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違法ファイル共有が多くのアーティストに利益をもたらす

海賊行為によって、利益を得るアーティストのほうが多いというお話。ただ、損害を生み出さないわけではないところに注意が必要かと。要旨を述べると、

  • もっとも違法ファイル共有の対象になるのはメジャーな作品であり、それによって浮いたお金でマイナーな作品が購入されるチャンスが増える、そして、ファイル共有やLast fm、Pandoraといったツールがさらにマイナーなアーティストを知る機会を増やす。
  • 90年代後半の音楽セールスの伸びは、音楽が浸透したのではなく、LPやカセットからCDへの移行が販売を促進しただけであり、それが落ち着いた現在の水準が音楽の純粋なセールスである。
  • 確かに減少している音楽セールスではあるが、一般的なコンセンサスとして違法ファイル共有による影響は、その減少分の0~30%に相当するのが妥当であるとされている。

というもの。確かに納得できる部分もあるし、原典をあたってみないとどうだろうという部分もある。それに、多くのアーティストの利益になるからといって、メジャーアーティストの減収を見逃せというのは、ちょっと理不尽な気もする。ただ、結論部分は同意したい。

原典:TorrentFreak
原題:Why Most Artists Profit from Piracy
著者:Ernesto
日付:December 18, 2006
URL:http://torrentfreak.com/why-most-artists-profit-from-piracy/

海賊行為が、ミュージシャンにとって全てにおいて悪いということはない。実際、研究によって、それほどポピュラーではないアーティストが、海賊行為によって利益を得ることが示された。この研究の結論は非常に納得のできるものだし、いくつかの研究もその結論を支持している。音楽業界が海賊行為によって1年に数百万ドルを失うと訴えているけれども、これは本当なのだろうか?

2つの事実がある
・アルバムの売上は減少している
・全アーティストのうち75%は、ファイル共有で利益をあげる

我々は、これら2つの一見して矛盾している事実を説明するために、今後どうなるのかについての理解を助けるための3つの要因について説明する。

Artists sell more albums thanks to piracy 複数の調査で、多くのアーティストが実際に、未許諾のファイル配信によって利益を上げることが占めされた。人々は、無料で楽曲やアルバム全曲をダウンロードする機会があることで、より多くのアルバムを売る。Blackburn(2004)の調査では、アーティストの75%が実際に海賊行為によって利益を得ることが明らかになった。Blackburnは、より人気のあるアーティスト(上位25%)が、より少ないレコードの売上になると報告する。しかし、残りの75%のアーティストは、ファイル共有によって利益を上げる。同じパターンは、Pedersen(2006, グラフ参照)によっても見出されている。彼は、2001~2005年のNordisk Copyright Bureauによって支払われる著作権使用料の変化を分析した。

Graph.artistroyalties.jpg
しかし、なぜこれら75%のアーティストがより売上を伸ばすのだろうか?それには、いくつかの説明が可能である。

・非常にポピュラーなアーティストの音楽は、ファイル共有ネットワークで広く利用可能となっている。そのため、海賊たちが主にこれらのアーティストのアルバムをダウンロードするならば、彼らはよりポピュラーではないアーティストからアルバムを買うためのお金が残る。
・人々には、無料で新しい音楽を発見する機会がある。したがって、新しくよりポピュラーではないアーティストを探すことは容易なのである。
・もし、彼らが聞いた曲を気に入ったならば、そのアーティストのアルバムを買うという可能性もある。それは海賊行為に限らず、Last fmやPandoraといったソーシャルミュージックサービスも同様に新しいアーティストの発見を容易にしてくれる。ライブからの収入の増大は、音楽に対する関心が落ちているのではなく、増加していることを示している。

LPs, CDs, DVDs and MP3s
90年代後半のアルバムセールスの増大は、少なくとも1つにはカセットやLPからCDへのシフトに(海賊行為ではなく!)、由来するものであったかもしれない。CDプレーヤーはますますポピュラーとなり、多くの人たちは自らのレコードコレクションをCDコレクションに交換していた。しかし、2000年以降、CDは特別なものではなくなった。そして、販売されるアルバムの数は正常化した(以下のグラフを参照。)

この議論はHong(2004)の研究によっても報告されている。

この結果は、LPからCDへの移行によって、1990年代の音楽セールスの増大が導かれたという可能性があることを示している。

Pedersen(2006)のレポートでは、

1995~2000年の期間は、デンマークのレコードセールスの近代史における本当にユニークな状況であったことを示し、2004年の1,000万枚単位のセールスは、危機の兆候としてではなく、通常の状態に回帰したのだということを示している。
このグラフは、デンマークでのアルバムセールスをプロットしたものである。このグラフから、2000年以降のセールスの減少は特別なものではなく、90年代後半の上昇のほうが特別であったということを示している。(ソース:Pedersen, 2006)

Graph.albumsales.jpg

The Internet is changing the way people experience music

我々が以前述べたように、インターネットは人々が新しいアーティストと音楽を発見する多くの可能性を開いた。違法なダウンロードだけではなく、合法的なダウンロード、または楽曲をプレビューすることができる有料ダウンロードによって、新しいアーティストの発見がより容易になった。Last fm、Pandoraといったソーシャルコミュニティや音楽サービスは、我々のミュージックエクスペリエンスの進化に重要な役割を果たしている。インターネット以前には、人々が新しい音楽を発見する可能性は、ほんの少ししかなかった。友人、ラジオ、レコード店の3つのみである。しかも、後者2つは音楽業界のマーケティングキャンペーンが少なからず影響する。しかし今日では、人々は音楽業界によるキャンペーンの影響を受けにくくなった。

Wait a minute… the music industry and the RIAA always say that they are losing huge amounts of money because of filesharing. Isn’t this true?
(ちょっと待って・・・音楽業界やRIAAが、ファイル共有のために、膨大な損失をしていると常に言っている。これは真実ではないの?)


さて、実のところ、アルバムセールスが好況になっていた複数の年と比較して、少ない全体のアルバムセールスは減少している。しかし、このセールスの減少が海賊行為(単独)のものとは考えにくい。このトピックについてなされた研究から、我々は、音楽業界のセールスの減少に与える海賊行為の影響は、0~30%であると結論づけることができる(これは、セールスの減少の0-30%であって、全体のセールスの0-30%を減少させているということではない)。

Pollock(2006) は、これらの研究の包括的な概観を行って、こう結論づけている。

基本的な結果は、オンラインでの違法なファイル共有は、おそらく従来のセールスに負の影響を与えるだろうけれども、その効果は非常に小さいといえる。効果のサイズが議論され、近年のセールスの減少の0~100%の範囲でどの程度かというと、0~30%の間の数値というのが、妥当なコンセンサスバリューであると考えられる(言いかえれば、ファイル共有はセールスの減少の0~30%であると考えるのが妥当であるということ。セールスの0~30%を減少させるということではない。)同時に、非常に優れた論文(Oberholzer and Strumpf 2005)ではファイル共有はセールスに影響を及ぼさないとしており、現在においても相当な意見の相違がある。

我々が相当な自信を持っていえることは、音楽業界が彼らの顧客のコントロールを仕切れなくなっているということである。彼らの莫大な収入は、あまりに過剰なアルバムやアーティストのプロモーションによって生み出されたのである。そのアルバムやアーティストこそが、現在最も海賊行為に苦しめられいている。顧客には、新しい音楽を発見するありとあらゆる手段がある今、音楽業界にとって、チャートのトップにアーティストを送り込むことが非常に難しくなっている。

結論として、音楽は以前にも増して活き活きとしており、海賊行為はファンベースを創り出すためのツールであり、音楽業界が我々が聴いている音楽を支配できる時代は終わったのだと言うことができる。

そして、それはよいことである。

Sources:
Blackburn, 2004. Online Piracy and Recorded Music Sales.
Hong, 2004. The Effect of Napster on Recorded Music Sales: Evidence from the Consumer Expenditure Survey.
Oberholzer & Strumpf, 2005. The Effect of File Sharing on Record Sales An Empirical Analysis.
Pedersen, 2006. On Danish record sales and Filesharing.
Pollock, 2006. P2P, Online File-Sharing, and the Music Industry.
冒頭にもかいたけれど、マイナーな75%のアーティストが利益を上げるからといって、メジャーな25%のアーティストが損害をこうむるってのは、ちょっとよいとは思えない。ただ、現実としてそうであるということは、認めるとしてもね。現状はこれでいいのかもしれないけれど、じゃあ筆者の言うようなメジャーなアーティストが音楽業界のプロモーションによって上位に行けなくなったとしたら、どうなるんだろうとも思う。確かに、音楽全体を考えれば、音楽業界のプロモーションによってメジャーアーティストだけが莫大な利益を上げて、プロモーションすらしてもらえないマイナーなアーティストがますます売れなくなるという状況は何とかしなきゃいけないとは思うけれど、その解決法として、海賊行為があるってのは、ちょっと違うんじゃないのとは思う。ただ、結果論ではあるけれど、それでうまく収まればよいとは思うけれど、賛同はしかねるなぁ。

二点目の現在の音楽セールスの減少についての記述は目からうろこだった。確かに、音楽のメディアシフトによって市場が活性化されたものの、それ以降はあるべき水準に収まったというのは理解できる。ただ、それを示す根拠がここにはかかれてはいなかったので、これも原典に当たる必要があるかなぁと。もし、この根拠が本当に正しければ、CDからデジタルへの移行がこれから始まるわけで、またメディアシフトバブルが起こるってことなのかな?まぁ、理解を超える話ではないかな。

三点目の減少分の0~30%が海賊行為による減少に相当するというのも、なんとなくは納得できるけれども、根拠がわからないので、これも原典にあたらければわからないかなぁ。

原典を読まずに書いているので、あまりまともな考察をしていないようで申し訳ない。

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