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スウェーデン海賊党、Wikileaksへのサーバー提供を申し出る

以下の文章は、TorrentFreakの「Pirate Party Offers Servers and Hosting To Wikileaks」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Pirate Party Offers Servers and Hosting To Wikileaks
著者:enigmax
日付:July 28, 2010
ライセンス:CC by-sa

今週、Wikileaksはアフガニスタン紛争(The war in Afghanistan)に関する90,000を越える政府文書(訳註: Wikileaksの所持している文書は9万2千件だが、今回公表されたのは7万7千件)を公開した。以前にリークした「巻き添え殺人(Collateral Murder)」ビデオの件もあり、現在Wikileaksが米国当局の重要なターゲットになっていることは疑いない。The Pirate BayのISPを買って出たスウェーデン海賊党が、今度はWikileaksにサーバ、ホスティングの提供を持ちかけている。

Wikileaksは米ニューヨークタイムズ紙、英ガーディアン紙、独スピ-ゲル誌への情報提供の後、今週、数万の米軍機密文書を公表した。

これに関しては今日までに膨大な数の報道が続いているが、この情報が世界中の政府にとって、特に米国政府にとって何を意味するのかといった精査が続けられている。

一部には現在進行中のアフガニスタン紛争への影響を軽視しようとする動きもあるが、Wikileaksチーフのジュリアン・アサンジュはより激しく、一部の文書が米軍の戦争犯罪の証拠となるものだと主張している。

先の『巻き添え殺人(Collateral Murder)』ビデオのリークもあり、Wikileaks自身が抱える問題がますます大きくなりつつある。昨日、アサンジュは自身に「スパイ共謀罪」による起訴が検討されていたことを知ったと述べている

こうした検討は後に断念されたようだが、リークの実行犯とされるブラッドリー・マニングの起訴に関わる参考人として拘束される可能性があるとアサンジュは言う。アサンジュ個人への影響が懸念される一方で、Wikileaksそのものへの影響も懸念されている。

「アメリカ政府が、スウェーデンに、Wikileaksを閉鎖するよう圧力をかけてくるとしても何ら不思議はない。」とスウェーデン海賊党アンナ・トロベルグは言う。「彼らはThe Pirate Bayに対してそうしてきましたし、Wikileaksの活動がアメリカの力の源泉に対するものであることを考えれば、彼らが動き出すのも時間の問題でしかありません。」

「今こそ、我々スウェーデン人の政治家たちはまさに正念場です。彼らはWikileaksや民主主義のために立ち上がるバックボーンを持ち合わせているのか?それとも、米国に屈服し、PRQやWikileaksを追求するのか?」

PRQはThe Pirate Bayのゴットフリート・スヴァルトホルム、フレドリク・ネイジが経営するスウェーデン企業で、現在、Wikileaksのホスティングプロバイダである。PRQはホストするサイトに圧力をかけられることに対しては慣れているものの、Wikileaksをホストし続けるには力不足なところもある。そんな中、Wikileaksにバックアップの申し出がなされた。

いかなる情報であろうとも自由に流通すべきだという理念を押し進めるスウェーデン海賊党は、先日、The Pirate Bayへの帯域の提供を行うことをアナウンスした。そして現在、WikileaksおよびPRQが困難な状況に陥った場合、Wikileaksのサーバー、ホスティングを引き受ける用意があることを公表した。

「海賊党は、どのような圧力にも屈服しない。」とトロベルグは言う。「私たちは、匿名サーバーを介したコミュニケーションなど、イラクでの民主化活動をサポートしている。また、我らが政治的オピニオン・リーダーであるThe Pirate Bayに帯域の提供を行っている。もし、Wikileaksが再び攻撃されるようなことがあれば、私たちは即座にサーバースペースおよび帯域を提供するつもりである。」

「海賊党は民主主義を信条とし、民主主義ために戦うことをいとわない。」

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「BitTorrent で共有されているファイル、合法なものは 0.3 %」というインチキ調査

以下の文章は、TorrentFreakの「Tech News Sites Tout Misleading BitTorrent Piracy Study」という記事を翻訳したものである。ちなみに、この記事のタイトルはスラッシュドットの記事から拝借した。

原典:TorrentFreak
原題:Tech News Sites Tout Misleading BitTorrent Piracy Study
著者:Ernesto
日付:July 24, 2010
ライセンス:CC by-sa

BitTorrentでダウンロードできるファイルのうちわずか0.3%が『合法』であるという研究が話題になっている。この調査結果は、アンチパイラシー団体AFACTが喧伝しており、Ars TechnicaやZDNetなどのニュースサイトでも取り上げられている。この研究がインチキであることを見抜けなかったようだ。

時折、BitTorrentシーンを記述しようとする研究が注目を集めることがある。昨日、Internet Commerce Security Laboratory (ICSL)が行った研究(pdf)が公表された。研究者は全Torrentのうち、わずか0.3%が合法なコンテンツであると確認したという。注目を集める見出しとしては申し分ない、だがこの研究はどれくらい正確なのか?

残念なことに、この手の結果はアンチパイラシー団体に喧伝され、第三者には、それもArs TechnicaZDNetといったインターネット上で一目置かれている大手ニュースサイトさえ、鵜呑みにされてしまう。今回のケースでも、記者はこの調査に完全に騙されてしまった。

この研究に目を通してわずか数分で、我らTorrentFreakチームはあきれ果ててしまった。間違いに次ぐ間違い、そしてあまりに不正確なデータと方法論をもとに導き出された結論。この研究の致命的な誤りを以下に記すことにしよう。あくまでも氷山の一角であることをお忘れなく。

この研究は、4つのリサーチ・クエスチョンについて答えを導き出そうとしている。ここでは、それぞれのクエスチョンについて、その答えがどう間違っているかを指摘していこう。

1.BitTorrentを使用してどれくらいのファイルが共有されているのか?どんなカテゴリーのファイルが共有されているのか?

ICSLは、今春、17のBitTorrentトラッカーから得たデータとして、オンライン上に100万ちょいのTorrentがあるとしている。また、カテゴリーの概要として、全Torrentのうちアプリケーションは2.3%、映画・テレビ番組は70%超であるとしている。

いずれの結論もあまりに間違っている。

この研究者らがどのようにして100万Torrentという結論に落ち着いたのか全く理解できない。たとえば、彼らの調査対象となっているOpenBitTorrentのトラッカー単独で、2,500万Torrentをトラッキングしている。さらに、isoHuntなどのサイトは500万を超えるユニークTorrentをインデックスしている。ICSLのデータ収集方法が極めて不正確であることは言うまでもない。

さらに、カテゴライズの仕方についても、さらに大きな欠陥がある。彼らのやり方は、すべてのTorrentをベースにしたものではなく、最もシードされているTorrentをベースにしており、こうした方法はデータをひどくゆがめることになる。一般に、書籍やアプリケーションは、映画・テレビ番組に比べてシードされにくく、それゆえカテゴリー概要にて過小評価されてしまったことになる。

2.任意の時点で、BitTorrentを使用したファイル共有がどの程度行われているか?

「我々の調査で使用したデータでは、現在、最低でも117,420,061のシードが記録されている。この値は、トラッカーから得られたそれぞれのTorrentで最も利用可能なシーダー数を決定することで算出された。」と研究者は述べている。

この数字も間違いであるが、こちらは上記のものとは別の誤りである。研究者たちは、嘘のシード数を報告する複数のトラッカーを対象に含めるという致命的なミスを犯した。この点については後述する。この論文にて、2年前のTorrentに100万シーダーもいるかのように書かれていることには、苦笑せざるを得ない。任意の時点でのシーダー数は、実際には1,000万から2,000万くらいだろう。

3.それぞれのTorrentが何回共有されたのか?

研究者たちが馬鹿をやらかしてしまったのはここだ。このクエスチョンへの答えとして、彼らは最もシードされているTorrentのリストを掲載している。上述したが、最もシードされているファイルはほぼ2年前にアップロードされたもの(The Incredible Hulk)で、なんと1,112,628シーダーにも上る。第10位のTorrentでも277,043シード。すべて間違ったデータだ。

フェイクTorrentトップ10?

これらの数字がどのように算出されたのかはよくわからないのだが、現時点で最もシードされているTorrentはわずか13,739シーダー、この調査が示すThe Incredible Hulkのシーダー数の1%程度である。さらに、2年前にリリースされたものという事実は、少し警戒して見なければならない。どうも研究者たちは、偽トラッカーからデータを収集したように思える。このトップ10リストのすべてのTorrentが実際にはフェイクであったとしても、何ら驚きはない。

4.全ファイルならびにダウンロード数による違法ファイル共有の数および割合はどれくらいか?

これについて、研究者らはBitTorrentにおける全ファイルのうち97.9%が著作権侵害ファイルであり、わずか0.3%が『合法』であると結論づけている。我々の以前の結論に基づいて考えると、これらの数字が正確だとは言い難く、事実、そうではない。方法論の欠陥は余りに多く、特にこの統計は、偽ファイルが多数ある中から最も人気のファイルをベースにして算出しており、極めて不正確であると言える。

少なくとも研究者たちは、(多数の偽ファイルの中で)最もシードされているTorrentではなく、(不正確とはいえ)全体のデータから著作権侵害ファイルの割合を算出すべきだった。もちろん、Torrentの大半が合法的なものだと言いたいわけではない。この研究におけるTorrentやソースの選択が、著作権侵害Torrentを発見する方向に強いバイアスがかけられていることを指摘したいのだ。

isoHuntを見るだけでも、我々の主張は裏付けられる。isoHuntによると、同サイトにて5,451,959のユニークTorrentファイルがインデックスされている。そのうち、85,457Torrentが、クリエイティブ・コモンズでライセンスされた音楽のみを提供するJamendoからのものである。つまり、Linuxディストリビューションなど(その他の合法的なTorrent)を含めずとも、1.5%のファイルが合法的なファイルであると言える。

重要な点は、この『アカデミック』な論文が、我々がこれまで目にしてきた中でも最も不正確な部類のものだということ、そして、主要テクノロジー系メディアがこの論文を精査する時間を作れなかった、またはこの結果を読み、自らの結論に至れるほどの専門知識を持ち合わせてはいなかったということだ。さらにひどいことに、オーストラリアのアンチパイラシー団体AFACTはおそらくこの『信頼できる』論文を裁判官を説得するために持ち出してくるだろう。彼らは今、豪ISP iiNetと同社加入者の著作権侵害の責任について訴訟の真っ最中である。

Arsやその他のメディアが、このレポートについてアップデートしてくれることを祈ることにしよう。

Update: Arsがやってくれた!

我々も研究者の1人、ポール・ワッタースにコメントを求めている。今のところ、彼からの返信はない。

Update2: ワッタースから返信があり、彼はこの調査結果の有効性を支持するという。こちらからの質問はすべて無視され、その代わりに彼は統計マニュアルのコピーを送ってくれた。博士課程の学生に統計と調査法を教えていた私としては、丁重にお断りさせていただいたが。

おそらく最初から煽り気味の研究なんだろうなぁとは思う。なので、こういう批判が出るのも当然かな。百歩譲って結論ありきなのはまぁわかるにしても、 調査手法としてはかなり荒いというか、意図した結果を導き出すことをクリアするだけのやり方というか。

ただし、数値はともかくとしても、実態はこれに近いパターンが見いだされるような。個人的な印象だけどね。違法流通をトラフィックから見れば、もっと顕著に出るかも。ただ、不正確な調査を見て、感覚的に理解した気になってしまうのも危険だよね。

私自身は、違法ファイル共有や違法流通なんてなくなってもいいと思っている。大事なのは、個人が自らの創作物を効果的に公表する機会とか可能性であって、だからこそ、その機会が失われる可能性に対しては抵抗する。両者を実現するためには、合法的な共有の促進しかない。

もちろん、既存のコンテンツ産業にコンテンツを差し出せというわけではなくて、自らの作品の共有を望む人たちの作品を積極的に共有し、我々にとってなくてはならない存在にしようというだけのこと。

合法的な共有の促進は望ましいこと。ただ、その道筋を作るのは我々しかいない。コンテンツ産業は違法ファイル共有の撲滅を望んでいるが、(彼らが関わるはずのない)合法ファイル共有の普及なども防ぎたい、つまり違法流通を抑えたいが、敵を増やしたくない、と考えるだろう。コンテンツ産業が否定するものを行政なり立法なりがサポートするわけもない。コンテンツ立国なんていっても、結局は金の話なんだから。

ある意味では、変化の中でビッグチャンスが回ってきたとも言える。未だ変化は続いていて、誰も先はわからない。かつては過去を踏襲するだけで良かったものが、今や暗中模索しなければならない。誰かに舵取りを期待するのか、自ら舵取りに参加するのか、それはあなた次第。

EFF、JailbreakやSIMロック解除の合法化を勝ち取る

以下の文章は、EFFの「EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers
日付:July 26, 2010
ライセンス:CC BY

電子フロンティア財団(EFF)は本日、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)における技術的保護手段の回避禁止規定について3つの重要な適用除外を勝ち取った。これにより、自身の携帯電話を改造する消費者、ビデオをリミックスするアーティスト、そして今まで著作権侵害ではないフェアユースにも関わらず訴訟の脅威にあった人々への法的保護を拡大した。

「米国議会図書館著作権局は、EFFからのすべての申請を認めることで、DMCAの弊害を緩和する3つの重要なステップを踏み出しました。」とEFFの自由人権担当ディレクタージェニファー・グラニックは言う。「この法の広すぎる適用範囲から、ジェイルブレイカー、(訳註: SIM)アンロッカー、ヴィッター(訳註: リミックスビデオや批評ビデオの作者)を守れたことを、本当に喜ばしく思います。」

DMCAは、合法で非侵害的な著作物の使用を妨げることのないよう、3年おきに適用範囲について見直すよう定められている。DMCAは、著作物のアクセスコントロールために用いられるデジタルライツ管理(DRM)や「その他の技術的保護手段」の「回避」を禁じている。依然としてDMCAは競争や言論の自由、フェアユースを妨げるものではあるが、本日の適用除外認定は、DMCAの広範囲にわたる制限からの消費者・アーティストの保護に向かう新たな一歩となる。

EFFの第一の要求は、携帯電話の「ジェイルブレイク」-メーカー未承認アプリケーションを動作させるためにiPhoneやその他の携帯電話を開放するソフトウェアの改造-の合法性を明らかにすることであった。百万人超のiPhoneユーザが、無線プロバイダを変えるために、またAppleのiTunes 『App Store』以外のアプリケーションを使用するために「ジェイルブレイク」していると言われており、潜在的なジェイルブレイカーはさらに多い。しかし、これまでDMCAは消費者やオルタナティブなアプリケーションストアを脅かしてきた。

EFFのジェイルブレイク除外申請が受け入れられたのは、著作権局がApple側の主張を却下したためである。Appleは、iPhoneへの未承認のプログラムのインストールは著作権法で禁じられていると主張していたが、著作権局は「ジェイルブレイクが、そのスマートフォンのオペレーティングシステムを相互運用的なものとするために、スマートフォンまたはオペレーティングシステムのメーカー未承認の独自に開発されたアプリケーションを用いて行われた場合、その改造は紛れもなく相互運用の目的で行われたものであり、フェアユースである。」とした。

「著作権法では、これまで長らくプログラムの相互運用化はフェアユースであると考えられてきました。」とEFFの上級スタッフ弁護士コリンヌ・マクシェリーは言う。「著作権局がこうした権利を認め、技術的保護手段の回避禁止規定が相互運用性に干渉してはならないと認めたことを、実に喜ばしく思っています。」

さらにEFFは、近年YouTubeなどのインターネットサイトで活躍するビデオリミックス・アーティストのための画期的な保護を勝ち取った。この新たなルールでは、アマチュア・クリエイターが批評やコメントのための非営利の作品にDVDの一部を使用し(訳註: フェアユースと考えられる使用)、その目的を果たすために技術的保護手段の回避が必要であると考えられる場合には、DMCAの回避禁止規定から除外されることになる。ハリウッドはこれまで、どのような目的であれDVDの「リッピング」はDMCA違反であるとしてきた。

「非営利ビデオは、オンラインのアートの在り方として強力なものです。たくさん人が人気映画からショートクリップを抜き出して使用しています。たとえ作品が明確にフェアユースであったとしても、その製作過程でDMCA違反かもしれないという懸念があったかもしれませんが、もはやその心配は無用となりました。この恩恵はすべての人にもたらされます。作品を作るアーティストに、そして、彼らの作品を楽しむ私たちに。」とマクシェリーは言う。

著作権局はSIMロックの解除に関してもEFFの申請を受け入れ、2006年の除外ルールを改訂、他のテレコム・キャリアでも使用できるようにした。これまでSIMロックの解除は著作権侵害とは何ら関わりがないにもかかわらず、DMCA下では訴訟の危機に晒され、携帯電話にかけられたデジタルロックゆえに、携帯電話の中古販売、再使用、リサイクルは非常に困難であった。EFFはWireless Alliance、ReCellular、Flipswapらクライアントを代表し、このルールの改訂を求めてきたが、2009年の除外ルールでは中古の携帯電話にのみ適用されるよう改定されたに留まり、新規の携帯電話には適用されなかった。

「著作権局は、SIMロックが著作権保護よりも、消費者とキャリア自身のネットワークとを紐づけることを目的としていると認識しています。著作権局は、DMCAがキャリア変更の際、携帯電話を持ち続けることを妨げる障害として用いられてはならないというEFFの主張に同意しています。また、DMCAが携帯電話の中古販売に干渉してはならないという点も同様です。」

EFFからの3つの申請を簡単にまとめると

  • ジェイルブレイクの合法化
  • SIMロック解除の合法化
  • フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化

ジェイルブレイクの合法化に関しては、Apple側から遠回しな反論が出されているようだ。

「アップルが常に目指しているのは、アイフォーンの利用者が最高の使い心地を得られるようにすることだ。ジェイルブレイクは、(アイフォーンの)使い心地を極めて悪くする可能性があるだけでなく、保証契約に違反する可能性もあり、アイフォーンの安定性と信頼性を損なう可能性がある」

米著作権局、アップル端末での非公認アプリの利用を合法化 / WSJ.com日本版

iPhoneユーザはAppleの所有物ではないですよ。

最高の使い心地の提供を目指すのは勝手だが、「使い心地を極めて悪くする可能性」はAppleにもあって、現にJailBreakしている人たちはAppleがそうしていると感じているのではないのだろうか。保証が極めて受けにくくなるのは仕方ないにしても、iPhoneの安定性や信頼性が損なわれて困るのはAppleのビジネス上の都合なので、そのために消費者の自由を束縛してよし、というわけでもない。

もちろん、この辺は建前でしかなくて、著作権局にも見透かされるどころか、言及されるくらい。

「著作権法には、自社の制限的なビジネス・モデルを擁護しようとする米Apple社を支持する根拠はない」

『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

Appleが重視しているのはiTunesによる囲い込みなんだろう。ハードウェアの支配力を利用した、ソフトウェア競争の阻害とも言える。そんなものを著作権法で保護する道理はない、と。

SIMロック解除の合法化に関しては、こちらもハードウェアでサービスを縛り付ける類のものなので、喜ばしい限り。著作権法で保護する道理のなさ加減はこちらの方が上かもしれない。

フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化については、当たり前のかたちに近づいてきたなという印象。他者の映像を勝手に使用したとしても、それが米著作権法にて認められているフェアユースの範囲内であれば、合法的な使用とされるのだが、ハリウッドなんかは、その映像を抜き出すためにDVDに施された技術的保護手段を回避する行為が違法行為である、と言っていると。「フェアユースって言ってっけど、そのDVD、コピー/アクセスコントロールかけてますからー!フェアユース無理!残念!」と悪意を混ぜればこんな表現になる。

そりゃあ馬鹿げてるよって話にはなるよね。ただ、現時点でも私的複製に関しては、私的利用のみを目的としていても見直しの対象外となっている。「かならずディスクから再生してください」ってこのご時世それはナシだろうと思うのだが。まぁ、事実上は解禁されているようなものか…。

米国ではないが、以前デンマークのある男性が、DVDを違法リップしてやった訴えてみろと、権利者団体に挑戦状を叩きつけたなんてこともあったが、権利者団体側は、正規購入品のコピーなら訴えるつもりはないよ、と回答している。まぁ、当たり前の反応だけど(双方)お疲れ様です、という感じなのだが、それでも違法なままというのはあまり気持ちは良くないよね。

EFF以外からの申請で認定されたものについては以下の通り。

  • ビデオゲームのデジタル著作権管理(DRM)機能をクラックして、セキュリティ上の欠陥を調べられるようにすること
  • 電子書籍の音声読み上げ機能が妨げられている場合、視覚障害者がこれをロック解除して使えるようにすること
  • 「プロテクト・ドングル」によって保護されているソフトウェアについては、そのドングルが壊れた、あるいは取り替えできなくなった場合に、ドングル機能を無効にできるようにすること
『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

今回の認定範囲の見直しについては、社会情勢・環境の変化に呼応した部分もある一方で、このような申請を根気強く行う市民団体の意義も強く感じさせる。EFFは以前から3年ごとのDMCA見直しに絡んで申請を出し続けており、今回の著作権局の決定もその成果であるといえる。

■ EFF:DMCAの適用免除が必要な方はいますか? :P2Pとかその辺のお話 (2008年10月の記事)

日本だとMIAUに期待しているが、 市民団体のパワーの源泉は市民にこそある。まぁ、支えていきましょうよ。最近では、4月時点での模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)条文案の日本語訳を公開している。実に素晴らしい仕事だ。

ACTAでも「技術的保護手段の回避」を禁ずる条項が存在しており、米国はACTAにてDMCAの輸出を試みていることからも、その米国にてこのような判断が下されたことは実に興味深い。また、マジコン対策に絡んで、日本でもアクセスコントロール回避規制が検討されており、日本も他人事とは言っていられない。これについてはいずれ何か書きたい。

無料『BitTorrent向けVPN』サービス、1年で30万ユーザを越える

以下の文章は、TorrentFreakの「Free ‘BitTorrent VPN’ Grows to 300,000 Members in a Year」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Free ‘BitTorrent VPN’ Grows to 300,000 Members in a Year
著者:Ernesto
日付:July 06, 2010
ライセンス:CC by-sa

ItsHiddenはBitTorrentユーザの利用を想定して作られたVPNサービスである。このサービスを利用することで、BitTorrentユーザの活動を鍵回る『第三者』からアイデンティティを隠すことができる。サービスはローンチされてから1年と経ってはいないが、ますます高まる匿名BitTorrentのデマンドを受け、既に30万人以上のメンバーを集めている。

アンチパイラシー団体が政府により厳しいアンチパイラシー 法の導入を求め圧力を強める中、数百万のファイル共有ユーザたちは、匿名化により自らのプライバシーを守ることを決意している。

VPNは最も一般的かつ広く利用されているプライバシーサービスで、ユーザは自らのIPアドレスを隠しつつインターネットに接続することができる。BitTorrentによる転送も完全に匿名化することが可能だ。

ItsHiddenはVPNサービスの中でも珍しく、無料のVPNソリューションを提供している。昨年7月にローンチされた際はTorrentFreakでもお伝えしたが、それから1年と経たずして、ItsHiddenは300,000もの無料メンバーを集めている。

ItsHiddenは無料アカウント以外にも有料サービスを提供してもいるのだが、こちらも数万人のメンバーを抱えている。有料サービスが提供する追加機能や帯域無制限といった利点は、おそらくヘビーダウンローダーに好まれているのだろう。

少し前、同サービスの運営に関わるデイビットと話をしたのだが、彼らはBitTorrentユーザを想定してこのVPNサービスを立ち上げたのだと語ってくれた。

「我々を含むユーザにとって、あるべきかたちに戻すためにこのサービスを作ったんだ。」とデイビットはTorrentFreakに語った。「何の正当性もなく、さらには何の証拠すらなく、人のオンライン・アイデンティティに完全なアクセスしようとする、そんな輩が山ほどいるからね。」

このサービスでは、ユーザとItsHiddenサーバ間の接続を暗号化し、第三者による送受信データの盗聴を回避する。ユーザの転送に関するいかなるログも残さず、最大限のプライベートを実現している。

この1年間に登録した30万の無料ユーザのうち、56,262ユーザがほぼ毎日ログインし、数千ギガバイトの転送を行っている。無料アカウントの人気が留まるところを知らなかったためか、ItsHiddenはこの2,3ヶ月、新規アカウント作成を停止していたが、現在は新規アカウントも受け付けている。

フランス『スリーストライク法』:ユーザの監視はアンチパイラシー企業に

以下の文章は、TorrentFreakの「Scope of French ’3 Strikes’ P2P Piracy Monitoring Confirmed」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Scope of French ’3 Strikes’ P2P Piracy Monitoring Confirmed
著者:enigmax
日付:June 24, 2010
ライセンス:CC by-sa

フランスはP2Pパイラシー対策のパイオニアとも言える『3ストライク』メカニズムの完全な導入に向かっている。 違法ファイル共有ユーザに警告を出し、罰するためには、まず著作権侵害への関与を監視しなければならない。現在、その監視の範囲が確認された。

今年初めに報道されたように、フランスのエンターテイメント産業は、フランスの違法ファイル共有ユーザの追跡および報告の役割にアンチパイラシー企業Trident Media Guardを選んだ。同社は以前からフェイク・ファイルを利用したファイル共有ネットワークの汚染を行っていたことでよもく知られていたが、今度はフランスのスリーストライク『Hadopi』法のもとで証拠を提供する役割を担うことになる。

著作権料徴収団体SACEMのティエリ・デシュールモンは、あるカンファレンスにて、TGMの監視体制の範囲について説明した

TMGの追跡システムは複数のファイル共有ネットワークを監視可能なのだそうだが、おそらくプライオリティはBitTorrent、eD2K(eDonky/eMule)、Gnutella(LimeWireなど)に置かれることになるだろう。ただ、TMGがいわゆるサイバーロッカー・サイト(RapidShareなど)を監視するという噂は真実ではなかった。たとえ同社がそうすることができたとしても、そうするための権限が与えられていないのだという。TMGは完全にP2Pに専念することになる。

「私たちはTMGとの合意に達し、(同社には)基礎的な参照情報から違法ファイル共有に用いられたIPアドレスを監視してもらうことになります。」と著作権料徴収団体SACEMのティエリ・デシュールモンは説明した。

「音楽産業とオーディオビジュアル部門があります。音楽産業(SCPP、SPPF、SACEM、SDRM)については、ベースとなる5,000の作品(これは『』ゴールド』と表現される過去のカタログから成る)と随時更新される5,000の作品が監視対象となります。放送局については、(アンチパイラシー団体の)ALPAがリストした200の作品が対象になります。」

モニタリングのプロセスは、TMGのキャパシティに依存することになるのだろうが、同社はなんと年間1825万、1日に換算すると5万もの作品をトラッキングしている。

「この合意では、TMGは音楽、オーディオビジュアルそれぞれに1日25,000の著作権侵害をトラッキングできなければならないとしております。今後この数字は、プロセスの調整を経て増えることになるでしょう。」とデシュールモンは説明する。

こうした高い目標を掲げたオペレーションではあるが、もう一方の事務処理の側面については特に語られてはいない。フランスは『ワンストライク、ツーストライク』警告で効果を上げることを期待しているのだろう。もしくは、罰金や切断の判断を下す裁判官に地獄の残業を引き受けてもらおうとでも思ってるのかね。

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