スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

『音楽好き』は最悪の違法ダウンローダーでもあり得るし、最良の音楽購入者でもあり得る

以下の文章は、TorrentFreakの「Why Pirates Buy More Music and Music Labels Fail」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Why Pirates Buy More Music and Music Labels Fail
著者:Ernesto
日付:April 28, 2009
ライセンス:CC by-sa

一部の調査によれば、違法にが音楽をダウンロードする人々が、実際には合法的なチャネルを通じて、より多くの音楽を購入しているのだという。しかし、これはなぜだろうか?海賊たちが本当は気前が良いのか?それとも、衰退を続ける音楽産業の副産物に過ぎないのだろうか?

我々が以前にお伝えした調査でも、海賊行為におかげでアーティストの大部分がセールスを伸ばしている、(より多く)ダウンロードする人ほど、より多く購入していたことが示されていた。先週、別の調査が公表されたのだが、これもまた、我々が伝えてきた調査と一貫するものであった。海賊たちは、違法ダウンロードをしない人たちに比べて、10倍もの音楽を購入しているのだという

では、なぜ海賊たちはより多くの音楽を購入するのだろうか?これまでの調査結果を説明する最も単純なものとしては、音楽に興味がない人たちは、その著作権を侵害するとか、購入する必要がないからだ、というものだろう。それは全くセクシーでも、おもしろくもないし、何かをインスパイアしてくれる回答でもない、といわざるを得ない。しかし、それはまた、我々に海賊行為『問題』に関する何かを示唆している。

本当の理由は、実際には非常に単純である。真の音楽ファンは、新しい音楽を可能な限り消費し、試聴し、発見することを望むだろうし、それを実現する直接的で便利な手段がファイル共有ネットワークなのだ。音楽海賊ユーザたちは、実際に定期的に音楽を購入する消費者であり、他の人々と同様に音楽を愛している。

Music fans share more.

私は個人的に、ファイル共有を通じた音楽の試聴が、音楽セールスにポジティブな影響をもたらしていると信じているが、この海賊行為とセールスとの高い相関は、単純に第三の要因、つまり音楽への情熱に起因しているのだろう。これは、音楽を好むBitTorrentユーザの多くが、オンライン最大の音楽ライブリともいえるSpotifyなどの先進的なサービスを好むという事実も、主にこれに起因しているのだろう。

海賊行為は消費者を育てることができるが、通常それは真逆に起こるものである。インターネットは音楽を自由にし、音楽レーベルの貪欲さや著作権の濫用は、アーティストと数百万人もの潜在的なファンとの間の唯一の障壁として立ちはだかっている。消費者がプロテクトのかけられていない、高品質な音楽へと即座にアクセスできるようなクリエイティブなビジネスモデルこそ、音楽の未来であろう。

もちろん、レーベルはこうした明らかな繋がりを見逃し、彼らが取得した(著作)権利から搾取を続ける。彼らは時代遅れのビジネスモデルを維持しようと、著作権ロビイストや弁護士たちに数百万ドルもの金をつぎ込もうとする。そう、レーベルががっぽり儲ける一方で、アーティストたちは音楽セールス全体の1-10%しか得られないようなビジネスモデルをね。熱狂的な音楽ファンがBitTorrentへと逃げ込んでいるのも不思議ではない。

我々が調査から学べることは、真の音楽ファンほど多くの音楽を購入し、著作権を侵害するということである。レーベルは自らの年間収益の大半―おそらく最も大きな部分を占めるであろう―を生み出す人々と戦っているのである。レーベルは、海賊行為がレーベルの進んでいる方向が誤っていることを示すシグナルであることを理解しなければならない。

インターネットは、製造販売コストを実質的にゼロするため、音楽への無制限のアクセスを安価に提供することを可能にする。無制限のアクセスこそ、まさに大部分の消費者が望むところである。それはチャンスであっても、脅威ではない。

このBI Norwegian School of Managementの調査に関しては、以前はてなダイアリーの方でも触れたが、やはり海賊行為が音楽の購入を促進しているのではなく、音楽好きであることが音楽の購入や海賊行為を促している、と考えるのがスマートだろう。10倍というセンセーショナルな数字も、海賊行為をしない人々の中には、音楽に全く興味を持たない人たちが多数含まれることに起因しているのだろう。

TorrentFreakではやや熱の入った主張になっているが、BoingBoingに掲載されたCory Doctrowの記事でも同調査を扱っており、そこではもう少し冷静な視点で書かれているので、ここに引用する(ボールドの強調は引用者による)。

The Norwegian study closely matches the findings from a Canadian study a few years ago. Both studies show that people who download a lot buy a lot of music -- and other research and interviews I've conducted suggest that downloading a lot of music is also correlated with doing other music-related stuff, like attending concerts, making mixes for friends, playing music, recording music, and so on.

There's a simple explanation for this: if you really love music, you do lots of music-related things. If you're in the 20 percent of fans that buys 80 percent of records, you're probably in the 20 percent of downloaders that download 80 percent of music, the 20 percent of concertgoers that buy 80 percent of the tickets, and so on. The moral is that music superfans love music and structure their lives around it.

結局、音楽ダウンロードは、音楽に関連するあらゆる事柄に相関が見られる、と。因果関係で言えば、その全てを規定する原因が「音楽を好きであること」なのだから、その結果はほとんど相関があって当然、と。

それでもCory DoctrowもTorrentFreakと同様に、

Which means that when the music industry targets "the worst offenders" in its legal campaigns against downloaders, the people they're attacking are the ones who are spending the most on music.

音楽産業が、最悪の著作権侵害者として攻撃している人たちこそ、音楽に最も金を費やしている人々なのだ、と。

まぁ、ここでの結論としては、最も音楽に投資している人たちだからいちいち目くじらたてるな、ではなく、そうした人たちのデマンドに報いるようなモデルが求められている、ってことなんだろうね。

Trackback

「インターネット」と「音楽産業」――元サポとして、「Last.fmのばかーっ」と改めて言いたい。
※例によって強引に複数のトピックを1箇所に詰め込んでいます。Fabchannelの終焉の言葉、Last.fmについて、など。
2009.05.07 00:34 | tnfuk [today\'s news from uk+]
人のせいにする己に自己嫌悪
後で読む用に、気になった記事でも貼っとく。マリオをジャンプさせたのは誰か?ある批評「なぜ日本のRPGはゲイっぽいのか?」 若き日の血が騒いだのか無我夢中になって「Wii(ウィー)」で遊ぶおじいさんおばあさん達の写真17枚『音楽好き』は最悪の違法ダウンローダー...
2009.06.04 03:35 | 脳みそアウトプット
Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/1447-a636be71

Comment

ripple | URL | 2009.05.04 22:56
出費限界とか色々あるのは分かるんです
自分だってそんな程度の懐ですから

でも、やっぱダメなものはダメだと思うんですよね
例え「これだけ出費しましたよ!」でも
何かしらに文句があっても、やっぱり取っちゃ(盗っちゃ)ダメですよ
heatwave | URL | 2009.05.06 16:57
rippleさん、いつもコメントありがとうございます。

やはり100字だと伝わりにくいですね。1つエントリをこさえれば良かったですね。

私は、こうした海賊行為を認めるべしという風には考えていません。むしろ、そんな時間と余裕があるのならCCLのコンテンツを漁る方向に割け!と思うくらいですなんですが、それはさておいて、このエントリ、そしてはてブコメントで私がいいたかったことを少しお話させてもらいます。

音楽の購入と海賊行為とを頻繁に行っているユーザがいるとして、おそらくそのユーザは出費限界、「これは買うほどのモノじゃない」という態度、または入手不可能性によって海賊行為を行っているのだろうなぁと思うんです。

出費限界については、価格を安くすることでもへヴィーリスナーに応えることができるのでしょうが、ライトリスナーからの収益が結果的にがた落ちになってしまうことを考えると難しいでしょうね。そう考えると、段階的に曲単価が安くなるeMusicのようなサブスクリプションであれば、解決しうるのかもしれません。とはいっても、レーベルの側がそれを飲めるとも思えませんが…。

「これは買うほどのモノじゃない」という態度については、半分は言い逃れだと思っているので、何とも言い難いところもあります。これに近いモノとしては「試聴だ」という態度もありますが、これもどれほどの人が気に入ったモノを購入しているのかは定かではありませんし。その程度のモノなら法律を犯してまで入手しなくてもいいだろう、と思います。

入手不可能性に関しては、孤児作品でもない限りは、できる限りそのデマンドに応えて欲しい、というより他ないですね。

金を払いたくない、だから海賊行為、という人にはつける薬は限られていますが、金は払うけど、海賊行為もしちゃう、という人は取り込める余地があるんじゃないかと思っています。金は払いつつもそれ以上のデマンドを持っている、そこをうまく利用する手はないか、と。

たとえば、Spotifyのような仕組みはそういったユーザにとって現時点での理想的なツールといえるかもしれません。その提供範囲が限定的であることは残念ですが。もちろん、それは既存の収益とトレードオフの関係にある、とも考えられる(究極的にはそうなってしまう)ので、一概にそれで解決とは思っていませんが、何とかうまいことやってくれないかなぁ、と期待したいのです。音楽大好き!というリスナーの要求を全て満たせとは思わないですが、満足しうるエクスペリエンスを提供することで、音楽産業もリスナーも互いに利益を生み出しあう関係になれれば良いなぁと思っています。

コメントで頂いた「欧米なら配信等の「応え」がそれなりに既にあるんだし、今は向こうでなくこちらのターンかと。」という点には同意です。海賊行為自体は、ある程度手順を知ってしまえば非常に容易にコンテンツを得ることはできますが、海賊ユーザだけが利益を得るような状況では、変化にも限度がありますし、その変化が消費者の望む域に達することもないだろうと思います。時代に対応することは、産業側に望むばかりではなく、ユーザも産業側の出した応えに応じなければ始まらないとも思っています。最初はしょぼいサービスだったとしても、そのサービスを支え続けることで、より柔軟な素晴らしいサービスに変化を遂げるわけですからね。それを無視すれば、そうした発展すら望めないでしょうから。

ただ、金も払うが海賊行為もするという層は、変化に応じた結果としてそれでも海賊行為に手を出してしまう、という側面もあるのかなと思っています。だから、できればそうした人たちのデマンドを違法行為ではない何かで埋めて欲しいという願いもあるのです。
nofrills | URL | 2009.05.07 00:52 | Edit
heatwaveさん、こんばんは。
先ほどトラックバックをお送りしたのですが、非常に長文です。
(書いていたらものすごい長文になっていた!という次第。)
お読みいただくのはよりによって連休最終日でなくて大丈夫ですので、
なにとぞご容赦のほど。
ripple | URL | 2009.05.12 12:07
色々書いてみましたー
Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。