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BitTorrent: 著作権者に攻撃され、法廷に破壊され、しかしイノベーションに不可欠なもの

以下の文章は、TorrentFreakの「BitTorrent: Under Attack but Needed for Innovation」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:BitTorrent: Under Attack but Needed for Innovation
著者:Ernesto
日付:August 19, 2009
ライセンス:CC by-sa

Mininova、isoHunt、The Pirate Bay、その他のP2Pサイトは、エンターテイメント産業との法廷闘争の只中にある。法廷はしきりに彼らが著作権侵害に貢献していることを認めている。しかし、著作権者や法廷は、イノベーションを促進するP2Pの不可欠な役割を無視している。法学教授のMichael Carrierは、なぜこれが変わらなければならないかについて解説してくれた。

以下の文章は、カムデンのラトガーズ・ロースクールの法学教授Michael Carrierによるゲストエントリである。


BitTorrent: 著作権者に攻撃され、法廷に破壊され、しかしイノベーションに不可欠なもの

The Pirate Bayやその他のP2Pサイトは断続的に守勢に立たされている。著作権者たちは執拗にこれらのサイトを脅かし、訴えている。法廷はしきりに彼らが著作権侵害に貢献していると認めている。しかし、著作権者たちや法廷は、イノベーションを促進するP2Pの不可欠な役割を無視している。それを変えたいと願う。

私の著書、Innovation for the 21st Century and Antitrust Lawの中で、私は(1) 著作権者たちが新たなテクノロジーが登場する度に抑圧しようとしてきた理由、(2) 法廷がP2Pを理解し損なっている理由、(3) 我々がこうした状況を嘆かなければならない理由について説明した。

まずはじめに、それまでのビジネスモデルの脅威となり得る新たなテクノロジーの登場に対して、著作権者等が示した警戒的な反応の長い歴史を追った。John Philip Sousaは自動ピアノの登場を「アメリカ音楽の退廃に繋がるものだ」と嘆き、Jack Valentiは、著作権で保護された映画で成り立っている市場が、VCRによって「大きく損なわれ、縮小し、壊滅するだろう」と警告した。そして、CDセールスの減少を嘆くレコード産業は、多数のP2Pサービスを訴えてきた。

新たなビジネスモデルの可能性を恐れることで、著作権者たちは破壊的イノベーションを理解することのできない古典的なマーケットリーダーの例を体現している。10年前、レコード産業は、「レコードレーベルのためのオンライン・ディストリビューション・チャンネル」となるよう努めていたNapsterに対し、デジタル時代にシームレスに移行するための合意を取り交わすのではなく、訴訟に打って出るという反応をした。その結果、レコード産業はNapsterを閉鎖するという戦闘には勝利を収めたのかもしれないが、戦争の敗北へと歩を進めていった。結局、Napsterを利用していたユーザは他のP2Pネットワークに移行しただけだったのだから。

しかし、新たな技術を理解することができないのは著作権者だけではない。法廷もそうだ。何故か?それはイノベーションの非対称性のためである。法廷は新たな技術の将来的な利益を軽視し、著作権者の提示する損失を過大視する。著作権者は著作権侵害による損失の証拠を大げさに提示しているのだ。

一方、非侵害的利用はそれほど明確なものではない。コミュニケーションやインタラクションの促進という利益は、金銭に換算して評価しがたいものだ。さらに、新たなテクノロジーが登場したとしても、最終的にどのような有益な利用を生み出すのかなど誰にもわかりようがない。私はこれに関する多数の例を自著の中であげている(その中で2つの例を取り出すと、1つは電話。Alexander Graham Bellはこれを毎日のニュースを配信するために用いられるだろうと考えていた。もう1つは蓄音機。Thomas Edisonはこれを死に際した老人の望みを録音するものだと考えた)。この非対称性は、コストのかかる訴訟(複雑なテストやまかないきれない訴訟費用によって、ウェブ上の小規模テクノロジーメーカーの足を引っ張っている)と組み合わさることで、なぜ法廷がP2Pを十分に理解できないのかを説明する。

この理解の欠如こそ、イノベーションを脅かしている。このサイトの読者であればおわかりのことと思うが、BitTorrentやその他のP2Pプロトコルは、インタラクションとディストリビューションの革命的な形態を提供している。BitTorrentは大きなファイルをたくさんの小さなピースに分割することで、転送速度を上げる。それによって多数の作品、たとえばホームムービー、インディペンデント映画、テレビ番組、ビデオゲーム、教育用ビデオ、コンピュータソフトウェア、高解像度のイメージなどの配信が可能となる。BitTorrentを利用して(1) コンピュータメーカーAsusが高速、安価にソフトウェアアップデートを提供していること、(2) ノルウェーでの高解像度映画の放送、(3) FrostWireが提供する新しいアーティストの音楽プロモーション・サービスなども、このサイトで議論されている数多くの例のごく一部である。

法廷がP2PやBitTorrentを理解できないことによって、伝統的なディストリビューション手段による束縛からの開放を促す新たなビジネスモデルの発展が抑圧されている。インディペンデント・アーティスト達は、自分の作品が高速かつ広範に流通させるための手段が安価に手に入れられないとなれば、メジャーレーベルから抜け出すことがあまりに難しいと考えるだろう。インディペンデントな映画製作者達は、マスに到達することが不可能であり、その代わり、専門的な映画館やDVD配送に頼らなければならないと考えることだろう。

もちろん、私達はP2Pイノベーションの氷山の一角をみているにすぎない。私は自著の中で、無数にある例のうち2つを取り上げ、Google検索エンジンやクラウド・コンピューティングのオルタナティブを提供しうるP2Pの潜在的な利点を探索している。

要するに、このトレンドは―The Pirate Bayへの判決、マレーシアでのトラッカーLeechersLairへの閉鎖命令法外な法定損害賠償、多数の「スリーストライク」立法提案などの展開に象徴されるように―、いかなる形態であれ著作権侵害に貢献し得たどのテクノロジーよりも厳しく取り締まるということである。しかし、テクノロジーを著作権侵害のための道具だと押しつけることで、法廷や著作権者達はP2Pイノベーションを押し潰そうとしている。


Michaelの著書『Innovation for the 21st Century: Harnessing the Power of Intellectual Property and Antitrust Law』はAmazonにて購入できる。

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