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米国:教育機関に広がりを見せる向著作権プロパガンダ

以下の文章は、TorrentFreakの「Pro-Copyright Propaganda Enters US Classrooms」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Pro-Copyright Propaganda Enters US Classrooms
著者:Ernesto
日付:April , 2009
ライセンス:CC by-sa

向著作権ロビイストとアンチパイラシー団体は、若者世代の心を操るために必要なものについての明確な考えがある.MPAAはLA Boy Scoutに「著作権を尊重するためのメリットパッチ」を提供し、現在、Copyright Allianceは今日の若者たちに著作権のもたらす利益を教え込むために米国の学校に入り込んだ。

Copyright Allianceは、自らを(金儲けの手段としての)著作権の価値を広めることに特化した非営利、無所属の教育組織であるとしている.より制限的であればあるほど、より金儲けができるというのが彼らの信ずるところであり、その主張を証明するためには強弁をふるうこともしばしば。

彼らのウェブサイトに掲載されている重要研究報告書の中には、ローレンス・レッシグ教授の著書「Free Culture」に対する非常に批判的なレビューがある。そのレビューによると、レッシグは著作権を「悪者扱い」する一方で、著書にて「エセ社会主義的者なユートピアニズム」を垂れ流す「偽善的扇動家」だという。

もちろん、自ら考えを持つことは全ての人に与えられた権利ではあるが、これが学校で若者に教えられることとなれば、少なくとも正確な事実を得る努力を怠ってはならない。しかし残念なことに、Copyright Allianceはこの辺が実にひどい。

たとえば、彼らの特集レポートの中では、The Pirate Bayが海賊版の映画や音楽を同サイトユーザに販売している、と述べられている。「2006年までに、世界最大手の海賊版映画・音楽ファイルの販売者の1つが、スウェーデンを拠点とするPirate Bayによって売却された。」と同レポートにはある。彼らの調査報告書はあからさまな嘘をついているのだが、それでも彼らは複数の学校でそれらを教材として持ち込むことに成功している。

「まず考えよう、コピーはそのあとで("Think First, Copy Later")」、これが米国各地の複数の学校で教えられている向著作権カリキュラムのタイトルである。我々TorrentFreakは、Copyright Allianceの教材を利用しようと計画している高校の1つ、ウェスト・ポトマック・アカデミーのAaron Engleyにコンタクトをとった。

EngleyはTorrentFreakに対し「私どもの学校はコミュニケーションと芸術に特化しており、この(Copyright Allianceとの)連携によって、当校の学生が彼らの知的財産権保護するのを支援するよう努めています。私たちは学生にどのようにして創り出すのかは教えてきましたが、自らが創り出したものをどのようにして守るのかを教えてはいませんでした。」とコメントしてくれた。

もちろん、数多くのアーティストが自らの作品を無料で共有させることで利益を得ていることや、著作権によってあげられた利益の大半が大企業に吸い取られてしまうなどということを、Copyright Allianceが述べることはないだろう。ただ、それを抜きにしても、子供たちへの教育は向(または反)著作権プロパガンダで洗脳するのではなく、子供たち自らが判断できるよう、クリティカルに考えるための教育がなされるべきだろう。

TorrentFreakはどちらかといえば、アンチコピーライトプロパガンダの一翼を担っているようにも思えるし、今回の記事も中立的な視点で書かれているかといえばそうでもない。ただ、最後の段落に関しては、TorrentFreakの意見に同意したい。

既存のビジネスの側に立って考えれば、そのビジネスの依って立つ基盤に即した教え方を好むだろう。少なくとも、これまでの多くの著作権団体といわれる団体が著作権教育を行うときには、自らのビジネスモデルに即し、自らに不利益を与える行為を抑制する方向での教育がなされることが多かったように思える(その点ではCopyright Allianceも同様だろう。)。

依然、「どこまでやって良いのか、という著作権教育も必要だよね」というエントリを書いた。それに今補足するとしたら、誰しもが情報を発信しうる現代においては、著作権を侵害しないよう教育することも大切な一方で、著作権を侵害させないよう教育することも重要だと思える。つまり、自らが情報を発信するに際して、どの程度の第三者による利用を認めるのか、ということを明示しておく必要があるのではないかと。もちろん、そうした明示は第三者による(法の認める範囲を超えた)利用を認める人にのみ必要となるのだろうが、たとえ利用を認める/求める人であっても、その利用を明示的に認めていなければ、第三者がそれを利用することはできなくなってしまう。もちろん、コンテンツを提供した本人も、その利用者にも、暗黙のコンセンサスがあるとも言えるのだが、しかし、その不安定さは否めないし、利用者が一方的に「暗黙のコンセンサス」があると思い込んでしまえば、様々な問題を引き起こすこともなりかねない。

また、「個人による著作物のコピー=悪」と思われてしまうような教育も望ましくはないだろう。もちろん、既存のコンテンツ産業にしてみれば、コピーを制限することが自らの利益に直結するので、そう強調したいところもあるのだろうが、Creative Commonsライセンスを採用し、自らのコンテンツを広めようとしている人たちにとっては、「個人による著作物のコピー」こそが利益に繋がるものとなる。それを阻害するような教育もまた、著作権に関わる問題の一面しか伝えられていないのではないだろうか。

世界が新たなネットワークによって広く、濃密に繋がりつつある現代にあっては、これまでの「コンテンツ産業にとって大切な著作権」の概念を越えた教育が求められるのではないかと私は思う。

**追記

EFF(電子フロンティア財団)によるデジタル時代に対応した著作権教育カリキュラムの提唱に関して、次のエントリにて翻訳した。興味のある方は是非ご一読いただきたい。

EFF、「デジタル時代の」著作権教育プログラムを配付

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フロンティア | URL | 2009.06.03 19:30
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