft etc.) Should Support Jailbreaking」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Why Apple (and Sony, Amazon, Microsoft etc.) Should Support Jailbreaking
著者:Trevor Timm
日付:December 2, 2011
ライセンス:CC BY

昨日、EFFは米国著作権局に、「スマートフォン、タブレット、ビデオゲーム機」のジェイルブレイクについて、デジタルミレニアム著作権法の免除を与えるよう求めた。こうした免除があることで、デバイスメーカーが承認しないアプリケーションやオペレーティングシステムを、法的な問題を抱えることなく実行できるようになる。これは、DMCA第1201節の「本法のもとで保護される作品へのアクセスを効果的にコントロールする技術的措置」の回避禁止を免除するものである。

2009年、EFFは、iPhoneやその他のスマートフォンをジェイルブレイクしたいユーザのために、アップルが反対する中、著作権局から免除を勝ち取った。このルーリングのおかげもあってか、ジェイルブレイク・コミュニティは活気づき、これらのデバイスにおけるイノベーション、セキュリティ、プライバシーをはかり知れないほどに向上させた。

それでは、なぜアップルやその他のメーカーは、このプロセスに未だに反対しているのだろうか?これは重要な問いである。当初、アップルはジェイルブレイクに対する同社の法的能力について、ジェイルブレイクは同社のビジネスモデルに食い込み、マネタイズを損ねるものだと主張した。しかし、アップルの収益はあらゆる側面で常に右肩上がりであった。

実際、ジェイルブレイク・コミュニティはアップルのような企業に損害を与えるよりも、最終的には助けとなっている。アップルやその他のメーカーが最初は拒否していた多くの機能が後に採用されているではないか。そこで、ジェイルブレイクが、スマートフォンのメーカーとユーザの双方にもたらした利益について見てみることにしよう。そして、ジェイルブレイクが、タブレットやビデオゲーム機(プレイステーション3やWii、XBOX 360)にも拡張されなければならない理由についても言及する。

イノベーション

誰に聞いても、ジェイルブレイク・コミュニティはスマートフォンのユーザビリティを大きく改善している。たとえば、このコミュニティは旧バージョンのiPhoneでビデオを録画できるアプリケーションを開発した。これは当初、アップルからリジェクトされたものだった。また、最初にiPhoneにワイヤレス・キーボードを接続したのもジェイルブレイカーたちだった。アップルは後にこれらの機能を採用した。

こうした模倣のパターンは、ユーザ・インターフェースのデザインから携帯電話の管理アプリケーションに至るまで、ジェイルブレイク・コミュニティがもたらした多数のイノベーションにおいても見られている。WiredのDavid Kravetsは「こうしたハックには、プルダウン通知ホームスクリーン・カメラ・アクセスワイヤレス同期などが含まれる」と言う

セキュリティ

セキュリティ修正については、メーカーの脆弱性修正が遅れたり、まったく対応されていないときに、ジェイルブレイク・コミュニティがスマートフォンユーザの保護に大いに貢献している。

iPhoneのウェブブラウザでPDFファイルを開く際のセキュリティ・フローが発見されたとき、アップルからの修正パッチのリリースは遅かった。メーカーから出される修正パッチを気長に待てないユーザにとって、自分自身を守るためには、インディペンデント・デベロッパーが開発した「非公認の」パッチをインストールするために、ジェイルブレイクしなければならなかった。

2011年のDigiNotarの失態は、なぜジェイルブレイクが必要不可欠であるのかを示す意味で、重要な事例であった。最近まで、DigiNotarは認証権限者(certificate authority)、つまり、クレジットカード・トランザクションを含む多数のサービス間のコミュニケーションを認証、保証するデジタル証明書を交付する機関であった。しかし、今年9月、それはハックされ、詐欺的な証明書を交付し始めた。それにより、悪意あるユーザがデバイスやサービスを悪用することが可能になった。初期バージョンのAndroidは自動的にはアップデートせず、古いオペレーティング・システムを使用するユーザたちが自分自身を守るためには、スマートフォンをジェイルブレイクするより他なかった。

プライバシー

モバイル・デバイスにおけるプライバシーへの懸念が高まりつつある中、ジェイルブレイク・コミュニティは、メーカーが保護してくれないユーザのプライバシーを守るために不可欠な存在である。

近くにいる誰かに自動的に存在を通知するテキストメッセージを隠す非公認のiPhoneアプリを最初に公開したのもジェイルブレイカーであった。また、ジェイルブレイカーは、アップルがiPhoneの詳細な位置データを無断で記録するのを回避するパッチを公開してもいる。同様に、Andoroidでは、BLE Privacy Guardという非公認アプリケーションを提供している。これは、サードパーティ・アプリケーションがセンシティブなデータにアクセスしようとするのを監視するためのものである。しかし、これらのプライバシー保護アプリケーションは、自らのデバイスをジェイルブレイクしなければ利用できない。

タブレットの人気は、ここ数年で爆発的な伸びを見せているが、EFFはiPadやNOOKのようなデバイスを使用するユーザにも、スマートフォンユーザがこの3年間に享受したのと同じ恩恵を与えるよう求めている。

しかし、それだけではない。我々は、ビデオゲーム機についても、免除を申請している。

ビデオゲーム機

Playstation 3やNintendo Wii、XBOX 360など、ビデオゲーム・コンソールのメーカーは、第三者の著作権を侵害するためでなくても、ユーザによるオペレーティング・システムやソフトウェアの選択を制限している。我々が申請している免除によって、ユーザは自らのコンソールで自らが選択したオペレーティング・システムを実行したり、「homebrew」アプリケーションを実行したりできる。

ビデオゲーム機は、パワフルなコンピューター・プロセッサを備えており、これはユーザにとってデスクトップに代わる安価な選択肢となりうる。研究者たちのみならず米軍までも、ソニーが別のオペレーティング・システムのインストールをサポートした際、PS3のクラスタをパワフルなスーパーコンピュータ群に加えた。しかし、ソニーが2010年のファームウェア・アップデートでこのオプションを削除したため、ジェイルブレイクしなければ、PS3でLinuxを実行することはできなくなった。実際、今年初め、ソニーはPS3のセキュリティホールに関する情報を公表した研究者らを、PS3にLinuxをインストールし、実行させるものだとして訴えた。我々はこの免除により、ユーザが自分のゲーム機に自らの選択でオペレーティング・システムやアプリケーションをインストールし、実行できるようになることを望む。

EFFは、アップル、ソニー、その他メーカーに、DMCAに関わるこれらの免除をサポートするようお願いしたい。ユーザ・エクスペリエンスを改善し、ユーザのプライバシー情報を保護し、セキュアであるために。

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EFF、著作権局にジェイルブレイク合法化の拡張を要請

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「EFF Seeks to Widen Exemptions Won in Last DMCA Rulemaking」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:EFF Seeks to Widen Exemptions Won in Last DMCA Rulemaking
日付:November 30, 2011
ライセンス:CC BY

著作権局はジェイルブレイカーとビデオ・アーティストへの法的保護を拡張しなければならない

電子フロンティア財団(EFF)は本日、米国著作権局に対し、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)において、デジタル・ガジェットの改良やビデオをリミックスする米国消費者の権利を保護するよう求めた。

EFFは、本日提出した免除申請において、あらゆるソースからのオペレーティング・システムやアプリケーションをメーカーの承認を必要せずに実行する自由のため、スマートフォン、電子タブレット、ビデオゲーム機の「ジェイルブレイク」を保護するよう、著作権局に要請した。さらにEFFは、新たなリミックス作品を作り出したり、批評したりするため、(DRMで保護された)DVDやダウンロードサービスから(映像を)抜粋することについても法的保護を求めた。これらの免除は、昨年EFFが勝ち取ったジェイルブレイカーやリミックス・アーティストのための免除に基づくもので、これを拡張するものである。

「DMCAは著作権侵害を防止することを前提としています。しかし、それはクリエイターやイノベーター、消費者を脅し、完全なるフェアユースですら阻害するために悪用されうるものとなっています。」とEFF知財ディレクター コリーヌ・マクシェリーは言う。「携帯電話やビデオゲーム機で、自らが選択したソフトウェアプログラムを実行する愛好家やいじり屋は、法のもとで保護されてしかるべきです。また、アーティストや評論家が、ビデオコンテンツから一部抜粋して、解説や批評という新たな作品を作り出すことも同様に保護されねばなりません。著作権はそうした用途を妨害してはならない、むしろそれを促進すべきなのです。」

こうしたEFFの要請は著作権局のルールメイキング・プロセスに基づいている。このプロセスでは、DMCAで禁止されている「デジタル権利管理(DRM)」や「その他技術的保護手段」の「回避」について、免除の必要があるものを3年おきに検討している。こうした回避の禁止は著作権侵害を抑止するためのものであるべきなのだが、競争や表現の自由、フェアユースを抑えこむために悪用されることも多い。免除は、法律が合法的、非侵害的な著作物の使用を害するのを軽減するためのものである。

「前回のルールメイキングで、EFFがDMCAにおける重要な免除を勝ち取ったことを大いに喜んでいます。」とEFF上級スタッフ弁護士 マーシャ・ホフマンは言う。「しかし、この3年でテクノロジーは大幅に進化しています。したがって、スマートフォンやタブレット、ビデオゲーム機、DVD、ビデオダウンロードの現実的な使われ方をカバーするよう、免除を拡大することは重要なことです。」

この申請にあたって、EFFはカリフォルニア大学バークレー校のSamuelson Law, Technology & Public Policy ClinicおよびOrganization for Transformative Worksから多大なる支援を頂いた。

著作権事務所は2012年春頃に、DMCAの免除に関するヒアリングを開き、2012年10月に最終的なルールメイキング・オーダーを公表することになっている。

For the full exemption requests:
https://www.eff.org/sites/default/files/filenode/2012_dmca_exemption_requests_no_appendix.pdf

For more on DMCA rulemaking:
https://www.eff.org/issues/dmca-rulemaking

Contacts:

Corynne McSherry
Intellectual Property Director
Electronic Frontier Foundation
corynne@eff.org

Marcia Hofmann
Senior Staff Attorney
Electronic Frontier Foundation
marcia@eff.org

アンチDRMの日:Day Against DRM 2011

以下の文章は、CreativeCommons.orgの「DRM (a day against)」という記事を翻訳したものである。

原典:CreativeCommons.org
原題:DRM (a day against)
著者:Mike Linksvayer
日付:May 04, 2011
ライセンス:CC BY

本日は、DRMことデジタル・ライツ・マネジメント(デジタル著作権管理)、いやもっと正確に言うとデジタル・リストリクション・マジメント(デジタル制限管理)を学ぶには絶好の日。

DRMは、10年前ほど重大な問題として扱われなくはなってきているが、依然として問題がなくなったわけではない。フェアユース、競争の回避、プライバシーやセキュリティの侵害、時代遅れの技術の強制などの問題を生じさせている。現在でも、DRMは映画や書籍にかけられており、司書たちを困惑させている。彼らの忠告に耳を傾けなければ、私たちの自由や安全性は危険にさらされることになる。

クリエイティブ・コモンズに関連したDRMのお話

1日遅れでごめんなさい。

EFF、JailbreakやSIMロック解除の合法化を勝ち取る

以下の文章は、EFFの「EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers
日付:July 26, 2010
ライセンス:CC BY

電子フロンティア財団(EFF)は本日、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)における技術的保護手段の回避禁止規定について3つの重要な適用除外を勝ち取った。これにより、自身の携帯電話を改造する消費者、ビデオをリミックスするアーティスト、そして今まで著作権侵害ではないフェアユースにも関わらず訴訟の脅威にあった人々への法的保護を拡大した。

「米国議会図書館著作権局は、EFFからのすべての申請を認めることで、DMCAの弊害を緩和する3つの重要なステップを踏み出しました。」とEFFの自由人権担当ディレクタージェニファー・グラニックは言う。「この法の広すぎる適用範囲から、ジェイルブレイカー、(訳註: SIM)アンロッカー、ヴィッター(訳註: リミックスビデオや批評ビデオの作者)を守れたことを、本当に喜ばしく思います。」

DMCAは、合法で非侵害的な著作物の使用を妨げることのないよう、3年おきに適用範囲について見直すよう定められている。DMCAは、著作物のアクセスコントロールために用いられるデジタルライツ管理(DRM)や「その他の技術的保護手段」の「回避」を禁じている。依然としてDMCAは競争や言論の自由、フェアユースを妨げるものではあるが、本日の適用除外認定は、DMCAの広範囲にわたる制限からの消費者・アーティストの保護に向かう新たな一歩となる。

EFFの第一の要求は、携帯電話の「ジェイルブレイク」-メーカー未承認アプリケーションを動作させるためにiPhoneやその他の携帯電話を開放するソフトウェアの改造-の合法性を明らかにすることであった。百万人超のiPhoneユーザが、無線プロバイダを変えるために、またAppleのiTunes 『App Store』以外のアプリケーションを使用するために「ジェイルブレイク」していると言われており、潜在的なジェイルブレイカーはさらに多い。しかし、これまでDMCAは消費者やオルタナティブなアプリケーションストアを脅かしてきた。

EFFのジェイルブレイク除外申請が受け入れられたのは、著作権局がApple側の主張を却下したためである。Appleは、iPhoneへの未承認のプログラムのインストールは著作権法で禁じられていると主張していたが、著作権局は「ジェイルブレイクが、そのスマートフォンのオペレーティングシステムを相互運用的なものとするために、スマートフォンまたはオペレーティングシステムのメーカー未承認の独自に開発されたアプリケーションを用いて行われた場合、その改造は紛れもなく相互運用の目的で行われたものであり、フェアユースである。」とした。

「著作権法では、これまで長らくプログラムの相互運用化はフェアユースであると考えられてきました。」とEFFの上級スタッフ弁護士コリンヌ・マクシェリーは言う。「著作権局がこうした権利を認め、技術的保護手段の回避禁止規定が相互運用性に干渉してはならないと認めたことを、実に喜ばしく思っています。」

さらにEFFは、近年YouTubeなどのインターネットサイトで活躍するビデオリミックス・アーティストのための画期的な保護を勝ち取った。この新たなルールでは、アマチュア・クリエイターが批評やコメントのための非営利の作品にDVDの一部を使用し(訳註: フェアユースと考えられる使用)、その目的を果たすために技術的保護手段の回避が必要であると考えられる場合には、DMCAの回避禁止規定から除外されることになる。ハリウッドはこれまで、どのような目的であれDVDの「リッピング」はDMCA違反であるとしてきた。

「非営利ビデオは、オンラインのアートの在り方として強力なものです。たくさん人が人気映画からショートクリップを抜き出して使用しています。たとえ作品が明確にフェアユースであったとしても、その製作過程でDMCA違反かもしれないという懸念があったかもしれませんが、もはやその心配は無用となりました。この恩恵はすべての人にもたらされます。作品を作るアーティストに、そして、彼らの作品を楽しむ私たちに。」とマクシェリーは言う。

著作権局はSIMロックの解除に関してもEFFの申請を受け入れ、2006年の除外ルールを改訂、他のテレコム・キャリアでも使用できるようにした。これまでSIMロックの解除は著作権侵害とは何ら関わりがないにもかかわらず、DMCA下では訴訟の危機に晒され、携帯電話にかけられたデジタルロックゆえに、携帯電話の中古販売、再使用、リサイクルは非常に困難であった。EFFはWireless Alliance、ReCellular、Flipswapらクライアントを代表し、このルールの改訂を求めてきたが、2009年の除外ルールでは中古の携帯電話にのみ適用されるよう改定されたに留まり、新規の携帯電話には適用されなかった。

「著作権局は、SIMロックが著作権保護よりも、消費者とキャリア自身のネットワークとを紐づけることを目的としていると認識しています。著作権局は、DMCAがキャリア変更の際、携帯電話を持ち続けることを妨げる障害として用いられてはならないというEFFの主張に同意しています。また、DMCAが携帯電話の中古販売に干渉してはならないという点も同様です。」

EFFからの3つの申請を簡単にまとめると

  • ジェイルブレイクの合法化
  • SIMロック解除の合法化
  • フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化

ジェイルブレイクの合法化に関しては、Apple側から遠回しな反論が出されているようだ。

「アップルが常に目指しているのは、アイフォーンの利用者が最高の使い心地を得られるようにすることだ。ジェイルブレイクは、(アイフォーンの)使い心地を極めて悪くする可能性があるだけでなく、保証契約に違反する可能性もあり、アイフォーンの安定性と信頼性を損なう可能性がある」

米著作権局、アップル端末での非公認アプリの利用を合法化 / WSJ.com日本版

iPhoneユーザはAppleの所有物ではないですよ。

最高の使い心地の提供を目指すのは勝手だが、「使い心地を極めて悪くする可能性」はAppleにもあって、現にJailBreakしている人たちはAppleがそうしていると感じているのではないのだろうか。保証が極めて受けにくくなるのは仕方ないにしても、iPhoneの安定性や信頼性が損なわれて困るのはAppleのビジネス上の都合なので、そのために消費者の自由を束縛してよし、というわけでもない。

もちろん、この辺は建前でしかなくて、著作権局にも見透かされるどころか、言及されるくらい。

「著作権法には、自社の制限的なビジネス・モデルを擁護しようとする米Apple社を支持する根拠はない」

『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

Appleが重視しているのはiTunesによる囲い込みなんだろう。ハードウェアの支配力を利用した、ソフトウェア競争の阻害とも言える。そんなものを著作権法で保護する道理はない、と。

SIMロック解除の合法化に関しては、こちらもハードウェアでサービスを縛り付ける類のものなので、喜ばしい限り。著作権法で保護する道理のなさ加減はこちらの方が上かもしれない。

フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化については、当たり前のかたちに近づいてきたなという印象。他者の映像を勝手に使用したとしても、それが米著作権法にて認められているフェアユースの範囲内であれば、合法的な使用とされるのだが、ハリウッドなんかは、その映像を抜き出すためにDVDに施された技術的保護手段を回避する行為が違法行為である、と言っていると。「フェアユースって言ってっけど、そのDVD、コピー/アクセスコントロールかけてますからー!フェアユース無理!残念!」と悪意を混ぜればこんな表現になる。

そりゃあ馬鹿げてるよって話にはなるよね。ただ、現時点でも私的複製に関しては、私的利用のみを目的としていても見直しの対象外となっている。「かならずディスクから再生してください」ってこのご時世それはナシだろうと思うのだが。まぁ、事実上は解禁されているようなものか…。

米国ではないが、以前デンマークのある男性が、DVDを違法リップしてやった訴えてみろと、権利者団体に挑戦状を叩きつけたなんてこともあったが、権利者団体側は、正規購入品のコピーなら訴えるつもりはないよ、と回答している。まぁ、当たり前の反応だけど(双方)お疲れ様です、という感じなのだが、それでも違法なままというのはあまり気持ちは良くないよね。

EFF以外からの申請で認定されたものについては以下の通り。

  • ビデオゲームのデジタル著作権管理(DRM)機能をクラックして、セキュリティ上の欠陥を調べられるようにすること
  • 電子書籍の音声読み上げ機能が妨げられている場合、視覚障害者がこれをロック解除して使えるようにすること
  • 「プロテクト・ドングル」によって保護されているソフトウェアについては、そのドングルが壊れた、あるいは取り替えできなくなった場合に、ドングル機能を無効にできるようにすること
『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

今回の認定範囲の見直しについては、社会情勢・環境の変化に呼応した部分もある一方で、このような申請を根気強く行う市民団体の意義も強く感じさせる。EFFは以前から3年ごとのDMCA見直しに絡んで申請を出し続けており、今回の著作権局の決定もその成果であるといえる。

■ EFF:DMCAの適用免除が必要な方はいますか? :P2Pとかその辺のお話 (2008年10月の記事)

日本だとMIAUに期待しているが、 市民団体のパワーの源泉は市民にこそある。まぁ、支えていきましょうよ。最近では、4月時点での模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)条文案の日本語訳を公開している。実に素晴らしい仕事だ。

ACTAでも「技術的保護手段の回避」を禁ずる条項が存在しており、米国はACTAにてDMCAの輸出を試みていることからも、その米国にてこのような判断が下されたことは実に興味深い。また、マジコン対策に絡んで、日本でもアクセスコントロール回避規制が検討されており、日本も他人事とは言っていられない。これについてはいずれ何か書きたい。

ジェームズ・キャメロンの『Avatar』、DRMのせいで試写会が台無しに

以下の文章は、TorrentFreakの「DRM Fiasco Ruins James Cameron’s Avatar 3D Preview」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:DRM Fiasco Ruins James Cameron’s Avatar 3D Preview
著者:enigamx
日付:December 17, 2009
ライセンス:CC by-sa

ジェームズ・キャメロン監督による待望のSF長編映画『アバター』が今週公開されることになっているが、一部の幸運な人々は既に映画を観覧している。しかし昨日、ドイツでひらかれた3D試写会に参加した人々はその幸運な人々にはなれなかったようだ。映画にかけられたDRM『保護』システムのエラーにより、そのビデオをデコードできなかったためだ。

タイタニックの監督を務めたジェームズ・キャメロンの『アバター』、今年最も待望された映画である。

資源を求める人類に包囲された衛星を舞台にしたこのサイエンス・フィクションは、14年もの歳月を構想に費やし、さらにキャメロンは彼の夢を映像化するための技術が進歩するまで製作を中断しさえした。

この映画は今週、遂に公開され、待たされた日々が遂に終わりを告げることになっているが、一部の幸運な人々は、既にこの映画の先行試写に参加している。残念なことに、昨日、ドイツの試写会に参加した人たちは、この映画の3Dバージョンを楽しむことはできなかった。テクノロジーは驚愕の3Dエクスペリエンスを提供するどころか、すべてを台無しにしてしまったのである。

報道によると、『アバター』の3Dデジタルバージョンは、指定された映画館に配布されたものの、その暗号化に問題があったことで、劇場での上映ができなかったのだという。

ハードディスク、プロジェクターを制限する複数の証明書やサーバから配信された時間に厳密なキーなどの複雑ナDRMシステムは、映画の壮大さとは程遠いものであった。映画館スタッフは数時間をかけて150GBのデータを解読しようと試みたものの、残念なことに、少なくともその劇場では2Dバージョンを上映することとなった。

またもDRMによる被害である。今回は3Dで。

CineStarグループの事業部長オリバー・フォックは「映画を上映できなかったこと、お客様に不快な思いをさせてしまったことを残念に思います。しかし、公開初日には2Dバージョン、3Dバージョン共に上映できるよう努めて参ります。」とこの大失態についてコメントした。実際、最新の報道によると、この問題は修正され、一般公開までには間に合ったようだ。

もちろん、DRMは劇場での効果を妨害するために施されているわけではないにしても、実際にこうした影響があるという事実は否めないだろう。正直なところ、実質的な抑止力については、あまり期待できるものではないとは思うが、それでも、多少の抑止効果があるのであれば、DRMの存在意義は認めるところもある。

ただ、多少の抑止効果があるのだから、正規の消費者に多少の迷惑をかけてもいいだろう、多少の不便を負わせてもよいだろうという発想に対しては、反対したい。もちろん、『抑止効果を建前にした私的複製の制限』に対しては断固反対するところでもあるが。

いずれにしても、正規ユーザへの制限が過度に厳しいものになってしまえば、消費者の側も反発せざるを得ない。昨年、ゲームメーカーのEAは、人気が期待されたゲーム『Spore』のリリースに際して、あまりに厳しすぎるDRMを課したがゆえに猛反発を受け、ユーザ側からゲームの海賊行為による抗議を受けた。もちろん、そんなことはなくても多数の海賊版が出回るゲームではあったのだろうが、抗議のための違法ダウンロードがそれに上乗せされたことで、尋常ではない回数のダウンロード、という結果に終わった(なお、海賊ユーザによる言い訳という考え方もできるが、通常、海賊版はDRMが解除されたものが出回り、海賊ユーザは淡々とそれをダウンロードしてプレイするというのが一般的。便乗した海賊ユーザがいたことは否めないが、海賊ユーザによる言い訳で結論づけられる出来事ではなかったと思う)。

その後日談としては、EAは今年に入ってから、このDRMによる制限をリセットするためのツールをリリースした。DRMの否定ではないのだろうが、正規ユーザにすら厳格すぎるDRMの緩和の方向には向かったのだと思われる。もちろん、厳格すぎるDRMに対する風当たりが強くなってきたということもその背景にはあるのだろうが。

現在、そのEAのCEOが、海賊ユーザも潜在的な顧客だと考えているとの発言をしている。

「ディスクは盗めても、DLC(ダウンロード提供される追加コンテンツ)は盗めない」ため、ゲーム本体から売り上げが出なくても、追加コンテンツで収益を得られる、というのが同氏の考えだ。同氏は以前にも、「海賊版のプレイヤーや違法ダウンローダーを悪者扱いしなければ、彼らが追加コンテンツを買ってくれる可能性がある」と語っていた。

せかにゅ:海賊版ゲーマーも「お客様候補」とEAのCEO - ITmedia News

その背景には、全くペイしてもらえないよりはマシという割り切りがあるようだが。

元記事のPCWorldでも指摘されているが、確かにそういう側面はあるにしても、ならば正規に購入したユーザに海賊ユーザたちのツケを支払わせるのか?という疑問も生じる。もちろん、EA側もそんなことを是としているわけではないだろう。そうなら、最初から有料版との差をつけたフリー版を用意して提供しているはずである。いろいろと思うところはあるにしても、実利的な方向性を求めた結果が、このスタンスなのだろう。

個人的には、これについてはEAが悪いとも思えない。誰が悪いかと問われたら、そりゃ海賊ユーザだもの。

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