2009.11.17 Tue
スウェーデン、著作権を強化するも8ヶ月で効果消失
以下の文章は、TorrentFreakの「Swedish Internet Traffic Recovers After Initial IPRED Scare」という記事を翻訳したものである。
原典:TorrentFreak
原題:Swedish Internet Traffic Recovers After Initial IPRED Scare
著者:enigmax
日付:Novemer 13, 2009
ライセンス:CC
by-sa
スウェーデンのIPRED法が施行された今年4月1日、 同国のインターネットトラフィックは30%も低下した。これはインターネットユーザがアンチ・パイラシー団体の影響力の増大を懸念したことに起因するものであった。しかし、その8ヶ月後の現在、トラフィックは完全に元に戻り、IPRED法施行以前のレベルを上回るほどである。
スウェーデンで物議を醸したIntellectual Property Rights Enforcement Directive (IPRED)は、著作権者が著作権侵害を疑われるインターネットユーザに法的措置をとれるよう、当該ユーザの個人情報を照会する権利を与えるという法律である。
このIPREDは今年4月1日に施行された。Netnod Internet Exchangeによれば、施行翌日には、スウェーデンのインターネットトラフィックが30%も減少したのだという。このデータ転送量の劇的な減少は、主にファイル共有ユーザがアンチパイラシー企業から特定されることを恐れた結果であると考えられる。
海賊党代表リック・ファルクウィンエはこのニュースについて、大半の専門家はこうした初期の「恐怖効果」は次第に低下していくと考えている、とTorrentFreakにコメントしていたが、この予測は全く正しかったようだ。
現在、Netnodが公表しているデータからは、スウェーデンのトラフィックレベルがIPRED施行以前の状態に戻っただけでなく、それを上回っている可能性すら示唆されている。こうした増加傾向はある程度は自然なことではあるが、ここ数ヶ月での急激な上昇であることを考えると、P2Pトラフィックが再び増加していることを示しているのだろう。
まだIPREDにびびってる奴なんているの?
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アンチパイラシーおよび著作権団体が、ファイル共有ユーザに対処するためのより厳しい法律を政府に導入させようと躍起になっているが、ファイル共有ユーザらはこうした新たな問題に直面したからといって、敗北を受け入れることはない。多くの人々が自らのアイデンティティを隠すことのできるサービスへの移行を始めている。
先日、社会学研究プロジェクトCyber Normsが公表したレポートによると、15〜25歳のスウェーデン人の10%がオンラインでの監視を無効化するための手段を用いていることが明らかとなった。ランド大学の法社会学博士Måns Svenssonは、スウェーデン人の6〜7%がオンラインで自分のアイデンティティを隠しているのだという。
こうしたいたちごっこ(Cat & Mouse Game)では、猫は自らの利益を守るための法律を獲得するために莫大な金額を、何年間にもわたる努力を費やさなければならない。しかし、ネズミは2,3ドルでそうした脅威を無効化する方法を2,3分程度思案するだけで、猫のお金と努力を灰燼に帰す。
世界中の人々が祝祭の季節を楽しみにしているが、VPNサービス提供業者にとっては毎日がクリスマスのように思えるに違いない。
■ スウェーデン、著作権強化によりトラフィック半減:音楽配信セールスも上昇? :P2Pとかその辺のお話

以前の記事では、施行後確かにトラフィックは大幅に減少している。ただ、この効果は一時的なもので、不安によって海賊行為を一時的に抑制していたとしても、その背景にあった脅威が何となく和らげば再び海賊行為を再開する、ということだろう。脅威によって押さえ込もうとするのであれば、その不安を継続させるための手段を講じ続けなければならない。
Winnyなどの情報漏洩問題も、マスメディアに取り上げられなくなれば、何となくその脅威は去ったものと思われがち、いや、むしろそうした脅威が意識に上ることすらないのかも知れない。アンチパイラシー活動も同様に、何らかの脅威をちらつかせ続けなければ、根本的な解決がなされない限りは、一時的には効果はあっても、何となく再開した人々によって、また元に戻ることになるのだろう。
おそらく、日本のダウンロード違法化も同じ道をたどることだろう。
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