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オーストラリアISP、著作権侵害裁判で映画産業に歴史的勝利を収める

以下の文章は、TorrentFreakの「Movie Studios Lose Landmark Case Against Aussie ISP」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Movie Studios Lose Landmark Case Against Aussie ISP
著者:enigmax
日付:February 04, 2010
ライセンス:CC by-sa

オーストラリアのインターネットサービスプロバイダ iiNetは、複数ハリウッドスタジオを相手にした裁判に勝利した。 本日、デニス・ コーディロイ判事は、iiNet加入者がBitTorrentを利用して著作物を共有していたとしても、iiNetはその加入者の著作権侵害に責任を負うことはない、という判断を下した。オーストラリア海賊党はこの判決を歓迎している。

本日、オーストラリア連邦裁判所は、Australian Federation Against Copyright Theft(AFACT)によって起こされた著作権侵害訴訟において、同国ISP iiNetの主張を認める判決を下した。

昨年、 Village Roadshow、Universal Pictures、Warner Bros Entertainment、Paramount Pictures、Sony Pictures Entertainment、Twentieth Century Fox Film Corporation、Disney Enterprises, Inc、Seven Networkなど複数の映画スタジオは、iiNetを相手取って裁判を起こし、同社は加入者がBitTorrentを利用して著作物を共有していることに何ら対策を講じていないと主張した。

iiNetはさまざまな側面からこの主張を論破し、2009年11月に結審した。

本日の判決でコーディロイ判事は、iiNetがネットワークをコントロールすることはできず、ISPは「セーフハーバー」規定によって保護されている、とした。

「iiNetが著作権侵害を是認し、また(iiNetが)発生していた著作権侵害を抑止する権限を有していたとも結論づけることはできない。」とコーディロイ判事は判決にて述べた

裁判当初、AFACTは、iiNetはAFACTメンバー企業に代って著作権侵害警告を加入者に送付すべきだと主張していたが、これについては、著作権侵害への対処方法ではないと判断された。

オーストラリア電子フロンティア協会は、この判決が「コモンセンスを反映した」ものだとし、オーストラリア海賊党もまた、この判決を歓迎した。

「コーディロイ判事は良い判決を下した。これはISPが、司法による判断、適法手続きなしに著作権侵害の申し立てに基づいて個人の回線を切断するなどという著作権者側の要望に応える法的根拠や義務がないことを反映している。」と党幹事長ロドニー・セルコフスキーは語った。

「基本的には、ISPは郵便サービスと同様に考えられなければならない。つまり、ISPは単にパケットという形態でデータを運んでいるだけであり、また、そうした通信はプライベートなものとみなされるべきだ。」と付け加えた。

iiNetは判決後の声明の中で、同社は「これまでテレコム法、著作権法の侵害を含め、法律違反を援助したことも、助長したこともありません」として、同社は「よき企業市民であり、それ以上によき著作権市民でした」と述べた。

iiNetは、これまでの長きにわたる大規模な法廷闘争を終え、エンターテイメント産業と共に、新たなビジネスに取り組みたいと話した。それは違法ファイル共有を抑制するための合法コンテンツサービスを模索することであるという。

AFACTの事務局長ニール・ガーネは、裁判所の判決は極めて遺憾であると話した。

「本日の判決は、オーストラリアの映画産業従事者5万人を困らせることになるでしょう。」と声明の中で述べられている

「しかし、私たちは、この判決が、どのように著作権侵害が生じたのか、ISPがそれらをコントロールする能力などの法廷での解釈が、技術的側面を注視して下されたものと信じております。iiNetネットワークで行われている苛烈な著作権侵害が、対策が講じられず、変化もしないままに置かれるような事態を、政府は良しとしないだろうと確信しております。」と彼は付け加えた。

AFACTはiiNetの莫大な訴訟費用の全てを支払わなければならなくなる。これまでのところ、AFACTはこの判決を控訴するかどうかを明らかにはしていない。

Michael Geist Blogでもこの判決をランドマーク・ディシジョンであるとして、エントリを掲載している。ただ、ここではもう少し突っ込んでいて、この判決はスリーストライクスキームを明確に否定したものであった、としている。そのエントリに沿って、AFACTの主張と判事の判断を以下に記しておく。

1.ISPは料金不払いの加入者の接続を切断している、ならばなぜ著作権侵害に対しても同様のことができないのか?

DtecNetの収集した証拠の質は別にしても、著作権侵害は単純な「イエス」「ノー」の問題ではない。iiNetユーザがBitTorrentシステムを利用して著作権侵害を犯したのか否か、どの程度の頻度で行われているのかを判断するためには、技術的、法的側面から詳細に、それこそ数十ページに及ぶ詳細な精査が必要である。被告は訴訟が提起されるまで、そのような手引きを有してはいなかった。被告はAFACTからの通知の根拠となる証拠がどのように収集されたのかを理解していなかったのは明らかである。被告は著作権侵害を疑うこと、そうした疑いに基づいて接続を切断することを明確に拒否した。一方で、料金の不払いに基づく加入者の接続切断が妥当であるのは、切断に先立ち、加入者が料金を支払っていないという第三者による証拠の提示を必要とはしないためである。

2.オーストラリア著作権法における「セーフハーバー」規定には接続の切断も含まれており、ISPはアクセスを遮断する技術的能力がある。

BitTorrentシステムにおける著作権侵害の性質、『侵害を繰り返すユーザ』という自明ではない概念が認められるためには、著作権侵害の容疑そのものに対しての冗長かつ複雑な審理を経なければならない。これを法廷ではなく、たとえば被告のような当事者が決定されるべき問題だと結論づけるのは非常に問題がある。著作権侵害は単純な問題ではない。個人の特定のような問題は克服不可能ではないかもしれないが、そうした問題は、著作権侵害が生じたのか否か、加入者に対する警告やアカウントの停止、強制解約によって抑止するか否かを最終的に被告が決断できるとする主張に対し、不利に働く。たとえそれが技術的に可能であるとしても、そうしたスキームは被告に多額の負担を強いることになる。これについては、マローン氏の2番目の先制供述書でも述べられているとおりである。もちろん、Kazaa訴訟の被告によって多額の損害を被ったとは主張しうるのだが、しかしそれは同被告が侵害の『手段』を提供したという文脈においてであった。本件被告がそうした(訳注: 手段を提供した)ことはなく、従って、警告の送付や切断スキームの強制による負担、その複雑性を考慮すると、そうしたスキームが抑止のために適切な権限であるとの結論には達しない。

そして、このように結論づけている。ちなみに、P2Pファイル共有ネットワークKazaaの話が出てくるのは、Kazaaの裁判がオーストラリアで行われたから。

AFACTからの通知に基づく加入者アカウントへの警告や強制解約は妥当な手続きではなく、さらに、それが著作権侵害を抑止するための適切な権限を構成しないものと法廷は見なす。被告は著作権侵害のための『手段』を作り出したわけではなかった。それは侵害を引き起こしたBitTorrentシステムの一部を構成するものであった。従って、侵害の抑止を被告の義務として課すことはできない。たとえ被告に義務があったとしても、それが対処のための妥当な手続きであったと判断するには至らない。[…]

加入者アカウントの強制解約が単数または複数の個人による著作権侵害を抑止するための手続きとなりうる(少なくともそのISPにおいては)のは明白であるが、しかし、その個人から[…]非侵害的なインターネットの利用まで奪うことになる。(訳注: Kazaa訴訟において)ウィルコックス判事が、Kazaaのシステムがほぼ著作権侵害の用途で利用されていることを認めつつも、Kazaaの被告にそのシステムの停止を命じようとしなかったことを鑑みるに、不確かかつ散発的な利用状況において、少なくとも法廷によるそれぞれのアカウントの侵害状況を精査することもなく、アカウントを強制解約することは不当であるといえる。アデレード社のヒギンス氏の言葉が適切である。アカウントの強制解約は著作権侵害を抑止するものではあるが、それ以上のことも含意しており、そうした状況においては、妥当であるとは言い難い。従って、警告やアカウントの停止/強制解約は、侵害を抑止するための被告側の適切な権限を構成するものではない。

いつものことではあるけれど、訳にかなり不安があったりするので、誤訳、不適切な表現などなど指摘していただければ幸いです。

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