2008.07.15 Tue
スウェーデン:海賊税を利用して、海賊版アルバムを制作したアーティスト
以下の文章は、TorrentFreakに掲載された『Pirate Tax Funds Pirate Album』という記事を翻訳したものである。
原典:TorrentFreak
原題:Pirate Tax Funds Pirate Album
著者:Ernesto
日付:June 13, 2008
Mr.Suitcaseの最新アルバム「Frauds(詐欺)」は、リミックスとマッシュアップの間にある。それは他の人々の音楽から作られ、その製作資金はすべて、彼のファーストアルバムから得られた海賊税収入であった。
ことの発端は、Mr.Suitcaseがアルバム「Guidelines For An Emerging Century」をリリースし、Stim、Swedish Performing Rights Societyからその支払いをうけた昨年から始まる。そこには、スウェーデンで販売されるすべての記録可能なメディアに課せられる税からの補償金も含まれていた。CDR、MP3プレイヤー、またはそれに類するものを購入すると、その料金に0.04クローネ/メガバイトの追加料金が加算されており、それは後にアーティストに分配される。
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Mr.Suitcaseは、そのお金を使って中古のエフェクトボックスを購入し、実験を開始した。最終的にどうしようということもなく、彼はエフェクトを通して、他の人々の楽曲から断片やループを送り始めた。
「私は常に、カットアンドペーストの美学に魅了されてきた。The Future Sound of LondonやSaint Etienneなどのアーティストとともに育った。彼らは、サンプルをレイヤーにし、断片を結合させて、まったく新しいものを、そして要素のつぎはぎ以上のものを創り上げていたんだ。」
彼は、友人がサンプルに新たな演奏やボーカルを録音するためにスタジオを訪れ出したとき、プロジェクトが「完全に制御不能になった」という。結局、彼は新たな曲でアルバムを作りはしたものの、それらはみな、他の誰かの作品に根ざしていた。
「プロジェクトが大きくなり、どれだけの数のオリジナルソングがそこに用いられたのかを忘れてしまった。おそらく、100近くだろう。Prince からThe Rice Twins、AshantiからZongaminに至るまで、非常に多様な楽曲を用いている。最終的には、私はこれをmixtapeでもmash-upでもないということに気付いた。さらに言えば、これはアルバムでもない。トラックはみなペテンであり、これまでのものをまとめてThe Pirate Bayにポストすることにした。」
Mr.Suitcaseは、アーティストたるもの、自らの作品を非営利目的で利用されることに対して、もっと寛容であるべきだと考えている。デジタル化した世界においては、利用可能性は絶望的に拒絶するようなものではなく、受け入れられるべき自然の成り行きであると彼は感じている。
「インターネットが機能しているとき、ファイル共有に対して文句をつけるとか、対抗するという理由などあるだろうか。我々は、今ここに、ファイル共有が『ある』という帰結に至ることができるのみなんだ。私にとって、制作者と消費者というトップダウン構造がぼやけはじめ、創作されるすべてのものが、ただ体験されるために存在するのではなく、新たな創作を作り上げる1つの要素として存在する、私はそうした考えに強く惹きつけられている。それはファンタスティックなこと!テクノプロデューサーのThe Fieldが私の楽曲を使って、素晴らしい作品『Istedgade』を創ったとき、私は心の底から興奮した。」
「私にとって、『Frauds』は声明なんだ。こうした議論には、相当強い反発がある。『ファイル共有のせいで。アーティストは…できなくなる』、『ファイル共有のせいで、これからは誰も…なるだろう』、私はそれとは正反対の考えを持っている。デジタル時代の持つ創造的な(beautiful)側面、それは録音されたすべてのものが、リミックスされ、調整され、修正されることにあると考える。」
Mr.Suitcaseのアルバム「Frauds」は、mrsuitcase.seからBitTorrentを利用してダウンロードすることができる。おそらく私的録音補償金のことなのだろうけれど、本当に海賊税(pirate tax)という呼称なわけではないだろうね(ググってもほとんどこの記事だしね)。あくまでも、そうした制度、税金を揶揄した呼び方なんだろうと推測(あと、0.04クローネ/MBもおそらくは上限があると思うんだけど…)。
実はこのエントリには、以前から私なりのコメントを書いていて、その半分をMADの文脈に合わせて、はてなで書いているブログに記したので、そちらもぜひ読んでみてくださいな。タイトルは過激ですが、著作権を無視してしまえって話ではないのであしからず。
他の国がどうとか今の著作権法とかは関係ねぇ、MADは認められるべきだ - P2Pとかその辺のお話@はてな残りの半分はいずれ書こうと思います。
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Re: スウェーデン:海賊税を利用して、海賊版アルバムを制作したアーティスト
The Fieldの「Istedgade」は好きな曲で、たまに聴きます。
(ちなみにこの曲、様々な音楽サイト等で去年のベスト・アルバムに選ばれた
「From Here We Go Sublime」には収録されておらず、EPに入ってる曲)
The Future Sound of Londonも大好きです。(特にLifeformsは本当に素晴らしい!)
自分の好きな音楽が話題になってたので反応してしまいました・・・
The FieldがMr.Suitcaseの楽曲を使っているとは知りませんでした。
創作されるすべてのものが、ただ体験されるために存在するのではなく、
新たな創作を作り上げる1つの要素として存在する、
といった考えはとても素晴らしい考えだと思いますが、
新たな創作、とゆうものがどんなものかによってやはり色々と違ってくるのかな〜
ということをひとつ思いました。
「Istedgade」は素晴らしい作品となり、それはそれで良いのですが、
そうでなかったり、制作者が意図してないような変な使われ方だったり、
それでも良いのかな〜、と。
(文からも、Mr.Suitcaseの寛容さが伝わってくるので多分・・・ですけどね!)
| Beatdoctor | 2008/07/15 21:25 | URL |