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都合の悪いトラフィックを塞ぐだけの対策は通用しない時代が来る?

帯域制御装置を販売しているアンリツネットワークという企業の森一弘という人物とのインタビュー記事。前のエントリでも熱弁したけれども、ISPに必要なのは、都合の悪いトラフィックをなかったことにすることではなく、それを含めてどう円滑に運用していくか、である。最初からパーフェクトにやれとは言わないが、少なくともその努力くらいは見せて欲しい。

原典:Internet Watch
題名:「P2Pを遮断すれば問題が解決していたのは2005年まで」
著者:三柳英樹
日付:2006/12/26
URL:http://internet.watch.impress.co.jp/cda/special/2006/12/26/14365.html

森氏:
 ケーブルテレビに限らず、多くのプロバイダーが困っています。というのは、加入者も増えてはいるのですが、それを上回る勢いでトラフィック量が増えているからです。加入者が増えているからトラフィックも増えているのであれば、プロバイダーとしてはむしろありがたいことなのですが、加入者がそれほど増えていないとなると、収益の問題から簡単に回線の増強はできません。そうなると、増設できるまでの間はとりあえず装置を導入して、ユーザー全員が公平に帯域を利用できるようにしようという考え方から導入が検討されています。

――トラフィックの増加は何が原因なのでしょうか。多くのプロバイダーはファイル交換ソフトを問題と考えているようですが。

森氏:
 2005年頃までは、WinMXやWinnyなどファイル交換ソフトを利用している一部のユーザーが最も大きな問題でした。ところが、現在はトラフィック量が全体的に増加しています。P2Pを規制しても効果はもちろんあるのですが、それ以外のトラフィックも増えています。たとえばiTunesやナップスターのような音楽配信サービスであるとか、Windows Updateやウイルス対策ソフトなどのアップデート、YouTubeをはじめとする動画共有サービスやGyaOなどの動画配信サービス、こうした要素が積み重なってトラフィック全体の量が増えているのです。

――ファイル交換ソフトだけが突出した問題ではなくなっていると。

森氏:
 現在でも比較的問題と言えば問題ですが、ではそのトラフィックを遮断してしまえば問題は解決するかと言うと、そうして空いた帯域にはすぐに他のトラフィックが流れ込んできます。P2Pだけを遮断すれば問題が解決するという状況ではなくなっています。ですから、やはり総帯域をどのように制御していくかといったアプローチが必要になってきていると思います。

 また、WinMXやWinnyのように既知のアプリケーションであれば、トラフィックパターンやパケットの中身を調べるといった手法で遮断することもできますが、その方法では新しいアプリケーションには対応できません。現在の制御装置の中には、通信の振る舞いから「これはP2Pだ」と判断して制御するものもあります。しかし、そうした装置には「誤検知」が付き物です。たとえばSkypeであるとか、分散型のファイルバックアップシステムであるとか、本来遮断すべきでない通信が誤って遮断されてしまうケースもあります。

――こうしたトラフィックの増加傾向は今後どうなるのでしょうか。

森氏:現時点では音楽配信サービスや動画サービスもトラフィック増の大きな要因ですが、ソフトウェアのアップデートも無視できない量になってきています。今、普通にPCを買ってきてネットワークにつなぐだけでも、Windows Updateから始まってOfficeにセキュリティソフトのアップデート、さらには各種アプリケーション、たとえば年賀状ソフトなども最近では更新ファイルをチェックするようになっています。ユーザーは何もしていないつもりでも、PCをネットワークにつないだだけでトラフィックが発生します。

 また、iPodのように、インターネットにつなぐのが当然というサービスモデルのハードウェアもこれからどんどん増えてくるでしょう。最近発売されたゲーム機なども、ネットワークからコンテンツをダウンロードするのが前提になっています。こうした機器が設置される台数分だけトラフィックは増えます。コンテンツをユーザーが見るという人為的なトラフィックよりも、むしろこうした機械的に発生するトラフィックの方が大きな問題になってきていると感じています。
非常に同意できるないようだなぁと。まぁ、販促記事に近い部分もあるのだろうけれど、言っていることは非常に理解しやすいし、実際そうなっていくべきだろうと思う。

森氏の言うように、いかにP2Pファイル共有のトラフィックを遮断したところで、今後増え続けていくP2P以外のトラフィックを全て支えきれるわけでもない。では、そのようなトラフィックの増加に対してもP2Pファイル共有と同様に遮断に近い規制を敷くのだろうか?

それはありえないだろう。P2Pファイル共有の場合は、相手が違法ユーザであるという社会的な認識を背景にできたものの、そうではないものの利用に対して、そこまで強引に利用を認めないということは口が裂けてもいえないだろう。なぜなら、それがISPとしての限界を認めることになるからである。

となれば必要になるのは、柔軟な帯域制御である。規制とか抑制ではなく、制御。Niftyもファイル共有トラフィックの制御などと言っているが、それは制御でもなんでもなくて、抑制や規制に部類に入ると思う。トラフィックの柔軟な配分によって、全てのユーザが許される範囲内で、自由に自分の回線を利用することこそ、制御といえるものだろう。場合によっては不便を感じるかもしれないけれど、全体としてスムーズな転送を可能にするためには、そうするべきかと思う。そして、そのような制御に関する情報をもっとユーザに公表すべきでもあると思う。

このような情報もユーザがISPを判断する際には重要な情報である。現在ISP選びに困っている人はたくさんいるけれども、必要な情報が事前にそろえられる人などほとんどいない。ユーザの口コミと料金のみで決めている人がほとんどだろう。しかも、そのユーザの口コミもそれほどあてにはならないし、更に言えば、そのような口コミすら、企業側が誘導しているという可能性だってあるだろう。

愚痴:そもそも、ベストエフォート型であることを言い訳にしてないかと思うわけですよ。「最大100Mbps」とか、本当に信用できないし。そもそもその半分すら満足に出てない状況で、いつまでそれが許されるのかと。確かにユーザの地域や環境や時間帯、その他の要因によって通信速度が低下したり、時間帯によって上限したりということは理解している。でも、地域ごとの平均値くらいはだせるだろうと。なんていったら、「それでもお客様の環境ごとに速度が変わりますから、そのような指標自体が混乱を招くことに・・・」みたいな事を言われそうだけれど、だったらベストエフォート型のサービスなのに100Mbpsを誇張するほうがおかしいってことになる。そっちのほうが誤解を招いていると思うけれど。実際に入会してみなきゃわからないというのでは、サービスとしてどうなんだろう?と思ってしまう。別に、映画を見る前に面白いかどうか判断したいから、一度見せろ、とかいう無理難題なわけじゃないし。どれくらいのサービスを提供しうるのか、という情報を提示することすら、できないっていったいどういう神経しているのだろ。しかも、加入後も明らかにしないし。

規制するならすればよいと思うのだけれど、その情報をクリアにするべきではないかと思う。もともと競争といっても価格のみが先行してしまって、付随するサービスも正直どうでもいいものばかりだったりする。「100Mbps!常時接続!使い放題!」なんて触れ込みだけはすごかったのに、実際に使い放題してみたら、トラフィック過多で他の帯域を食っている、だから規制するだとか、コンテンツプロバイダにも金を払えと要求するだとかいってくる。

最初から、そのふれこみどおりにされれば困るにもかかわらず、それを利用してユーザを増やしてきたのだから、そのふれこみを信じて加入したユーザの期待への道義的な責任くらいは感じて欲しいものだ。現状では、インターネットというカタチが、ようやくおぼろげながらも把握されてきている。それが普通の存在になったとき、今のように曖昧なやり方ではついてはいけないだろう。「普通の」サービスとして扱われたとき、現状のISPはユーザの選択基準をクリアできるだろうか?

少なくとも、単純に規制するだけでは、今後増え続けるトラフィックに対応しきれるものではない。ISPに求められているのは、そのISP自身の状況の把握とその公表、そしてその上でどうリソースを配分していくかを考え、それもまた公表することだと思うのだけれど、ISPにそんな考えはあるんだろうか・・・。

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