スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

元EMI取締役:違法P2Pファイル共有との戦いは『無益』である

以下の文章は、TorrentFreakの「Former EMI Boss: Fight Against Illicit P2P is “Useless”」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Former EMI Boss: Fight Against Illicit P2P is “Useless”
著者:enigmax
日付:Febrary 12, 2009
ライセンス:CC by-sa

少なくとも表面上は、大方のメインストリーム音楽産業はこれを認めるだろう、「違法ファイル共有はイービルである」と。しかし、ある種の主張を続けることにお金が支払われなくなったとき、変化が訪れる。前IFPI代表であり、前EMI取締役のPer Eirik Johansenは、もはや以前に勤めていた企業から給料をもらわなくなったことで、その本音を話し始めた。

大企業、特にグローバルな利益に対しても大きな関心を持っているような企業で働いているうちは、企業の方針に従わざるを得ない。あえて自らの意見を押し通そうとすれば、自らの立場を危うくしてしまう。もちろん、組織が個人に対しての支配力を保ち続けられるのは、ほとんどの場合金銭的な理由であるのだが、では、この影響力の源泉がなくなってしまったら何が起こるのだろうか?

Per-Eirik Johansenは長きに渡って音楽産業に従事し、複数の著名なアーティストを育て上げたことでも知られている。彼がIFPIのチェアマンに選出されたころ、彼はEMIの取締役を務めており、同社のCDに対するコピープロテクションに対する反発の矢面に立たされたこともある。

2004年、5000人もの人々がEMIにDRMを解除するよう働きかけ、ニュースサイトnrk.noはJohansenのオフィスに27回も電話をかけ、この問題に関して2度のインタビューを約束させた。最終的に、彼は「ディスクにコピープロテクションをかけずに提供したいとも思わないし、そうするだけの決定権もない」と認め、そうした決定権を持つのはEMI Londonだけであることを示唆した。

「私は常に消費者の話を聞いている」と彼は反論を述べた。「この5ヶ月のことを、あなた方にお話しましょうか。EMIは、ノルウェーでコピープロテクションのかかった400,000枚のCDを販売していますが、その同じ時期、私たちが消費者から受け取ったクレームは28件に過ぎません。私たちが話しあっていることは、ごくごく些細なことでしかないのです」。しかし、彼は本当に、これを取るに足らない問題であると考えていたのだろうか?

Johansenは現在、それまでの企業からの束縛から逃れ、ノルウェーのDagbladetのJoakimとのインタビューで自らの考えを自由に語っている。彼はEMIから給料を受け取っている間は、そのスタンスを堅持しなければならないと感じていたことを明らかにしている。

現在の彼は、海賊行為に対する音楽産業の戦いが役に立たないものであり、違法ファイル共有は窃盗と同じであるという主張には同意しないという。当初のEMIのアンチパイラシーイニシアチブに関して、Johansenはこのように述べている。「そのキャンペーンのメッセージは、私たちには著作権を守る理由がある、ということでした。これは今でも同じ考えです。」

「しかし、肝心なことは、現在、全ての世代が既に著作権を侵害しているということです。私たちにできる唯一のことは、よりよいソリューションを探し出すということだけです。」と彼はプラグマティックに話す。

現在49歳のJohansenは、自身のレーベルを運営しており、古き良きEMI時代、特に新たなアーティストを発掘し、育て上げていたころを思い出している。しかし、時代は変わった。「会社の収益が減少を続け、人件費を削減しなければならない今、もはやこの作業をドライブするだけの資源はありません。」と彼はいう。

しかし、Johansenは音楽産業のこれからに対する楽観主義を持ち合わせており、ライブコンサート市場の成長を指摘し、音楽から利益を上げる新たなモデルへの熱意を見せている。「私は非常に楽観的です。革命があり、それによって、状況は混沌としています。そして今日、健康的で、刺激的な起業家精神があります。今後1,2年で産業が何処に目を向けるかはよくわかりません。しかし、私は将来が約束されているものと確信しています。」

Johansenは、音楽産業全体としては決して価値を失ってはいないことを指摘し、レコーディング部門だけが、あまりにも長い間何もせず、新たな時代のビジネスモデルに適用し損ねたことで、最も苦しんでいるのだという。

「新たなテクノロジーに戦いを挑んでも、その戦いに勝てるわけがないのです。」と彼はいう。

そう、今はそれを受け入れる時代だ。

Trackback

【ニュース】違法P2Pファイル共有との戦いは『無益』 と元EMI取締役
P2Pファイル共有の議論は、日本だと「悪。終了」ですが、 海外ではかなり本格的な議論がされています。 すでにインディーでは、全楽曲をプロモーションとしてmp3無償提供するバンドも出
2009.02.21 15:40 | LISNRR
元EMI取締役:違法P2Pファイル共有との戦いは『無益』である
リンク: 元EMI取締役:違法P2Pファイル共有との戦いは『無益』である現在の彼
2009.02.27 16:50 | Corns Blog
Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/1417-d57f3c95

Comment

AS | URL | 2009.02.21 09:48
企業の本音っていう感じですね。
確かにファイル共有している世界中のユーザーが著作権を
破っていても、全員を犯罪者扱いにはできませんね。
Setaria viridis | URL | 2009.02.22 00:53 | Edit
作品?⇔金銭価値?

難しいですね
heatwave | URL | 2009.02.22 09:40 | Edit
みなさま、コメントありがとうございます。

ASさま

おそらく、EMI Londonの中の人も同じように考えているんでしょうね。
少なくとも企業としては、建前としてこれを言い続けなければならないというのは
理解できなくもないのです。

たとえ「今はそれを受け入れる時代だ」ということ、むしろ受け入れなければならない
ということを理解してはいても、ではどうやって受け入れるのがベターなのかすら
わかっていない状況なのだと思っています。結局はトライアルアンドエラーしかない、
と思っています。

Setaria viridis さま

個人的には、作品と金銭価値が交換可能である、という部分は残っていて欲しいなぁと
思っています。もちろん、CCライセンスで音楽アルバムを公開しているアーティストたちも
いますから、必ずしも金銭価値だけと等価である必要はないと思うのですが、
金銭的価値を有しているがために、私たちが『知ることができる』『手元に届く』可能性が
高められるという側面もありますから。

ただ、これまでと同じように『作品⇔金銭価値 』を求めていては、難しい時代になって
来ているのだと思います。特にレコード産業は「作品-レコ―ド-金銭価値」というように
レコードのみを独占的に媒介させることで利益を上げてきましたが、その独占体制も
レコードという媒体も、いずれも今の時代に完全にはフィットしなくなってきた(少なくとも
以前ほどは効果を上げられなくなってきた)のだと思っています。

レコード産業といえども、利益を上げるためにレコードのみに依存していてはやっていけない、
だからこそ最近では360度戦略が重視されているのかなと。
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。