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RIAAが「模造品・海賊版拡散防止条約(ACTA)」に求めるもの

以下の文章は、TorrentFreakの「RIAA’s Anti-Piracy Trade Agreement Wishlist」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:RIAA’s Anti-Piracy Trade Agreement Wishlist
著者:Ernesto
日付:August 26, 2008
ライセンス:CC by-sa

もしかすると、RIAAがインターネットをバーチャル警察国家に変えようとしているとあなたに伝えたとしても、それほど驚くべきことだとは思ってもらえないかもしれない。しかし、彼らの考える「未来のインターネット」がどのようになっているのかを見ると、非常に恐るべきものとなっている。RIAAの提唱するAnti-Piracy Trade Agreement Wishlist (ACTA)をよく見てみることにしよう。

ACTAは重大な条約であり、エンターテイメント産業は可能な限り早期にそれが実施されるよう、できる限りに努力を尽くしている。これまでのところ、彼らは条約を推進するようG8を説得し、加盟国に年末までに実施に向けた協定を取り交わすよう促すことに成功した。

重要な問題の1つとして、この条約がどの程度「悪しき」ものとなりうるのかということがある。以前、我々は、このACTAによって「権限を有する当局」がライツホルダーからのクレームを必要とすることなく、「iPodを探知する」ことを可能にするかもしれないと報告した。そして、これまででもっとも不合理なATCA提案が、RIAAからなされることとなった。それはISPの責任に強い焦点を当てるものであった。

RIAAはウィッシュリストは数週間前に公開されたものの(Brokepに感謝する)、この件が多く報道されることはなかった。しかし、そこには複数の恐るべき提案がある。そして、RIAAの思い通りになれば、インターネットはすぐさまバーチャル警察国家に変えられてしまうことだろう。

RIAAの提案のうち、オンライン著作権侵害(大半は、ISPをターゲットとしている)に関するもののいくつかをハイライトしてみよう。この全文はKeionlineで読むことができる。

サービスが合法および違法いずれの利用をも促進する場合には、著作権侵害コンテンツのフィルタリング等を含む即時利用可能な著作権侵害の抑制措置を講することを、インターネットサービスプロバイダおよびその他仲介業者に求める。

RIAAはインターネットプロバイダーに対して、加入者が転送するファイルをスパイし、それらが著作権を侵害しているかどうかをチェックするために、「電子指紋」データベースと照合することを望んでいる。世界規模でRIAA同様の活動を行うIFPIは、2,3ヶ月前に、欧州議員たちに対して、同様のことを説得していた。

侵害を繰り返すユーザに対して、システムへのアクセスを制限する、または遮断することをインターネットプロバイダおよびその他仲介業者に求める。

多くの国で、ファイル共有ユーザをインターネットから遮断する可能性について議論されている。それらはしばしばアンチパイラシーロビーストよって静かにプッシュされてきた。今年はじめ、フランスで初めて馬鹿げた「スリーストライク」法が提案された。そして、アンチパイラシー組織がインターネットを警備することを許した。RIAAは当然のことながら、そうした法律が世界中で施行されることを望んでいる。

コンピュータ犯罪捜査ユニットのトレーニングの確立、十分な資金調達および提供。

海賊を見つけ出し、排除するための捜査ユニットといわれれば、確かにすばらしいアイディアのようにも聞こえる。ただ、RIAAは既に、テイクダウン通知を年間数千件も、そしてネットワークプリンタに対してさえ送付しており、そうしたユニットに何を求めているのか、という点では曖昧である。実際には、彼らは自らの収穫テクニックを機能させるために、その資金や教育を利用するのではないだろうか?

プレリリースコンテンツまはたその緊急を要する状況において、コンテンツプロバイダより電子メールまたは電話によって侵害警告を受けた際、侵害コンテンツの削除に失敗したインターネットサービスプロバイダに対する責任を確立する。

ISPにとってはますます状況は悪くなるだろう。RIAAは、ISPに加入者の著作権侵害に対する責任を取らせようとしている。さらに彼らは、24時間という時間制限までつけるに至っている。それにしても、彼らがプレリリースのマテリアルを注視しているというのは非常に興味深い。これはIFPIとBPIがOiNKを停止された際にも同様に持ちいられた戦略である。

反証なき場合、インターネットサービスプロバイダは、コンテンツが侵害または違法に保存されていることを知っているとみなされる野が当然であって、したがってISPは著作権侵害に対する責任を免れることはできない。

RIAAは、無実であることが証明されるまでは有罪、とお考えなのだろう。もちろん、ISPは加入者がどのようなファイルを保存しているかについても把握していなければならない。RIAAはDMCAの「セーフハーバー」規定を破棄し、ISPに加入者の著作権侵害に対する責任を負わせたがっている。

もちろん、RIAAの要求はこれだけではないとどまらないのだが、我々はみんなにこのウィッシュリスト全体を読むことをオススメしたい。非常に楽しませてくれる内容になっているが、同時に怖ろしいものでもある。この条約の草案を書いている政治家の方々には、こうした提案をただ闇雲に受け入れるのではなく、頭を使ってくれることを祈ろうではないか。

G8にてACTA(模造品・海賊版拡散防止条約)を推進するよう合意が得られた、ということは当然日本にも関連する。というよりも、Wikipediaを読んでみると、この条約の締結はもともとは日本が世界に向けて提唱しようとしたもののようだ。

この条約の構想は、日本の知的財産戦略本部が2005年6月に決定した『知的財産推進計画2005』に初めて盛りこまれたもので、日本はグレンイーグルズ・サミット等において条約の締結を提唱してきた。

この知的財産推進計画2005の中の『Ⅱ.模倣品・海賊版対策を強化する』の項でこの条約の締結に向けた取り組みについて言及されている。

で、その内容はというと、昨年のものにはなってしまうが、経産省からこのACTAの概要に関するニュースリリースが出されている(pdf)。太字は引用者による。

1.我が国は、知的財産権の執行を強化するための新しい国際的な法的枠組である「模倣品・海賊版拡散防止条約(Anti-Counterfeiting Trade Agreement, ACTA)(仮称)」について、知的財産権の保護に関心の高い国々と緊密に連携をとり、構想において実現していくべき内容に関して、年内に集中的な協議を開始していくことを発表する。

2.模倣品・海賊版は世界中に拡散し、経済の持続的な成長に対する脅威になっているだけでなく、消費者の健康や安全を脅かしている。さらにはインターネットを通じた模倣品等の売買による知的財産権の侵害等新たな問題も急速に拡大している。

3.本条約構想は、こうした課題に効果的に対抗していくため、知的財産権の執行に係る強力な法的規律と、その執行の強化及び国際協力を柱とする、高いレベルでの国際的な法的枠組の構築を目指していくものであり、我が国としても積極的に推進していく予定。

これだけを見ると、模造品とか海賊版製品を取り締まろうというものでしょ?と思われるかもしれない。だが、実際にところ、この条約にどういったものが盛り込まれるのかはよくわかっていないおらず、上記記事もあるように、この条約の背後に、アメリカのたかだか一業界団体の影がちらついていることだけは確かだろう。

また、OpenTechPressの記事によれば、(太字は引用者による)

ポリシー案として挙げられているのは、関連法を権利保有者からの訴えなしで執行すること、国内および国境において侵害に関わる「物品と設備」を押収・破壊すること、単一の当事者からの要求により調査し、侵害の容疑者を権利保有者に通知すること、などである。

フリーソフトウェアのコミュニティに特に関係があるのは、「著作権所有者による技術的な保護措置を迂回する行為に対する救済策および迂回機器の追跡方法」の開発、なる一節だ。言い換えれば、ACTAはデジタル著作権管理(DRM)に法的根拠を与え、DRMを無効にする行為を違法化する可能性がある。

とあり、インターネットにかかわるものだけでも、ACTAがISPに対する過度の責任を強制するだけではなく、著作権施行の非申告化、侵害容疑者の通知、DRMの法的根拠を世界規模での確立など、非常に強力なものとなりうる可能性もある。もちろん、ポリシーではあるのだが、しかしこうした方向性を持っているということは非常に脅威に思える。

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