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EU:未だくすぶる著作隣接権の保護期間延長議論

以下の文章は、TorrentFreakの「EU to Extend Music Copyright to 95 Years」という記事の翻訳である。

原典:TorrentFreak
原題:EU to Extend Music Copyright to 95 Years
著者:Ben Jones
日付:July 14, 2008

EUにおける(訳注:パフォーマーの)著作権を45年延長するという提案がなされたことで、IFPIと世界中の凡才なアーティストたちは歓喜した。「ミュージシャンの利益」を目的とした提案が、水曜にも投票されることとなる。また、そのプラスの側面として、著作権料徴収団体は、その実行に関してより詳細に調べられることになる。

アイルランドEU委員のCharlie McCreevy(現在は欧州委員会にて国際マーケット・サービス部門の委員を務める)から、今年2月、最初の提案があった。これはパフォーミングアーティストの著作権保護期間を50年から95年に延長しようというものであった。

この提案は、長らく時代から忘れ去られたアーティストたちの年金を確保するものだと思われる。McCreevyは声明においてこう述べている。「私はCliff RichardやCharles Aznavourのような一線級のアーティストについて話しているわけではない。50年代後半、60年代のレコーディングに貢献した数千人の無名のセッションミュージシャンについて話しているのです。彼らはもはや自分の演奏したレコードのエアプレイから著作権使用料を得ることはできません。しかし、これらの著作権使用料は、しばしば彼らにとって唯一の年金なのです。」

Financial Timesによると、提案は早ければ7月16日水曜にも投票に移されるという。また、委員会の独占禁止部門によって徴収団体を分割するという計画が議論されてもいる。これは、アーティストから使用料を徴収する権利のために、徴収団体を潜在的に相互に競合させるものとなる。

確かにこれは、彼らの全く慈善的ではない行動を抑制するよい方法であると思えるが、これが欧州5億人の市民に更なる著作権コストを求めるものであることを考えると、本当に有益なのであろうか?しかし、わずかな望みがある。2人の委員がこの延長計画に反対の姿勢を示している。テレコム委員のViviane RedingとAntonio Tajanである。

この著作権延長プランが2月に初めてアナウンスされた当初、これは軽蔑を持って迎えられた。Open Rights GroupやEFFといったグループは、この延長プランを阻止するための嘆願活動を開始し、このWebサイトでも問題を扱っている。それにもかかわらず、McCreevyは、このプランを推し進め、現在この提案は投票されるところにまでに至っている。

さて、McCreevy自身はというと、彼は以前勤めていた公認会計会社時代から、既に年金の計画を立てていたようだ(なお、彼は1977年から政治家に転身しているので、非常に早くから計画されていたといえるだろう)。とすれば、なぜ彼はアーティストだけのためのある種の特別年金を法的に認める必要があると感じているのだろうかと疑問に思える。もし、彼らが25歳で仕事を辞めることにしたとして、なぜ彼らが75歳を過ぎてもなお、その対価を支払われ続けなければならないのだろうか?また、それが彼らの唯一の収入源であったとしても、なぜ彼らは、私も含めた他の数億のEU市民と同様に、定年後の生涯設計を立てることができないのだろうか?

McCreevy委員は、これまでのところ、コメントへの要請には応えてはいない。

補足:今回のお話は「著作隣接権」にかかわる延長議論であり、「著作権」の延長議論ではない。欧州では著作権の保護期間は著作者の死後70年と定められている。一方で、著作隣接権に関しては、公表後50年と定められている。

私も筆者Ben Jonesの意見には同意したい。老後の生活設計を立てることができないのであれば、それは個人の資質の問題であり、著作権にかかわる問題ではない。老後の生活のために蓄財できないというのであれば、その50年間の間の支払いの不足をこそ問題にすべきであり、制度を変えてまで「恵んでくれ」などというのであれば、あまりに恥を知らないのだろうとしか言いようがない。

言ってしまえば、こうした動きは、延長によって著作(隣接)権使用料を継続して得たい音楽産業と、そこからお小遣いを分けてほしいアーティストたちのためのものだろう。そして、その声は前者ばかりから聞こえてくる。まぁ、後者がこうした主張をするとなれば、自らを愚か者呼ばわりしているのと変わらないのだから、当然といえば当然の話ではある。

著作権であれ、隣接権であれ、その延長の本当の根拠は、ほとんどが企業のご都合に基づいているものであろう。もちろん、そうした目的が見え透いていたとしても、それでは延長の根拠たりえないので、建前としての根拠を作らなければならない。だから、こうした実際にはほとんど存在しないかわいそうな人、愚か者を作り上げて、そうした人たちの救済を名目にする。

もはや、建前としてもまともに機能しない、ネタとしか思えない話であるが、それを主張する人たちは至って真面目な振りをしてそれを主張する。とてつもなく、馬鹿げた話だと思うけどね。まぁ、ネタと分かった上でマジレスすると、「己が救いたいと思うなら、他人の財布を当てにするな。己の財布から金を出せよ。」ってところです。慈善事業をしたいので、お前ら金を出せ、なんてどんな募金強盗ですか、と。

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