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「演奏するなら著作権料払え」がミュージシャンからライブの機会を奪った

以下の文章は、TorrentFreakの「Music Copyright Police Ruin Artists' Gigs (and Coconut Curry) 」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Music Copyright Police Ruin Artists' Gigs (and Coconut Curry)
著者:Allan Gregory
日付:October 08, 2011
ライセンス:CC BY

今年だけで、50以上の小規模レストランやパブ、バーが、ライセンスを得ずに(ライブ)音楽を演奏したとして、米ロイヤルティ徴収団体BMIから訴えられた。 もちろん、それ以上の人々が、著作権料を支払え、さもなくば…とにこやかに話すBMIの弁護士の訪問を受けたことだろう。さもなくば…が意味する状況、それは店舗のオーナーに影響するだけではない。アーティストにとっても、パブリック・パフォーマンス・ライセンスの軋轢により、ライブの機会を失っているのだ。

私の親しい友人に、カレーレストランのオーナーがいる。彼を仮に『ジョン』としておこう。数ヶ月前、ジョンは私に電話をかけてきて、互いに近況を報告しあった。ほとんどは、ココナッツミルクが高騰して大変だという愚痴ではあったが。

ドル安が続く中、タイから輸入されるココナッツミルクの相場が400%以上あがったのだそうだ。たいていレストランは利益率が低く、ジョンもこの原価高騰を受けてギリギリの経営を続けている。

病める米国経済にあって、ジョンはなんとか倒産せずにいるという。いくぶん興奮気味ではあったが、私は彼の話に共感し耳を傾けていた。それからジョンは、先週のランチタイムに、BMIの女性弁護士が訪ねてきたと話した。

BMIの弁護士が地域の近隣ビジネスに立ち寄る、これは通常、何かを買いに来た、食べに来たということを意味しない。例によって、BMIの弁護士は、お金を落とすためにそこにいたわけではなかった。彼女は、パブリック・パフォーマンス(公演・演奏)ライセンスの交渉のために訪ねてきたのだった。

BMIは、集中権利団体(collective rights organization: CRO)である。CROとは、ロイヤルティを徴収し、それを著作権者に分配する団体である。こうした仕組みが、ロイヤルティの徴収に最も効率的であると考えられており、実際そうなのだろう。音楽レーベルが個々にアーティストのロイヤルティを請求して回らねばならない状況を想像してもらえば、その必要性はご理解いただけるだろうか。

ロイヤルティは、著作権者の重要な収入源となっている。音楽著作権者にとっては特に。アーティストの曲がラジオでかかれば、ロイヤルティが徴収され、アーティストに支払われる。しかし近年、BMIとASCAP(もう1つのCRO)は、パブリック・パフォーマンス・ライセンス徴収のためにますます強引になってきている。

パブリック・パフォーマンス・ライセンスというのは、その名の通り、公衆に向けて、他人の著作物を演奏する権利を許諾するラインセンス。大抵の人は、たくさんのバンドが入れ代わり立ち代わり演奏するライブハウスのような場所に適用されるものと思われるのではないだろうか。しかし、BMIとASACAPは、お客さんにちょっとしたライブパフォーマンスを見せる小規模の近隣ビジネスにまで、このライセンスを積極的に適応している。

もちろん、BMIやASCAPによる徴収が、法に基づいていることは疑いない。しかし、彼らがその権利を持つからといって、そうすべきかどうかは別問題だ。友人のジョンは、こう話してくれた。

「地元のアーティストを応援したくって、うちのレストランで毎週金曜の夜にライブをしてたんだ。すごく好評でね。お客さんは楽しんでくれたし、バンドもライブの機会があって喜んでくれた。それから数ヶ月して、弁護士がランチタイムに来て、BMIにパブリック・パフォーマンス・ライセンスを支払えっていうんだ。3,000ドルだってさ!」

「しかも、たとえオリジナル曲だけを演奏してたとしても、契約しなくちゃならないって言うんだ。チューニング中に、レッドツェッペリンのリフっぽいのを弾いただけでも、著作権侵害だとさ。」

ジョンの体験は、BMIの高圧的な脅しが、音楽の将来にネガティブな影響をもたらすことを示すだろう。決して、「共に働こう(let's work together)」というものではない。BMIはジョンにいかなる選択肢も与えなかった。支払え、さもなくば、だ。将来、違反する可能性がある、だからジョンにライセンス契約を交わせという。

著作権法の目的は、「科学及び有用な芸術の進歩を促進する」ことにある。著作権は、創造的なイノベーションをドライブする経済的なインセンティブなのだ。著作権が適切に運用されていれば、優れた想像力を促進する強力なツール足りえる。しかし、ここで脅しのために使われているBMIのパブリック・パフォーマンス・ライセンスは、法の趣旨とは真逆に、音楽の発展を窒息させた。ジョンは、BMIの脅威の結果を雄弁に話した。

「知ったことかって言ってやったよ。こっちは、毎週金曜の夜に音楽やってるだけなんだ。3000ドルの価値なんてありゃしねえ。今みたいな綱渡りの経済状況でなんとかやってる地域のレストランが、どうやって3,000ドル捻出できる?だから、バンドにはキャンセルしてもらった。それでどうなったかって?お客さんにも、地元の音楽にもガッカリな結果だよ。完全にlose-loseだね。」

BMIや他の集中管理団体がもたらした結末とでもいえようか。

あなた方の顧客は、あなた方の敵ではない。ライブ音楽を促進することは、BMIにとって、そしてロイヤルティを受け取るアーティストにとって望ましいことである。地域ビジネスをいじめ、脅すよりも、地域ビジネスと共に働くことこそが、すべての関係者に利益をもたらす。

ジョンのレストランの件は、実に嘆かわしい状況である。彼のココナツカレーはいつものように素晴らしい味だ。だが、かつて店内に流れていたバンジョーの音は、もう永遠に失われてしまった。

このエントリは、アラン・グレゴリーによるゲスト投稿である。アランはフロリダ州の公認弁護士で、インターネット法を専門とする。

徴収自体には問題はないのだが、オリジナル曲だけ演ってても払えってのはひどいね。自分には返ってこないのに、なんか税金みたい。貧すれば鈍するなんていうが、焼け野原を作らないようにしてもらいたいもんだ…。ルールなのだから従え、ではなく、そのルールがその時代、その状況において適切であるのか、という視点を失わないようにしたいもので。

今回はBMIに関するお話だったが、文中に出てきたASCAPも、以前トンデモな主張をしていたりもする。

米著作権団体、街中で着メロが流れるのは無断使用だから携帯キャリアは使用料を払えと主張

簡単にいえば、公共の場で着メロが鳴るの演奏である、よって携帯キャリアは著作権使用料を支払うべきである、と。もちろん、この主張が認められることはなかったけどね。

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RapidShare、ワシントンにて「クラウド」のためのロビイングを開始

以下の文章は、TorrentFreakの「RapidShare Fights for "The Cloud" in Washington」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:RapidShare Fights for "The Cloud" in Washington
著者:Ernesto
日付:October 06, 2011
ライセンス:CC BY

エンターテイメント産業が著作権法の強化を求め、ワシントンで広くロビイ活動を行なっていることはよく知られている。ファイル共有企業Rapidshareはそれに対抗し、自前のロビイストを雇った。TorrentFreakは、Rapidshare法務責任者 ダニエル・ライマーとの対話の機会を得た。そこで、彼らの主な目的な何なのか、どうやってワシントンにメッセージを伝えるのかなどを伺った

ご存知のように、現在、ワシントンではインターネットを脅かすPROTECT IP法の議論が進んでいる。この法律は、多くのウェブサービスを死に至らしめるものとなりうる。

PROTECT IP法は、当局及び著作権者に、著作権侵害を助長していると判断されたサイトを検閲するための手段を与える。ドメインの差し押さえに加え、検索結果から『ならず者サイト』の排除、ISPによるドメインブロック、決済口座の停止などを要求できるようになる。

しかし、『ならず者サイト』とはどのように定義されるのだろうか?裁判官はしばしば、RIAAやMPAAのようなエンターテイメント産業団体からの説明だけを聞き入れ、判決に反映させる。古参ファイルホスティングサービスのRapidshareは、これは由々しき問題であるという。

Rapidshare法務責任者のダニエル・ライマーがTorrentFreakに語ったところによると、こうした曖昧さ故に、ワシントンで彼らの利益を主張してくれるロビイ企業を雇うことになったのだという。エンターテイメント産業はしばしば、Rapidshareが海賊たちの避難所となっている、ならず者サイトだとレッテルを貼ってきたが、これは間違いだとライマーは言う。

「ワシントンにおけるRapidShareのゴールは、市場のゴールと同じ。濫用を根絶し、潜在的な消費者を安心させるために、出来る限りのことをする。これまでRapidShareと接触のあった関係者は、弊社のオープンさ、産業リーダーシップを発揮しようという姿勢を評価してくれています。」とライマーはTorrentFreakに語った。

RapidShareによると、米国の政策担当者やオピニオン・リーダーたちは、同社の言い分を聞く機会を歓迎しているという。

RapidShareは、同社が「クラウド・ホスティング」ビジネスを営み、Dropboxと同様のサービスを提供していると考えている。自らのデータをローカルドライブからクラウドに置くというトレンドはますます勢いづいており、ホストされるファイルの中には当然著作物も含まれるだろう。

しかし問題は、何を持ってこれらのクラウド・ホスティング・サービスを『悪しき』運営であると定義するか、どの段階でドメイン名を差し押さえるに足るとする判断がなされるのか、である。

「今すぐにでも、政府はクラウド・コンピューティング・サービスについて真剣に、綿密に議論しなければなりません。」とライマーは言う。

「そうした場で、消費者の利益、プライバシーへの懸念、コンテンツ産業が求めるフィルタリング等の違法コンテンツへの対処について議論されねばなりません。」

RapidShareはこの数年間、著作権侵害を繰り返すユーザを切断したり、彼らがホストするコンテンツをインデックスするサイトを特定したりと、著作権侵害に対して厳しいスタンスをとっている。こうした努力にもかかわらず、未だにRapidShareをパイラシー・ヘイブン(海賊の隠れ家)だとする声が後を絶たない。

RapidShareは、彼らが持つ懸念を伝えることで、RIAAやMPAAが主張しているほど白黒はっきりしたものではないのだと、議員たちを説得しようとしている。クラウド・ホスティング・サービスの権利と義務について慎重に判断するためには、十分な議論が必要となる。

「RapidShareは、『ベスト・プラクティス』リーダーとして、こうした議論に建設的に参加していきたいと考えています私たちは、著作権の濫用を如何に取り締まるかについて、同業他社よりも多くのノウハウを蓄積しています。」とライマーは言う。

「RapidShareには、24時間365日、不正使用に関する受付窓口を開設していますし、著作権侵害を繰り返すユーザについてのポリシーも設けています。DMCA削除通知に関しては、通常営業時間内であれば、1時間以内に対応しています。また、報酬プログラムも設けてはいません。これは私たちが実施している(訳註:アンチパイラシー対策の)一部です。」

もちろん、RapidShareが著作権者の利益を尊重するといっても限度はある。エンターテイメント産業を損なわず、かつ消費者のプライバシーを守らねばならない。

「私たちは、ユーザのプライバシーを常に尊重しています。アップロードされたファイルの分析、フィルタリングはしておりません。RapidShareの利用許諾において、私たちはユーザのファイルへのアクセス、オープンを禁じられており、厳格にそれを遵守しております。」とライマーは言う。

RapidShareは、ワシントンの議員たちと直接対話するという判断が正しいものであったと考えている。これまで彼らがアプローチした関係者らは、いつもとは違う話を熱心に聞きたがるのだという。こうしたRapidShareの努力は、議論の場に、これまで必要とされてきた均衡をもたらす。

こうした努力が身を結ぶのか、そうであったとしてもどの程度の効果なのかについては、今後数カ月、見守り続けることにしよう。

MP3Tunes対EMI裁判、MP3Tunes側にやや有利な判決(8月の記事)

以下の文章は、TorrentFreakの「MP3tunes Wins in Landmark 'Cloud Piracy' Case Against EMI」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:MP3tunes Wins in Landmark 'Cloud Piracy' Case Against EMI
著者:Ernesto
日付:August 23, 2011
ライセンス:CC BY

音楽ストレージ・ロッカーサービスのMP3Tunesが、EMIとの長きにわたる訴訟において、思いがけない勝利を手にした。米地裁判事ウィリアム・ポーレーは、MP3Tunesが著作権侵害を助長してはおらず、同サービスがDMCAの「セーフハーバー」保護の要件を満たしている と判断した。この画期的な判決は、クラウド・ストレージ・サービスを提供するDropbox、GroovesharkやAmazonにとって吉報となるだろう。

数年にわたって続いたEMI対MP3Tunesの訴訟は、音楽ストレージサービス側の明確な勝利というかたちで幕を閉じた。

昨日、ウィリアム・ポーレー判事は、ユーザに音楽をオンラインストレージに保存させたことについて、MP3Tunesが「著作権侵害を助長したことにはならない」ことを確認した。判事によると、MP3Tunesは、著作権侵害を繰り返すアカウントを停止し、同社の音楽検索エンジンSideload.comに送付されたDMCA削除要請に応じていたという。

ユーザはSideload.comから外部サイトにホストされている音楽を検索することができ、それをMP3Tunesのロッカーに加えることができる。RapidShareなどの外部ファイル・ホスティングサービスなどから検索される。

EMIは、これらのファイル・ホスティングサイトをいわゆる「パイラシー・ヘイブン(海賊の隠れ家)」だとして、DMCAのセーフハーバー条項による保護に値しないと主張した。ウィリアム・ポーレー判事はこの主張に同意せず、Sideload.comがリンクしているファイル・ホスティングサービスは定義上「違法」には当たらないと判断した。

MP3Tunes設立者のマイケル・ロバートソンは、この判決はクラウド・ホスティングサービスの明確な勝利だという。

「私たちは信頼性の高い方法で音楽サービスを運営してきました。それ故に、判事はMP3TunesがMP3TunesおよびSideload.comのサービスプロバイダとしてDMCAの下で保護を受けると判断したのです。」とTorrentFreakに語った。

「殆どの企業は、レコードレーベルからの攻撃に耐えることができず、インターネットの音楽の未来にとって重要な問題について法廷で判断を得ることができませんでした。この29ページに渡る判決が維持される限り、先例として置かれるでしょう。」とロバートソンは付け加えた。

判決では、大方がMP3Tunes寄りの判断がなされているが、EMIが小さな勝利を収めているところもある。

裁判官は、検索エンジンSideload.comからのリンクを削除すること、MP3Tunesがユーザのロッカーから(Sideload.comに)関連したファイルを削除することを求めた。さらに、MP3Tunesの複数の従業員が、自身のアカウントでEMIの音楽ファイルを保存していたとして、著作権侵害が認められた。

EMIはこの判決について「MP3Tunesとマイケル・ロバートソンに対し、SideloadおよびMP3Tunes上の数百の録音物、音楽著作物の著作権侵害が認められたことは喜ばしく思っています。しかし同時に、法廷がMP3TunesはDMCAのセーフハーバーで保護されると判断したことは誠に遺憾です」とのコメントを出している。

昨日の判決は重要なものではあるのだが、未だ両者には控訴の選択肢があることに注意が必要だ。既にEMIはそれをほのめかしており、また、MP3Tunesもすべての面で勝利を収めるためにそうするかもしれない。

「EMIは当初、MP3TunesがEMIの33,000作品の著作権を侵害していると主張していました。しかし判決では、そのうちおよそ99%が却下され。350ほどの作品についてのみ主張が認められました。これらについても、裁判所の判決が事実とは異なっており、控訴を検討しているところでもあります。」とロバートソンは話している。

この件について、以下の記事もご参考に。

EMIとMP3tunesの著作権侵害訴訟--双方が勝ち得たもの - CNET Japan

世界のファイル共有トラフィック、2015年までに倍増、ただし割合は減少

以下の文章は、TorrentFreakの「File-Sharing Traffic Predicted to Double By 2015」という記事を翻訳したものである。少し古い記事です。

原典:TorrentFreak
原題:File-Sharing Traffic Predicted to Double By 2015
著者:Ernesto
日付:June 03, 2011
ライセンス:CC BY

CiscoのVisual Networking Indexによれば、世界のファイル共有トラフィックは、2015年までにおよそ14エクサバイト/月にまで成長すると予測されている。この予測によると、増加の大部分は、ラテンアメリカと中央ヨーロッパ、東ヨーロッパが占める。一方、西ヨーロッパでは最も低い成長率が予測されている。

未来のインターネット・トラフィック・トレンドの予測は、慎重を要するビジネスではある。しかし、それをうまくやれる企業があるとすれば、その1つはCiscoだろう。彼らは毎年、世界的なインターネット・トラフィック消費の5年間の予測を公表しており、そのレポートには主要なカテゴリーの1つとしてファイル共有が扱われている。

今週、Ciscoは、Visual Networking Indexの最新版を公表した。これは今後のインターネット・トラフィックの増加について興味深い洞察を提供する。この予測から、全体的なインターネット・トラフィックと比較して、ファイル共有は下り坂にあることが読み取れる。

Ciscoのデータによれば、2010年のファイル共有トラフィックは、消費者全体のインターネット・トラフィックのなんと40%を占めることが示されている。しかし、2015年までに、この割合は『たった』24%にまで落ち込む。これは、NetflixやYouTubeといったビデオストリーミング・サービスなど他のトラフィックソースが、より高い成長率で推移するため。

ただし、このことがファイル共有トラフィックの減少を意味するわけではない。Ciscoによると、世界規模のファイル共有トラフィックは平均して年間23%の成長を続けると予測されている。これは、2010年にはわずか4,968ペタバイト/月だったファイル共有トラフィックが、2015年までに13,797ペタバイト/月にまでまることを意味する。現在と比較すると、(Ciscoの予測が正しければ)ファイル共有トラフィックは2015年までに2倍以上成長することになる。

いずれの地域においてもファイル共有トラフィックの成長が予測されているが、ラテンアメリカ、中欧、東欧では年間成長率35%と最も顕著な成長が予測されている。北米は成長率18%とまずまず、西欧は年間成長率14%と振るわず。それでも、2015年までに2010年と比較して2倍にはなる。

また、P2Pファイル共有トラフィック以外にも興味深い点がある。Ciscoは、RapidShareやMegaUploadといったダイレクト・ダウンロード・サービスに言及しており、これらは2015年までにおよそ5,680ペタバイト/月ものトラフィックを生み出す。これは2010年と比較して600%超の増加となる。

このCiscoの予測は注目に価するものではあるが、その正確さについては十分な注意が必要だ。昨年、Ciscoはファイル共有トラフィックが2014年までに7エクサバイトにまで成長すると予測した。しかしそれから1年、既に11エクサバイトにまで上っている。この1年、一見するとファイル共有界隈にはとりわけ大きな進展があったわけではないが、これほど大きな違いが生み出されていたのだ。

とはいえ、よく当たる占い師といっても、ついていない日もある。ファイル共有が定着しているという全体的な結論には、同意せざるをえない。

今年6月の少し古い記事なのだけれども、総務省が「我が国のインターネットにおけるトラヒックの集計・試算」を公表したのに便乗。

国内ダウンロード通信量22.6%増、P2PからWebへシフトか - 総務省発表 | ネット | マイコミジャーナル

日本においても、ファイル共有トラフィックの割合が減少し、ビデオ・ストリーミングトラフィックが増大しつつあるのだろう。前者については、ユーザ数の減少も見られてはいるが、コンテンツのリッチ化に伴うので絶対量としての増減については不明。

欧州緑の党、ファイル共有の合法化、DRMの禁止、著作権保護期間の短縮を求めるポジションペーパーを公表

以下の文章は、TorrentFreakの「European Greens Want to Legalize File-Sharing, Ban DRM」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:European Greens Want to Legalize File-Sharing, Ban DRM
著者:Ernesto
日付:October 07, 2011
ライセンス:CC BY

欧州緑の党は、デジタル時代における著作権政策に関するポジション・ペーパーを公表した。全体的なテーマとしては、消費者の利益のための著作権モノポリーを縮小である。とりわけ、緑の党は、個人的な使用のためのファイル共有の合法化、DRMの完全な禁止、著作権保護期間を5年に短縮することを求めている。

緑の党/EFA欧州緑グループ・欧州自由連盟)は、欧州議会の議会グループの1つ。現在、同グループは海賊党欧州議会議員のクリスチャン・エングストロムを含め57の議席を占めている。(訳註:現在の欧州議会議員数は736。緑の党/EFAは会派としては4番目;参考

今週、緑の党はデジタル時代の著作権に関する見解を記したポジションペーパーを公表した。これは海賊党のアジェンダを踏襲したものとなった。このペーパーでは、現在の著作権強化の向きを明確に否定し、極少数の金持ち企業のためではなく、市民の利益を確保する社会を求めている。

キーとなる提案の1つは、個人的な使用のためのファイル共有の合法化である。「個人間の非営利目的での共有は、たとえば私的複製の例外規定の範囲を広げるなどして、許容されるべきである」と緑の党のペーパーにはある。

さらに、DRMのような制限的技術は、完全に禁止、少なくとも制限の回避は解禁されるべきだとしている。

「DRMによる制限の回避は、常に合法的でなければならない。さらに、作品を合法的に使用する自由を制限するDRM技術を消費者保護法において禁止することも検討すべきである」という。

「多国籍大企業自らが作ったルールで消費者を従わせ、技術的手段によってそれを強制することを議会が許すのであれば、たとえ議会が均衡のとれた合理的な著作権法を導入したところで無意味である」。

また、緑の党は著作権の保護期間を70年から5年に短縮することも求めている。これには、著作権者が最長20年間まで保護期間を延長できるオプションがつけられている。彼らは、現在の状況は「不合理」であり、より合理的な著作権保護期間にすることで、社会は恩恵をうけるだろうとしている。

「死後70年間という現在の保護期間は不合理である。それほど長い見返りの期間を想定する投資家はいない」という。

全体として、このペーパーは、創造性に課せられた足かせを解き、インターネットの可能性を最大限に発揮するために後押しすることを提唱している。緑の党によれば、これはネット中立性が保証されなければならないということでもあり、商業著作物のリミックス、マッシュアップも認められるべきであるということも意味しているという。

海賊党議員クリスチャン・エングストロムは、緑の党の提案が、これまで海賊党が長らく求めてきたものと類似している、とTorrentFreakに語った。

「実に素晴らしいことです」とエングストロムは言う。「このペーパーは、はじめに現状がどうであるのか、そして緑の党の展望として何をゴールとすべきかについて書かれています。そして最後に、海賊党が提唱してきたような著作権改革が提案されています。これは実に筋が通ったものです。」

「著作権改革というアイディアは、海賊党が参加する以前から緑の党にありました。しかし、私たちは緑の党を後押しし、それをアジェンダとする手助けをしてきました」と彼はいう。エングストロム、そしてブリュッセルにいる海賊党メンバーらにとって、これは彼らが世界を変えうることを、2009年の選挙で海賊党が受けた支持が正しかったことを確信させるものであった。

「私は、海賊党に投票した225,000人によって、海賊党の意見を議会に広めることを使命として、ブリュッセルに送り出されました。私達が必要とするその意見が、いつかマジョリティを得るために。もちろん困難な仕事ではあります。しかし、今、最初のマイルストーンに到達したのです。機会を得ることで、海賊党は事をなすことができる、それが示されたのです。」とエングストロムは結論づけた。

著作権改革への熱意は、ブリュッセルだけに限られない。多くの海賊党員、ボランティアたちが、世界を変えることができると感じているだろう。

海賊党設立者のリック・ファルクウインエは「私達のアイディアは未来のためにあると、みな認識しています。彼らがますます強い支持を得ているのは素晴らしいことです。欧州議会に7つある会派の1つが、私たちの展望を自らのものとして採用したことは、次世代の市民的自由のための飛躍的な一歩となるでしょう」。

「40年前、緑の党の展望が十分に理解されるまでにはかなりの時間を費やしました。それと同じように、私たちも時間がかかるのでしょう。しかし、海賊党への理解と支持は成長を続けています。それは私達の展望がコモンセンスとして共有されるまで、続くものだと思っています。」とファルクインエは言う。

緑の党のポジションペーパーは、革命的なものだといえるだろう。しかし、欧州議会において同会派は少数派であり、この提案を立法にこぎつけるには長い道のりとなる。それでも、著作権改革がますます広く求められていることを、明確に示すことにはなるだろう。

ポジションペーパー(PDF)をざっと流し読みしてみたのだけれど、著作権保護期間については補足が必要そう。§25では「社会、投資家(制作者)双方の見地から」合理的な著作権保護期間として20年を提案していて、§26, §28で著作物の商業的排他性を維持したければ、発表から5年以内に登録することを義務付けている。保護期間の短縮と、義務的な登録制度の導入で孤児作品を減らそう、というところだろう。なので、登録しなければ5年で保護期間が満了するのではなく、商業的排他性を失うだけでは、と思うんだけどね。

閑話休題、海賊党以外にもこのような途方も無い主張をする政党があるのは喜ばしい。もちろん、海賊党の主張同様、実現可能性は低いのだろうが、著作権議論において対立軸を作り出す役割に期待したい。

主張の中身については、たとえば著作権保護期間の延長など、ベルヌ条約があるから無理だよね、なんて声も聞こえてきそうだが、政党、会派としての姿勢を示すにあたって、既存の条約や法律に縛られねばならない理由はない。既存のルールが常に正しいのであれば、もはや立法など必要とはしない。既存のルール通りでいい。

でも、時代、環境の変化と共に、ルールに綻びが出てくる。だからこそ、権利者側は著作権保護の強化を求め、海賊党や緑の党は保護の緩和を求める。ベルヌ条約のような国際条約がある以上、後者にとっては変えがたい状況があるのは事実にしても、ベルヌ条約があるから正しいということにはならない。

どうあるべきか、と、どう変えていけるか。少なくとも「どうあるべきか」がなければ、変えていくことはできないだろう。

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