スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

英国:フォークデュオ Show of Hands「海賊行為は私たちを支えている」

以下の文章は、TorrentFreakの「Acoustic Band ‘Utterly Depends’ on Piracy」 という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Acoustic Band ‘Utterly Depends’ on Piracy
著者:enigmax
日付:August 26, 2008
ライセンス:CC by-sa

Steve Knightleyは、英国のアコースティック・フォークデュオ'Show of Hands'の1人である。Steveは、バンドの音楽をパイレートし、バンドのプロモーションを行ってくれている人たちに感謝するという。実際、彼はバンドがほぼそうした人たちに依存しているのだと述べている。

音楽産業のスタンスは明確だ、すべてのダウンロードはセールスの損失につながり、「海賊行為はプロモーションだ」などと考える輩はいない。しかし、今日では無料の音楽サンプルだけではちょっとしたバズを引き起こすこともできず、一部の人々は、潜在的なオーディエンスがノーリスクで探索するためのツールとして、海賊行為に付随する利益を見出し始めている。

私の善良な両親などは、彼らが興味を持つであろうCDR上の楽曲を控えめに聴いている。そうした手段がなければ、彼らは音楽を耳にする機会はなかったであろうが、しかし圧倒的に、彼らはメディアを購入するし、ライブパフォーマンス、オペラなどを見に行く。通常は、彼らの支払いたいと思うものにお金を支払っている。しかし、こうした行動を引き起こすのは独力では難しい。音楽業界にとっては信じがたいことかもしれないが、誰しもが常習的な海賊というわけではなく、そして海賊行為は未来永劫続いていくのだ。それが「Show of Hand」の気づいたことである。

1954年生まれのSteve Knightleyは、シンガーソングライターであり、BBC Awardの受賞暦もあるアコースティックルーツデュオ「Show of Hands」の片割れである。無名、有名に限らず、他のバンドと同様に、彼らも海賊行為に免疫があるわけではない。

「どんなライブの後にも、私たちはオーディエンスをおしゃべりしたり、サインしたり、CDテーブル(訳注:会場売りのテーブル?)の周りをうろうろしているんです。そこで私はいつも聞いています、どうやって最初に我々の音楽を聞いたのか、って。」とSteveはいう。「最も一般的な3つの答えはこうです、友達に『連れて』来られた、ラジオで聞いた、そして、CDのコピーをもらった。最後の人たちは、大抵、罪悪感と当惑の入り混じった表情を伴っていますが。」

さて、IFPIが思い通りにやれているのであれば、Steveはこの時点で警察を呼んだかも知れない。しかし、彼はそうはしなかった。Steveはこうした人々をまったく違った視点から見ており、実際に感謝している。海賊たちが、他の誰かの音楽を「盗む」ことを選択しなかったことに。

「これをもっと近くで見てみるといいんです。私たちの音楽に価値を見出してくれた人々は、親切にもCDのコピーを作り、私たちのことを広めるための努力を費やしてくれているんです。そしてそれを受け取った人はその後、私たちを見るためにチケットを買い、そのライブの晩に私たちのCDを買ってくれるのです」。海賊であることがファンであることを否定し得ないことは明白である。確かに彼らは海賊行為の時点では対価を支払ってはいない。しかし、環境が正しければ、彼らはペイするようになるだろう。

Steveはまた、「共有すること(sharing)」が本当に「思いやること(caring)」であると感じているようだ。現在の"sue-them-all"な状況にあって、なんとすがすがしいことだろう。「あなたが望むなら、こうしたプロセスを『海賊行為』と呼べるかもしれません。しかし、私にとってそれは、親切な行為であるのです。私たちのオーディエンスのサイズもレコードのセールスも上昇させてくれるのですから。ライブの後、オーディエンスと話しているときにいつもこう言っています。もし、あなたが何がしかの方法でそうするというのなら、気持ちよくやっちゃってください!ってね。」

さらにSteveは、オーディエンスがバンドのパフォーマンスを撮影したいとしたら、彼らがそれを嫌うことはほとんどないという。それはオーディエンスにリーチするためにテクノロジーを利用する、もう1つの形であると考えているようだ。

「きちんとした言葉で言えば、『バイラルマーケティング』というものなんでしょうね。」とSteveはいう。「私たちは完全にそれに頼りきってますよ。」

「戦ってちゃいけないんです、それを受け入れなきゃ。」

この記事の元になったエントリを見るとわかるのだけれど、Steveは「P2Pファイル共有」について明確に述べてはいない、ということに注意が必要だろう。もちろん、彼の考えの中では許容範囲にあるのかもしれないが。個人的には、SteveにとってP2Pファイル共有も同様に彼の役に立つものだと考えていると感じたけれどね。

彼の話はとてもよくわかる。音楽は聴覚的な媒体である、そして彼の演奏する音楽は、テレビやラジオではほとんど取り上げられることのないフォーク/アコースティックジャンルであり、人々に知ってもらうためには、まず聞いて見てもらわなければならない。ただ、これまでそれはほとんど不可能であった。しかし現在、コピーCDR、YouTube、Facebook、その他メディアをホストするすべてのものが、聞いて、見てもらうことを可能にしている。それこそが、彼が依存しているものだ、と。

YouTubeには、Show of Handsのビデオが多数アップロードされている。そのほとんどが勝手にアップロードされたものなのだろう。そうしたビデオの中で、おそらく最も視聴されているであろう『Roots』という楽曲の投稿者が残したコメントを以下に引用しよう(アップローダはおそらく、Show of Handsのファンなのだろうが、このビデオはShow of Handsの公式MySpaceでも掲載されており、またSteveの意を汲む意味でも以下にエンベッドすることにする)。

Steve Knightley and Phil Beer. You can download this video for £1.75 from http://www.showofhands.co.uk I also recommend you get the album "Witness" which this song is off. They are also on Myspace: http://www.myspace.com/showofhandsuk
Oh, and go and see them live. They're amazing :)

「このビデオは1.75ポンドで公式サイトからダウンロードできるよ。この曲の入った「Witness」ってアルバムもおススメ!MySpaceはここだよ、そうそう、ライブもいくべきだね、サイコーだから!」という感じだろうか。

これまで何度かアーティストの違法コピーに対する発言を見てきたが、違法コピーを容認する理由としてはある程度共通している部分も多い(当ブログでは肯定的な意見を積極的に取り上げてきたが、それは決して肯定的な意見が支配的だということではなく、そうした意見が興味深いからというだけであることに注意していただきたい)。

1つには、こうした違法コピー、違法共有は現実として存在するものであり、それをとめようとするのはナンセンスだという現実的な視点から消極的ではあるが許容「せざるを得ない」というもの。もちろん、こうした発言をする人もさまざまで、気に食わないがしょうがない、という人もいれば、別に気にすることでもないという楽観的な人もいる。また、心情的な理由から許容するアーティストもいる。キッズは金がないんだからしょうがない、音楽を聞いてくれること自体うれしい、など人によってさまざまではあるが、そういった面で許容する人たちもいる。いずれにしても、こうしたアーティストたちは海賊行為が彼らの役に立っているという視点はあまり立っていない、と思える。そして、こうした発言をするアーティストたちに共通していると思えるのは、ほとんどがメジャーで、メインストリームにある人たちだということだろうか。

その一方で、今回紹介したShow of Handsのような、メジャー、メインストリームからは一線を画しているアーティストたちは、自らの利益と関連するものとして海賊行為を許容していることが多いように思える(もちろん、海賊行為を許容する人たちの中で、であって、インディペンデント、マイナージャンルの人たちがすべて海賊行為を許容しているというわけではない)。そうした人たちにとって、違法コピーが絡むメディアは単にネガティブな存在ではなく、彼らの存在を広めてくれるプロモーションツールとしての役割を果たしている、という部分があるのだろう。これは、そうしたアーティストたちがプロモーションという点では、コストをかけられない、かけてもらえないという現実があり、それを補ってくれる存在として海賊行為に利点を見出しているのだろう(関連:我々が音楽に払うもの:Paying Money or Attention - P2Pとかその辺のお話@はてな)。

ただ、私個人の考えとしては、たとえアーティスト本人が暗黙であれ、ほのめかしであれ認めているとしても、ともすれば違法行為になりかねないという状況はそれほど望ましいとは思いがたい。むしろ、CCライセンスなどによって、明示的に利用を許諾しているような人たちをこそ、共有によって支えるべきかなと思えるのだけれどね。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/1161-7b9100cc

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。