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LimeWireの終焉:差し止め命令を受けサービスを停止

以下の文章は、TorrentFreakの「LimeWire Shuts Down After Losing Court Battle With The RIAA」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:LimeWire Shuts Down After Losing Court Battle With The RIAA
著者:Ernesto
日付:October 26, 2010
ライセンス:CC by-sa

米連邦裁判官がRIAAの請求を受理したことで、Gnutellaベースのファイル共有クライアントLimeWireはその全ての活動を停止した。LimeWireはユーザによる著作権侵害を防止するため、その全機能を無効にするよう命じられた。この判決は、P2Pファイル共有界隈にかつてないほどの影響を及ぼすことになるだろう。

数ヶ月前、RIAAはニューヨーク地裁に対し、世界で最もインストールされているファイル共有アプリケーションLimeWireを停止するよう請求した。レコードレーベルは、LimeWireが数億ドルもの逸失利益を引き起こし、音楽産業にとって最大の脅威になっていると主張した。

本日、RIAAの請求は連邦裁判官によって受理された。差し止め命令によると、LimeWireはLimeWireユーザによる「著作権侵害を故意に助長し」、「圧倒的に侵害の用途に」用いられ、同ユーザによる「侵害の規模は甚大である」ことも知られている、としている。

さらに、LimeWireがかつてのNapsterユーザ向けに市場に出されたこと、そのビジネスモデルが大規模な著作権侵害に依存することについての証拠も示された。

ニューヨーク地裁はLimeWireに対し、同クライアントにおける検索、アップロード、ダウンロード等の全活動を停止するよう求めた。LimeWireを起動すれば、それがもはや使い物にならないことに即座に気付くだろう。

LimeWireクライアント内通知

これは公式アナウンスです。LimeWireは裁判所の差止め命令を受け、このファイル共有ソフトウェアの配布ならびにサポートを停止いたしました。許諾のない著作物のダウンロードまたは共有は違法行為となります。

この判決は、ファイル共有の世界を永久に変えうる可能性をはらんでいる。数年前よりBitTorrentが主要なファイル共有プロトコルの座についているが、LimeWireはP2Pファイル共有市場において最もインストールされている。2008年の調査では、第2位のuTorrentがインストールベースでのP2Pアプリケーション市場占有率14%だったのに対し、LimeWireはなんと37%であった。

RIAAが法廷においてLimeWireに勝利を収めた今、数百万のユーザが別のダウンロードクライアントを探さなければならないのだろう。ともすれば、メジャーなBitTorrentクライアントのユーザ数を急増させることになるかもしれない。

一方、LimeWireに類似したソフトウェアは、本日の判決によってネガティブな影響を被るかもしれない。差止め命令において、FrostWireやMP3RocketなどのGnutellaクライアント、そしてuTorrentやVuze、Transmissionを含むBitTorrentクライアントが「類似したソフトウェア」と記述された。このどれかが次のターゲットになるのだろうか?

RIAAはTorrentFreakの取材に対し、今後のターゲットについては言明しなかったものの、以下のようにコメントした。「裁判官が差し止め命令に署名したことにより、LimeWireならびにマーク・ゴートンに莫大な利益を与えた大規模パイラシー・マシーンから解放されることになるのです。」

「1月には、LimeWireシステムを通じて行われた膨大な違法ダウンロードに対し、レコード会社への補償に必要な損害賠償額を決定するための審理が開始されます。」とRIAAは付け加えた。

今日の判決はLimeWireの終焉となるのだろう。しかし、近いうちに「非侵害的な」サービスとしてこのブランドは再登場するんだろう。(Napsterのように)

差し止め命令

日本でも「LimeWire 繋がらない」とか「ライムワイヤー」がGoogle急上昇ワードになるくらいには、影響はあるみたい。一応、日本でも一番人気のプロトコルの主要クライアントだしね。

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DMCAの濫用?フェアユースな政治広告をYouTubeから削除

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Copyright Abuse in Ohio Governor Election」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Copyright Abuse in Ohio Governor Election
著者:Kurt Opsahl
日付:October , 2010
ライセンス:CC BY

オハイオ州知事選挙まであと数週間となったが、この選挙に絡んで、くだらない著作権クレームによってYouTube上の政治広告ビデオを排除しようという著作権紛争が勃発した。

2日前、ジョン・ケーシック下院議員(共和党:知事選候補者)は、鉄鋼工の男性がテッド・ストリックランド知事(現職:知事選候補者)のこれまでの施策を批判するというコマーシャルをうった。しかし、このコマーシャルの男性は実は鉄鋼工ではなく、雇われた俳優チップ・レドゥンであることが判明した。

オハイオ民主党はすぐさまこれを利用し、YouTubeに政治広告ビデオを投稿した。このビデオは、レドゥンが俳優として出演した作品から一部を抜粋し、例示するというものであった。そうした作品の1つにArginate Studios, LLCのものが含まれていたのだが、同社はDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づき、YouTubeに対し削除要請を送付した。DMCAの下では、YouTubeはこの政治広告ビデオを少なくとも10日間(残された選挙キャンペーン期間を考えれば、かなりの長期間になる)、アクセスできない状態にしなければならない。一方で、Vimeoにはこのビデオが残されていた。


Are you kidding me? from Jeremy Froughlin on Vimeo.

選挙を控えたここ数週間、著作権を盾にした政治的言論の排除はたびたびあったが(これについてはCDTが詳細に伝えている)、この件はその中でも特にひどい。なぜか?Aringateのビデオは、政治的論点について例示するためにほんの数秒間使われたに過ぎず、フェアユースと判断されて当然のケースであったためだ。

まず第一の問題としては、この使用が極めて改変的(新たな意味合い、メッセージの付与)だったことがあげられる。Aringateの元のビデオは、映画祭の「ロードムービー」部門にエントリーされており、レドゥン扮するサム・カーペンターは、バーにいた二人の女性にある特別なチケットを渡すシーンに登場する。一方、政治広告ビデオでは、鉄鋼工だとされた彼が実際には雇われた俳優であるという証拠として例示するために使用された。この使用はこれ以上ないくらいに改変的だと言える(訳註:文脈も、目的も全く異なっているということ)。最高裁の判決では、改変作品は「著作権の枠内において、創作の自由を保証するフェアユースの法理の中核を成す」と説明されている。

さらに、この政治広告ビデオは元の映画のほんの数秒を使用したに過ぎない。法廷は「完全に、一語一句正確に複製されたとしても、作品の目的が原作品と異なる場合には、正当な使用と認められる」としており、加えて、主張を検証するに辺り、必要最小限の使用に抑えることで、フェアユースとしての正当性はさらに高まる。

また、原作品はオンライン上で無料で公開されており、現作品の利益を害したとも言い難いだろう。最高裁は「著作物の潜在的な市場または価値に明白な影響を与えない使用については、著作者の創作へのインセンティブの保護を目的として、その使用を禁じてはならない。」としている。

最後に、フェアユースの判断においては、新たな作品が公益に叶うか否かも考慮される。来るべき選挙について市民に情報を伝えることは、市民的議論の中心的な側面であり、この政治広告ビデオもその議論に貢献する。

Arginate Studiosは、この政治広告ビデオが著作権侵害だとする主張を恥じ、削除要請通知を即時撤回すべきである。また、YouTubeがビデオを再び公開することを望む。Arginateは、再びDMCA通知を出す前に、DMCA第512条f節を見返すべきだろう。著作権侵害の誤認に基づく著作権の行使にはペナルティが科されることをお忘れなく。

アップデート:ビデオは10月8日に再び公開された。このビデオを即座に復旧しようとしたYouTubeの意志に敬意を表したい。

オハイオ州とかその周辺の州は工業地帯(ラストベルト)として発展してきたんだけど、70年代後半から斜陽化が進み、鉄鋼業も含め雇用問題が深刻化しているという背景があって、とある鉄鋼工が批判的な意見を述べるというコマーシャルが作られた、というところだろうか。でもその人物は実際には鉄鋼工じゃなくて俳優でしたよ、というところで揉めただけなら、少なくとも私にとっては後は有権者が考えてねという問題で済むのだろうけども。

内容はともかく、個々で問題となっているのは、目的、分量、原作品の利益、公益性といった要素を考えても、明らかにフェアユースと思われる著作物の使用だったにもかかわらず、著作権侵害を盾にビデオの非公開を迫ったことにある。まぁ、何でまたこんなことをしでかしたんだろう。ふと、政治的意図があったんじゃ、なんて思ってしまいそうになるが、政治利用されたくないからやった、とも考えられるし、アホみたいに著作権を主張しただけとも言える。いずれにしても、馬鹿げた話だが。

また、この件に若干関連した話題がTechCrunchに掲載されている。あわせてどうぞ。

FacebookはDMCAへの正しい対応を怠慢し, ファングループを窒息死させた

米議会:インターネット検閲法案(COICA)が提出される

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「The COICA Internet Censorship and Copyright Bill」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:The COICA Internet Censorship and Copyright Bill
ライセンス:CC by

「オンラインにおける権利侵害および偽造防止法(Combating Online Infringements and Counterfeits Act :PDF)」(COICA)は、現在、上院にて審議が急がれているインターネット検閲法案である。表向きは著作権侵害対策となっているが、いったん成立してしまえば、膨大な非侵害的なコンテンツ、たとえばパイラシーに関する政治的な言論なども含めてウェブ上から消え去ってしまう可能性がある。

この法案の主なメカニズムは、インターネットのドメインネームシステム(DNS)に干渉することにある。DNSはたとえば"www.eff.org"や"www.nytimes.com"といったドメインネームを、コンピュータがコミュニケートするためのIPアドレスに変換してくれる。この法案は、検閲するドメインに関して2つのブラックリストを作成する。1つめのブラックリストには、司法省が「主に」権利侵害を目的だと判断したサイトが載せられる。この法案では、ISPやドメイン登録業者にそのリストに掲載されたドメインを検閲するよう、強い法的インセンティブが与えられる。2つめのブラックリストに載せるサイトは裁判所が判断するのだが、これは司法長官が裁判所に要請する形をとる。この法案は、2つめのブラックリストに含まれるサイトを検閲するよう、ISPやドメイン登録業者に義務づけている。

この法案が通過すれば、おそらくDropboxMediaFireRapidShare、MP3ブログ、さらにSoundCloudMashupTownHypeMachineといったマッシュアップ/リミックスサイトまで、ブラックリストのターゲットにされてしまうかもしれない。また、pirate-party.usp2pnetInfoAnarchySlyckZeroPaidなどのパイラシー問題を議論するサイトも脅威にさらされかねない。実際、この法案が5年、10年前に成立していたら、今日のYouTubeはなかったであろう。つまり、この法案の副作用はあまりに大きいということである。(なぜこれらのサイトが標的にされるのか?)

現時点でも、違法なサイトを取り締まるための法律や手続きは既に存在している。この法律が成立すれば、サイトが著作権侵害、違法行為を行ったという裁判所の判断を得ずして、司法長官がサイトを検閲することが可能になってしまう。

同法案に反対するサイトDemand ProgressのCOICA FAQを、つやてざニューさんが翻訳、公開しているので、そちらも参考に。

アメリカのインターネット検閲法案「COICA」ってなに? - つやてざニュース

Q: 検閲という言い方はちょっと大げさじゃない?

A: そうでもないよ。もしあなたがインターネットを使って違法なことをすれば、法廷に連行され、それをやめさせられる。アメリカではそういう仕組みがすでに機能しているんだ。この法案は、Web サイトへのアクセスの遮断を ISP に強制することで、こうした仕組みを迂回してしまう。それにアメリカ以外の国の人々は普通にアクセスできるのに、アメリカのユーザはブロックされる。こういうインターネット規制は、まさにアメリカ政府が批判し続けてきた中国やイランがやっていることそのものだ――奇しくもついこの間、オバマ大統領は国連で「我々は自由でオープンなインターネットを支持する」と語ったんだけどね。ところがいまは、インターネットを自らの手で検閲しようとしているんだ。

アメリカのインターネット検閲法案「COICA」ってなに? - つやてざニュース

この法案は、9月20日に提出されて、ごり押しで通してしまおうという流れもあったみたいなのだけれども、今のところ同法案は先送りされたとのこと。ただ、廃案になったわけではないので今後も警戒が必要な感じではあるようだが。

転載された記事の権利を買ってブロガーを訴える、著作権ゴロの新たなビジネスモデル

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Righthaven's Brand of Copyright Trolling」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Righthaven's Brand of Copyright Trolling
著者:Richard Esguerra
日付:September 2, 2010
ライセンス:CC BY

著作権トロールは今に始まったことではないが、最近、Righthavemという弁護士グループが著作権訴訟をビジネスモデルに変えようとしている。こうした著作権トロール弁護士に共通しているのは、インターネットユーザを脅し金を搾り取るために、著作権の厳格な損害賠償制度を利用しようとしているところにある。ここ数年のファイル共有訴訟や、ワシントンDCの弁護士事務所が起こした最近のBitTorrent裁判などをご存じの方にとっては、Righthavenサーガは実になじみ深い、しかし悲劇的な物語である。しかし、これには複雑かつ特異な事情も絡み合っている。

まずは、通常のパターンから説明しよう。Righthavenは著作権侵害を主張して、ネバダ連邦地裁にて100以上の訴訟を起こした。彼らは、(a)新聞記事の一部をネットに投稿した個人、非営利団体、その他の人々をインターネット上で探し出し、(b)その特定の記事の著作権を買い、(c)投稿者を著作権侵害で訴えている。RIAAやUSCGの裁判同様に、法定損害賠償という制度上の穴をついた多額の賠償金やRighthavenが負担した裁判費用の支払いを当て込んだやり口である。従って、たとえ、フェアユースやその他の抗弁が可能であったとしても、多くの被害者たちは数千ドルの和解案を受け入れてしまう。

しかしRighthavenは、他の著作権トロールとはいくつか点で大きな違いがある。

Righthavenは、批評や議論のために文章・ニュース記事を使用したブロガーを探し出している。訴訟のターゲットにされた多くの人が、時事に関する議論を充実させるために新聞記事を使用していた。ニュース記事の全体、または一部を転載することはデジタル時代の批評と議論の要である。通常、転載の目的は、著作権の保護の対象にはなっていない記事中の「事実」の共有にこそあり、たとえば著者の言い回しのような保護の対象となる「表現」を共有するものではない。ニュースをターゲットにしたRighthavenの訴訟は、コミュニティにおける自由かつオープンな議論に萎縮効果をもたらしうる。

Righthavenは、インターネット上の討論の流儀に戦いを挑んでいる。他の著作権トロールは、ファイル共有ソフトや音楽・映画などのエンコードされたデジタルメディアを巡って争いを起こしている。しかし、Righthavenは基本である「コピー&ペースト」機能を用いるすべての人をターゲットにしている。ネット上での議論は、批評や反論の前に、他者の原文を見せることで成り立ってきた。正確な引用は、レッテル張りを最小限のものし、議論を円滑にする。インターネット上の議論が持つ長所である。

Righthavenは、被告のドメイン名を凍結、差し押さえるよう裁判所に求めている。たとえばHuffingtonpost.comやRedstate.comというドメインにおいて、ある1つの著作権侵害が認められた場合、ドメイン全体のコンテンツが失われることになる。著作権侵害のあったコンテンツのみならず、当該ウェブサイトにおける既存の、そして未来のコンテンツ全てのコントロールを事実上求めていることになるのだが、これは1つの著作権侵害への対処としては行き過ぎている。著作権法やいかなる前例においても認められるものではない。このことは、行き過ぎた主張で被告を脅し、早期の和解を引きだそうしていることの証左でもある。

Righthavenはいきなり訴訟を起こしている。Righthavenは、ターゲットとなったブロガーやウェブサイト運営者に、削除要請やDMCAテイクダウン通知を送付してはいない。Righthavenが権利を持つニュース記事の部分について削除や修正を求めるのではなく、いきなり警告なしに、連邦地裁に訴訟を起こす。つまり、まず訴え、然る後に問い正す(sue first and ask questions later)のである。これは、特定の著作権侵害を正すことを目的とした戦略ではなく、訴訟費用を釣り上げ、被告に即座に金を支払うよう脅すための平手打ち戦略といえる。

Righthavenは、ネットでの新聞記事の転載に対する「抑止効果」を意図した活動だと主張しているが、Righthavenの訴訟を見るに、ビジネスとしてやっているとしか考えられない。上記のような行き過ぎた法的戦術に加え、Righthavenは訴訟に利用できると踏んだ著作権のみを購入しているようである。一方で、ジャーナリズムの慣行には何ら関与することもない。

Righthavenはさらに、他の新聞社との契約を求めているようである。しかし、記事を利用したブロガーを訴えることでジャーナリズムが救われると考える新聞社がいるとすれば、それは大きな間違いである。新聞社はこれまで、真のジャーナリズムをサポートするイノベーティブなビジネスモデルについて、有意義な議論をしてきたではないか。Righthavenがさらに多くのクライアントを獲得しようものなら、悲しいことではあるが、未来に向けたこうした対話を阻害しかねない。

しかし、新聞社がどのような立場でジャーナリズムの未来を議論するのであれ、我々は「観衆を訴える」戦術がまったく考慮に値しないことを強く信ずる。新聞社は2004年当時の音楽産業と同じ態度を取る誘惑に耐えねばならない。かつて音楽産業は、無意味な訴訟により、新たなテクノロジーや新たな市場の開拓のチャンスを逃してしまったのだ。

EFFは、言論の自由やフェアユースを害し、法律システムを濫用する戦略を採るRighthavenやその他の著作権トロールを注視していく。今後も、我々を守る正当な根拠を模索し、関連するニュースを伝え、問題が進展する都度分析を加えていくつもりである。

スラッシュドット・ジャパンでもこの話題が取り上げられていたので、翻訳してみた。 Righthavenについてはあまり追い切れていなくて、当初の報道では全文転載したユーザのみが訴えられているとか報じられていたような。部分的な転載について訴えられていることも後になって判明したのかな。

私個人としてはEFFの主張に強く賛同するが、かといって全文転載のケースに限ってはやはり筋が悪いというか、大きなリスクを抱え続けるだろうとも思う。上記記事では、転載の目的は、著作権で保護される「表現」を共有することではなく、記事に含まれる「事実」の共有にこそある、といわれているが、ならばこそ、「表現」を排除し、つまりより安全なかたちで「事実」を抽出したものを共有することが必要とされているのではないか。

P2Pファイル共有に関連した国内の検挙事例をまとめた「もうだめぽ日記」というブログを書いているが、これも転載者が著作権侵害のリスクを減らすための試みでもある。複数の事件記事から事実のみを抽出し、自らの表現、というかテンプレを元に新たな記事として公開し、全文転載を含む自由な使用を許諾する。この手の話題に興味を持つ人はそれほどいないだろうが、それでも議論したいと思ったときに自由に使えるリソースとして利用できる。転載してくれれば、その部分について一から書き上げる手間を省けるよね。

殊に日本では、ウェブ上の報道記事はいつまでもあるわけではなく、一定期間後に削除されてしまうし、残っていたとしても自由に使えるわけではない。だからこそ、自由に使用できるソースとして残すことが重要なんだと思う。私が書いているのはP2Pファイル共有に関わる事件のみではあるのだけれど、個々人が関心を持つ領域について残していくことで、膨大なアーカイブを作り上げることができる。Wikinewsなんかはその可能性がありそうなんだけど…。

もちろん、二次ソースが一次ソースに勝ってしまうのは持続可能性に問題を抱えることになるのだが(勝てるとも思ってはいないが)、その辺りは仁義として、新規さによる話題性が失われたころにアップするようにはしている。アーカイブにも価値を置いているのもあるし、早く知ったからといって何が変わるわけでもないので、速報性で競う必要もないし。競合しなければうまいことやっていけるんじゃないのかしらと、楽観的に考えている。もちろん、報道記事の表現を改変しているわけではなく、報道された事実に立脚して記事を書いているだけなので、法を犯しているわけでもなく、単に仁義の切り方の問題だったりもするが。

元記事のブロガーを狙った著作権トロールの件とはだいぶ離れたコメントになってしまったが、長期的に考えると関係してくると考えている。何としても避けなければならないとは思っているが、著作権フィルタリング等によるウェブアクセス制限なども将来的には可能性はゼロとは言い難い。それが実現した場合、転載が含まれているがゆえに有益な議論すら我々の目には届かなくなる、つまり失われてしまう可能性がある。それを避けるためにも、そしてそれ以前に著作権フィルタリングなどの実装を防ぐためにも、クリーンな転載を推奨したい。

P2P映画配信プラットフォームVODO、インディー映画の口コミに報酬システムを導入

以下の文章は、TorrentFreakの「P2P Backed Film Platform to Reward Influencers」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:P2P Backed Film Platform to Reward Influencers
著者:Ernesto
日付:October 03, 2010
ライセンス:CC by-sa

VODOプロジェクトは、多数のファイル共有サイトやアプリケーションの力を借り、インディー映画製作者に斬新な配信プラットフォームを提供している。VODOからのメジャーリリースはいずれも数十万人のユーザにダウンロードされ、そのモデルの有効性を自ら証明している。しかし、VODOはピア・ツー・ピア配信の真の効力を引き出すため、ピア・ツー・ピアプロモーションへのシフトに力を注いでいる。

昨年、Steal This Filmの監督ジェイミー・キングは、映画製作者とファイル共有コミュニティの配信力とを繋ぐ試みとして、VODOをローンチした。VODOプロジェクトは、この強力な能力を活用し、インディペンデント映画作品のプロモーションを行っている。

VODO―Voluntary Donationの略―はこれまで、大成功を収めてきた。EZTV、The Pirate Bay、isoHuntなどのBitTorrentサイトの支援を受け、VODOの全メジャーリリース作品は、数十万回もダウンロードされている。さらにダウンローダーたちは、映画製作者に数万ドルの寄付を寄せている。

これまでのところ、バズの大部分は、複数のファイル共有サイトの連携によって生み出されてきた。しかし、今週お目見えしたVODO 2.1では、普通のピア(peer: 普通のユーザ)がVODOの映画作品のプロモーションにさらに貢献することを目指す。大手サイトのプロモーション力ではなく、実際の人々、インフルーエンサー(Influencer: 影響力を持つ人、オピニオンリーダーに近い?)のスウォームが生み出すプロモーション力にシフトしていくという戦略である。

サイトは既存のVODO.netドメインに加え、VO.DOドメインを追加し、複数の新機能を導入した。新機能の1つは、ユーザの貢献を促進することを狙ったものだ。VODOがリリースした作品を共有、宣伝するよう動機づけるため、報酬システムを導入している。

「Doという仮想通貨を作り、インフルーエンサーに報酬を支払うことにしました。」とVODO創設者のジェイミー・キングは説明する。「あなたのおかげで、誰かが作品をダウンロードした、アーティストのVODOページにアクセスした、VODOに登録した、アーティストのスポンサーになったとなれば、その都度、幾ばくかのDoを受け取ります。」

VODOアカウントを持つユーザは、自分のブログに映画へのリンクをはったり、FacebookやTwitterにダウンロードリンクを投稿することができる。VODOサイトは被リンクをトラッキングし、彼らの影響力によって何人がサイトに登録したか、寄付をしたかを把握する。

「Doには2つの側面があります。1つは評判通貨として、ある人がVODOクリエイターにどれくらいの貢献したかを知ることができます。もう1つは交換通貨として、実世界と同様の価値を持ちます。いずれ、オファーや景品、グッズなどありとあらゆるものと交換することができるようになるでしょう。」とキングは言う。

もちろん、これまでもたくさんの個人が、Pioneer OneThe Yes Men Fix The WorldといったVODOメジャーリリース作品のプロモーションを助けてきた。しかし、VODOチームは新機能を通じて、そうした人たちに報い、さらに真のピア・ツー・ピアプロモーション力が人々の中にあることを強調したいのだという。

VODO 2.1ではDo以外にも、開かれた承認プロセスを導入した。VODOはこれまで、どの映画をVODOで配信するかを慎重に吟味してきたが、こうした承認プロセスをオープンにした。ビデオコンテンツを共有したい人は誰でも、パブリッシャーアカウントを取得し、ファンと繋がり、スポンサーを募ることができるようになった。

また、VODOは毎月1本の映画をセレクトし、その作品を大手ファイル共有サイトやアプリケーションにてプロモーション、フィーチャーする。本日、VODOは新たな高画質映画『Person of Interest』のプロモーションを開始した。これまでのVODOリリース同様、BitTorrentで無料ダウンロードできる。

VODOの新作についてはこちらをチェック

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