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Web全体のスキャンにより、著作権侵害コンテンツを探し出すサービス

Web上の全てのwebページをクロールして、著作権侵害コンテンツを探し出すというサービスがもうすぐ開始されるよというお話。どうもこの手の話をきくにつけ、効果対費用のバランスが崩れてると思うのだけれど。業界団体の求める効果が、実際に利益を得ることなのか、可能性としての利益が損ねられるのを避けることなのか、その辺が明確ではない以上、よくわからないけれど。ただ、事実から判断すると、業界団体は後者を求めているように思えてならない。

原典:The Wall Street Journal
原題:Copyright Tool Will Scan Web For Violations
著者:KEVIN J. DELANEY
日付:December 18, 2006
URL:http://online.wsj.com/public/article/SB116640468524853020-jD46fkyB33ZgQiMfJcpSZ4LqgLA_20071218.html?mod=blogs

オンライン上のビデオやその他のコンテンツにまつわる著作権問題の増加に対処するため、一部のシリコンバレー経営陣によって設立される新規事業は、新しいアプローチを行っている:Web全体から未許諾の使用を徹底的に探すこと、である。

カリフォルニア、Redwood Cityの私企業Attributor社は、クライアントのオーディオ、ビデオ、イメージ、テキストの不正な利用をWeb上の数億のページからスキャンするシステムのテストを開始している。それによって所有者がそのWebサイトに対して、コンテンツを削除するか、使用料の支払いを求めることを容易になるかもしれない。

昨年開始され「ステルス」モードで進められてきたこの新規事業であるが、メディアやエンターテインメント企業のオンラインコンテンツの侵害的利用の特定の難しさに伴う不満が企業側に高まった今日公開された。問題は、消費者にビデオクリップを投稿させているGoogleのYouTubeといったサイトが増殖し、その利用が増加していることによって強まった。

メディアやエンターテインメント産業はこれまで、彼らのオンラインのコンテンツを保護するために、テクノロジーや彼ら自身のスキャンの組み合わせに頼っていた-しかし、それほど効果的な結果を出すことはできなかった。メディア企業は、ファイルのコピーや転送を困難にするよう設計されたDRMを利用した。しかし、そのような対策は、たいてい不細工であることが判明し、消費者によってひどく嫌われてしまうことで、即座の撤収を余儀なくされている。たとえば、DVDに施されるDRMは、そのコピーがコンピュータ上にリップされるのを防ぐよう設計される。エンターテインメント産業は、Webサイトにおけるコンテンツの侵害をスキャンするため、彼ら自身のスタッフにも頼っていた。しかし、そのようなコンテンツが発見され削除されても、まもなくそのコンテンツが同じサイトで、またはどこか他のサイトに現れてしまう。

「誰かが財産を守る方法を思いつくとすぐに、他の誰かが数日のうちにそれをクラックする、ということはみんな知っていることです。」とカリフォルニア、Santa MonicaのKinsella Weitzman Iser Kump & AldisertのLawrence Iserは語る。彼は音楽アーティストやその他エンターテインメント業界のクライアントを代表している。

そのサービスが開始されているわけではないが、Attributorは。従来のオンライン上の未許諾のコンテンツを排除するテクノロジーよりも、より効率的であると考えられる。複数企業が同じ問題に取り組んでいる一方、-たとえばGibraltarに拠点を置くIndigo Stream Technologies Ltd.は、CopyscapeというWebページを分析する無料のサービスを提供している、それはGoogleサーチエンジンを用いて、テキストがweb上のどこかで複製されていないかを見つけるというものである-Attributorのアプローチはより包括的なようである。

その共同創設者である、元Yahoo Inc.役員Jim BrockとJim Pitcowは、効率的な処理を可能にする未公開の技術を利用することでWeb全体を捜索し、膨大なコンテンツをくまなくチェックすることで、厄介なコンピュータサイエンス問題を解決したと主張する。同社によると、今月末までには100億以上のWebページがインデックスされるという。

「それが実際に機能するならば、ファンタスティックな発明でしょう。」とIser氏は語る。

このようなサービスが、ユーザによるコンテンツの投稿を許すインターネット企業から歓迎されるかどうかは、不明である。YouTube、News CorpのMySpaceやその他の企業が、既に著作権訴訟に直面している。

Attributorは本日、Sigma Partners, Selby Venture Partners, Draper Richards, First Round Capital, Amicus Capitalといった投資家から、現在までに約1000万ドルの資金提供を受けたと発表する予定である。

Attributorは、個人から大手のメディア企業までのクライアントのコンテンツを分析する。その手法は、ユニークでアイデンティファイされたコンテンツの特徴である"デジタル指紋"として知られる技術を利用すると言うものである。このデジタル指紋を利用して、webのインデックスからコンテンツを探し出す。同社は、顧客のコンテンツのほんの数行のテキスト、ほんの2~3秒のビデオやオーディオでさえも、見つけ出すことができるとしている。顧客には、特定されたWeb上での彼らのコンテンツの利用についてのダッシュボードとその警告、利用されている文脈を提供する。

それによってコンテンツオーナーは、自身のコンテンツを利用している全ての人に対して、使用料を支払うよう交渉するか、またはそのコンテンツを削除するよう要請することができる。場合によっては、コンテンツオーナーは、コンテンツがフェアに、またはプロモーションの一環として利用されていると判断するかもしれない。

Attributorは技術の詳細を言及してはいないものの、コンテンツオーナーとWeb上での彼らのコンテンツの使用との相互作用を助けることができるとしている。このシステムは、コンテンツオーナーがその利用を監視下に置き、利益を得ることができるという確信を持って、彼らのコンテンツをオンラインに置くことに希望を与えるための透明性、責任性を提供すると、同社経営陣は考えている。

「私たちは、ありとあらゆる結果と改善策をサポートする基盤を提供することができると考えています。それによって、合法的なシンジケートを作ることと利益を上げることについて、コンテンツオーナー、コンテンツホスト、検索エンジンの利益を連携させることができるでしょう。」とAttributorの最高責任者Brock氏は語る。

「私たちは、現在の訴訟をベースにした対策から、異なるコースを歩むための方法であると考えています。」と主任技術役員のPitcow氏はいう。

Attributorはシステムのテストを開始したが、来年の第1四半期までは、それを公式にはリリースしないという。しかし、共同創設者のこれまでの実績は、彼らの主張に一定の信憑性を与える。Brock氏は、ヤフー初の外部弁護人として、1994年からインターネット企業における著作権問題に取り組んでおり、その後は、上席副社長としてその複数のコアビジネスの監督を行ってきた。Pitcow氏は、Xeroxの伝説的なPARC研究所で働いていたコンピュータサイエンス博士である。2001年、彼はGoogleへのOutride Inc.の知的財産権を売却するのを助けた。そこでは彼は社長兼会長であった。昨年、彼はVeriSignにMoreover Technologyを売却している。そこでは彼はCEO兼会長であった。

「彼らは、ハードコアな問題を解決した本当の人たちである。」とSnocop Inc.(デジタル音楽レジストリベンチャー)の主任執行役員Ali Aydarは語る。SnocopとAttributorは共に、シリコンバレー投資家のRon Conwayを後援者としている。「コンテンツオーナーたちは、自分たちのコンテンツがどこで利用されているかについて、知らせてくれるこのようなシステムを歓迎するでしょう。」とAydar氏は加える。

Atrributor経営陣は、彼らがどれくらいの頻度で、Webインデックスをアップデートするのかについて明言することを避けた。コンテンツの公開を完全に把握する能力があるのかどうか、というのがキーファクターとなる。また、彼らは少なくともP2Pファイル交換システムをモニターしないとも語っている<
。ちなみに、記事の最後のほうで出てきたSnocop社ですが、この会社はNapster創設者のShawn Fanningの会社です。変われば変わるもんですな。詳しくはこちら

このAttributorが対象とするのはWebベースであり、P2Pファイル共有は対象にしていない模様。メインターゲットとしては、YouTube、MySpaceといったビデオ、オーディオ投稿サイトだとWSJの記事からは感じ取れるのだけれど、本当はもっと小規模のサービスや個人を対象にしていると思う。

YouTubeやMySpaceといったサービスが現状で相当な著作権侵害の実態がありながら、それに対する対処と言うのは後手後手に回っている。もちろん、ライツホルダーはその実態は把握しているし、それでも手が打ちにくい、時間がかかると言うことだ。そんな中でこのサービスが開始されたとして、今週はこんな著作権侵害コンテンツがYouTubeにアップロードされました、MySpaceにアップロードされましたなんていったところで、YouTubeやMySpaceとの交渉がうまく進んでいない時期に、そんな報告をされたとしても、どんな意味があるのかと。やきもきするだけじゃないのかしら?

しかも、具体的な手法については明言を避けているのも気になるところ。裁判で証言を否定されたMediaSentryのことを思い出してしまうのだけれども、リリース時に詳細な説明が行われるのだろうか・・・。どうなんだろ?

個人的には、著作権という既得権益に取り憑かれてまともな判断もつかない状況に陥ってるんじゃないかなと思えてならない。確かに、著作権の保護は必要だし、インターネットが普及した今日では、これまでとは比べ物にならないほどにその被害の状況は拡大する可能性がある。だからといって、過剰に保護することが効率的かといえばちょっと疑問。むしろ、そのことをこの手のサービスに利用されてるだけのような気もする。

たとえばYouTube。ここにアップロードされたPVを著作権の侵害だとして削除させているけれど、それが実際に彼らの利益を損なっているかといえばそうではないと思う。彼らの主張を考えれば、1つには本来であればお金を払わなければ使えないものをタダで使っていることが気に食わない、ということがあるのだろう。でも、削除したとしても、その後使用料を払って利用するかといえばそうではない。使わないのだ。

もう1つの主張としては、ユーザがタダで利用できることで、売上を減少させているということもあるだろう。でも、YouTubeごときのクオリティで満足する消費者が、わざわざお金を払ってまで利用するだろうか、ということ。確かにiTunesで販売されているものもあり、もしかしたらそこでの購入に影響を及ぼしているのかもしれない。そういうユーザは、「タダだけど品質のよくないPV」と「有料だけど品質のよいPV」を天秤にかけているわけだ。個人的にはそのような天秤を持っている人は、ほぼiTunesでの購入は行っているだろう。そういった人が使える額は無制限ではない。制限の中で購入し、それを超えたものについては多少品質は悪くてもYouTubeでいいか、となるのではないかと思う。そんな中でYouTubeから削除されたとしても、制限以上には利用されることもないだろうと考える。また、天秤が「タダ」か「有料」かという天秤の人もいる。そんな人はまず利益に繋がらないわけで、そんな人が圧倒的多数なのだから、いくら対策に費用を投じても利益どころか、損失しか生み出さない気もする。

個人的な意見としては、本来であれば得られていたであろう利益が損ねられている、という現状を打破するために対策を講じるのは、致し方ないことだとは思うけれど、本来であれば利用するのに使用料がかかるのだからとか、ユーザに無許諾で配布されること自体が損失を生んでいるのだとかいう、権利に取り憑かれたものの考え方では結局は損失にしかならないと思うのだけれど。潜在的な可能性を全て排除することで生み出されるのは、微々たる増収と対策費による莫大な損失であると思う。それとユーザの反感と、ね。

それとこの記事の中で一番気になった記述は「コンテンツオーナーは、自身のコンテンツを利用している全ての人に対して、使用料を支払うよう交渉するか、またはそのコンテンツを削除するよう要請することができる。場合によっては、コンテンツオーナーは、コンテンツがフェアに、またはプロモーションの一環として利用されていると判断するかもしれない。」というところ。業界団体に都合のいいものだけをプロモーションとするということなんだろうけれど、生殺与奪が向こうのさじ加減一つってのもどうだろう。認めるなら認めるで、ガイドラインでも設ければよいと思うのだけれどね。まぁ、権利に取り憑かれた人たちは、自分たちの都合のいいコントロールを望んでいるだけなんだろうけれど。

しっかし、この記事、いいことばっかりしか書いてないなぁ。提灯記事いたいだわ。

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