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著作権侵害裁判:RIAA、違法ファイル共有ユーザの欠席裁判を要求

RIAAが主導するKazaaユーザの裁判のお話。大企業連合 対 一個人という構図にもかかわらず、潤沢な資金、優秀な弁護士団を駆使しして、常識的に考えてあまりにひどい手段まで講じてくる音楽業界団体を見るにつけ、彼らはいったい誰を相手に商売をしているのだろうかと疑問に思う。確かに、著作権侵害は違法である。しかし、だからといってあまりにひどいやり方は、健全な音楽愛好者であっても容易に理解できるものではない。

原典:p2pnet.net
原題:New RIAA attack on Michelle Santangelo
著者:Jon Newton
日付:December 21, 2006
URL:http://www.p2pnet.net/story/10814

Big4のOrganized MusicカルテルによるRIAAは、Patti Santangeloに対する裁判から撤退さざるを得なかった。しかし、現在彼らはその矛先を彼女の2人の子供、Michelle(20)とBobby(16)に向けて、Pattiになされ、失敗したのと同様の告訴を行い、著作権で保護された楽曲をオンラインで違法に配布していたとして、彼らを訴えている。

そのため、Big4は、Santangeloの奉仕弁護士のJordan Glassとディスカバリーのスケジュールについて同意していた。

ディスカバリーは2007年9月に終わる予定であった。しかし、RIAAは今になって突然、欠席裁判を要求しているとRecording Industry vs The Peopleは伝えている。

Warner Music (米国), EMI (英国), Vivendi Universal (仏国), Sony BMG (日本および独逸)によるBig4は、彼らの顧客を支配下に置き、どのように、だれによってオンラインで音楽が配信されるかの完全なコントロールを得るための努力であれば、どんな汚名を受けようとも実行する。そして彼らは、その手段として世界中の法律制度を利用する。

厳密に言えば、MichelleとBobbyは法廷出頭義務の不履行の状態であるけれども、ディスカバリーの日取りの詳細についても合意が得られており、RIAAが突然、それを反転して、欠席裁判を行うよう要求してくるということは、信じがたいことである。

狡猾なのか、間違いなのか?それとも、単にちぐはぐなことをしているだけなのだろうか?

一方、(RIAAによって「犯罪」だと不当にみなされている)侵害が行われたとされる時点で、Bobbyはほんの12-13歳、Michelleは15-16歳であることも特筆すべきことだろう。
参考:RIAAによって提出された欠席裁判を求める書類
Motion for default judgment
Request for entry of default

現在のところ、この裁判は審理が始まっていたわけではない。というのも、被告の側の裁判のための準備(ディスカバリー)が不十分であり、その期間先延ばしにしてきたという経緯がある。アメリカにおける裁判では、基本的にはディスカバリーによって判決が左右されるというくらい重要なことで、その準備もないまま裁判に入ってしまうと、確実に負けが見込まれるからである。そのため、アメリカにおける民事訴訟ではディスカバリーに相当な時間と費用がかけられる。その辺はこの事件に関する以前のエントリで詳細に説明しているので、ここでは割愛。

で、今回なぜBig4が欠席裁判を求めているか。もし、欠席裁判が行われれば、ほぼ100%間違いなく原告の主張どおりの判決が下される。なぜなら、原告の主張のおかしいところを正す被告がいないのだから。一般的に考えれば、そのような裁判は現代社会においては全く持って不当であり、何の制限もなくこれがまかり通れば裁判という制度自体が、適切に機能しなくなる。

記事中でも指摘されているけれど、Big4はどんなに汚い手であっても、法制度を利用して相手を追い詰めるという手段に出ている。この欠席裁判という制度は、通常被告が裁判に応じる気がないときに行われる。まぁ確かに、訴えても相手が法廷に現れない限り裁判が行われないのでは、泣き寝入りしなくてはいけない人たちも出てくる。そういった場合に、適切な手続きをへて、それでも相手が裁判に応じない場合に欠席裁判が許される。この場合、原告の主張はほぼ認められる。

往々にして、米国と日本での国際的な訴訟などでよくみられるようだ。たとえば、アメリカで日本の企業や個人が訴訟を起こされたとしても、アメリカでの裁判というのは非常に難しい。そのような場合には、「無視」するという手段もかなりの数あるようだ。そうすれば、裁判に応じる気がないとみなされて、欠席裁判が行われ、原告の主張が通る。まぁかといって、損害賠償命令が海の向こうで下ったとしても、正式に裁判に応じない限りは、日本でその制約を受けることはない。その場合、原告は判決の執行を求めて、日本で裁判することになる。被告はそれにだけ応じればよいことになる、ところ。まぁ、私自身法律に詳しいわけじゃないから、聞きかじりの知識だと思ってね。

閑話休題、で、この記事中の裁判において、Big4が欠席裁判を要求してきた理由としては、おそらく兄弟が裁判に応じる気がないということを主張しているのだろう。Big4は2つの手段で、彼らを追い詰めている。

1つは、兄弟の弁護士Jordan Glassに対して、膨大な量の文書によるディスカバリーを要求していること。企業対個人の裁判であるため、Big4のように大勢の優秀な弁護士をそろえることのできない個人の側は、限られたお金で弁護士を雇うことになる。個人が優秀な弁護士団などを結成できるわけもなく、今回の場合も、たった1人の奉仕弁護士しかつけられかった。しかも、経費は寄付だけでまかなっており、そのような状況で、膨大なディスカバリーを要求されれば、それに忙殺されてしまうし、それを見越してBig4は法廷によって課されている時間をフルに使っても回答できない量のディスカバリーを要求する。そして、時間的、人員的な問題であるにもかかわらず、回答できないこと、回答の不備な点を指して、ディスカバリーに応じたがらない、と主張する。その辺のところは、ここに書かれている。

またもう1つは、被告側からのディスカバリーを理由をつけて先延ばしにするということだ。ソースを失念してしまったので、この部分は話半分で聞いてほしい。兄弟の弁護士Jordan Glassが原告側にディスカバリーを要請したとき、Big4側の弁護士は、休暇や仕事を理由にしばらくそれを先延ばしにしていた。しかも、それに対して正当な理由をつけて。それによって、伸ばし伸ばしにされてようやく日程の合意に至ったものの、それが行われる前に反故にしてしまった。結局は、法律を利用して相手を追い詰めているだけである。上述したとおり、ディスカバリーがまともに行われていない状況で、裁判に勝てる見込みは非常に少ない。一方で、Big4側は、母親のPattiの裁判の際に得られた証言をもって裁判に臨もうとしている。Big4の最も主張している部分は、Pattiの裁判のディスカバリーでMichelleが違法ファイル共有を「認める」と言ったということである。しかし、それに対してPatti、Michelleは反論しており、ディスカバリーに同席していた弁護士のGlassもそのような発言は覚えがないとしている。この点について、原告側へのディスカバリーでより有利な証言や証拠を見出す必要があったのだけれども、それすら妨害しようとしているようにも思える。

ディスカバリーという正当な制度を悪用して、裁判に勝つためだけに、なりふり構わずに追い詰めようとしているとしか見えない。状況からみて圧倒的に不利な個人に対して、準備をすることすら許さず、それが嫌なら欠席裁判を行うという姿勢には理解できるわけもないし、嫌悪感すら覚える。確かに、違法ファイル共有を行っていたという事実は、揺るぎようのないことかもしれない。その部分では、一定の責任が生じるというのもわかる。しかし、だからといって何をしてもいいというわけではない。

法律というものさしで考えれば、妥当なことかもしれないけれど、世の中それだけじゃないだろうと思う。一般的に見て、社会的に見て妥当だろうか?莫大な富を持って、優秀な弁護士軍団を結成し、法的な後ろ盾も、政治力も、資金も、優秀な弁護士もつけられない一個人に対して、悪用ともいえる法的な手段を講じて追い詰める様を見て、誰が納得できようか。

しかもその動機が、PCを使う子を持つ親を脅すためだけとなればなおさらである。この訴訟の背景には、子供にP2Pファイル共有を行わせないように、親を脅迫するという意味合いがこめられている。そのために、はじめにPattiが訴えられている。しかしそれに負けたことで、政治的な懸念から子供を訴えることで体裁を保とうとしたのである。

彼らはいったい何を守ろうとしているのだろうか。このことが音楽にとって何一つプラスになるとは思えない。

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