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ジェームズ・キャメロンの『Avatar』、DRMのせいで試写会が台無しに

以下の文章は、TorrentFreakの「DRM Fiasco Ruins James Cameron’s Avatar 3D Preview」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:DRM Fiasco Ruins James Cameron’s Avatar 3D Preview
著者:enigamx
日付:December 17, 2009
ライセンス:CC by-sa

ジェームズ・キャメロン監督による待望のSF長編映画『アバター』が今週公開されることになっているが、一部の幸運な人々は既に映画を観覧している。しかし昨日、ドイツでひらかれた3D試写会に参加した人々はその幸運な人々にはなれなかったようだ。映画にかけられたDRM『保護』システムのエラーにより、そのビデオをデコードできなかったためだ。

タイタニックの監督を務めたジェームズ・キャメロンの『アバター』、今年最も待望された映画である。

資源を求める人類に包囲された衛星を舞台にしたこのサイエンス・フィクションは、14年もの歳月を構想に費やし、さらにキャメロンは彼の夢を映像化するための技術が進歩するまで製作を中断しさえした。

この映画は今週、遂に公開され、待たされた日々が遂に終わりを告げることになっているが、一部の幸運な人々は、既にこの映画の先行試写に参加している。残念なことに、昨日、ドイツの試写会に参加した人たちは、この映画の3Dバージョンを楽しむことはできなかった。テクノロジーは驚愕の3Dエクスペリエンスを提供するどころか、すべてを台無しにしてしまったのである。

報道によると、『アバター』の3Dデジタルバージョンは、指定された映画館に配布されたものの、その暗号化に問題があったことで、劇場での上映ができなかったのだという。

ハードディスク、プロジェクターを制限する複数の証明書やサーバから配信された時間に厳密なキーなどの複雑ナDRMシステムは、映画の壮大さとは程遠いものであった。映画館スタッフは数時間をかけて150GBのデータを解読しようと試みたものの、残念なことに、少なくともその劇場では2Dバージョンを上映することとなった。

またもDRMによる被害である。今回は3Dで。

CineStarグループの事業部長オリバー・フォックは「映画を上映できなかったこと、お客様に不快な思いをさせてしまったことを残念に思います。しかし、公開初日には2Dバージョン、3Dバージョン共に上映できるよう努めて参ります。」とこの大失態についてコメントした。実際、最新の報道によると、この問題は修正され、一般公開までには間に合ったようだ。

もちろん、DRMは劇場での効果を妨害するために施されているわけではないにしても、実際にこうした影響があるという事実は否めないだろう。正直なところ、実質的な抑止力については、あまり期待できるものではないとは思うが、それでも、多少の抑止効果があるのであれば、DRMの存在意義は認めるところもある。

ただ、多少の抑止効果があるのだから、正規の消費者に多少の迷惑をかけてもいいだろう、多少の不便を負わせてもよいだろうという発想に対しては、反対したい。もちろん、『抑止効果を建前にした私的複製の制限』に対しては断固反対するところでもあるが。

いずれにしても、正規ユーザへの制限が過度に厳しいものになってしまえば、消費者の側も反発せざるを得ない。昨年、ゲームメーカーのEAは、人気が期待されたゲーム『Spore』のリリースに際して、あまりに厳しすぎるDRMを課したがゆえに猛反発を受け、ユーザ側からゲームの海賊行為による抗議を受けた。もちろん、そんなことはなくても多数の海賊版が出回るゲームではあったのだろうが、抗議のための違法ダウンロードがそれに上乗せされたことで、尋常ではない回数のダウンロード、という結果に終わった(なお、海賊ユーザによる言い訳という考え方もできるが、通常、海賊版はDRMが解除されたものが出回り、海賊ユーザは淡々とそれをダウンロードしてプレイするというのが一般的。便乗した海賊ユーザがいたことは否めないが、海賊ユーザによる言い訳で結論づけられる出来事ではなかったと思う)。

その後日談としては、EAは今年に入ってから、このDRMによる制限をリセットするためのツールをリリースした。DRMの否定ではないのだろうが、正規ユーザにすら厳格すぎるDRMの緩和の方向には向かったのだと思われる。もちろん、厳格すぎるDRMに対する風当たりが強くなってきたということもその背景にはあるのだろうが。

現在、そのEAのCEOが、海賊ユーザも潜在的な顧客だと考えているとの発言をしている。

「ディスクは盗めても、DLC(ダウンロード提供される追加コンテンツ)は盗めない」ため、ゲーム本体から売り上げが出なくても、追加コンテンツで収益を得られる、というのが同氏の考えだ。同氏は以前にも、「海賊版のプレイヤーや違法ダウンローダーを悪者扱いしなければ、彼らが追加コンテンツを買ってくれる可能性がある」と語っていた。

せかにゅ:海賊版ゲーマーも「お客様候補」とEAのCEO - ITmedia News

その背景には、全くペイしてもらえないよりはマシという割り切りがあるようだが。

元記事のPCWorldでも指摘されているが、確かにそういう側面はあるにしても、ならば正規に購入したユーザに海賊ユーザたちのツケを支払わせるのか?という疑問も生じる。もちろん、EA側もそんなことを是としているわけではないだろう。そうなら、最初から有料版との差をつけたフリー版を用意して提供しているはずである。いろいろと思うところはあるにしても、実利的な方向性を求めた結果が、このスタンスなのだろう。

個人的には、これについてはEAが悪いとも思えない。誰が悪いかと問われたら、そりゃ海賊ユーザだもの。

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Comment

匿名のPeerさん | URL | 2009.12.20 00:17
150GB!?
そっちの方が驚きだわ
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