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フランス法廷、著作権侵害者のIP追跡手法はプライバシーの侵害

フランスでの裁判にて、業界団体や某調査団体が行っている、著作権侵害者と見られる人々へのネット上でのトレース(追跡)行為が、プライバシーの侵害であるという判断がなされたよというお話。

原典:The International Herald Tribune
原題:French court favors personal privacy over piracy searches
著者:Thomas Crampton
日付:December 21, 2006
URL:http://www.iht.com/articles/2006/12/21/business/privacy.php

フランス法廷は、音楽企業や著作権保持者による、著作権侵害を探し出すための無制限なインターネットモニタリングを認めないという判決を下した。

フランス国内でのプライバシー侵害に対して、レコード企業を訴える余地を残したこの判決は、EUに批准されたデータ保護規定と、音楽・映画産業によって行われている積極的な追跡戦術を戦わせるものである。

「裁判官の決定は、レコードレーベルからの侵入から個人のプライバシーを保護するものです。」と違法ダウンロードによって告訴されている人々を弁護するAssociation of Audio SurfersのAziz Ridouanは語る。「この判決は非常に強力なメッセージを発しています。ねがわくば、数百人に上る被告たちすべてにこの影響が及ぼされるべきでしょう。」

裁判では、パリ郊外に住むインターネットユーザBobignyのinternet provider adress(訳注:IP(Internet Protocol)アドレスを指していると思われる)-ユニークなコンピュータの識別子-が、P2PソフトウェアShareazaを利用している間、トレースされていたことを問題にした。

被告の弁護人Olivier Hugotは、「権利保有者は、私のクライアントのIPアドレスを発見し、それを警察に通報したのです。訴訟の取り消しは非常に重要です。なぜなら、フランスにおける数十に及ぶ訴訟において、レコード企業によって利用されてきた戦術に直接的な影響を及ぼすからです。」と語る。彼は発言の中で、クライアントの名前を出すことを断った。

インターネットユーザのトレースに対して責任があるとされたSociety of Music Authors, Composers and Publishersは、判決の影響を軽視して、上訴すると語っている。

団体の広報担当Sophie Duhamelは「これは単に、我々が追求に成功した数多くの裁判の中の、孤立した判決でしかありません。といっても、法廷でこのような判決が下されたことは、それほど好ましいことではありません。」

判決は、プライバシーに関しての強力なメッセージを発したものである、とインターネット上でのプライバシーを保護するフランス政府系監視機関National Commission for Information Technology and Libertyの法律顧問Mathias Moulinは語る。

「権利保持者は、今、彼らが我々の団体の適切な許諾なしに、ダウンローダーを特定するためのシステムを構築することはできないということを理解するべきでしょう。」とMoulinはいう。彼の組織には、そのような許諾を与えるだけの権限がある。「これらの保護が法廷で認められたことは、重要です。」

プライバシーの侵害は、最高300,000ユーロ、または395,000ドルの罰金、そして5年の懲役刑が科されるとMoulinは付け加えた。

そのような法的措置によって個人を追及することを企てる一方、一部の政府系機関は(訳注:プライバシーを侵害するような産業側の)モニターに対しての手立てを考えている。

政府系機関National Union of Family Associationsの代表Jean- Pierre Quignauxは「レコード会社が"だれを起訴すべきか"についての選択が行われる前に、どれくらいの数の世帯や個人がモニターされたかわかりません。今回の裁判官の判決をかんがみて、我々は音楽のダウンローダーを捕まえるためにプライバシーを侵害している団体に対する訴訟についても検討しています。」

フランスのプライバシー法は、欧州委員会の決定に基づいている。しかし、判決は、国内法ということもあって、フランス以外の国への影響はさほどないと考えられる。
まぁ、判決についての詳細が書かれていなかったり、どのような背景の事件であるかがわからないので、その辺は推測になってしまうけれども、関係者の発言から総合すると、如何に違法行為を発見し、告発するための手段であっても、それ自体が違法に行われたものであってはならないよ、というところだろうか。著作権の侵害を糾弾する側が、プライバシーの侵害をしているのだから、なんともはや・・・。

この件で結構意外なことは、政府系の機関がこの追跡手法を否定的に見ているというところ。日本なんかだと、政治的な力の弱い個人に厳しく、政治的な力のある業界団体に甘いという構図があるけれども、この記事を見る限りでは、プライバシーの侵害に対して、訴訟すら考えているというのだからおもしろい。まぁ、Jean- Pierre Quignaux氏のほうは、告訴された人たちも含まれるのだろうけれど、それ以上に訴訟とは無関係の人たちまでトレースされていた可能性があるということを問題視していると思う。違法な著作権侵害者たちなのだから、何したっていいだろうというのでは道理にあわない。それじゃ、腐った業界団体がフェアユースすら制限しているのだから、違法なファイル共有をしたって問題はないだろう、と言っている違法ファイル共有ユーザと大差ない。

今回の判決は、著作権保持者に対して泣き寝入りしろとか、そういうことを言っているわけではなくて、そのような手法を用いるなら、それなりの手続きを経る必要がある、それがなければ単なる違法行為になりうるよ、ということだと思う。要は、適切な手続きを一足飛びにしてしまった業界団体の落ち度なんだろうね。

で、更に問題になるのは、どこからがトレースになるのか、ということ。さすがにパケットを見ていたわけじゃないだろうし・・・。結局、この手の判決って、その辺が曖昧だと判例として意味を持たない気もするのだけれど。

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