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SOPAがFlickr、ビデオ共有サイト、マーケットプレイスにもたらす影響は?

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「What's On the Blacklist? Three Sites That SOPA Could Put at Risk」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:What's On the Blacklist? Three Sites That SOPA Could Put at Risk
著者:Perker Higgins
日付:November 15, 2010
ライセンス:CC BY

破壊的な知財法案「Stop Online Piracy Act」(SOPA)の支持者たちは、同法案が「最悪中の最悪」、つまり米国の知財権を盗むことで利益を得る「ならず者」サイトだけをターゲットにしていると主張する。しかし、同法案における広範な定義と曖昧な言い回しは、裁判による精査を必要としない、危険なツールを知財権者に与える。SOPAによって、あなたがよく知る、そして利用するたくさんの合法的なサイトが、新たな法的脅威にさらされることになる可能性は高い。

先日解説したように、SOPA第103節は、個人や企業が決済サービスや広告ネットワークに通知を出すだけで、国内外のウェブサイトへの決済を停止できる「マーケット・ベース・システム」をもたらすと説明した。多くの場合、これらのサイトは、日々の運営をこうした決済や広告ネットワークからの収益に頼っている。

もしこの法案が成立してしまったら、今ある人気サイトがどのような影響を受けるのかについて、ここに記そう。また、知財権者が標準的なサイトに送るであろう通知のサンプルも掲載する。

始めに、以下のウェブサイトが実際に法的脅威にさらされる、または、さらされるべきだと考えているわけではないことを明らかにしておきたい。(以下の想定は)SOPAの成立を阻止するべき理由を明らかにするものである。

Esty

Estyは手作りグッズのオンライン・マーケットプレイスである。このサイトでは、ユーザがストアを立ち上げ、お手製のグッズを陳列することができる。現在、手作りグッズを扱う80,000超の「ショップ」があり、そのすべてを目視で監視するにはあまりに多い。さらに、ここで扱われるグッズはあまりに幅広く、フィルタリングするのも技術的に難しい。

つまり、Estyは積極的に米国の著作権または商標権侵害が認められるかもしれないグッズの陳列を防げないことを意味している。これは問題だ。SOPAにおいては、サイトの一部であっても「その活動により知的財産権を害される」者は、Estyの決済サービスに通知を出し、Estyへの決済を5日以内に停止するよう要請できるのである。

つまり、たった1つのショップでも商標権侵害があれば、サイト全体の決済が停止してしまう。個別の侵害を問題とするDMCA通知とは異なり、決済サービスの停止はアカウント全体をターゲットにする。たとえEstyが抗議しても、同法案の自警団規定(サイトの一部であっても、侵害を可能にしていると見なせる「合理的な」確信があれば、サイトへのサービスを停止しても免責される)は、決済サービスに停止を決断させる強いインセンティブを与える。

Flickr

Flickrは、「世界最高の写真管理・共有アプリケーション」と自称しているように、数百万のユーザから投稿された数億の画像イメージをホストしている。同サービスは、写真をネットに上げたいというユーザのみならず、写真をライセンスしたり、使うために探す人々にも有益である。

Esty同様、Flickrも著作権問題に真剣に取り組んでおり、有効なクレームに基づく侵害写真の削除や、侵害を繰り返すユーザに対するポリシーなど、DMCAセーフハーバーの要件を満たしている。しかし、Flickrはユーザ生成コンテンツの著作権侵害を事前に監視しているわけではない。SOPAの言い回しは実に曖昧で、「侵害を構成する行為の実行に当該のサイトが用いられる可能性が高いことの確認を避けるために意図的な措置をとる」のであれば、個人又は法人の権利者は監視の不足を主張することができる。Flickrは広告、プレミアムアカウントから収入を得ているが、いずれの収入源もたった1つの申立によって、わずか数日で停止に追い込まれるかもしれない。そして、それを回復させるには、時間かかり、複雑なプロセスになるだろう。

Vimeo

Vimeoは、映画製作者とビデオクリエイターのオリジナル・コンテンツに重点をおいたビデオホスティングサイトである。ウェブ上で最も人気のビデオサイトというわけではないが、他サイトに模倣されるような機能をいち早く導入したり、活発なコミュニティを持っている。

しかし、クリエイティブかつ盛んなコミュニティを抱えていることで、フェアユース絡みのクレームを受けることもあり得る。そのカテゴリにはVimeoが広めた「リップ・ダブ」(既存楽曲の口パクパフォーマンス, Wikipedia:en)のビデオが含まれる。2年前、Vimeoはこのリップ・ダブを理由にキャピタルレコードから訴えられている。キャピタルレコードはこの訴訟において、Vimeoが「積極的に著作権侵害を助長、誘引した」と主張した。SOPAの下は、このような言いがかりだけで決済サービスの停止に追い込むことができるようになる。

一部の権利者たちは、すべてのユーザ生成コンテンツサイトに対し、YouTubeのContent IDのようなコンテンツ識別システムの実装を求めている。しかし、この種のシステムはサイトに問題を引き起こし、開発、導入には多額のコストが必要となる。

しかし、我々は更に厄介な問題を抱えることになる。SOPAは、現在我々が好んで利用しているサイトに害をもたらすが、そうしたサイトの多くは、少なくとも反論のために弁護士を雇う余裕はある。しかし、今日の小規模なサイトはどうなるだろうか。明日のイノベーターたちはどうなるだろうか。SOPAの下では、彼らは決して成功することはできないのではないだろうか。その結果、インターネットから楽しさが奪われてしまうのではないか。大手メディアがネットの著作権侵害に敗北したからといって、インターネットのイノベーションや表現を道連れにさせてはならない。今すぐ行動を!

決済サービスへの通知は以下のような文面になるだろう。

PayPal SOPA代理人様

Stop Online Piracy Actに基づき、ただちにwww.MySpaceBook.com〈http://www.MySpaceBook.com/>に関連した支払処理の停止を求めます。

MySpacebook.com〈http://MySpacebook.com>は、第102節で定められているように、米国に向けられたサイトであり、MySpacebook.com〈http://MySpacebook.com>の一部が、米国のユーザに向けたサービス提供を目的としている証拠もあります。第103節(a)(1)で定められているように、以下の理由からMySpaceBook.com〈http://MySpaceBook.com>は米国財産の窃盗を主としたサイトであります。

  1. 同サイトにて著作権侵害活動が行われていることを知りつつ、権利者による侵害の確認を困難にする著作権ポリシーを採用、維持することにより、侵害の確認を避けるための故意の措置を取っている、
  2. 侵害を防ぐためのフィルタリング技術の導入を怠っている、
  3. サイトの一部(www.MySpaceBook.com/bigmedia <http://www.MySpacebook.com/bigmedia>)にて、、Big Mediaの商標「Big Media」を侵害している。

さらにMySpaceBook.com〈http://MySpaceBook.com>は、一人以上の人物が運営者と結託し、侵害を助長するために同サイトを用い、マーケティングしていることからも、米国財産の窃盗を主としたサイトであります。たとえば、ユーザ名ナナシ・サンは自身のMySpaceBookの「ウォール」にFree Justin Bieberキャンペーンのリンクを投稿し、他のユーザにこのリンクのクリックおよび共有を促しています。

これらの活動の結果、Big Mediaは即座に回復し得ない損害を被っております。

以下は、PayPalがMySpaceBookへの決済処理を行なっていることを示しております。http://www.MySpaceBook.com/press/releases.php?p=144261

Big Media, Incへのご連絡はこちらまでお願いいたします。flunky_1@big.media <mailto:flunky_1@big.media>

上記の活動につきましては、Big Mediaまたは法によって認可されていないという善意の確信(good faith belief)を持っております。虚偽の申立については偽証罪に問われることを認識した上で、上記の情報が正確であり、私がBig Media, Incの代理にであることを保証いたします。

よしなに。

Big Media Flunky #1

Flickrは確認できなかったが、VimeoEstyはSOPA、PROTECT-IP法案に反対を表明し、ユーザに行動を促しているようだ。

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SOPA:言い方を変えようとブラックリストはブラックリスト

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「The Stop Online Piracy Act: A Blacklist by Any Other Name Is Still a Blacklist」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:The Stop Online Piracy Act: A Blacklist by Any Other Name Is Still a Blacklist
著者:Trevor Timm
日付:November 07, 2011
ライセンス:CC BY

先週、ベンチャーキャピタリストインターネット大手企業メジャーアーティストが相次いで、下院のひどい著作権法案に反対を表明した。彼らは、数多のウェブサイトを検閲し、言論の自由を抑圧する権限を与えると非難した。これに対し、業突く張りの法案支持者らは反撃に出た。彼らは、この法案がカバーする範囲について市民をミスリードしようとしてる。特にひどいのが米国商業会議所だ。彼らは、Stop Online Piracy Act (SOPA)が「ブラックリスト法案」ではないとウェブサイトにて強調している

批判者たちは、この下院法案を実際に見もせずに「新たなインターネット・ブラックリスト法案」と呼び始めた。ブラックリスト?ずいぶんと聞こえの悪い。しかし、我を忘れてわめき散らす前に、実際の法案の実際の条文を見てはいかがだろうか。ブラックリストという言葉はあるだろうか?いや?何かしらのリストはあるだろうか?いいや?

もちろん、同法案のテキストに「ブラックリスト」などという言葉はない。これを起草した人々は、アメリカ人が露骨な検閲を嫌うことを十分に理解している。上院に提出されたSOPAの片割れ PROTECT-IP法案は、当初明確なブラックリスト条項を含んでいた。法廷外での検閲を露骨に狙ったものであったが、あまりにオフェンシブであったため、上院は当該の箇所を書きなおさなければならなかった。しかし、義務ではないながらもブラックリストを推奨する条項は残された。そして、SOPAにおいてはブラックリストは健在である。

第一に、この新たな法律は司法長官に、ウェブでビジネスをする企業に「ブラックリスト」を押し付け、インターネットからウェブサイトを切断する権限を与える。第102条において、司法長官は検索エンジン、DNSプロバイダ、サーバー、決済サービス、広告業者に、著作権侵害が疑われたウェブサイトとの取引の停止を義務づける裁判所命令を請求することができる。

第二に、法案は民間企業が文字通りのターゲットリストを作ることを促す。これは濫用するのに十分なプロセスである。第103項では(ご丁寧に「マーケット・ベース」アプローチと題されている)、知財権者は、VisaやMastercard、PayPalなどの決済サービスに直接、当該ウェブサイトへの決済停止を求める通知を出すことで、自ら行動を起こすことができるとされている。決済サービスは通知が到着してから5日以内に決済を停止しなければならない。標的となったサイトへの通知は、権利者ではなく、決済サービスがしなければならない。当然VisaやMastercardには膨大な通知が送りつけられているであろう。その中で、彼らは通知を処理し、ウェブサイトに通知し、ウェブサイトは回復通知を申し立てるかどうか決断する。おそらく、それまでに5日は経過してしまうだろう。たとえウェブサイトに何の落ち度がなかったとしても、資金を封じられてしまうことになる。

第三に、SOPA第104項も、決済サービスが自発的にウェブサイトを切り離すように仕向ける。たとえ通知を受け取らなかったとしても、VisaやMastercardは、あるウェブサイトが何らかの形で著作権侵害に携わっているという「合理的な信念」さえあれば、当該のサイトへの決済処理を停止しても、責任を問われることはない。大手メディアが著作権侵害が疑われるウェブサイトのリストを公表し、決済サービスにサービス提供の停止を迫るまでにさして時間はかからないだろう。決済サービス側がそれに応じる限り、権利者たちは好きなだけ検閲することができる。たとえ決済サービスに分別があったとしても、将来的な責任追及を回避するために応じてしまうかもしれない。

通常の裁判では到底採用されないような不十分な証拠で申立を起こしたり、新規競争者を蹴落とすために利用されたりと、これらが濫用される可能性は明白である。

明らかに、商工会議所のレトリックに反して、SOPAは権利者に、ウェブサイトをブラックリストに載せるための多様な手段を与える。権利者たちは、司法長官に行動を促すこともできるし、直接通知を出してサービスの停止を要請できるし、非公式に通知を出すこともできる。そうして、決済サービスは汚れ仕事を押し付けられる。

どうかインターネットの自由のために、この法案を阻止する支援を

SOPA:All Your Internets Belong to US

以下の文章は、Michael Geist Blogの「SOPA: All Your Internets Belong to US」という記事を翻訳したものである。

原典:Michael Geist Blog
原題:SOPA: All Your Internets Belong to US
著者:Michael Geist
日付:November 16, 2011
ライセンス:CC BY

現在、米国議会は「Stop Online Piracy Act(SOPA)」をめぐって紛糾している。同法案の支持者たちからは、オンライン著作権侵害と戦うためのものであると主張されているが、批判者たちからは「米国版グレート・ファイアウォール」を作ることになるとの懸念の声が上がっている。SOPAは、インターネットやオンラインサービスの発展に極めて甚大な影響を及ぼす。これは、「米国財産の窃盗を狙った」とみなされたウェブサイトを標的として、インターネット及び電子商取引の流れを止めてしまうためだ。多くの専門家は、同法案によって、数多くの合法的なウェブサイトやサービスを捕らえる新たなスタンダードが作り出されるだろうとしている。

同法案は、こうした定義に当てはまるウェブサイトやサービスについて、インターネットプロバイダに当該サイトへのブロッキングを、クレジットカード会社やPayPalなどには決済の停止を、インターネット広告会社には広告配信の停止を義務づけることになっている。当然、これに対し、インターネット企業や市民団体からは懸念の声が上がっているのだが(反対声明:インターネット企業米国議会議員国際市民団体法学者ら)、私は管轄権に関わる含意についても注意を要すると考えている(これについては、私のテクノロジー法コラムでも:Tronto Star版ホームページ版)。米国のアプローチは驚くほどに幅広く、SOPA法案においては世界中のウェブサイトやIPアドレスが、事実上「(米)国内」のものとして扱われることになる。

米国は、このSOPA法案によって、少なくとも5つの方法で管轄権を世界に広げようとする。

第一に、SOPAにおける「ドメスティック・ドメインネーム」の定義は、「アメリカ合衆国の裁判管轄区内にあるドメインネーム・レジスター、ドメインネーム・レジストリ、その他ドメインネーム登録機関によって登録ないし割り当てられた」ドメインネームとされている。すべてのdot-com、dot-net、dot-orgドメインは、米国のドメインネーム・レジストリによって管理されているため、同法では登録者の居住地に関わらず、米国が数千万のドメインネームの管轄権を持つと主張される。

第二に、SOPAにおける「国内インターネット・プロトコル・アドレス(IPアドレス:ウェブサイトないしインターネット接続の実際のアドレスを構成する数値形式の文字列)」の定義は、「アメリカ合衆国の裁判管轄区内にあるインターネット・プロトコル割当て機関が管理・割当するインターネット・プロトコル・アドレス」とされている。しかし、IPアドレスは国ではなく、地域組織によって割当てられている。米国にある割当機関はARIN(American Registry for Internet Numbers)と呼ばれているが、同機関はアメリカ、カナダ、20のカリブ地域(訳註:+南極大陸)をカバーしている。SOPA法案は、この地域のすべてのIPアドレスを米国法が適用される米国国内のものとして扱う。この文脈において、すべてのカナダ国内のインターネットプロバイダが、IPアドレス・ブロックをARINに依存している。また、ARINは連邦政府や地方政府が使用するIPアドレス・ブロックもARINが割り当てたものだ。SOPAはこれらすべてを、米国法が効力を持つ国内のものとして扱う。

第三に、この法案は、国内管轄権上のつながりを持たないウェブサイトに対する「対物」訴訟管轄権を米国に与える。 これらのサイトについても、米国はサイトの財産に対する管轄権を与え、インターネットプロバイダにサイトのブロッキングを、インターネット検索エンジンにリンクの停止をするよう義務づける裁判所命令を可能にする。

第四、ウェブサイトのオーナーが裁判所の命令に異議申し立て(「回復通知(counter notification)」)を行おうとしても、オーナーはまずはじめに、米国裁判所の管轄権に同意しなければならない。

第五、上記の手段で不十分であれば、知的財産権保護を米国外交政策の重要な構成要素とし、世界中の米大使館が諸外国の法改正に向けて圧力を強化する。

世界中で展開する米国の知的財産権ロビーが長らく政治的な圧力をかけ続けてきたことは、カナダの新たな著作権法においても直接的な結果として見られる。さらにSOPA法案では、カナダ人が登録した数百万のIPアドレスやドメインネームに対する管轄権を主張することで、米国の攻撃的なアプローチをまた一歩前進させる。

タイトルが秀逸すぎるのだが、内容はシリアス。

SOPA:ハリウッドがソフトウェアの自由とインターネットの革新を破壊する

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「Hollywood's New War on Software Freedom and Internet Innovation」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Hollywood's New War on Software Freedom and Internet Innovation
著者:Corynne McSherry and Peter Echersley
日付:November 11, 2011
ライセンス:CC BY

本稿は、「Stop Online Piracy Act(SOPA)」がもたらす影響についての第3回の記事となる(パート1パート2)。現在、このひどく見当違いの法案は、下院を突き進んでいる。今回は、この法案によって新たに持ち込まれるソフトウェア検閲規定と、上院に提出されたCOICA、PROTECT-IPと同様のDNS検閲規定について議論する。この間違った法案と戦うため、今すぐ力を貸して欲しい

この新たな法案において、ハリウッドは検閲への野心を拡張した。彼らは、ドメインネーム・システムにブラックリストを持ち込むだけではもはや満足せず、これをソフトウェア開発者や提供者にも適用しようとしてる。司法長官(とその背後にいるハリウッドや商標権者)に、DNSブラックリスト命令を回避するために用いられる製品やサービスを配布、提供する者を追跡することを可能にする。これは、Mozillaを標的にしていることは明らかである。Mozillaはドメインネーム・システムを検閲しようとする国土安全保障省への協力を拒否する原則を打ち立てている。しかしさらに、オープンソースコミュニティ、インターネットイノベーション、ソフトウェアの自由など広範に影響をおよぼしうることが懸念される。

  • あなたがVPN、プロキシ、プライバシー、匿名化ソフトウェアを開発、配布しているならば、そこに検閲メカニズムを組み込まなければならなくなる。さもなくば、米国司法長官と法廷で争うことになるかもしれない。
  • SSHのような、最も基本的かつ広範に用いられているインターネット・セキュリティ・ソフトウェアでさえ、ビルトイン・プロキシ機能を含んでいる。この種のソフトウェアは、数億台のコンピュータにインストールされ、システム管理には欠かせないツールである。しかし、これは新たな法律のもとで、容易に検閲命令のターゲットにされうる。
  • あなたがgTLDゾーンファイルを扱っている、または配布していて、それを正確なままにしておきたいと願ったとしても、残念なことに、ハリウッドは完全な(すなわち無検閲の)リストを提供することを許さない。あなたは、SOPA命令の回避を違法に助けることになるだろう。
  • 有効な署名を得るまで複数サーバを使用するクライアント側DNSSECリゾルバを書いているとしたら、あなたも米司法長官と対峙しなくてはならなくなる。

この種の検閲命令が、一企業によって製造、提供されるソフトウェアをターゲットにしうるだけでも十分にひどいのだが、米国経済に年間数十億ドルをもたらしているフリー/オープンソースコミュニティにとっても、ブラックリスト・ドメインに対する法的義務は、とてつもない災厄をもたらす。フリー/オープンソースプロジェクトは、分散的、自発的、国際的コミュニティとして機能している。たとえ法廷から命令が下されたとしても、通常ボランティアは自らが建設的であると考えるタスクをこなすだけなので、プロジェクト側が、米国の法律を執行する検閲官として振舞わなければならなくなる。さらに、Mozillaのように非常に大きなプロジェクト、リポジトリの場合、一般的な機能を監視し、このような裁判所命令を執行することで、潜在的なライセンス義務違反を引き起こしうる。これはおそらく激論を生み、これらのプロジェクトが依存ずる貢献者やイノベーターのコミュニティを混乱させ、縮小させる。

基本的に、すべてのソフトウェア製品、サービス(たとえば多くの暗号化プログラム)が、ブロッキング命令に応じなければ、脅威にさらされることになる。もし、私達の主張が誇張であると思われるのであれば、これまで著作権法の規定がセキュリティ研究の足かせになってきたことを思い出して欲しい。

それこそがまさにSOPAの新たな規定である。上院で提出されているPROTECT-IP同様、SOPA法案もまた、サービスプロバイダに米国市民が特定のドメインネームにアクセスすることをブロックするよう命じることで、米国司法長官にドメインネーム・システムを破壊する権限を与える。これが、インターネット・ネーミング・インフラと競合し、セキュリティ・リスクが増大することは明らかである。SOPAのアプローチについて、著名なインターネット・エンジニアは以下のように説明している(同法案の初期バージョンについてコメントしたもの)。

グローバル・ドメインネーム・システム(DNS)のリスクが断片化することで、技術革新に対する恐怖と不確実性の環境が生み出され、インターネット・インフラの世話役としての米国の信頼性を大いに損ねることになる。この法案はそれを犠牲にして検閲を導入し、無実の関係者の通信を阻害する。その一方で、故意の侵害者は悠々と検閲を回避するだろう。

どのような検閲スキームあれ、意図した領域を超えて言論に影響を及ぼすものだ。しかし、この法案が特にひどいのは、侵害に関わるページやファイルのみならず、ドメイン全体をウェブ上から消し去るのである。更に悪いことに、この法律の下では、有益かつ合法的な多数のサイトがブラックリストに記載されてしまう。この問題は、別のname-lookupインフラの必要性を確信させるに十分なものである。世界中で利用でき、米サービス・プロバイダのコントロール圏外にあり、それでいて米国市民が利用できるものを。こうした新しいサービスと既存のグローバルDNSとの間では、エラーや相違が生じることになるだろう。矛盾したアドレスによってブラウザは混乱し、それを使用するユーザは失望することになる。この問題は広範囲に渡り、米政府がブラックリストに記載したドメイン以外のサイトにも影響が及ぶだろう。

こうした法律の導入によって、議会はインターネットのイノベーションとセキュリティを後先も考えずに危機に晒そうとしている。フリー/オープンソースとインターネット・エンジニアリング・コミュニティは、これに対抗しなければならない。

SOPA:ハリウッド、ついにインターネットを破壊するチャンスを得るか

以下の文章は、Electronic Frontier Foundation の「SOPA: Hollywood Finally Gets A Chance to Break the Internet」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:SOPA: Hollywood Finally Gets A Chance to Break the Internet
著者:Corynne McSherry
日付:October 28, 2010
ライセンス:CC BY

お約束通り、雇用の減退を招くであろうインターネット規制 Stop Online Piracy Actについて、最初のレビューをお伝えする。同法案が、TwitterやTumblr、そしてまさに今ガレージで生まれつつある次世代のソーシャルネットワーク、クラウドコンピューティング、ウェブホスティングサービスにどのような影響をもたらすか、というところから始めよう。

まず、以下の点を明確にしておこう。この法案に関して、あたかも外国の「ならず者」サイトだけが標的にされるかのように主張されているが、間違いなく米企業も標的にされる。この法案は、「主に米国の財産を盗むことを目的とした」とみなされるサイトを罰するためのシステムを構築する。では、そのようなレッテルはどういう場合に貼り付けられるのか。その要件は決して厳しくはない。

サイトの一部が(たとえ1ページであっても)

  1. 米国に向けられ、
  2. 著作権侵害に「関与した、または可能にした、または助長した」と主張される、または
  3. 著作権侵害の「高い見込みを確認することを回避」している、ないし、そのための手段を講じている

場合に、その要件を満たすことになる。

もし、知財権者が(自身のパブリシティー権を懸念するジャスティン・ビーバーのような曖昧な定義で)、あるサイトがその基準を満たし、何かしらの損害を与えていると考えたとしたら、決済サービス(VISA、Mastercard、Paypalなど)や広告サービスにクレームの通知を送ることができる。

通知を受け取った決済、広告サービスは、サイトの資金調達を停止するために5日間の猶予が与えられる。もちろん、決済サービスや広告ネットワーク側が、侵害があったと見なされた範囲において調整するということはできず(訳註:たとえば、指摘のあったページのみ広告を表示しないなど)、サイト全体が対象とされる。その手続きにおいては、裁判官が有罪判決を下す必要もなく、DMCAのセーフハーバー条項で守られることもない。Rapidshareのように合法だと判断されたサイトであっても、SOPAを通じて経済的に息の根を止めることができるだろう。サイト側が回復通知(counter-notice)を申し立てることもできるが、その期間はわずか5日である(運が良ければ時間内に有益な法的アドバイスを得られる程度の期間)。しかし、決済サービスや広告ネットワークが回復通知を尊重する義務はない。当該のサイトが一部でも著作権侵害を可能にしているという「合理的な理由」があれば、サイトへのサービスを停止したことについて免責される自警団規定(vigilante provisions)があるためだ。

少なくとも、ユーザ生成コンテンツをホストするすべてのサービスが、そのコンテンツを監視し、フィルターしなければならないという強い圧力下に置かれることになる。彼らがどのような対策を講じようとも、いずれSOPAに基づく通知によって混乱が引き起こされるだろう。我々がDMCA削除通知から学んだように、コンテンツ所有者たちは、偽りのクレームをつけて大喜びしているのだから。自発的な検閲を通じてWikileaksに起こったことが、システム化、容易化されようとしている。どこかの誰かが、知的財産権を侵害されたと考える限り、第二のWiklileaksにならない保証はない。

本質的に、ハリウッドは、イノベーション、経済成長、クリエイティビティを保護する厄介な法律を嫌っている。彼らは時代遅れのビジネスモデルの保護を望んでいるのだ。そこで、彼らはルールを書きなおし、インターネットを管理し、他の人々が引き起こす結果を処罰しようとしてる。

今後も、さらなる分析をお伝えすることを予定しているが、行動はどうか今すぐに起こして欲しい。この法案は、修正が加えられればなんとかなるという類のものではなく、廃案に追い込まれなければならない。この法案の支持者たち(とその企業後援者たち)は、一般市民がこの法案が引き起こすであろう危機に気づくより早く、この法案を押し通したいと考えている。大手メディアにイノベーションやネット表現の未来を牛耳られたくないのであれば、今すぐ行動して欲しい。そして、あなたの仲間にも行動を起こすよう促して欲しい。

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