2009.04.24 Fri
スウェーデン、著作権強化によりトラフィック半減:音楽配信セールスも上昇?
4月1日、スウェーデンにて施行された新たな著作権法「IPRED」とその影響について、TorrentFreakの記事を中心にお伝えしたい。
以下の文章は、TorrentFreakの「Major Opposition to New Swedish Copyright Law」という記事を翻訳したものである。同記事はIPREDが施行される以前の記事であることに留意いただきたい。
原典:TorrentFreak
原題:Major Opposition to New Swedish Copyright Law
著者:enigmax
日付:March 17, 2009
ライセンス:CC
by-sa
著作権者が違法ファイル共有ユーザをより容易に追跡できることを目的とした新法が、4月1日、スウェーデンにて施行される。 このIPRED法では罰則が強化されており、最終的に侵害行為の広範な部分を刑事罰の対象としている。しかし、最近の世論調査によれば、大部分のスウェーデン人はこの法律に反対の態度をとっている。
ちょうど2週間後に施行が予定されている、問題のIntellectual Property Rights Enforcement Directive (IPRED)法によって、著作権者は違法ファイル共有ユーザの個人情報を容易に取得できるようになる。
同法は当初より問題視されており、Facebook上でも50,000人のユーザが『Stop IPRED』グループに参加している。スウェーデン海賊党の代表 Rick Falkvingeはこの問題に対して、最も強く主張してきた。
「これらの法律は、卵の殻に守られ、目隠しされ、酔っぱらってトランペットを吹く象のごときデジタル無教養者によって書かれたものだ。」と彼はTorrentFreakに話している。「彼らは自分たちがどれほどのダメージを与えているのかをわかってはいない、それは彼らが今日のリテラシーを身につけていない、つまり、インターネットがいかにして彼らのコアとなる権力構造を再構築しているのかを理解していないためだ。」
それでも、スウェーデンは法律の導入を進め、その一方で、我々が予測していたように、同法に対する反発は続いた。E24.seが報じたところによると、Sifoによって行われた世論調査の結果、スウェーデン人のおよそ半数(回答者の48%)が、IPRED法は間違っていると回答したという。
最も強い反発を示している層は典型的なファイル共有ユーザ層と重複した15-29歳男性であり、79%もの人々がこの新法を否定している。スウェーデンでは、26裁-35歳男性の56%がファイル共有に関与しているとされている。
通常、インターネットにはほとんど興味を持っていない65歳以上のグループでは34%が支持を表明したものの、27%はIPREDに反対していた。50-54歳では45%が同法に反対していた。
全体としては、同法に賛成の態度を示したのは、たった32%のみであった。
この新法及び白熱した著作権議論の影響から、国立図書館は提供していたオープンWi-Fiネットワークを閉じてしまった。それによって、たくさんの研究資料にオンラインでアクセスすることはできなくなり、現在はリクエストを出さなければアクセスできないようになってしまった。これでは昔に逆戻りである。
IPREDは4月1日に施行されることになっている。
このようにIPREDは多くのスウェーデン人に指示されているとは言い難いものであった。しかし、それでもIPREDは4月1日に施行されることとなった。
以下の文章は、TorrentFreakの「Anti-Piracy Law Causes Drop in Swedish Internet Traffic」という記事を翻訳したものである。同記事はIPREDが施行された1日後の記事である。
原典:TorrentFreak
原題:Anti-Piracy Law Causes Drop in Swedish Internet Traffic
著者:Ernesto
日付:April 02, 2009
ライセンス:CC
by-sa
昨日、著作権者が違法ファイル共有ユーザをより容易に追求できるようになる新法が、スウェーデンにて施行された。興味深いことに、罰則とその適用範囲が強化されたこのIPRED法は、インターネットトラフィックを大幅に低下させるものとなった。とりあえず、今のところはね。
問題となっているIntellectual Property Rights Enforcement Directive (IPRED)は、さまざまな方面から(特にスウェーデン人の半分から)批判を集めている。先週、The Pirate Bayはこの新たな法律に対処するため、匿名サービスIPREDATORを公表し、このサービスを近々一般にローンチするとした。
IPREDが施行されてから1日経った現在、Netnod Internet Exchangeは、スウェーデンのインターネットトラフィックの30%というトラフィックの大幅な減少を明らかにした。このとてつもない数字は、ファイル共有によって生じていたトラフィックがどれほどのものであったのかを示唆するものであろう。
IPREDの影響?
大半の専門家(より中立な立場の専門家も含む)は、これは施行直後ゆえの不安効果であると判断しており、1,2週間のうちにその効果は次第に薄れていくだろうと見ている。スウェーデン海賊党の代表Rick FalkvingeはTorrentFreakに対し、「産業が一般市民を恐怖に陥れることで利益を上げるという、私には到底受け入れがたいものだ。」と語ってくれた。
実際、彼らが行っているのは、市民を恐怖に陥れることであり、IFPIスウェーデンのCEO Lars Gustafssonは、今年中に少なくとも100の訴訟は起こされることになるだろうとしている。
Antipiratbyrån(スウェーデンアンチパイラシー局)のHenrik Ponténは、 トラフィックの減少は新法が機能していることを示唆していると見ている。「全インターネットトラフィックの大半は、ファイル共有によるものです。ですから、このトラフィックの減少は、IPRED以外に説明のしようがないでしょう。」と彼は述べる。
実際、トラフィックは大幅に減少しているのだが、それは人々が共有を止めたことを意味するわけではない。ここ24時間の間、The Pirate Bayだけでも384,657名のスウェーデン人が接続していた。これはスウェーデン人口の約5%にあたり、以前の人数と比べて全く少なくなっているわけでもない。
更に、多数の人々が自らを特定しうる情報をオンラインから隠す方法に目を向けている。数千もの新たな顧客が、新たな匿名化サービスmullvad.netを訪問している。オーナーの1人であるFredrik Strömbergは、「予想を遙かに上回っています。」と話す。「私たちはありとあらゆる人々からメールを受け取っています。母親、若者、年配…本当に様々です。そして、誰しもが著作権ロビーをののしっています。これは彼らによって良いPRではないでしょうね。」
数週間のうちに、スウェーデン人のファイル共有習慣の詳細が明らかとなるだろう。 そこでようやく、我々はIPREDが何かを買えたのかどうかを知ることができるだろう。もちろん、市民の不快感レベル以外のところでね。
とりあえず、数週間経ったが、以前として落ち込んだトラフィックは上向いてはいない。
月間ベース

年間

大幅に落ち込んだとはいえ、1年前の水準と同じくらいに戻ったというところか。ある意味では、1年間でトラフィックがほぼ倍増というのもまた、すさまじい。
個人的に思うところとして、Lars Gustafssonの今年中に100ケース以上を扱うことになる、という脅迫的な発言の是非は別にしても、もし同法の効果を継続していきたいのであれば、そうせざるを得ないというのは間違いないだろう。実際、たとえ著作権が強化されたところで、それが行使されないということがわかればまた元の水準に戻るだろう。
有料音楽配信サービスへの影響
またThe Localによれば、デジタルコンテンツプロバイダのInProdiconのKlas Brännströmは、このIPREDの影響かどうかは定かではないが、同法が施行されてからの1週間は、それ以前の1週間と比べて、音楽配信セールスが2倍にもなったという。もちろん、「昨年に比べ、セールスは明らかに増大しています。年間ベースで見ても、20-30%増加しています」とKlasが述べているように、このIPREDの影響を抜きにしても増加はしているのだろうが、1週間で倍増というのは、それとは別の何かが働いた、というところだろう。
もちろん、これは一有料配信ストアでの数字なので、全体で見たときにどうなったのか、というところを重視しなければならないのだろうが、1つのケースとして興味深いところだ。
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