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RIAA v. The People: Five Years Later (2) 大量のDMCA召喚令状

以下の文章は、Electronic Frontier Foundationの「RIAA v. The People: Five Years Later」というレポートの一部を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:RIAA v. The People: Five Years Later
日付:September, 2008
ライセンス:CC by-nc

Ⅱ. フェーズ1:大量のDMCA召還令状

2003年夏、RIAAは、P2Pネットワークにて音楽を共有している個人に対する訴訟に備えて、証拠を集めていると公表した16。彼らが訴訟キャンペーン全体を通じて行っているように、RIAAの調査者は「アップローダー」をターゲットとした。つまり、自分の「共有」フォルダにある音楽ファイルを他の人にコピーすることを可能にしていた個人、である。調査者は、他のP2Pユーザと同じソフトウェアを起動し、彼らの雇い主であるレコードレーベルが所有する録音物を検索し、その後それら録音物を提供していた個人のIPアドレスを収集した17

しかし、RIAAの調査者は、アップローダのインターネットサービスプロバイダ(ISP)からの協力なくしては、IPアドレスと、氏名/住所とを結びつけることはできなかった。RIAAはISPにこれらの情報を提出させるために、RIAAのロビイストがDigital Millennium Copyright Act (DMCA)に潜り込ませた特殊な召還令状の力に頼った18。この規定では、著作権者は、著作権侵害で訴えられた加入者の個人情報を提出することのできるISPに対して、召還令状を出す権利が認められている。レコード産業の弁護士たちは、これらは単に著作権侵害の主張だけで、ISPから氏名と住所を取得できる権利だと考えているようだ。つまり、訴訟を起こす必要も、証明する必要も、裁判官の判断も仰ぐ必要もなしに、それが可能であると考えている。

EFF、ISP、多数の公益団体の努力により、最終的に法廷はこの先例のないプライバシーの侵害を拒絶した。RIAAは2003年に、このDMCA召集令状のパワーをテストし始め、複数のISPに対して2,3通の召還令状を送付している。これは(訳注:この戦略の)「テストラン」であったと見られている。Verizon(そしてCharter Communications、Pacific Bell Internet Servicesも同様に)は、同社のプライバシーを保護するために、法廷にて反撃を行った19。EFFは多数の公益団体、プライバシー擁護団体とともに、Verizonの訴訟に加わり、著作権者だと主張するすべての人に、法廷に出向くことなく、ISPに加入者の氏名、住所の提出を強制させることができるのであれば、すべてのインターネットユーザのプライバシーが危険に晒されることになると主張した20

残念なことに、Verizonとプライバシー擁護団体は、法廷でのファーストラウンドに敗北した。このことはRIAAに、潜在的訴訟ターゲットのリストを作成するために、数千通もの召還令状を送付することにゴーサインを与えることとなった。2003年の8月から9月にかけて、RIAAは国中のISPに対して、1,500通以上の召還令状を送付した21

2003年9月8日、RIAAはDMCA召集令状を使用して特定した261名の個人に対する初の訴訟をアナウンスした22。こうして訴えられた人々の中に、12歳の少女Brianna Laharaがいた。彼女はニューヨーク市の公共住宅でシングルマザーである母とともに暮らしていた23。このケースの和解のため、Briannaは公に謝罪し、2,000ドルを支払うことを強制された24

しかし、プライバシー擁護団体がまさに恐れていたように、召還令状プロセスにおける法廷での判断の欠如が、濫用に繋がることとなった。たとえば、マサチューセッツに住むMacユーザの老婦人Sarah Wardは、Windows版しかないKazaaで、ハードコアラップミュージックをダウンロードしたとして訴えられている25。RIAAは最終的には、彼女に対する訴訟を取り下げたものの、全く弁解することはなかった・RIAAのスポークスマンはこう述べている。「流し網漁を行えば、しばしばイルカが網にかかるものです」26

召還令状のパワーは、RIAA以外にも、節操のない著作権者を引きつけることとなった。ハードコアゲイポルノベンダーのTitan Mediaは、P2Pネットワーク上で同社のビデオを共有していたと見られる個人を特定し、コンタクトをとるためにDMCA召還令状プロセスを使用し始めた。そうしてターゲットとされた人々はTitanからの連絡を受け、(おそらくはきまりが悪いであろう)訴訟において名前を出されるか、「恩赦」と引き替えにTitanのビデオを購入するかの選択を迫られた27。複数のオブザーバーが、この戦術は強要に抵触するのではないかと述べている28

連邦議会において、Norm Coleman上院議員から鋭い批判を受けたことで、RIAAはギアチェンジを行っている29。それまでは、DMCA召還令状によって名前を得た後に直接その人々を告訴していたのだが、ここでRIAAは最初に脅迫的な手紙を送付し始めるようになった。これは、訴訟が起こされる前に、被告人に問題を解決する機会を与えるものとされた。2003年10月に、RIAAは疑われたファイル共有ユーザに204通の手紙を送付した30。ターゲットとされたほとんどの人々は、平均3,000ドルでの和解に応じた31。RIAAの提案を拒絶した80名の人々は、その数週間後に告訴されることとなった32

その後、法的ランドスケープは一変した。2003年12月19日、連邦上訴裁判所は、DMCA召還規定は「流し網漁」戦術を認めるものではないとするVerizonの主張を認めた33。法廷は下級審での判決を覆し、DMCA召還令状が利用可能であるのは、ISPが所有するコンピュータ上に著作権を侵害していると見られるコンテンツが保存されているときにのみであり、加入者個人のコンピュータにコンテンツが保存されているP2Pファイル共有のような状況を含まないとされた。

この判決は、RIAAの大規模召喚令状キャンペーンを停止に追い込んだ。RIAAがインターネットユーザを特定するために連邦召喚令状の力を借りたいのであれば、まず訴訟を起こし、裁判官の監督のもとでその実行がなされなくればならなくなった。言い換えると、RIAAは、連邦裁判所における他の訴訟当事者と同様のルールに従わなければならなくなったということである。

にもかかわらず、控訴審がRIAA v. Verizonの判決を下すまでの期間に、RIAAは3,000以上の召喚令状を送付していた34。それら召喚令状によって得られた氏名に基づいて400以上の訴訟がすでに起こされており、RIAAの要求状による威嚇によって、数百件が和解に至っていた35。たとえ、こうした訴訟を行うに際してRIAAが違法な戦略を用いていたとしても、和解した被告たちが返金されるということはなかった。

今日は第二章までを翻訳しました。続きは明日以降に。

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