スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

スウェーデン:海賊税を利用して、海賊版アルバムを制作したアーティスト

以下の文章は、TorrentFreakに掲載された『Pirate Tax Funds Pirate Album』という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Pirate Tax Funds Pirate Album
著者:Ernesto
日付:June 13, 2008

ブランクCD-Rの価格には、人々がアルバムを共有したときに生じるアーティストの損失を補償するために、数セントの「海賊税(pirate tax)」が含まれている。しかし、すべてのアーティストが共有を悪としているわけではない。声明によると、スウェーデンのアーティストMr.Suitcaseは、彼の「海賊税」収入を海賊版アルバムを製作するために用いたという。

Mr.Suitcaseの最新アルバム「Frauds(詐欺)」は、リミックスとマッシュアップの間にある。それは他の人々の音楽から作られ、その製作資金はすべて、彼のファーストアルバムから得られた海賊税収入であった。

ことの発端は、Mr.Suitcaseがアルバム「Guidelines For An Emerging Century」をリリースし、Stim、Swedish Performing Rights Societyからその支払いをうけた昨年から始まる。そこには、スウェーデンで販売されるすべての記録可能なメディアに課せられる税からの補償金も含まれていた。CDR、MP3プレイヤー、またはそれに類するものを購入すると、その料金に0.04クローネ/メガバイトの追加料金が加算されており、それは後にアーティストに分配される。

Mr.Suitcaseはこう述べている。「最初は、そうしたお金を受け取るのをやめようかと思った。なぜなら私にとって、そうした身勝手な施しというものが、あまりに馬鹿げたシステムだと思えたから。でもそのあと、こうも思ったんだ。これは機会であり、創造のための資金とできるんじゃないか、と。そして、これは海賊行為のおかげで生み出されたお金なのだから、私は更なる海賊行為のために使わなければならないんじゃないか?ともね。」

Mr.Suitcaseは、そのお金を使って中古のエフェクトボックスを購入し、実験を開始した。最終的にどうしようということもなく、彼はエフェクトを通して、他の人々の楽曲から断片やループを送り始めた。

「私は常に、カットアンドペーストの美学に魅了されてきた。The Future Sound of LondonやSaint Etienneなどのアーティストとともに育った。彼らは、サンプルをレイヤーにし、断片を結合させて、まったく新しいものを、そして要素のつぎはぎ以上のものを創り上げていたんだ。」

彼は、友人がサンプルに新たな演奏やボーカルを録音するためにスタジオを訪れ出したとき、プロジェクトが「完全に制御不能になった」という。結局、彼は新たな曲でアルバムを作りはしたものの、それらはみな、他の誰かの作品に根ざしていた。

「プロジェクトが大きくなり、どれだけの数のオリジナルソングがそこに用いられたのかを忘れてしまった。おそらく、100近くだろう。Prince からThe Rice Twins、AshantiからZongaminに至るまで、非常に多様な楽曲を用いている。最終的には、私はこれをmixtapeでもmash-upでもないということに気付いた。さらに言えば、これはアルバムでもない。トラックはみなペテンであり、これまでのものをまとめてThe Pirate Bayにポストすることにした。」

Mr.Suitcaseは、アーティストたるもの、自らの作品を非営利目的で利用されることに対して、もっと寛容であるべきだと考えている。デジタル化した世界においては、利用可能性は絶望的に拒絶するようなものではなく、受け入れられるべき自然の成り行きであると彼は感じている。

「インターネットが機能しているとき、ファイル共有に対して文句をつけるとか、対抗するという理由などあるだろうか。我々は、今ここに、ファイル共有が『ある』という帰結に至ることができるのみなんだ。私にとって、制作者と消費者というトップダウン構造がぼやけはじめ、創作されるすべてのものが、ただ体験されるために存在するのではなく、新たな創作を作り上げる1つの要素として存在する、私はそうした考えに強く惹きつけられている。それはファンタスティックなこと!テクノプロデューサーのThe Fieldが私の楽曲を使って、素晴らしい作品『Istedgade』を創ったとき、私は心の底から興奮した。」

「私にとって、『Frauds』は声明なんだ。こうした議論には、相当強い反発がある。『ファイル共有のせいで。アーティストは…できなくなる』、『ファイル共有のせいで、これからは誰も…なるだろう』、私はそれとは正反対の考えを持っている。デジタル時代の持つ創造的な(beautiful)側面、それは録音されたすべてのものが、リミックスされ、調整され、修正されることにあると考える。」

Mr.Suitcaseのアルバム「Frauds」は、mrsuitcase.seからBitTorrentを利用してダウンロードすることができる。

おそらく私的録音補償金のことなのだろうけれど、本当に海賊税(pirate tax)という呼称なわけではないだろうね(ググってもほとんどこの記事だしね)。あくまでも、そうした制度、税金を揶揄した呼び方なんだろうと推測(あと、0.04クローネ/MBもおそらくは上限があると思うんだけど…)。

実はこのエントリには、以前から私なりのコメントを書いていて、その半分をMADの文脈に合わせて、はてなで書いているブログに記したので、そちらもぜひ読んでみてくださいな。タイトルは過激ですが、著作権を無視してしまえって話ではないのであしからず。

他の国がどうとか今の著作権法とかは関係ねぇ、MADは認められるべきだ - P2Pとかその辺のお話@はてな

残りの半分はいずれ書こうと思います。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/1098-38187d39

Comment

Beatdoctor | URL | 2008.07.15 21:25
The Fieldの「Istedgade」は好きな曲で、たまに聴きます。
(ちなみにこの曲、様々な音楽サイト等で去年のベスト・アルバムに選ばれた
「From Here We Go Sublime」には収録されておらず、EPに入ってる曲)

The Future Sound of Londonも大好きです。(特にLifeformsは本当に素晴らしい!)

自分の好きな音楽が話題になってたので反応してしまいました・・・

The FieldがMr.Suitcaseの楽曲を使っているとは知りませんでした。
創作されるすべてのものが、ただ体験されるために存在するのではなく、
新たな創作を作り上げる1つの要素として存在する、
といった考えはとても素晴らしい考えだと思いますが、
新たな創作、とゆうものがどんなものかによってやはり色々と違ってくるのかな~
ということをひとつ思いました。

「Istedgade」は素晴らしい作品となり、それはそれで良いのですが、
そうでなかったり、制作者が意図してないような変な使われ方だったり、
それでも良いのかな~、と。
(文からも、Mr.Suitcaseの寛容さが伝わってくるので多分・・・ですけどね!)
heatwave | URL | 2008.07.15 22:26 | Edit
Beatdoctorさま
たびたびのコメントありがとうございます。

私もThe Fieldは好きですよー。ただ「Istedgade」は聞いたことがないので、今度テクノオタの友人に聞かせてもらおうと思います。

でで、Mr.Suitcaseの発言なんですが、私はかなりの部分で彼と同じような思想を持っているなぁと感じます。

>「Istedgade」は素晴らしい作品となり、それはそれで良いのですが、
>そうでなかったり、制作者が意図してないような変な使われ方だったり、
>それでも良いのかな~、と。

この点については、上記にあげたエントリへのコメントでも指摘されたんですが、同一性の保持だったり、名誉を傷つけられないことだったり、著作者の表示だったり、リスペクトだったりの問題が関連しているだろうなぁと思っていて、「残りの半分」というのはまさにその部分だったりします。

私は、今一度、既存の原理原則から離れて、根本から考える必要があると思っています。なぜ著作人格権が、なぜアーティストへのリスペクトが 本当にこれからの創作において「守られなければならない」のか、ということを考えねばならないと思うんです。

現実とのすり合わせにおいて必要なものもあるとは思いますが、私は必ずしもすべてのものが守られる必要はない、と思っています。MADやマッシュアップはリスペクトがない作品が多いからだめだ、といっても、私にしてみれば、リスペクトしていれば何したっていいの?と思ったりしますし、結局は、受け手がリスペクトを「感じられない」だけケースもあるようにも思えます。

絵のモデルが、自らを描いた作品を見て「なんてひどい」と言うかもしれません。その評価は人それぞれでしょう。ただ、画家は自らの表現したい形を生み出さんとその作品を描いているんです。モデルから見て、美的感覚を疑うような表現かもしれませんし、それによってこの画家は私を侮辱するためにこの絵を描いたのだと非難するかもしれません。しかし、画家にとっては、その表現こそが最大級の美の描写だったのかもしれません。表現への評価によって、その画家の心情まで勝手に決め付けてしまうということもありうるのだと思ったりします。

もちろん、本当に侮辱するための表現というのもありますから、元の作品の制作者の利益、名誉を守るという意味で、ある程度の制限が必要になるとは思いますが、かといって、元作品の制作者が意に介さない
、とか、不愉快に思う、というだけで、それを禁じてしまうのも、創作全体を考えるとよいものか、と。

極論を言ってしまえば、現在許容されている「引用」のルールに即して、既存の作品を利用した新たな創作を可能にしてもいい、とすら思っています(もちろん、現在の有り様に合わせて修正する必要はあるのでしょうが)。

私自身は、作品そのものにもアーティスト自身にも、さまざまな感情を持つ方なので、変な使われ方をしていれば、なんだそりゃ、と思うところもありますが、その一方で目を見張るような使われ方があったりするのも否定できません。創作のためのよりよい形、それを今一度模索してもよい時期なのかなと思っています。

これに関しては、いずれもう少し考えをまとめてから、書いてみようと思います。結構反発を食らいそうなお話ですが、すごく重要なことだと思うんですよ。
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。