スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

クリエイティブコモンズミュージックの進展

クリエイティブコモンズライセンスを利用するアーティストと、そのライセンス下でその創作物を利用するユーザの増加により、その運動はますます盛り上がっているよというお話。その中で言及されているMagnetuneのビジネスモデルについて少し考えてみたい。

原典:slyck.com
原題:Creative Commons Music Makes Gains
著者:Drew Wilson
日付:December 28, 2006
URL:http://www.slyck.com/story1369.html

およそ1ヶ月前、英国アーティストを対象として行われた研究で、アーティストは必ずしも著作権法の専門家ではないけれど、彼らが本能的に、CreativeCommonsライセンスにひきつけられるということを示している。これは、少数の英国コンテンツ製作者による断片的な調査結果であるけれども、少なくとも、ある動きが成長していることが示されている。

Magnatuneは、ここ数ヶ月、そのセールスは大きく増加した。総額は明らかにされてはいないけれども、提供された統計結果は、彼らがその2006年のセールスに、新たなピークを迎えたことを示している。全体として、ライセンスの契約は、今年2.5倍に跳ね上がった。

トラフィックに関して、今年(訳注:年明け前の記事なので、2006年のこと)は1ヶ月につき20,000のユニークユーザの訪問があり、昨年(2005年)の月13,000に比べるとおよそ2倍に近いトラフィックの増加が見られた。この3ヶ月にわたって、Magnatunの転送量は1TB(テラバイト)を超えている。

同様のことがjamendoにも起こっている。jamendoは最近、公開しているアルバムの数が2,000を超えた。ここで見られている傾向は、むしろ急激なものである。更に急なこととして、同時に書き込まれるレビューの数である。統計情報は、現在25,000以上のレビューが書き込まれていることを示している。今後、この急激な増加は幾分収まっている思われるが、公開しているアルバム数、そのレビューの数は増加し続けている。

もし、英国の研究が少ないサンプルで行われたものであっても、おそらくそれは今後起こりうることの兆候を示しているだろう。増え続けるクリエイティブコモンズライセンスを利用するアーティストと、これらの許可の下に音楽を聴いている多くのリスナーによって、クリエイティブコモンズ運動が勢いづいているということが考えられる。

参考記事
Magnatune: さほど強欲な会社ではありません -OpentechPress
jamendo:P2Pを利用したフリーな音楽配信

MySpace、Last fm、jamendo、Magnatuneなどなど、自らの創作物を公開しているwebサイトは増加の一途をたどっており、その利用も日増しに増え続けている。

jamendoについては、先日のエントリで紹介したので詳細は割愛するけれど、Magnatuneについて少々。

Magnatuneは非常にユニークなインディペンデント系レコードレーベルで、自らそんなに強欲な会社ではないと名乗っている。というのも、ユーザに対しても、アーティストに対しても、evilではないという自負があるからなのだという。ここ登録されている楽曲はすべてCreativeCommonsのAttribution-NonCommercial-ShareAlikeライセンス下で公開されている。

ユーザに対しては、無料で全曲フルで試聴可能であり、低ビットレート版であればダウンロードすら許している。もし、ユーザがそのアルバムを購入したいと思ったならば、その価格を選択して購入することが出来る。ダウンロードであれば5~18ドルで購入が可能であり、ちょっと欲しい程度であれば5ドル、ものすごくほれ込んだなら18ドルと自分で決めることが出来る。興味深いことに、最低5ドルでの購入が可能にもかかわらず、平均的な購入価格は8-9ドルなのだという。メジャー音楽団体もこれを見て、少しはユーザを信頼して欲しいなぁと思ったりもする。CDでの購入は5ドルほど高くなるようだが、それでも選択は可能なようだ。ただ一部のユーザから不満があがっていることもあって、試聴の際には、楽曲の最後にアーティスト名、アルバム名、アルバムでの曲順、Magnatuneが提供したことをアナウンスする女性の音声が含まれる。個人的には運営のためにはしょうがないと思うし、ラジオ代わりに聴いているのでそれほど気にもならないけれど、コレクションしている人には不満なようだ。

余談ではあるが、久々に訪問してみたものの、どこから試聴用ダウンロードするのかちょっとよくわからなかった。ダウンロード出来なくなったのか、私が見落としているのかはわからないが、とりあえず、インターネット一時フォルダ内にtmpファイルが出来るのでそれを保存してみた。ちゃんとした方法があるのだろうけれど、ちょっとわからなかったので、少なくともそうすれば保存は出来るよということで。

アーティストに対しては、そのアーティストの売上の半分が渡される。簡単にいえば、10ドルで購入してもらったら、5ドルはMagnatune、5ドルはアーティストのものとなるということである。まぁ、報酬のレートが高いというのも魅力だろうけれど、少なくとも機会が与えられるというほうが魅力的なのかもしれない。それでも、報酬が多ければ、バイトする時間も短くすることが出来るだろうし、それはそれで音楽に費やせる時間も増えるということかもしれないしね。あんまり音楽だけで食えてる人も多くはないだろうから。それに加えて、ライセンス契約も行っている・商用で利用することも可能であり、その際はその契約を結ぶことになる。これもなかなか面白い。

確かにサーバーコストは非常にかかるものの、通常のCD販売のみでの運営よりは、はるかに安く済み、販売と販促を兼ねているというのも面白い。このMagnatuneが継続している事実こそ、ユーザは欲しいと思ったものを見つけたら、タダで手に入ったとしても購入する、ということを示しているかもしれない。まぁ、ダウンロードできることで、その機会を失ったかもしれないけれど、このようなサービスを展開することで得た機会もある。その辺のバランスは、今後このようなビジネスの展開が一般的になって、既存のモデルに依存しているサービスとの比較によって評価が可能になるかもしれない。

また、このMagnetune、日本版のサービスも開始を予定しているようだ。まぁ、予定通りにことは進んでいないようだけれども、このようなサービスが日本向けに行われるのも期待したい。

とこのような現状は、CreativeCommonsのを利用したjamendoの人気や、Magnetuneの一定の成功をみると、既存の著作権システム以外の可能性も今後開かれているということを示唆していると思われる。

クリエイティブコモンズの運動が既存の著作権システムへのアンチテーゼとなっている一方で、既存の著作権システムのパラダイムシフトは遅々として進んでいない。パラダイムシフトとまでは行かなくても、現状の状況に見合った変化が必要であるにもかかわらず。

この記事の冒頭にもあるように、英国でアーティストを対象とした調査が行われ、多くのアーティストがCreativeCommonsの概念にひきつけられるということが書かれているけれども、実際に目を通してみると、どうやらアーティストの側は、現状の著作権体制に対しての不満のほうが強いといったところのようだ。

なので、CreativeCommonsに理解があるというよりは、業界団体側によるコントロールではなく、自らの意思でのコントロールが可能であり、かつシンプルなCreativeCommonsを相対的に評価しているといった意味合いが強いと思う。それについては、次のエントリで考えてみたい。

Trackback

Trackback URL
http://peer2peer.blog79.fc2.com/tb.php/164-ba8e9438

Comment

Comment Form
公開設定

プロフィール
heatwave Author
:heatwave

RSS Jamendo twitter tumblr Creative Commons Attribution 2.1 Japan
ブログ内検索
記事リスト
最新の記事
全記事一覧
他所で書いてるブログ

P2Pとかその辺のお話@はてな

アーカイブ

カテゴリー
最近のコメント
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。