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「定額で違法ファイル共有を合法的に利用できる」というPlaylouderへの批判

以下の文章は、TorrentFreakの「Legal P2P Music Service Doomed to Fail」という文章を翻訳したものである。Playlouderについてはこちらのエントリにて。

原典:TorrentFreak
原題:Legal P2P Music Service Doomed to Fail
著者:Ernesto
日付:August 16, 2008

海賊に打ち勝つことができないなら、彼らに加わろう。それがPlaylouderの哲学である。同社は加入者にBitTorrentやその他のファイル共有ネットワークからの音楽ダウンロードを許し、その一方で著作権者には弁償するという音楽ダウンロードサービスでる。確かにコンセプトは面白い、しかし、現在の計画はナイーブであり、問題があり、失敗する運命にある。

新たな合法P2Pサービス"Playlouder"に関する報道が、さまざまなニュースにおいてみられた―そう、再び。3年前と同じように、Playlouderの共同設立者Paul Sandersはうまいこと彼の合法ファイル共有サービスに関するバズを引き起こすことができた。彼は「この2カ月のうちに、グッドニュースをお伝えすることができると確信していますよ。」という。そして、同社が英国大手ISPの一社と契約を交わしたと主張する。

アイディアとしてはシンプルである。Playlouderは、とある英国大手ISPの加入者に、彼らが望むだけの音楽をパイレートすることを可能にするサービスを、一律の料金で提供する。加入者は使い慣れているBitTorrentサイトやファイル共有アプリケーションを利用することができる。Playlouderは、Deep Packet Inspection(ディープパケットインスぺクション:DPI)を用いて、加入者がどのような楽曲をダウンロードしているのかを調査し、そこで得られた情報をもとに権利所有者に支払う。

ユーザが法的脅威への懸念を感じずにBitTorrentサイトを利用することのできるサービスを作るといアイディアは面白い。しかし、Playlouderチームは5年間もの準備にも関わらず、ファイル共有における最も基本的な、そして同サービスを役立たないものとする特徴を見逃している。Playlouderはその加入者がBitTorrentからコンテンツをダウンロードすることを許す。しかし、加入者たちは同サービスを利用していない他の人たちとは共有することができない。彼らが著作権侵害を防ごうとするならば、この制限は必須である。しかしそれはいくつかの問題を引き起こすことになる。

Thou shalt share(汝、共有すべし)

BitTorrentユーザにとって最も重要なルールは『共有せよ』である。もし共有しない-つまり他者にファイルをアップロードしない-のであれば、ダウンロード速度は劇的に低下する。これは、お気に入りのBitTorrentサイトから数分でダウンロード出来たアルバムを、数時間かけてダウンロードすることになる、ということを意味している。Playlouderの提供するのは、極めて劣化したBitTorrentとなるだろう。そして加入者は、それまで可能であった高速なダウンロードを期待することができなくなる。

BitTorrent Abusers(BitTorrentの濫用者)

BitTorrentサイトは、システムを濫用しようとする人々をあまり好まない。Playlouder加入者が、Swarmの、ひいては平均的ダウンローダーのダウンロード速度を極めて害することになるため、多くのトラッカーが同加入者のアクセスをbanするとしても、私は驚かないだろう。Playlouderが技術的に提供するものは、Freeleechサービスといえる。つまり、コミュニティに対して共有という貢献をしないというものだ。鈍足となったダウンロードとともに、このことはPlaylouderユーザが、他のみんなが得ているBitTorrentエクスペリエンスを楽しむことができないだろうことを意味している。彼らがBitTorrentから何かをダウンロードするというのはほとんど不可能となるだろう。

Encryption(暗号化)

それほどユーザエクスペリエンスには関連していないのだが、もう1つの問題としては、Playlouderは、ユーザがプロトコルヘッダ暗号化をオンにしてダウンロードしているものをトラックすることはできないということがある。相当数のBitTorrentユーザがISPのトラフィック抑制を回避するために暗号化を利用している。しかし、暗号化はプロトコルヘッダを偽装するものであるために、そうしたユーザがダウンロードしているmのを、Playlouderは追跡することはできない。このことは、アーティストやレーベルが、こうしたユーザがダウンロードした楽曲に対して、完全には補償されないということを意味する。

1つ明確にしておきたいのは、ここTorrentFreakでは新たなビジネスモデルの模索を激しく応援している。理想的には、アーティストと消費者の双方の利益となるものを。しかし、現在のPlaylouderサービスの有り様では、成功をおさめるとは思い難い。とりあえず『vaporshare』サービスよりはマシであったとしても、ね。

先日、このPlaylouderに関する記事をご紹介したのですが

実はこれ、続きがありましてpaid.Content:UKの方はもう少し長い記事になっていました。これまでの経緯や創設者の思い、展望などが書かれているのですが、ちょっと長いので、前回のエントリの補足的な部分のみ列挙すると

BitTorrentやその他のP2Pネットワークでどのような楽曲を流通しているのかを知ることができるのは、ブロードバンドインフラにインストールされた“deep packet inspection”によって、いかなるプロトコルが利用されていようともISPネットワークを流れる楽曲を認識できるため。それによって権利者に補償することが可能となる。

すべての転送はAudible Magicの技術を利用して匿名で追跡される。それによって、同サービスを利用するユーザは、そのユーザ間で楽曲を共有することが可能となるが、一方で非加入者との共有はブロックされることになる。

おー、前回私が疑問に思ったところ(というか問題視したこと)が書いている。簡単にいえば、「ユーザが転送するデータをのぞき見て、音楽コンテンツかどうかを判別するけど、誰が、というのは見ていないからプライバシー的な問題はないでしょ?」ってところなんだろうなぁ。個人的にはそれでも問題あるなぁと思うけど。ネットワーク中立性の観点からするとね。他にも、合法的なコンテンツ(たとえば、購入された場合や、適切な手続きを経て利用された場合(ビデオやオーディオの一部に引用/利用した場合など)の転送を妨害しないようにできるか、という点も気になる。

また、Ars Technicaでは、Playlouderが実際にこうしたサービスを開始するとして、デジタル指紋で追跡可能な楽曲は限られているのではないか、、という点も疑問視されている。簡単にいえば、たとえ、支払いの対象となっている楽曲であっても、一度指紋をとらえた楽曲であれば、その指紋がデータベースに存在する限り照合することはできるが(つまり、支払の対象となりうる)、一度も指紋を取られていない楽曲はそもそも照合することができないので、検出することはできない(つまり、支払の対象となりえない)。P2Pファイル共有ネットワーク上にはそれこそ膨大な数の楽曲が存在し、デジタル指紋が取られている楽曲はそのうちの一部にすぎないだろう。

あと、問題というわけではないにしても、加入者と非加入者との共有が、一方向である(加入者はもらうばかりでアップロードには貢献しない)と言われているが、ではその一方向の送信というのはどのような意味を持っているのだろうか。つまり、Playlouder加入者に対して、非加入者が同サービスが提携しているレーベルの楽曲を転送するという行為をどうとらえるのか、ということ。加入者は法的に問題ないとして、その場合も非加入者は著作権侵害となるのだろうか?

うーん、気になることだらけ。

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