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ISP帯域規制の現状:Comcast、250GB/月の転送量制限を開始

以下の文章は、TorrentFreakの「Comcast vs. BitTorrent, What’s Next?」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Comcast vs. BitTorrent, What’s Next?
著者:Ernesto
日付:August 21, 2008
ライセンス:CC by-sa

昨日、FCCはComcastのネットワークマネジメント実行、その中でも特にBitTorrentユーザをターゲットとしたものが不公平であると決定した。この決定はネット中立化における小さな勝利といえよう。しかしそれは、ISPが大域を消費するヘビーユーザを追撃するのをやめるということは意味を意味してはいない。

Comcastは、今年末までにBitTorrentユーザの帯域を制限するのを停止するよう命じられた。さらに同社は、すべての「ネットワークマネジメント」実行を明らかにしなければならない。

我々がこの問題について報じたまさに1年後、FCCは最終的な決定を下した。当初Comcastは、BitTorrentユーザの帯域を絞ってはいないと即座に否定した。しかし、AP通信が我々のレポートを確認し、その後、主要メディアもこの件を取り上げるようになり、FCCも関与することとなった。FCCは、Comcastが他のプロトコルとは差別的に、特にBitTorrentプロトコルだけをターゲットとしていることから、Comcastのアクションは不公平なものであると主張する。

では、これは本当によい知らせなのだろうか?BitTorrentユーザは再び、そして直ちに同じ速度でダウンロードすることができるようになるのだろうか?いや、まったくそうはならない。ネット中立性は、ISPが同社加入者の速度を遅くするのをとめるものではない。現在、彼らは単にすべての人を遅くしなければならないというだけである。まさにそれが彼らの計画そのものである。Comcastは既に、今後は方針を転換し、ピーク時に必要な場合に限って帯域を大量に消費するユーザを制限すると述べている。それに加えて、彼らは月ごとの帯域制限を実施するとしている。そして、その制限以上に利用する必備とに対して、遮断することを厭わないようだ。

Comcastは、これらの措置を「合理的なネットワーク管理」の御旗の下にとっている。しかし、現在合理的であることが(あくまでもそうであれば、の話であるが)、今から1,2年後もそうだとは言い切れないだろう。問題は、制限がどのようなものであるべきかを決定するのがISPただ一人であるということにあり、それは彼らがしようと思ったことは殆ど何でもできるということを意味している。

複数のISPが、加入者が大量の帯域を消費するのを防ぐために、新たなツールの実験を既に始めている。Comcastはすべてのヘビーユーザを遅くすることになるし、Time Warner Cableは転送に使用した帯域に応じた料金を支払う従量課金プランをテストしている。控えめにいっても、不安は高まってきている。

一部の人は、従量課金プランが問題とは思えないかもしれない。既に我々は同じようにして、水やガソリン代を支払っている。確かにこれは真実ではあるのだが、しかし、インターネットを従量課金とすることは、危険もはらんでいるのだ。それはイノベーション(帯域を大量に消費するアプリ)を制限するし、高画質のビデオストリーミングの利用はエリートだけのものとなるかもしれない。

1つ明らかなこととしては、BitTorrentユーザはこれら新たな「ビジネスモデル」の主なターゲットであるということだろう。したがって、こうしたイニシアチブに対するBitTorrentのCTO Eric Klinkerのコメントは驚きをもって迎えられた。「ComcastとTime Warner Cableがしていることは、大きな第一歩であると考えています。」とKlinkerはCnetに話している。「それは、どのアプリケーションが重要で、どのアプリケーションがそうでないのか、という判断をISPにさせないというものです。しかし、ピアツーピアに対して、すべてのISPがそれを容易にする高まりがあります。」

しかし、ネット中立性はHoly Grail(聖杯)ではない。少なくとも偏ったネットより、中立なネットのほうがより遅いとなれば、ネット中立性など役には立たないのだから。Klinkerはこれに同意して、こうした新たなビジネスモデルまたはネットワークマネジメント実行が、長期的な戦略としてはよろしくはないと考えているようだ。「ISPが、彼らにそれを強制する新たな法制度を必要とせずに、彼らのネットワークをより『中立』なものとしているのですから、これは正しい方向に向けたステップであるといえるでしょう。」と、彼はTorrentFreakに話している。「しかし、思い違いをしていただきたくないのは、帯域キャップ(訳注:転送量に上限を設けるボリュームキャップ)、従量課金プランといったものは、インターネットにとってよいとは言い難く、すべてのブロードバンドサービスの採用と成長を妨げることになりえます。」

Comcastの不公平なネットワーク管理について最初に言及したネットワークエキスパートのRobb Topolskiは、ISPは新たなネットワークマネジメントツールを実験するだろうが、それほど大きな影響を及ぼすことはないだろうと考えている。我々は彼に、FCCの決定が更なる帯域キャップや従量課金プランをもたらすかどうかについて、彼の考えを尋ねてみた。「もしそうなれば、競争がうまく働いていないということです。加入者が従量課金プランや帯域キャップを望んでいないのは明らかです。いくつかのISPはこれらを実験的に行うかもしれませんが、それが日の目を見ることはないと思いますよ。」

Robbが正しいことを祈っておこう。もちろん、我々はFCCの決定を支持するが、ISPが今後もしばらくは加入者と戦い続けるだろうという奇妙な感覚を持っている。もちろん、彼らは前進するべきであり、そして将来に投資しなければならない。BitTorrentは既に普及しているし、ファイルはますます大容量に、そしてより帯域を消費するサービスが現れて来るだろう。これは事実である。

この件について補足すると、先月28日、Comcastは同社の利用ポリシーを改定し、10月1日より適用することを発表している。250GB/月以上の利用のあったユーザに対して、初回は警告を、2度目は1年間のサービス停止を行うとのこと。Comcastは規約の改定はFCCの決定とは無関係であるとしているが、おそらくはそうではないだろう。

この250GBという基準については、同社加入世帯の平均的利用は2-3GB/月であり、250GB/月の利用は通常では考えられないほど大量のデータを転送していることになる、という。日本でもOCNが30GB/日の制限を開始しているが、こちらはアップロードのみを対象にしている(なお、DTIも15GB/日のアップロード制限を実施していたが、今年5月20日より「クオリティ規制方式」へと変更したとのこと。)

Comcastは実際250GBの転送がどういったものになるのかをという例をあげて

  • 5000万通の電子メール(0.05KB/email換算)
  • 62,500曲のダウンロード(4MB/song換算)
  • 125本のSD画質映画のダウンロード(2GB/movie換算)
  • 25,000枚のHD画質デジタル写真(10MB/photo換算)

paidContent.orgにもあるが、HDムービーは?といいたくなる。

また、NewTeeveeでは、このComcastのボリュームキャップによって、複数のデバイスを利用するユーザ、特にHDコンテンツを楽しむユーザが影響を受ける可能性があると指摘している。ここであげられているデバイスは、Slingbox、XBox360、TiVo、Netflix Roku、VuduのSTB。もちろん、いずれも通常の利用で250GB/月を軽々と越えるというものではないようだが、転送量を気にしていると使い心地は悪くなるかもしれない。

ユーザは転送量を気にしなければならない一方で、Cnetによれば、Comcastの側からは帯域消費量を確認するツールを配布する予定はなく、個々のユーザにオンラインでそうしたツールを見つけるように、とのこと。確かにPCだけの利用であればそれでよいのかもしれないが、インターネットを利用した、PCを経由しないデバイスで帯域を消費しているユーザにしてみれば、モニタリングツールを導入してくれとそう簡単にいわれても困ってしまうと思うのだが。

また、このISPによる帯域制御問題に関して、"インターネットの父"として知られるVint Cerfは、Transmission rate cap(伝送レートキャップ)を提案している。ボリュームキャップや従量課金プランを導入したとしても、インターネットの利用が制限される一方で、利用が集中するピーク時にネットワークが圧迫されるという問題を解決することができないと指摘している。

彼は「ユーザーが必要なデータレートを目安にインターネット接続を購入できるようにし、少なくともそのレートまで自由にデータを伝送できるようにする」という伝送レートキャップを提案し、ISPが管理可能な範囲でサービスを提供し、ユーザが必要なだけのサービスを購入することで、両者に余分なコストを強いることはなくなるだろうとしている。

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