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カナダ:ファイル共有神話の嘘を暴く

以下の文章は、Michael Geist Blogの「Time To Slay the File Sharing Myths」という記事を翻訳したものである。

原典:Michael Geist Blog
原題:Time To Slay the File Sharing Myths
著者:Michael Geist
日付:June 09, 2009
ライセンス:CC BY

今月は音楽・インターネットサービス産業を様変わりさせるほどの影響を与えたNapsterのデビュー10周年にあたる。多くのコメンテーターがNapsterの影響を再評価し、その先に何があるのかを思索しているが、私としては、今週のテクノロジー法コラム(Toronto Star版ホームページ版)にて、今こそカナダのファイル共有にまつわる2つの神話を退治すべきときだという議論を行った。

この手の神話は2つどころではないのだが(末尾のテキストボックス参照のこと)、ここで取り上げる2つの神話は頻繁に議論に持ち出されてきた。1つは、カナダではすべてのファイル共有が合法だ、というもの。おそらくこの神話が招いたのだろうが、もう1つはカナダは世界の違法ファイル共有活動を牽引している、というもの。どちらの主張も真実ではない。

カナダが自分の好きなコンテンツをアップロード、ダウンロードしても合法な、まごう事なき「ワイルドウェスト」であるという見方は、2004年にレコード産業がファイル共有訴訟に敗北したことに端を発している。米国での大量訴訟を受け、カナダレコード産業協会(Canadian Recording Industry Assosiation)は5つのカナダ国内インターネットサービスプロバイダと契約していた、違法ファイル共有を疑われる29名のユーザに対する裁判を起こした。

このケースでは、当時の連邦裁判所裁判官Konrad von Finckenstein(現CRTCチェアマン)が、ISPに対する顧客情報の開示命令請求を棄却し、レコード産業は敗北した。Von Finckensteinは、レコード産業の提示した証拠には欠点があり、またプライバシーと著作権法に関する問題もはらんでいるとした。この判決は世界的な注目を浴び、カナダではファイル共有は合法なのだと誤解されることとなった

カナダの著作権法ではブランクメディアへの課税は私的コピーの場合に免除される、というのが真実である。連邦裁判所とカナダ著作権委員会は、特定のブランクメディアが私的かつ非営利にダウンロードされた録音物に利用された場合には、課税(現在、数億ドルを生み出している)の対象にあたるのではないか、と示唆している。したがって、同法は音楽ダウンロードの合法性を示唆するものではあるが、それは他のコンテンツ(映画やソフトウェア)を含むものではないし、いかなるコンテンツでもアップロードを含むものではない。

もう1つの神話は、著作権法改正論者によって際限なく広められているものなのだが、カナダが人口比としては世界最大のファイル共有人口を有している、というものがある。最近のところでは、カナダ産業審議会が一連のレポートでの結論を導くためにこの議論を持ち出している。

この神話は、2004年の経済協力開発機構(OECD)調査に端を発している。同調査は、30の加盟国の2003年におけるファイル共有活動を調査したものであった。この調査が行われてから6年が経っているが、対象となったファイル共有活動が合法であったのか違法であったのかという点が考慮されることはなく、単純にピア・ツー・ピアユーザの数だけが注目されてきた。

その研究では、カナダが第1位としてあげられているが、今日ではその有効性を疑うに十分な理由がある。OECDが違法行為に言及していないという点、150を超える非OECD諸国のファイル共有に言及していないという点に加え、その後の調査においても、カナダ以外の国と比較して、カナダがファイル共有活動のハブとしての機能を失ってきていることが示されている。

先日、映画や音楽コンテンツの特定、追跡を行う米企業BayTSPが、ピア・ツー・ピアおよびインターネット利用に起因する著作権侵害通知の数を国別評価したレポートを公表している。同レポートによると、カナダは世界で第10位であった(前年は第7位)。上位3カ国はそれぞれスペイン、イタリア、フランスであり、著作権侵害クレームの数は少なくともカナダの5倍にも上る。

こうした減少傾向は、カナダのファイル共有神話とは真逆のものであるが、これが世界の高速インターネットアクセスランキングにおけるカナダの下降傾向を反映しているものと考えれば、当然のことであろう。このことは、かつてはカナダがよりよいアクセス環境のためにファイル共有のアーリーアダプターとなりえたものの、現在ではアクセス環境、ファイル共有活動の両面で他国に抜かれたことを示唆している。

Napsterが世界を席巻した10年前から多くのことが変化した。我々が次の10年を見据えるためには、フィクションではなく、事実に立脚した議論を行うべきであろう。

その他のファイル共有神話

カナダのアーティストたちはファイル共有に反対している。確かに一部のアーティストはそうなのだろうが、カナダソングライター協会(Songwriters Association of Canada)、カナダ音楽クリエイター連合(Canadian Music Creators Coalition)は、新たな課税スキームの導入によるファイル共有の完全合法化への支持を表明している。更に、ますます多くのアーティストが自らの作品を配信するためにピア・ツー・ピア・ネットワークを利用し、商業的成功を収めていることを報告している。

ファイル共有ユーザは音楽を購入しない。ますます多くの調査が、これとは正反対の事実を示している。Industry Canadaが委託した2007年の調査では、P2Pファイル共有とCD購入との正の相関が示されているし、先週ピア・ツー・ピア・ビデオディストリビューション企業のVuzeがリリースした調査によると、ピア・ツー・ピアユーザは、一般的なインターネットユーザよりも映画館に足を運び、DVDを購入する傾向があるのだという。

ピア・ツー・ピアネットワークには著作権侵害コンテンツしかない。音楽や映画コンテンツがファイル共有の大部分を構成しているが、オープンソースソフトウェア、インディペンデント映画、さらにCBCなどの公共放送局にもそのスペースは共有されている。こうした人々はみな、効率的なディストリビューションシステムとして、ファイル共有技術を採用している。

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