スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

P2P:インターネットの災難を救う者

大容量の映像コンテンツが当たり前になり、大容量とはいかないまでもYouTubeのような大量にアクセスが殺到するビデオコンテンツが普及した今、インターネットはいかにしてトラフィックを抑えるか、効率よく転送するかという問題に直面している。これまでは、技術革新や設備改善で何とか乗り越えてきたが、今現在のトラフィック過多を克服するのは何か?というお話。もちろん、題名にあるとおり、その救世主がP2Pであるといっております。

原典:Technoligy Review
原題;P2P: From Internet Scourge to Savior
著者:Wade Roush
日付:December 15, 2006
URL:http://www.technologyreview.com/BizTech/17904/

2,3年毎に、誰かがインターネットの差し迫った崩壊を予測する。Bob Mtecalfe(イーサネットの発明者であり、3comの創設者、Technological Reviewの後援者でもある)が、1995年のwebカンファレンスで、webがトラフィックオーバーロードやその他の問題による負荷でこの1年以外に消滅しなければ、Infoworldに寄稿した悲観的なコラムから前言を撤回する(eat his words)と発言したのは有名な話である。1997年4月、Metcalfeは悔い改め、彼のコラムを破り捨てた切れ端を含んだミルクセーキを飲み干すこととなった。2004年には、Helsinki大学の工学博士Hannu kariが、スパムとウィルスが2006年までにインターネットを潰すと発言している。しかし、あなたが現在このウェブサイトを見ているという事実は、Kariが間違っていたことを意味する。

重要な点は、もっとも頭の切れる革新者や企業差でさえ、インターネットの成長の次のハードルがどのように克服されるか-新しいリソースや、テクノロジー、ビジネスアイディアがぎりぎりで登場してくるのには驚くばかりであるが-を見極めるのに、しばしば苦労したということである。(1996-1997年と2005-2006年にISPは、(訳注:彼らの危惧した問題に対して)1つにはより多くの帯域幅をネットワークに加えることで応えた)

しかし、そのパターンは永遠に持ちこたえられるだろうか?YouTubeやAppleのiTunes Video Storeの成功-どちらも2005年以前には存在していない-が、インターネット上の新たなデジタルビデオの巨大なフローを誘発する。そして多くのユーザが現在、ホームムービーからスポーツ番組、プライムタイムのTVシリーズをダウンロードやストリーミングすることで1日のうちの数時間を過ごしている。ビデオファイルが、かつてはインターネットトラフィックを支配していたwebページやemailと比較して非常に巨大になっており、バックボーンの回線は疲弊し、AT&TやVerizonといったオペレータ、ComcastといったISPは、容易に取り戻すことのできない新たなコストに直面している。なぜならば、大部分のブロードバンド消費者の接続料金プランは定額制であるからである。

Carnegie Mellon大学のコンピュータ科学者であるHui Zhangは「2006年は、インターネットビデオの年と記憶されるでしょう。消費者は、基本的にコンテンツオーナーのビデオへの無制限のアクセスを望んでいることを示しています。しかし、インターネット中がビデオトラフィックで漬されるならばどうなるでしょうか?」という。

今回のインターネットを救うレスキューは、最もありえないと思われているものかもしれない。P2Pファイル共有ネットワークのビルダーたち、である。多くの消費者-そして多くのスタジオ経営者-が思うところでは、P2P Networkは未だにデジタル海賊行為と同義である。結局、NapsterやKazaa、その他の初期のP2Pネットワークは著作権侵害者たちの遊び場でしかなかった。そして彼らは対価を支払うことなく、何百万もの音楽ファイルをダウンロードした。しかし今日では、研究者や企業家たちはP2P技術-ネットワークメンバーが、そのコンテンツを既にダウンロードした他メンバーのハードディスクを利用することによって転送することを可能にする-が合法的に購入し、著作権保護された音楽とビデオを配信するのに優れていると主張している。それは、サービスプロバイダとコンテンツプロバイダの負担を少なくしさえするかもしれない。

P2Pのコンセプトという新たな展開によって、企業はiPod所有者やYouTube中毒者を越えて、市場に映画やテレビ番組、その他のプレミアコンテンツのデジタル配信を行うことが可能となる。NY、サラトガ湖畔のインターネット企業Wurld Mediaは、2005年8月、Peer Impactと呼ばれるP2Pプラットホームのサービスを開始した。一度、ユーザが無料のPeer Impactメディアプレーヤーをダウンロードすれば、PCで共有フォルダに映画テレビ番組(ゲームやラジオ番組、音楽も同様に)を購入し、共有フォルダにダウンロードすることができる。新たな展開:ネットワーク上の誰かが共有フォルダからそのコンテンツを抜き出したとき、Peer Impactはユーザに支払いをする。メンバーはより多くのコンテンツを購入するために「Peer Cash」を使用することができる。(最近、筆者はPeer Impactのサービスを試してみたのだが、ダウンロードも早く滑らかであった。"Star Trek: New Voyages"を視聴したのがけれど、ダウンロードプロセスから2分後に映画は始まり、全てのダウンロードには12分程度かかった。)

NapsterやKazaaにかわって、長い間映画やレコード産業の経営陣に厄介者とされてきた、先進のP2PネットワークであるBitTorrentは、メインストリームとなりつつある。同社は今月はじめ、venture-capitalの資金提供の第2ラウンドとして2000万ドルを増資され、競争者であるμTorrent[マイクロトレントと発音]を買収したと発表した。そして、セットトップボックスやその他の非PCデバイスに適しているBitTorrentソフトウェアのコンパクトバージョンを作るとした。BitTorrent-全てのファイルを1つのピアからもう1つのピアへそのまま転送するのではなく、ネットワーク上で最も近いピアからファイル断片を転送し、再び組み上げることでダウンロードの速度を上げる-は今でもインターネットビデオを見つけ、手に入れるための最高のツールの1つである。ある人は無料であるからという理由で、ある人はみんなが使っているからという理由で、それによってワールドワイドなデジタルファイルのアーカイブが出来上がったのである。

Peercast, Octoshape, Allcast, Itivaといった多くのほかの企業が、P2Pビデオミックスに飛び込んでいる。P2P創設者であるIan Clarkeによって設立されたRevverのプロジェクトであるDijjerは、他のユーザのPCからリクエストしたファイルのコンテンツの多くを引き寄せることによって、個々のユーザのPCの負荷を減らす。オランダの3つの大学からなる研究者チームは、Triblerというソフトを開発している。それはBitTorrentのようなプログラムで、Amazonのようなれレコメンデーション機能や、同じコンテンツをダウンロードしている人を表示するリアルタイムマップなどの機能を持つ。そして、イギリスでは、BBCがiPlayerと呼ばれるP2Pメディアプレーヤーを開発している。2005年11月から2006年2月の間に、5000人のユーザが参加したトライアルでは、ユーザはオフィシャルなテレビ放送の後7日間、BBCの番組をダウンロードすることができた。多くの参加者は単に自分の好きな番組を追いかけるためにサービスを利用したが、面白いことにネットワーク実験参加者は、通常の放送視聴者とは異なり、いくつかの新しい番組や"ニッチ"な番組に興味を示すことがわかった。

インターネットは既にP2Pトラフィックあふれている。実際にP2Pダウンロードはネットワークトラフィックの60%を占めている-P2Pダウンロード速度を高めるための独自のシステムを開発しているCacheLogicによれば、そのうちの60%がビデオによるものであるという。(そのシステムは、Akamaiのような企業によって創始された伝統的なコンテンツ-流通ネットワークと全く同じように、インターネット中に散らばる専用の高い能力の"edge server"へのアクセスをP2Pネットワークに可能にすることで、P2P配信を促進する。)

それでは、どのように更なるP2Pトラフィックは実際にインターネットにとって役立つのだろうか?Carnegie Mellon大学のZhangは、P2Pネットワークは、ユーザのインターネット接続のダウンリンク、アップリンクの両方のキャパシティを利用するため、集中化した"unicast"技術に比べて、より効率的にコンテンツを配信すると指摘する。Zhangはまた、サービスプロバイダが、トラフィックを追跡し、どれくらい彼らのネットワークを通った配信を許すかを決定するために、P2Pトラフィックにはラベルがつけられなければならないとしている。彼とその同僚たちはCalifornia大学Berkeley校においてプロジェクトを開始し、Rineraというサービスプロバイダにそのようなコントロールを可能とするソフトウェアを開発している。

「ネットワーク自体は、それが取り扱っているトラフィックのタイプを知らされる必要があり、サービスプロバイダは方針をセットすることによって参加する必要があります」とZhangは語る。「さもなければ、ビデオダウンロードのようなアプリケーションが外されれたとき、私たちは混雑したネットワークを見ることになるでしょう。そして、それはビデオ共有テクノロジーの発展を妨げることになるのです。」
まぁ、ほとんど注釈をつける必要もないけれど、もちろん、BitTorrentのようなP2Pファイル配信ネットワークによって効率的なビデオ配信が可能となる。でもそれ以外にもP2Pはwebでも使われようとしているし、基本的には転送サービスの多くに使われるかもしれない。

それはともかくとして、個人的に疑問に思うのは、P2Pファイル共有には悪い側面も多いのは事実としても、そのおかげで、ここまでのコンテンツサービスが展開され、そしてユーザの求める水準を上げ、インフラも整備されてきたんじゃないかな?ということ。

確かに、水掛け論の第一歩かもしれないけれど、ただ単にインフラが整備されただけで、ここまでの展開があっただろうかと思うのです。確かにYouTubeやファイル共有への違法なアップロードというのはあっただろう。しかし、それがユーザをひきつけ、次のステップにつながっているとは思えないだろうか。まぁ、そのような総括も著作権侵害の実態ががある程度沈静化した時点で行うべきなのかもしれないけれどね。

それにしても、この記事、あまりP2Pを知らない人に読んで欲しいなぁ。「でも、P2PってWinnyみたいなものでしょ?」なんて寂しいこといわないでさ・・・。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/123-2d059233

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。