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ジェームス・ブラント、違法ファイル共有を批判し英国版スリーストライク案に賛同

以下の文章は、TorrentFreakの「James Blunt: Disconnecting Music Pirates is “Critical”」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:James Blunt: Disconnecting Music Pirates is “Critical”
著者:enigmax
日付:September 21, 2009
ライセンス:CC by-sa

英国の多くのミュージシャンらが、違法ファイル共有の問題に自らの意見を述べている。Peter Mandelsonは表面上、音楽産業をサポートするようなことを提案しているが、ミュージシャンらの意見は分かれている。そして今日はジェームス・ブラントのターン、彼は提案されている「切断」法案は産業の生き残りにとって重要だと感じているようだ。

B000301YY8「拝啓 私はリリー・アレンの意見を支持したい。彼女は英国ミュージシャンたちに重大犯罪に対する態度をはっきりさせるよう求めている。つまり、グレート・ブリティッシュ・インダストリー、そう我々の音楽ビジネスの死について。世界中で、多数の人々が違法ファイル共有というかたちで、膨大な数の音楽を盗んでいる。それは非常に用意で、多くの人に受容されている。でも、それは人の生活を脅かし、英国の新人アーティストたちを徐々に死に至らしめていることを、彼らは知らなければならない。」

これは今日のタイムズ紙に掲載されたシンガーソングライターのジェームス・ブラントの言葉である。先週、リリー・アレンが公表し、そして数千回と引用された彼女の意見への返答であった。アレンは、ファイル共有がアーティストにとって有益であると発言したレディオヘッドのエド・オブライエン、ピンク・フロイドのドラマー ニック・メイソンを批判した。

オブライエンとメイソンは、違法ファイル共有を繰り返すユーザを遮断するというピーター・マンデルソンの計画に反対するFeatured Artists Coalition(FAC)のメンバーである。しかし、彼ら以外の音楽産業の人々は彼らの発言を問題視している。

メジャーレーベルは違法ダウンロード問題についてFACとは正反対の意見を持っているが、先週よりFACと集中的な会合を開き、前向きなコンセンサスををえようとした。音楽産業が政府に意見を通すためには統一戦線を張る必要があるのだが、現在ではそれはあり得そうもない。昨日、FACは彼ら以外の音楽産業の人々とは前進のためのコンセンサスは得られなかったと発言した。

「ユーザアカウントを停止できる権限を得たとしても、個人のプライバシーの侵害を広範囲に引き起こすだけでしょう。我々はこれが個人を保護する権利を縮小しかねないと考えています。こうした権限を与えてしまえば、ごく僅かな『酷い犯罪者』に脅威を与えるためだけに、英国内の我々全員の市民的自由を抑制されることになります。これは不相応かつ強制できるものではないと考えています。」とFACは言及している。

FACは、先週レーベルと話し合いの席を設けたが、レーベル側は違法ファイル共有ユーザのインターネット接続を切断すべきだという主張は譲れないとのスタンスであることを明かした。FACはそうした方向性には断固として反対であるという。

音楽産業の上部機構UK Musicはその強固なスタンスを隠し、攻撃的に見えないように、プレスリリースや声明において「切断」という言葉を使うのを避けた。しかし、言い回しを柔らかくしたところで、表面上の問題でしかない。「…国務長官が発言しているように、Ofcomは公正かつ適切な権限を与えられなければならない。」と彼らはいう。もちろん、Ofcomにファイル共有ユーザを切断する権限を与えるよう提案されているためだ。

一方にはFACや英国市民らのスタンスがあり、他方にはマンデルソンやレコードレーベル、そしてリリー・アレンのようなアーティストのスタンスがある。そしてジェームス・ブラントは後者のスタンスであることを明確にした。

「ついに政府は産業保護のための法律を制定しようとしている。」とブラントは記している。英国には既に著作権侵害に対処しうる著作権法があることを彼はすっかり忘れてしまっているようだ。

「私見ではあるが、ピーター・マンデルソンは盗品を扱うインターネット・サービス・プロバイダにさらなる責任を負うよう促している。」とブラントは言う。しかし、ISPはキャリアとして、法の下でそのトラフィックや加入者の行為には責任を負わないという考えが彼からは抜け落ちている。

「この法案が通過し、実際に機能することは、英国音楽ビジネスの生き残りにとって、つまり音楽に従事するたくさんの仕事にとって重要なことだ。そして優れたミュージシャンやこれから耳にするであろう楽曲やアルバムを育む我々の能力にとって重要なことだ。」とブラントは締めくくる。

市民を怖がらせ音楽を購入させるために厳格な法律を導入するのは答えではない。人々からインターネットを奪い取るのは解決策にはなり得ない。レーベルはこれを理解し、みんなが利用できるような価格で高品質の聴き放題音楽サービスを提供すべきだろう。

英国ISP Virgin Mediaは政府に対し「高圧的で、厳格な制度は、単に消費者を遠ざけるだけ」であり、「威圧的ではない説得」こそが、この違法ファイル共有『問題』の解決に重要であるというメッセージを送付している。最後に格闘家でありベストセラー作家のジェフ・シンプソンの著書Watch My Backより、ギャングがその考えを他者に押しつける際にどうしているのかを引用しよう。

その連中は町中の人々からリスペクトされていた。しかし、それは恐れによって生み出されたリスペクトであった。つまり、与えられたリスペクトではなく、奪い取ったリスペクト。自発的に与えられたものでなければ、リスペクトに価値はない。どんな間抜けでも弾を込めた銃を突きつければ、リスペクトするよう強要できる。しかし、そこには憎しみが伴う。真のリスペクトは協力と理解とを促すものである。

FACは功罪ある違法ファイル共有の「功」の部分を強調した上で、熱心な音楽ファンでもある違法ファイル共有ユーザに対する厳格な対処は音楽産業にとって副作用が大きすぎるから、彼らにも受け入れられるようなソフトランディングこそが求められている、っていうのが主な主張だと思っている。「罪」の部分に関しては、直接的な言及はしていないものの、新たな枠組みが必要とされている、というスタンスから見ても、全肯定しているというわけではないのだろう。その点で、リリー・アレンの批判というのは、少なくともその結論を見る限りでは的を外していると思える。彼女は彼女で変化は必要だ、というのだから。

で、今回のジェームス・ブラントの見解だが、単純に英国版スリーストライクの是非に関するものである。違法ファイル共有の「罪」の部分を強調し、違法ファイル共有によって音楽産業は被害を被っているのだから、その対策として英国版スリーストライクの導入に賛成する、というスタンスだ。

ただ、上記の文章には引用されていないが、ブラントもブラントで

大物アーティストからの収益が得られなければ、レコードレーベルは新人を発掘することも叶わない。彼らはこれからもビートルズのアルバムをリマスターすることしかできないだろう。有能な新人バンドをスタジオでレコーディングさせるだけのお金がないのだから。彼らがサージェント・ペパーを凌ぐアルバムを作り出すかもしれないのに。

Blunt message -Times Online

と、構造の問題を織り交ぜていて、ここに関しては何だかなぁと。もちろん、FACの連中だって先人の恩恵の下に今の地位と名声を築いたのに、今更それを反故にしようなんてアンフェアだという気持ちもわかるのだが、個人的にはそれとは全く別に進んでいるレコードセールスの激減を考えれば、もはやその持続可能性に期待できるとも思いがたい。それに、違法ファイル共有の問題とは本質的に関わりのない部分であるとも思う。

それはともかくとして、ジェームス・ブラントのスタンスは、違法ファイル共有が悪であり、音楽ビジネス、音楽に関わる仕事を奪う、その結果、未来の音楽が危機に瀕しているということを明確に示したという点では、意義あることだと思う。少なくとも彼にとっては、メリットがあったとしても(あると考えているかどうかもわからないが)、それ以上にデメリットの方が大きく、レコード産業に致命的な損害をもたらすと考えられる、と。

個人的には、違法ファイル共有を問題視するのは当然としても、スリーストライクに頼ったところで、解決しないか、もっと大きな問題を抱えると思っているので、FACサイドに賛同したい。解決しないと考えるのは、ファイル共有はP2Pを含め多様にあり、それを完全に塞ぐことは難しい、要はアレがダメならコレというように容易にかたちを変えていくから。もっと大きな問題を抱えるというのは、本腰を入れて違法ファイル共有ユーザを追跡すれば、大規模な殲滅戦となり、修復しがたい溝、遺恨を残すだろうということ。だから、ソフトランディングを目指すFACの方が期待できるなぁと。

余談ではあるが、これに関連する話題。リリー・アレンの反論に対し、FAC側が再反論を行なっていて、それに関してGreen Sound from Glasogowさんがまとめているので、興味のある方は是非。

FAC vs リリー・アレン他アーティスト・続報: Green Sound from Glasogow

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