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なぜDRMは堅持されるのか?:ハリウッドがRealDVDを嫌う本当の理由

以下の文章は、Electronic Frontier Foundationの「Why Hollywood Hates RealDVD」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:Why Hollywood Hates RealDVD
著者:Fred von Lohmann
日付:October 10, 2008
ライセンス:CC by-nc

なぜ、ハリウッドはこれほどまでにReal DVDを忌み嫌うのだろうか?そのヒントをここに記そう。これは海賊行為とは全く無関係であって、イノベーションのコントロールに関することでしかない。

今週初め、サンフランシスコ地方裁判所は、RealNetworkのRealDVDソフトウェアの配布を禁ずる一時的な停止命令(TRO)を延長した。これは少なくとも、正式な予備的禁止命令のための審理が開かれる11月後半まで続くことになる。この審理について多くのメディアが報じてくれているのは良いのだが、彼らは基本的な問い、なぜハリウッドはRealDVDを毛嫌いするのか?には答えていない。

これは海賊行為に関する話ではない。結局のところ、DVDをコピーしようとする人たちはみな、簡単にDVDのコピーを可能にする無料のソフトウェアを、たくさんある中から選択することができる(たとえばHandbrake, DVD Shrink, Mac The Ripper)。さらにDVDのリッピングすら手間だと感じる人たちは、The Pirate Bayなどを利用して、簡単に映画をダウンロードすることができる。要するに、ハリウッドはこの30ドルの、DRMを脅かすRealDVDソフトウェアを、容易な選択肢が豊富にある現在の環境において、海賊行為の脅威としては見てはいないだろう、ということである。

我々がこれまで長ら述べきたように、DVDに用いられているContent Scramble System (CSS) のようなDRMシステムは、主に海賊行為を抑制することを目的としたものではない。むしろDRMは、テクノロジー企業に対し、映画を再生可能な製品を作る前にライセンス契約を結ぶことを強制する法的な『フック』である。これらのライセンス契約によって、デバイスができること、できないことを定め、ハリウッドのビジネスモデルを破壊的なイノベーションから保護する。

この契約は、イノベーションが起こる前の状況を反転させる。非DRMコンテンツ(たとえば書籍、テレビ放送、CD)に関しては、イノベーターは、著作物をコピー、再生することができる製品(たとえば写真複写機、VCR、iPod)を作る前に許諾を求めるという必要はなかった。しかし、DVDのようなDRMコンテンツに関しては、ハリウッドはDMCAの反回避条項を、この種の破壊的イノベーションを締め出すためのものとしようとした。DMCAが成立した結果、テクノロジーベンダーがDRMedのハリウッド映画を再生する機器を作ろうとした場合、許諾を求め、ライセンス契約を交わし、譲歩を迫られなければならなくなった。

したがって、これはハリウッドがフォーマットシフト、プレイスシフトといったパーソナルユースを容赦なく憎んでいるということではない。むしろハリウッドは、これらの新機能がハリウッドの条件("pay us again":もう一度支払え)において、ハリウッドのタイムテーブル("later":もっと遅らせろ)において、テクノロジー企業から有益な譲歩("watermark detection, compliance & robustness requirements, down-rezzing":電子透かしによる保護、遵守規定・ハードウェア/ソフトウェアのセキュリティ規定、低画質化)を引き出した後にだけ、それが認められるのだということを確認したいのである。

そういった点で、RealDVDは脅威なのだ。現在のCSSライセンスをよく読むことで、Real(とそれ以前にはKaleidescape)が、まず先にハリウッドスタジオから許諾を得ず(そして敬意を払わず)に新製品カテゴリを構築する方法を発見した。このRealの背信は、ハリウッドが今後数年間にわたってDVDイノベーションを抑制せんとするいくつかのスキームにとって脅威となる。たとえば

  • 管理されたコピー:ハリウッドは、「管理されたコピー」に関してテクノロジー企業と長きにわたって交渉を続けている。このメカニズムは、PCやポータブルデバイスへのDVD、Blrurayのコピーを制限することを可能にするものである。この「管理されたコピー」は長きにわたって約束されてきたが、以前実現はしていない。それは、関連したDRMライセンス(DVD-CCA for DVDs, AACS-LA for Bluray)を管理する組織内部の権力闘争のためである。これらの交渉の中で、ハリウッドはテクノロジーベンダーに複数の重要な譲歩をさせることに成功した(たとえば、Blurayディスクからのデータの読み出しの際に、海賊版コピーの視聴で画面上に染みが表示されるような電子指紋をコンピュータの必要要件としたり、コピーされたものにもDRMを課すなど)。こうしたテクノロジー企業が、既存の契約条項に基づいてRealDVDやKaleidescapeのような製品を作ることができたとしても、より多くの交渉、管理されたコピーに対する譲歩の見込みが、そうした製品を作り上げるインセンティブを奪うことになるだろう。

  • デジタルコピー:ハリウッドは、PC上でのコピーを許諾する2枚目のDVDを同梱したDVDの販売を始めている。問題は、あなたがこのパーソナルユースのコピーを行う権利のために、追加料金を支払わなければならないということである。言い換えると、ハリウッドは、あなたのフェアユースの権利を盗み、それを少しずつあなたに売りつけている、ということ。

  • インターネットダウンロードサービス:あなたは既にDVD上のコンテンツを購入している。しかし現在、ハリウッドはPCやiPodで同じ映画を見たいなら、iTunesやAmazon、MovieLinkからもう一度購入することを望んでいる。

これが真実の物語である。決して海賊行為の問題ではない。RealはハリウッドのDVDフォーマットのための次の五ヵ年計画に合わせるための果てしない交渉を行う代わりに、DRMライセンスカルテルから離反し、消費者が現在望むものを作り上げた、そういう話である。

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