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ドイツ、P2Pファイル共有調査:法的攻撃はファイル共有ユーザを減少させるか

ドイツのトラフィックマネジメントやその分析を行っているipoqueという会社が、ドイツ国内のP2Pに関する調査結果を発表しているよというお話。

参考サイト
P2P Survey 2006
http://www.ipoque.com/en/pressrelease_ipoque_241006.html
http://www.ipoque.com/pub/P2P-Survey-2006.pdf

要約
ドイツ国内でもっとも利用されているP2Pファイル共有ソフトは、BitTorrentがeDonkeyを抜いてトップに躍り出た。また、そのトラフィックもBitTorrentが最も高い。これら2つのソフトによって、P2Pトラフィックの95%が占められている。総トラフィック量に占めるP2Pトラフィックの割合は、昼間は30%、夜間は70%であった。人気の高いファイルタイプは、映画、音楽、PCゲームであり、そのほかではebookなども増加しているが、全体的には広範なファイルタイプがネットワーク上にあふれている。

調査の概要

調査はipoqueという企業によって、2006年4月から10月にかけて行われた。その目的は、ファイル共有によって生じるP2Pトラフィックの上昇や共有コンテンツなどに関する詳細なデータを得ることであった。ドイツ国内の10万世帯を対象に行われ(10月調査)、ネットワークレベルで、匿名のインターネットトラフィックデータを集積し、それを分析した結果が示されている。

P2Pファイル共有プロトコルについて

ドイツはeDonkey発祥の地とあって、その利用が盛んであったが、どうやら今回の調査結果からは、eDonkeyプロトコルよりも、BitTorrentプロトコルがドイツ人にもっとも利用されているプロトコルであることが示された。ただ、この結果は、利用数を調べたのものなのか、トラフィックから推測しているものなのかは不明。ただし、eDonkeyトラフィックの下がり始めた5月下旬に起きた出来事としてeDonkeyユーザの一斉摘発、BitTorrentがeDonkeyを抜いた時期におきた出来事としてeDonkey.comの閉鎖があり、それを考えるとユーザの移行が起きたとも考えられる。

P2Pトラフィックについて

P2Pトラフィック
4月から10月にかけてP2Pトラフィック全体の絶対量は10%ほど上昇しているとのこと。この結果は、コンテンツの容量の増大を示すのか、ユーザ数の増加を示すのかは定かではないが、ドイツ国内におけるP2P企業やP2Pユーザへの訴訟や、アンチ海賊行為キャンペーンが功を奏していないということはいえるだろう。

Fig. P2Pプロトコル
プロトコルごとのトラフィックを見てみると、eDonkeyプロトコル(43.09%)よりも、BitTorrentプロトコル(53.13%)が上回っている、また、その2つを合計すると95%を超え、ドイツ国内のP2Pトラフィックはこの2つのプロトコルによって引きこされているといえる。LimeWireをはじめとするGnutellaプロトコルは2.24%、WinMXやSoulSeekなどその他プロトコルは1.54%と、ほとんどの人に利用されていない、または莫大なファイル転送を行っていないということが示されている。

また、データは示されていないが、P2Pトラフィックが総トラフィック量に占める割合の1日の推移について、昼間では30%、夜間では70%であるという。ただ注意が必要なのは、絶対量がそのくらい増えるということではないということである。昼間は夜間に比べると、人の活動時間であり、さまざまな用途でインターネットが利用されるのに対して、夜間は人の活動時間ではなく、インターネットが昼間に比すると利用されていない。相対的に増加するということである。ただ、別の調査では、総トラフィックに占めるP2Pトラフィックの割合は6割くらいであるという結果が出されており、ドイツでもそうだとすれば、帰宅後にP2Pソフトウェアを起動し、翌朝停止するという人によって絶対的な量が増えているとも考えられる。

P2Pトラフィックに占める各ファイルタイプ

Table 各ファイルタイプごとのトラフィック
各ファイルタイプごとのトラフィックを比較すると、やはりビデオコンテンツのトラフィックがもっとも多いようだ。ただし、これはファイルの絶対数に比例しているものではなく、ファイルタイプによる容量の違いによるものと考えられる。オーディオファイルは大よそ5-50MBなのに対して、ビデオファイルは200MB-4GB程度とばらつきは多いが確実にファイルサイズは巨大である。それはソフトウェアにも同様のことが言えるだろう。しかし、P2Pトラフィックのほぼ7割を占めるビデオコンテンツの転送がトラフィック全体に負荷をかけていることも示されている。

ファイル共有ネットワーク上に流れるコンテンツの数

Table 各ファイルタイプの詳細
ビデオファイルが最も多く、オーディオ、ソフトウェアがそれに続く。興味深い点としては、eBooksの割合も大きいというところだろうか。

さらに詳細な割合を見てみると、BitTorrent、eDonkeyユーザの違いも見えてくる。ビデオコンテンツでは、映画でBitTorrent(21.24%)のほうがeDonkey(9.80%)より、TVではeDonkey(24.03%)のほうがBitTorrent(11.25%)より、ポルノではeDonkey(30.02%)のほうがBitTorrent(15.04%)より非常に高い割合を占めている。このような流れているコンテンツの違いによってユーザがプロトコルを選んでいるのか、もともと流れている絶対量が多かったために、ユーザがその用途で利用しているのかは不明だが、明確な違いとして現れている。この辺は、BitTorrentとeDonkeyの特性的な違い(たとえば検索能力の違いなど)が影響しているのかもしれない。ただ、一部、割合の多いコンテンツも見られるものの、全体としては、かなり幅広いコンテンツが流れていることが示された。

ipoqueはこの調査結果からこのようにまとめている。

予測:P2Pの使用によるトラフィックの増大の重荷

ipoqueの調査は、インターネットファイル共通の継続した人気を証明する。著作権者による過去の度重なるキャンペーンにもかかわらず、P2Pの利用は、(訳注:減少するどころか)成長さえしている。

BitTorrentによって、大容量のメディアコンテンツの実質的には(訳注:容量)無制限の配信を可能とするファイル共有テクノロジーが確立した。

したがってipoqueは、今後しばらくの間はP2Pの利用によるドイツのインターネットにおける負荷が増大し続けると予測する。

ただ、私が注目したいのは、BitTorrentとeDonkeyのシェアの変化である。上述したとおり、トラフィックにおけるeDonkeyのシェアの減少が始まった時期や、BitTorrentに追い抜かれた時期などには、それらにかかわる重要な事件や出来事が起こっている。また、以前はBitTorrentの人気をeDonkeyが抜いたこともあったが、そのときも、torrentトラッカーに対する法的攻撃が行われていたという背景がある。個々のプロトコルだけで見れば、法的攻撃を行うことで、そのトラフィックは減少し、ユーザも減少しているように見える。しかし、P2Pファイル共有全体で見れば、決して減っていないということをこのデータは示している。もちろん、このことは以前からいわれてきたことではあるが。

そして、さらに驚くべきことは単純なユーザの乗り換えが起こるだけではなく、その間もユーザが増え続けるということである。もちろん、トラフィックだけみても、ユーザの増減は判断できないが、トラッカーに対する攻撃や、Grokster判決という企業系P2Pファイル共有に圧倒的に不利な状況になっているにもかかわらず、依然としてユーザは増え続けている。本当に、業界団体による法的攻撃は有効なのだろうか?

結局のところ、如何に業界団体が躍起になって法的攻撃を繰り返したところで、ユーザは新天地で同じことを続け、その間も仲間を増やし続けるのである。このことを持って、全く意味がないというつもりはない。確かに、あわせ技として各種対策のひとつとして行うことも必要だろう。しかし、そればかり過度に行う必要があるのだろうかと疑問に思う。いくらユーザに恐怖感を植えつけようと、個人に対して法外な賠償金を求めたとしても、多くのユーザはそれでも使い続けるのである。そして、そこに残るのは、巨額の訴訟費用を持ち、優秀な弁護士軍団をそろえた業界団体に、法外な賠償金を請求された、法的弱者ともいえる個人である。もちろん、その個人が自ら犯した罪によって責め苦を味わうのは、致し方ないところではあるが、対個人という目的以上の背景を持って、必要以上に個人を攻め立てるということには賛同しかねる。責めるならまだじも、攻めるのは・・・ちょっとね。

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