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DMCAの濫用?フェアユースな政治広告をYouTubeから削除

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Copyright Abuse in Ohio Governor Election」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Copyright Abuse in Ohio Governor Election
著者:Kurt Opsahl
日付:October , 2010
ライセンス:CC BY

オハイオ州知事選挙まであと数週間となったが、この選挙に絡んで、くだらない著作権クレームによってYouTube上の政治広告ビデオを排除しようという著作権紛争が勃発した。

2日前、ジョン・ケーシック下院議員(共和党:知事選候補者)は、鉄鋼工の男性がテッド・ストリックランド知事(現職:知事選候補者)のこれまでの施策を批判するというコマーシャルをうった。しかし、このコマーシャルの男性は実は鉄鋼工ではなく、雇われた俳優チップ・レドゥンであることが判明した。

オハイオ民主党はすぐさまこれを利用し、YouTubeに政治広告ビデオを投稿した。このビデオは、レドゥンが俳優として出演した作品から一部を抜粋し、例示するというものであった。そうした作品の1つにArginate Studios, LLCのものが含まれていたのだが、同社はDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づき、YouTubeに対し削除要請を送付した。DMCAの下では、YouTubeはこの政治広告ビデオを少なくとも10日間(残された選挙キャンペーン期間を考えれば、かなりの長期間になる)、アクセスできない状態にしなければならない。一方で、Vimeoにはこのビデオが残されていた。


Are you kidding me? from Jeremy Froughlin on Vimeo.

選挙を控えたここ数週間、著作権を盾にした政治的言論の排除はたびたびあったが(これについてはCDTが詳細に伝えている)、この件はその中でも特にひどい。なぜか?Aringateのビデオは、政治的論点について例示するためにほんの数秒間使われたに過ぎず、フェアユースと判断されて当然のケースであったためだ。

まず第一の問題としては、この使用が極めて改変的(新たな意味合い、メッセージの付与)だったことがあげられる。Aringateの元のビデオは、映画祭の「ロードムービー」部門にエントリーされており、レドゥン扮するサム・カーペンターは、バーにいた二人の女性にある特別なチケットを渡すシーンに登場する。一方、政治広告ビデオでは、鉄鋼工だとされた彼が実際には雇われた俳優であるという証拠として例示するために使用された。この使用はこれ以上ないくらいに改変的だと言える(訳註:文脈も、目的も全く異なっているということ)。最高裁の判決では、改変作品は「著作権の枠内において、創作の自由を保証するフェアユースの法理の中核を成す」と説明されている。

さらに、この政治広告ビデオは元の映画のほんの数秒を使用したに過ぎない。法廷は「完全に、一語一句正確に複製されたとしても、作品の目的が原作品と異なる場合には、正当な使用と認められる」としており、加えて、主張を検証するに辺り、必要最小限の使用に抑えることで、フェアユースとしての正当性はさらに高まる。

また、原作品はオンライン上で無料で公開されており、現作品の利益を害したとも言い難いだろう。最高裁は「著作物の潜在的な市場または価値に明白な影響を与えない使用については、著作者の創作へのインセンティブの保護を目的として、その使用を禁じてはならない。」としている。

最後に、フェアユースの判断においては、新たな作品が公益に叶うか否かも考慮される。来るべき選挙について市民に情報を伝えることは、市民的議論の中心的な側面であり、この政治広告ビデオもその議論に貢献する。

Arginate Studiosは、この政治広告ビデオが著作権侵害だとする主張を恥じ、削除要請通知を即時撤回すべきである。また、YouTubeがビデオを再び公開することを望む。Arginateは、再びDMCA通知を出す前に、DMCA第512条f節を見返すべきだろう。著作権侵害の誤認に基づく著作権の行使にはペナルティが科されることをお忘れなく。

アップデート:ビデオは10月8日に再び公開された。このビデオを即座に復旧しようとしたYouTubeの意志に敬意を表したい。

オハイオ州とかその周辺の州は工業地帯(ラストベルト)として発展してきたんだけど、70年代後半から斜陽化が進み、鉄鋼業も含め雇用問題が深刻化しているという背景があって、とある鉄鋼工が批判的な意見を述べるというコマーシャルが作られた、というところだろうか。でもその人物は実際には鉄鋼工じゃなくて俳優でしたよ、というところで揉めただけなら、少なくとも私にとっては後は有権者が考えてねという問題で済むのだろうけども。

内容はともかく、個々で問題となっているのは、目的、分量、原作品の利益、公益性といった要素を考えても、明らかにフェアユースと思われる著作物の使用だったにもかかわらず、著作権侵害を盾にビデオの非公開を迫ったことにある。まぁ、何でまたこんなことをしでかしたんだろう。ふと、政治的意図があったんじゃ、なんて思ってしまいそうになるが、政治利用されたくないからやった、とも考えられるし、アホみたいに著作権を主張しただけとも言える。いずれにしても、馬鹿げた話だが。

また、この件に若干関連した話題がTechCrunchに掲載されている。あわせてどうぞ。

FacebookはDMCAへの正しい対応を怠慢し, ファングループを窒息死させた

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著作物の引用を禁ずることはできるか:アカデミックなケース

学術的な目的での著作物の引用は、フェアユースとしての利用が認められている。著作権そのものが文化の育成、保護を目的としているためである。しかし、一部の著作者や著作権団体は、それすら認めない場合がある。今回紹介する記事は、学術的な目的のために引用しようとしたところ、それに対して許可しないとした著作権者(今回の事例では著作者から著作権を相続した人)とその出版者と、引用を認めさせようとした人との裁判のお話。結果としては、後者の主張が通りそうになったので、前者が折れたという形になったようだ。

原典:Anthony Falzone's blog
原題:An Important Victory For Carol Shloss, Scholarship And Fair Use
著者:Anthony Falzone
日付:March 22, 2007
URL:http://cyberlaw.stanford.edu/node/5299#

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YouTube不当削除問題:Viacom、非を認め改善策を提出

ViacomViacomによるYouTube動画の大量削除要請に関連して、不当に作品を削除されたとして、EFFなどがViacomを訴えていた件で、Viacomが削除要請が不当であったことを認めたよというお話。また、Viacomは、「クリエイティブでニュースバリューのある、あるいは変革的な」利用、「限定的な抜粋の非商業利用」といったフェアユースを認め、さらに今後も起こる可能性のある不当削除要請に対しては、ホットラインを設け、早期の権利回復を行える体制を整えるとしている。それを受けてEFFは申し立てを取り下げた。個人的には、このような権利のぶつかり合いが、その利害関係者双方によるコンセンサスを得るためには必要なプロセスであると考えている。技術の進化や普及は急速に行われるが、それに関わる制度の確立には時間がかかる。

まずは、この件を知らない人のために、経緯から紹介していこう。

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Digital Freedom Campaign-映画、音楽をダウンロードする権利を主張

Digital Freedom Campaign、消費者にとって音楽や映画の利用がもっと自由であってもいいじゃない!という多少無理のある運動のお話。

原典:The Washington Times
原題:Digital Freedom Campaign Begins, Claims Right to Download Movies, Music
日付:26 October, 2006
著者:Jonathan Swigart
URL:http://ipcommunications.tmcnet.com/news/2006/10/27/221064.htm

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