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ファイル共有に未来を見出すアーティストたち

以下の文章は、TorrentFreakの「Artists See a Future With BitTorrent」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Artists See a Future With BitTorrent
著者:Ernesto
日付:October 13, 2008
ライセンス:CC by-sa

音楽産業は変化を続けている。レコードレーベルが何とかしてアルバムセールスからの収益ストリームを守り抜こうとする一方で、新世代のアーティストたちは、自らの音楽を無料で配ることによって、よりよい状況になることを理解し始めている。現在、我々は産業がこうした状況にあることは理解している。では、これらのアーティストは何によって突き動かされているのだろうか?

The What CD無料で音楽を配る、それは多くの人にとって確実なビジネスモデルとは思えないかもしれない。しかし、実際にはそうなのだ。大半のアーティストは、アルバムセールスからではなく、コンサートやグッズからその利益の大部分を得る。さらにいえば、成功のカギとなるのはファンである。そして、人々に音楽を聞いてもらうのに、無料で配る以上に有効な方法があるだろうか?

新たなる時代のアーティストたち、その多くはNapster、LimeWire、BitTorrentとともに育った。そして彼らはファイル共有ネットワークのパワーを利用し始めている。今年だけでも、数千枚のアルバムがオンラインにて無料でリリースされた。そしてその数は増大を続けている。可能性には終わりがない。あるアーティストはJamendoのようなサイトを利用し、別のアーティストはThe Pirate BayやMininovaのような大手BitTorrentサイトに向かう、また別のアーティストは、What.cdのようなニッチなBitTorrentコミュニティを好む。

60,000人以上のメンバーを持つ大手音楽コミュニティWhat.cdは、アーティストにとって特に有効な場所であると理解されてきている。実際、アーティストが無料で配布するアルバムは特に人気が高く、しばしば最もダウンロードされるものとなる。音楽に関心を持つメンバーたち(その中には数多くのアーティスト自身が含まれている)は、すべてのニューアルバムに敬意を払っている。今年8月、同サイトにアルバムをアップロードした19のアーティストのトラックによるコンピレーションCDがリリースされた。この"The What CD"と名付けられたCDは、同トラッカーにて常に人気のあるTorrentとなっている。

もはやTorrentFreakが、こうした無料で自らの音楽を配布するすべてのアーティストに言及することは不可能にまでなってしまった。3年前あれば特別であったことも、現在ではメインストリームとなってきている。それでも、無料で自らの音楽を共有することを決意するこれら新世代のバンドやアーティストと語らうことには価値があるだろう。

The Pragmaticもそういったバンドである。この2006年に結成された5名のバンドは、今日、BitTorrentとRapidShareにてアルバム『Circles』をリリースした。80年代初頭からアナログシンセサイザーをプレイしてきたというバンドメンバーの1人、Andréは、なぜ無料で楽曲を配布することにしたのかを説明してくれた。

「我々は、この初のリリースで、無料で音楽を配布することを試してみて、一体何が起こるのかを見てみたかったのです。」と彼はいう。「RadioheadやNINのようなバンドは、無料でアルバムをリリースして成功を収めました。しかし、それは彼らの既に確立したキャリアゆえ、であったでしょう。つまり、彼らは従来のやり方の上にあの手法をとり、そして利益を上げた、しかし、ファイル共有での彼らの成功は、その特権的地位によるところが大きかったのです。」

「さぁこれからだ、というアーティストたちはみな、輝かしいレコード契約を夢に見ていることでしょう。しかし、私はもうそれにかかわろうとは思いません。レーベルは酔いを覚まし、自らの役割について再考しなければなりません。かつては音楽こそが中心でした。そしてファイル共有は彼らの注意をそこに向けているのだと思っています。無料で音楽をリリースすること、確かにそれによってお金を失っているのだということは想像できます。しかし、長い目で見れば、我々は(うまくいけば)ファンを増やしていることになるのだと思っています。」

他の多くのアーティストたちと同様に、Andréはファイル共有とともに成長した世代の1人である。そして現在、それは音楽産業の一部ともなっており、メインストリームラジオでかけられる以上に、人々の耳に音楽を届けている。それはRIAAが聞きたくない、認めようとしないことであるかもしれないが、音楽はファイル共有のおかげでこれまで以上に人気を高めている。Andréはこれに同意し、TorrentFreakにこう話す。

「ファンはライブに行き、グッズを購入し、もっともな理由でバンドをサポートします。我々の世代は、ますます音楽に対しての飽くなき欲求とともに育ったのだと思っています。自分がしたことは自分がよく知っています。私は大好きだったアルバムをたくさんダウンロードして、そして製品も購入しました。気に入らないアルバムもたくさんダウンロードして、そして削除しました。Napster / SoulSeek / BitTorrentのおかげで知り、大好きになったバンドは数えきれません。ファイル共有は決して音楽を盗むことに関するものではありませんでした。それは大好きなアルバムを見つけるためのものでした。」

「レーベルは不満を言って、たった1ドルのために彼らの熱狂的なオーディエンスを訴えるでしょう。私は彼らを責めることはできません。彼らはそうやって自らの会社を興したのですから。彼らにとって変化は脅威です、とくにそれがコントロールできないときには。でも実際のところ、もしNapsterが登場しなければ、私はミュージシャンにはなっていなかったでしょう。誰も称賛することはないでしょうが、Napsterは現代の驚異的な音楽文化を促したのだと思っています。これからのアーティストにとって、P2Pネットワーク上で自らの音楽のプロモーションを行わないという選択肢は、ますます露出を得るのを難しくするだろうと思っています。」

アーティストとレーベルの衝突、ますます増大する海賊行為、それらはビッグレーベルに自らのビジネスモデルの再考を強いている。現在、BitTorrentは音楽をこそベースにするアーティストをプロモートする。広告費をバックにしたアーティストではない。音楽レーベルが危機に瀕していることは否定しがたいだろう。しかし、音楽それそのものは以前にもまして活き活きとしている。

たぶん、根っこの部分では私と同じ考えを持っているのだろう。私もこうしたアーティストをこそ、支えるべきだと思っている。Andréが言うようにNINやRadioheadはそれまでの、つまり旧来の手法が支配する世界でキャリアで積み上げてきた。すでに多くのファンベースを持ち、その行動は注目を集める。しかし、ほぼゼロからスタートする、これからのアーティストはそうはいかないだろう。もちろん、リスクはNINやRadioheadほどではないにしても、まず注目を得るところまでの道のりが長く、険しいものであるだろう。

ただ、だからこそ、そうした人たちを支えているんだというなら、海賊行為は必要ないんじゃないかと思っている。確かに、What.cdではこうしたインディペンデントなアーティストが高い人気を獲得しているかもしれない。しかし、そこで主に流通しているのは、そうしたアーティストではなく、広告費をかけられたことで多くの人が知ることとなったアーティストたちではないだろうか。

それぞれのユーザの持つリソース・アテンションはごくわずかである。しかし、あるコミュニティがある方向に向けてそのリソースを結集すれば、それは大きな力となる。理想を持っているなら、それを無駄に浪費することなく、適切な方向に向けられるべきである。

どうやっても勝手に流されてしまうのであれば、わざわざ共有を許そうとは思わないだろう。どの選択肢を選んだところで、勝手に共有されてしまうのだから。少なくともレーベルはそう考える。

自らの音楽を自由に共有させること、それがアーティストにとって本当に意味のある行為であるならば、アーティスト自らがそれを進んで選択したくなるような状況を作るべきではないだろうか。本当に音楽を開放したいと思うなら、一方的な海賊行為によってではなく、共有を望むアーティストとそれを支えるリスナーとのより良い関係によってなされるのだと思う。それはだれかが与えてくれるものではない、意図してであれ、意図せずであれ、リスナーの行動の積み重ねによって生み出されるものである。

もちろん、反論として、個々人が理想をもって行動した結果ではなく、現実的にそうなっているということだともいえるだろう。ただ、そうであれば、ある種の犠牲が生み出されていながら、他の側に利益が出ているのだからいいじゃないか、ということにもなりかねない。そんなものはフェアじゃない。

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