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TIME誌:Person of the Yearは「あなた」

年末のお約束の一つともなっているTIME誌の選ぶPerson of the Year、日本でも数年前に田代まさしを1位にしたことで注目されたりもしましたが、今年のPerson of the Yearに選ばれたのは、「あなた」だよというお話。Wikipedia、YouTube、MySpaceといった所謂Web2.0の元年といったところでしょうか。しかし、その全てがいろいろな問題をはらんでいる。

原典:TIME online Edition
原題:Person of the Year:You
著者:LEV GROSSMAN
日付:Dec. 13, 2006
URL:http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1569514,00.html?aid=434&from=o&to=http%3A//www.time.com/time/magazine/article/0%2C9171%2C1569514%2C00.html

"Great Man"理論は、一般的には、スコットランドの哲学者Thomas Caryleによるものであると考えられている。彼は「世界の歴史は偉人の伝記に過ぎない」と書いた。彼は、種としての我々(人類)の相対的な運命を形作るのは、数少ない、強力な、著名な人物であると考えていた。その理論は今年、打ちのめされた。

確かに、2006年に起こった痛みを伴い、平穏を乱した出来事をしでかした、我々が非難すべき人たちがいる。イラクでの対立は、血で染まり根深くなるだけであった。イスラエルとレバノンの苛烈な衝突が勃発した。スーダンでの戦争は長引いている。北朝鮮の安物の独裁者は核兵器を手にし、イラン大統領は核武装をもくろんでいる。一方で、誰一人として地球温暖化をよくすることはしなかったし、Sonyは十分なPlayStation 3を作らなかった。

しかし、異なるレンズで2006年を見て欲しい。そうすればあなたは、対立でもなく偉人でもない、もう1つの物語を見ることができる。それは、これまでにないスケールのコミュニティと協同についての物語である。それは、森羅万象の知識を集積するWikipedia、100万チャンネルとしての人々のネットワークであるYouTube、オンラインメトロポリスであるMySpaceについての物語である。それは、大衆が少数派から力をもぎ取り、無償で互いを助け合う物語である。それは、世界が変わる方法だけではなく、世界が変わる方法についての物語である。

これを可能にするツールが、WorldWideWebである。Tim Berners-Leeが科学者が研究を共有する方法としてハックしたWeb(Wikipediaによると15年前だそうだ)ではない。1990年代後半の誇大広告されたドットコムwebでもない。新しいwebは、全く異なるものなのだ。それは、数百万人による小さな貢献を纏め上げ、それらに意味を持たせるためのツールである。シリコンバレーのコンサルタントは、それWeb2.0とよぶ-まるでそれが古いソフトウェアの新しいバージョンであるかのように。しかし、それは本当の革命なのである。

そして、我々はそれに対する準備ができている。我々は、バグダッドから、ボストンから、北京からの加工されたニュースを、その本当の事実とバランスをとる準備ができている。あなたは、アメリカ人がどう暮らしているかを、1,000時間のネットワークテレビジョンを見ることよりも、YouTubeビデオの背景-しわくちゃのベッドルームやおもちゃの散らかった地下のプレイルームなど-によって、知ることができる。

我々は、見ているだけではない、もたらしてもいるのだ。それもものすごい勢いで。我々はFacebookのプロフィールをつくり、Second Lifeのアバターを作り、Amazonで本を批評し、PodCastを録音する。我々は、自らの候補の落選についてブログを書くし、捨てられたことへの歌を書く。我々はbombing runを録画するし、オープンソースソフトウェアをビルドする。

アメリカ人は、一人の天才を愛する-たとえばEinsteinや、Edison、Jobs-しかし、彼ら孤高の夢想家も、他の人たちと共にその役割を演ずることを学ばなければならなかっただろう。自動車会社は、公開のデザインコンテストを行っている。ロイターは、通常のニュース配信と同時にブログポスティングも行っている。マイクロソフトは、ユーザが作るLinuxに追いつかれないように、日夜努力を続けている。我々は、生産と革新の爆発を見ているのである。そしてそれは始まったばかりである。グローバルで知的な有機的統合の中に埋没する無名状態によって生み出される数百万人のマインドとして。

これらの人々は、誰なのだろう?冗談は抜きにして、その人は実際に長い1日の仕事を終えてこう言う、私は今夜Lostを見ないんだ、と。私はPCをつけて、自分のペットのイグアナを主演にした映画を作る?私はQueenのインストゥルメンタルと50 Cent'sのボーカルをマッシュアップする?私は、自分の精神状態について、国家の状況について、通り沿いの新しいビストロのステーキ-フライドポテトについて、ブログを書く?誰に、その時間とそのエネルギーとその情熱があるのだろうか?

答えはそう、「あなた」です。グローバルメディアの手綱をつかみ、新たなデジタルデモクラシーを創り、構築し、無償でもたらし、自分自身のゲームでプロに打ち勝つ。2006年のTIME誌Person of the Yearはあなたです。

確かに、必要以上に全てを美化するのは誤りかもしれない。Web2.0は、その知恵と同じように群集のおろかさをも際立たせる。YouTube上での一部のコメントは、単なるつづりでしかなくても、あなたに人類の未来を悲観的なものに感じさせるかもしれない。そのような暴言や、むき出しの憎悪は放っておこう。

しかし、それが全てを面白くもする。Web2.0は大規模な社会的実験であり、試す価値のある実験には、失敗がつき物である。どのようにして、バクテリアではない有機物が共にこの惑星に生き、営むのかについてのロードマップはない。しかし、2006年は我々に幾ばくかのアイディアを与えてくれた。これはある種の新しい国際的な理解を構築する機会である。政治家から政治家、"Great Man"から"Great Man"ではなく、市民から市民、人から人、として。それは人々が、コンピュータスクリーンを見ることで、自らを見返す(視点を戻す)向こう側にいる人たちに感嘆する機会である。どうぞ続けて欲しい。あなたの好奇心がちょっとやそっとではないことを、私たちに見せて欲しい。
これを革命と呼ぶのであれば、その革命は完遂しきってはいない。Wikipediaによると、革命とは「新しい体制への大規模な改革」である。そこには打倒すべき旧体制が存在し、その打破によって革命は完成する。

しかし、現実は絶えず新体制と旧体制がぶつかり合っている。既存のメディアはインターネットに対して過剰に嫌悪感を示すし、そこで行われている活動にコントロールを望む。確かに、無軌道なのはよろしくはない。ただ、その無軌道さが整然と秩序だっている必要もない。道幅は広がったのだ。かつては一方通行だった道が、すれ違えるようになった。そして、並んで歩けるようにもなった。たくさんの人がいっぺんに、そして自分の望む方向に歩いていけるようになった。そして更に道を拓き、そしてその道を広げていく。そこでふと気づくかもしれない。今までは作られた道を歩いていたのだと。これからは道を作っていくのだと。

回りくどく書くとそういうことだと思っている。ただ、私はこれが革命だとは思ってはいない。むしる、新体制と旧体制の融合だと思っている。Wikipediaの信頼性の問題や、YouTube、MySpaceにおける著作権の侵害問題、その他SNSにおけるプライバシーの問題や、ブログ内の記述による業務情報の漏洩など、「あなた」がコンテンツプロバイダの役割を担ったことで生じた問題は、未だ克服されていはいない。また、これらの問題は、既存の体制との衝突の結果とも言えるわけだけれど、「新体制」が「旧体制」を妥当するという見方がフィットするかといわれれば、ちょっと違うかなと思ってしまう。確かに、大手の商業コンテンツプロバイダによる一方向のコンテンツの流れ、という側面から見れば、双方向のコンテンツの流れやコンテンツを生み出す母体としての「あなた」が登場してきたことは、革新的な出来事だともいえるが、かといって、これまでの商業コンテンツプロバイダからのコンテンツの流れというのが打倒されるわけではない。

確かに、「あなた」が提供するコンテンツが今、web上を席巻している。しかし、その提供されたコンテンツを作り出しているのは、「あなた」だけではない。YouTubeがここまでの成長を遂げたのも、商業ベースのコンテンツをユーザが見境なく提供してきたからであるということは明白である。もし、商業ベースのコンテンツを最初から排除し、ユーザが作り出したコンテンツのみが閲覧できるサイトであったら、確実に今のYouTubeはないだろう。

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