スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アルバム1万回ダウンロードの軽さと重さ

以下の文章は、TorrentFreakの「Shocking: Pirates Like Britney Spears Too」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Shocking: Pirates Like Britney Spears Too
著者:Ernesto
日付:May 14, 2009
ライセンス:CC by-sa

英国音楽著作権料徴収団体のPRSによって進められた調査では、ファイル共有ネットワークの平均的なユーザのダウンロード習慣が調査された。その結果、ダウンロードされる大半の楽曲は、音楽チャートとほぼ同じであることが示された。つまり、人々は既に人気のある音楽をダウンロードする傾向にあると言える。

調査の結果は、約半数のインターネットユーザが許諾のないコピーライテッド・ミュージックをダウンロードしているというさほど目新しいものではなく、結論も全般的に同意せざるを得ない。しかし、それに続く、未契約のバンド、新人バンドが実際にはオンラインファイル共有から利益を得てはいないという著者の議論に我々は引っかかりを覚えた。

数多のそうしたほとんど知られていないバンドのダウンロード数を合計したところで、Britoney SpearsやDuffysによって生み出されるダウンロードに比べれば微々たるものだろう。しかし、10,000回のダウンロードといえども、発展途上のアーティストにとっては、極めて重要なものである。アーティストは、強固なファンベースを構築するために聞いてもらう必要があるのだ。

収益面でいえば、ほとんどのアーティストは、ファン1人1人を大切にし、音楽を作って生活を営める程度のほどほどの収入を稼ごうとしている。一般的に、バンド/アーティストは収益の10%以下を受け取るというアルバムセールス契約を結んでいるので、アルバムセールスから多くを得ているわけではない。グッズ販売やライブでの演奏が収入の多くを占めており、そういった収入はファンによって生み出される。

平均的なアーティストが、音楽を無料で提供したことで数百人のファンを得ることができたとしたら、これは多くの違いを生み出すことになるだろう。おそらく、レコードレーベルや著作権料徴収団体は、音楽産業の数百万ドルの予算を背景に売り込みをかけられた上位1%のアーティストからの収益に頼る傾向にあるため、数百人のファンが増えた程度のことに関心を示すことはないだろう。

PRS 調査の結論に反して、『海賊たち』のスペシャルブランドは、新しい、未契約のバンドに特に関心を示している。100,000人近いメンバーを擁する音楽 TorrentトラッカーWhat.cdにて最もダウンロードされたアルバムは未契約アーティストのコンピレーションであり、次にダウンロードされているアルバムはThe Flashbulbである。これは、Britney Spearsのグレーテスト・ヒッツ・コレクションの10倍以上もダウンロードされている。

同様に、音楽共有サイトJamendoでは、数多くのアーティストが自らの音楽を無料で提供している。同サイトのアーリー・アダプターであるRob CostlowはTorrentFreakに対し、このフリーミュージックモデルのおかげで、彼は情熱を音楽に傾けたまま、生活を営むことができるのだという。Jamendoにある彼の最も人気のアルバムは、これまでに80,000回ダウンロードされ、同ウェブサイト上でほぼ50万回も聞かれていいる。

したがって、ファイル共有サービスを利用するほとんどの人がチャートトップの音楽をダウンロードしているのだとしても、ファイル共有には新たなアーティストたちがそれを通じて自らを売り込むための大きな可能性があることは疑いない。おそらく、巧みに売り込まれたトップアーティストから大半のお金を儲けているメジャーレーベルにとっては関心のない話ではあるだろうが、音楽で生計を立てんとする平均的なアーティストにとっては、極めて価値あるものなのだ。

原題の『Shocking: Pirates Like Britney Spears Too(ショック!海賊ユーザはブリトニー・スピアーズも好きだった)』にかなりうけたのだが、それはさておき。

インディペンデントなアーティストが自らを売り込むことができる環境がある、というのは素晴らしいことで、だからこそ私はJamendoやそこで自らのアルバムを提供するアーティストたちを応援したいと思っている。ただ、海賊ネットワークとJamendoを始めする合法的なフリーミュージックネットワークが決定的に違うのは、違法行為に頼っていない、ということ。その点で、Jamendoは応援したいと思うが、海賊ネットワークを応援したいとは思わない。

海賊ネットワークにプロモーション効果があったとして、それをニューカマーたちが利用するというのは、そうした違法ファイル共有ネットワーク内に合法的なコンテンツを増やし、その結果、違法行為には頼らない音楽の消費を実現するための一助となるとも考えられるので、個人的にはさほど忌避するものではないが(もちろん、それに対する批判も真っ当なものだと思うが) 、ユーザの側がそういった利用があるのだからと、海賊ネットワークを是とすべきではないと思っている。そういう言い訳をするのなら、最初からJamendoなどの合法的なフリーミュージックネットワークに身を投じるべきだろう。

また、構図として、メジャーアーティストの楽曲へのデマンドが主であれば、それが訴求力を失った時、ニューカマーたちに対するプロモーション効果も消尽するだろう。音楽レーベルを沈みかかった船と揶揄するのであれば、それを必要としないサイクルをこそが求められているのだと思う。

私のお気に入り、Jamendoを見ていても、1万ダウンロードを達成しているアーティストはごく一部にすぎない。そういった環境をこそ育てなければならないのだが、現実にそうなっているかというとなかなかに前途多難であるようにも思える。様々な面で既存の仕組みにおんぶにだっこでありながら、潰れてしまえというのであれば、それが実現した後にどうなるのかを少しだけ想像力を働かせて考えてみてはいかがだろうか?

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/1458-a0cea5d4

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。