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Atari、『海賊狩り』から手を引く:ユーザを間違って訴えたせい?

以下の文章は、TorrentFreakの「Atari Cancels Anti-Piracy Witch-Hunt」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Atari Cancels Anti-Piracy Witch-Hunt
著者:Ernesto
日付:November 27, 2008
ライセンス:CC by-sa

最近、Atariは同社のゲームの著作権を侵害したとして老夫婦を誤って訴えたことで、複数のバッドプレスをうけた。同社の亜現在、その問題となったアンチパイシーキャンペーンを取りやめた。Atariに代わり、英国法律事務所のDavenport Lyonsによって、Logistepという企業によって収集された膨大なIPアドレスのリストを元に実行されたこの『海賊狩り』は次第にその信頼性を失ってきている。

いつもTorrentFreakを読んでくれている読者なら、Davenport LyonsとLogistepは、おなじみの名前だろう。我々はこの1年の間、彼らの失態、脅迫戦略、そして特に、彼らが収集した証拠を法廷にて検証されることを嫌うことについて報じてきた。

最近、Atariのゲーム『Test Drive Unlimited』をパイレートしていたとして老夫婦を誤って訴えたという一件で、海賊の疑いがかけられたユーザからお金を巻き上げるというやり口がメインストリームメディアにも取り上げられることとなった。もちろん、50歳以上の人々がゲームをしないというのはステレオタイプなのだろうが、しかし、消費者雑誌Which? Computingの援助を得て、弁護士たちはこのケースを取り下げざるを得ない状況に追い詰められた。

ここから何を読み取れるかというと、彼らがユーザに対しファイル共有ユーザであるという疑いを掛けるために収集された証拠が、証拠として認められるほどには強力なものではないということを示唆している。実際、法廷に向かう前に訴訟が取り下げられたのはこのケースだけではない。明らかに、複数著作権者を代表する弁護士たちは、確実な勝利を見越したとき―つまり、被告が(法廷に)現れることはできないだろうと踏んだとき―にのみ、訴訟に踏み切るのだろう。一方で、譲歩せず、支払いを拒否していれば、法律事務所が皆に信じ込ませているほど悪い結果が待っているわけではない、ということを知る。

一方、数千人の英国市民が音楽、ゲーム、最近ではアダルトコンテンツをダウンロードしたと訴える書簡を受け取っている。こうした手紙では、数百ポンドの支払いが要求されており、さもなくば法廷に引きずり出されるかもしれない、さらに―法律事務所の言っていることを信じるのであれば―罰金は何倍にも増すことになるだろうと脅し文句が書かれている。

海賊の容疑を掛けられた人がどれくらい支払いに応じたかという割合については、正確な数字は公表されていない。ただ、法律事務所が以前にコメントしたところでは、40-60%程度であると思われる。一部の著作権者では、実際に彼らの製品のセールス以上に、この種の海賊狩りから利益を上げているとも考えられなくもない。特に、ろくに売れる見込みもない標準以下の製品からの収益ストリームを保証するわけで、これは実に革新的なビジネスモデルといえよう。

しかし現在、Registerによれば、コンピュータゲームメーカーのAtariはもう懲りたようで、Davenport LyonsとLogistepとの契約をキャンセルしたという。その正確な理由は定かではなく推測になってしまうのだが、これら企業の活動に関するポジティブな記事は1つとして見つけがたい。特に、最近のより厄介な潜在的訴訟を考慮に入れると。彼らがこうしたオペレーションから距離を置くことにしたとしても、驚くべきことではない。

El Regへのコメントの中で、Atariは「違法コピーや海賊行為から私たちの知的財産を保護する権利を常に保持し、保留しています。」と述べている。このコメントが、海賊行為を疑われた人々から利益をあげんと攻撃を加えた後のものであること、そして(今回の件が)保護とは無関係なことを考えると、なかなかに面白い。しかし、この声明は、今回の関係解消がAtariの海賊行為に対するスタンスを弱気なものにしてはいないということを示す試みのようにも思える。

もちろん、著作権者は彼らの作品を保護する、ともすれば損なわれたと損失を回復させるためのいかなる権利をも有している。しかし、それを行使することが正しいかどうかは疑問だ。特に、彼らが今回のケースと同様にアグレッシブな戦略をとる場合には。

証拠収集のためのテクニックの透明性が完全に欠如している状況にあっては、問題はより悪化する。Privacy InternationalのSimon Davisのような人物が非常に好ましからぬ言葉でこうしたオペレーションについて語ることで、あらゆるネガティブな側面は倍増する。「これはあまりにひどいことです。数多くの基本的人権を侵害しているのですから。」と彼は言う。「彼らは法に悪評をもたらすというリスクを冒しています。それは単に彼らが弁護士であるからできるというだけであって、彼等がそうしなければならないということではありません。」

著作権がうまく機能していないことを示すよい例が最近出てきた。著作権保護団体DigiProtectとコンテンツ製作者Evil Angelとの契約がリークされ、その中で、実はDigiProtectがコンテンツをファイル共有ネットワークで利用することができるよう著作権が譲渡されていたことが明らかとなった。

「ライセンサーはこの合意で定められた期間、eDonkey、Kazaa、BitTorrentといった peer-2-peer及びインターネットファイル共有ネットワークと呼ばれるリモートコンピュータネットワークを通じて、付録1にリストされた映画を世界に向けて利用可能にする独占的権利をDIGIPROTECTに与える。」

そうして、DigiProtectはファイルをダウンロードしようとする人々につけ込むためにファイルを利用可能にする。しかし、こうしたやり方は著作権法が想定している知的財産権の保護ではない。実際、これは著作権の保護とは無関係であり、彼等は単にシステムを食い物にしているのである。そうしたやり方が崩壊する前に、Atariがそこから抜け出したということは悪くない選択だっただろう。

Atariが手を引いた今、他のパブリッシャーがどう感じているかということが疑問として残される。彼らが英国に拠点を置いているため、フォーカスはCodeMastersに向けられており、依然としてColin McRae Dirtをダウンロードする人々を追跡している。しかし、そうしたプロジェクトからの収益は、それによって生み出される膨大な悪評を相殺しうるのだろうか?まぁ、時が経てばわかることだろう。

補足:最後のDigiProtectのお話は、基本的には、訴えさせるために権利を一時的に譲渡しているってところ

(詳しくはこちらのエントリを参照のこと)

。コンテンツ企業としては、P2Pファイル共有プロトコルを利用してコンテンツを提供する予定はほとんど考えられないために、こうした契約を行なっているのだろう。もちろん、BitTorrentは商用でも利用できるけれど、コンテンツホルダーがその意図がない、もしくはそうしたケースでは話し合いで解決できるよう段取りは組んでいると思われる。DigiProtectの目的としては実際に配信することにあるわけではなく、ユーザを訴えることにあるのだから、BitTorrentを利用した商用配信をが行なわれたところで、関係のない話だしね。

最近思うのは、こうした大量訴訟の背後で糸を引いているのは、著作権者ではなく、一部の法律事務所なんだろうなぁと。大手企業であれば、個々のユーザを訴えたところで、そこから得られる金額は合計したところで(会社の規模を考えると)大したことのない金額だろう。しかし、法律事務所にとっては、それほどコストを掛けずともルーチンでこなせる上に、(法律事務所の規模を考えると)多くの利益を上げられるよいビジネスになる。

もちろん、大手コンテンツ企業にとって海賊行為は頭の痛い問題であり、それに対するアクションは必要だと感じている。でも、そのためにコストをかけてアンチパイラシー活動を行なったところで効果があるかどうかは全くわからない(もちろん、聞かれれば「ある」と答えるだろうが、本気でそう思っているわけじゃないだろう)。しかしそうしたとき、コストはこちらが肩代わりします、その代わり、ユーザを訴える権利を譲渡して下さい(または代理人にして下さい)、と声を掛けられる、もしくはそうしたサービスが存在しているとしたら、魅力的なものだと思えるかもしれない。

ある意味では、コストを支払わずとも勝手にやってくれて、(微々たる額ではあろうが)お金までもたらしてくれる。そこだけをみれば、確かにありがたい存在と思えるかもしれない。しかし、そうした法律事務所(とアンチパイラシー企業)が実際に何をしているのかをよく理解していないと、痛い目にあう可能性もある。今回の件でユーザを誤って訴えてしまった責任は誰に向けられただろうか?

たとえ、Logistepの調査方法が誤りを含んだものであり、Davenport Lyonsがそうした事実を知りつつ支払い通知をばらまいていたとしても、結局、報道がなされれば『Atariがした』ことになる。タダより高いものはない。

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