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英国:音楽著作権保護期間を延長せず、一方で違法な複製の禁固刑を10年に引き上げ

以前に紹介した記事の続報です。英国知的財産に関する調査委員会は、業界団体が求めていた演者の著作権保護期間の延長を行わないこと、一方で著作物の違法な複製に対してはこれまでの禁固刑を2年から10年に拡大することを勧告したそうです。ある意味では喧嘩両成敗といったところでしょうか。なかなかいい裁きだと思います。さて、それを受けて政府はどう対応するのでしょうかね。

原典:CNN.co.jp
原題:音楽などの著作権保護期間を延長せず、英調査委が報告
著者:CNN/REUTERS
日付:2006.12.07
URL:http://www.cnn.co.jp/showbiz/CNN200612070019.html

ロンドン――英財務省の調査委託を受けていた知的財産権に関する独立調査委員会は6日、報告書を発表し、音楽著作物などについて現行の50年間の保護期間を延長せず、違法な複製など侵害行為に対する禁固刑はこれまでの2年から最高10年に拡大することを勧告した。

ブラウン財務相が議会で予算編成方針を演説する前に公表した。

(中略)

同委員会は、英フィナンシャル・タイムズ紙の元編集者が責任者。同報告書は、アーティストたちは保護期間が50年だから創作意欲を失うとは考えにくいと指摘し、アーティストと同様、消費者の権利も保護されるべきだと主張した。

デジタル化など技術の進歩に適応し、消費者が購入したCDから携帯用のMP3プレーヤーなどで利用する行為は法律で認めるべきだと進言した。

音楽業界は違法な複製などによる著作権侵害行為で年間収益の約5分の1を失っているとされ、違反行為に対する処罰の厳格化を求めた同委員会の方針は歓迎している。しかし、引き続き著作権保護期間の延長を働きかけていく意向も表明した。

英政府が報告書を受け、どの程度政策に反映させるかは不明。
ある意味では、期間の延長を認めないかわりに、業界団体の主張してきた著作権侵害に対する牽制を行ったともいえるだろう。飴と鞭みたいなもの。でも業界団体は正直がっかりしているかと。著作権侵害を必死に訴えてはきたものの、あくまでそれはスタンスに過ぎず、それを利用して利権の拡大を図ろうとしてきたのだから。

確かに、違法ファイル共有が減少すれば、ユーザの合法的なサービスへの移行が見込めるかもしれない。しかし、それは業界団体の主張している年間収益の5分の1の被害額など足元にも及ばないくらいの増加に過ぎないだろう。業界団体の主張する被害とは、著作物が対価を支払われずに利用された時点で発生したものであり、本来であれば対価を支払っていたであろうユーザが違法ファイル共有のせいでそうしなかったために発生したというものではない。つまり、楽曲を10日で1000曲ダウンロードした人がいたとしても、その人は実際には1000曲も買わないだろう。でもその場合、業界団体の試算する被害額は1000曲×99セントとして、990ドル、約12万円。一般的に考えて、そこまでの金額を音楽にかけられる人はまずいないだろう。いいとこ、10曲程度、1200円といったところだろうか。ただ、1200円であっても、ファイル共有ユーザ全体が合法的に購入するようになれば、利益にはなる。それを求めているのであれば、私も賛同するだろう。でも、結局のところ狙いは別のところにある。

業界団体の本当の狙いは、著作権ビジネスの維持と拡大でしかない。いかに違法ファイル共有ユーザを、合法的に購入してくれるユーザに変えることができたとしても、今後失われる保護期間を過ぎた創造物に比べれば、微々たる物なのだ。今はCliff Richardが矢面に立っているが、EMIにしてみたらそれどころではないだろう。金の卵であるBeatlesまで失いかねないのだから。

確かに違法ファイル共有は根絶されてしかるべきものだろう。禁固刑10年というのも、この時代を考えると納得もできる。しかし違法ファイル共有の根絶を理由に、業界団体が際限なく保護の拡大を続ければ、確実に一般のユーザまで被害をこうむることになる。それを制限する意味で、今回の委員会の勧告は非常に好意的に見ることができる。著作権者の保護も必要ではあるけれど、行き過ぎれば消費者の不利益となる。著作権者の保護と消費者の保護は、天秤の両端の皿に乗っているのだ。片方を重視すれば必然的に片方が軽視される。そのようなことがないよう公正にジャッジすれば、今回の勧告は非常に理に適ったものだろう。デジタル化の進歩への適応するため、異なるデバイス間の転送を法的に認めるべきであるというのも、非常にすばらしい。ただ、今後音楽だけではなく、映像媒体も複数デバイスでの再生が当たり前になる時代が来るだろう。そのときを見越してDVDなどの映像媒体に対しても同様の判断がなされるかは注視すべき問題かもしれない。

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マジ?マッカートニーら著作権の保護期間延長求め紙面広告を出し...
まずは、以前に何度かお知らせした英国の著作権延長問題の続報に触れなければならない。結局はこんな感じで、結果が出たもよう。音楽などの著作権保護期間を延長せず、英調査委が報告(CNN.co.jp 2008.12.7)P2Pとかその辺のお話英国:音楽著作権保護期間を延長せず、一方で..
2006.12.09 22:20 | ふっかつ!れしのお探しモノげっき
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