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ついにACTAインターネット規定のドラフトがリークされる

以下の文章は、Michael Geist Blogの「ACTA Internet Chapter Leaks: Renogotiates WIPO, Sets 3 Strikes as Model」という記事を翻訳したものである。翻訳に当たっては、無名の一知財政策ウォッチャーの独言の「第216回:リークされた模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)のインターネット関連部分」の翻訳を参照、一部転載した。

原典:Michael Geist Blog
原題:ACTA Internet Chapter Leaks: Renogotiates WIPO, Sets 3 Strikes as Model
著者:Michael Geist
日付:February 21, 2010
ライセンス:CC BY

数ヶ月前、ACTAのインターネット規定について記述された欧州連合メモがリークされたが、ついに実際のチャプターそのものがリークされたPC Worldがこれを報じているが、この新たなリークはこれまでの報道を裏付けるもので、欧州連合メモそのままの内容であった。このチャプターは、昨秋、秘密保持協定が求められた部分である。

既にリークされている内容を確認するものであるため、内容そのものにはさして驚きはないが、ノーティス・アンド・テイクダウン、技術的保護手段の回避禁止ルール、ISPの責任制限/スリーストライクの3つに留意する必要があるだろう。

ノーティス・アンド・テイクダウン(Notice-and-Takedown)

ノーティス・アンド・テイクダウン規定では、仲介者(訳註: ISPなど)の責任制限のためのセーフハーバーの必要条件として以下を義務づけている。

オンライン・サービス・プロバイダーが著作権侵害に対する法的に有効な通知を受け、かつ、当該の加入者よりオンライン・サービス・プロバイダーに通知の誤認または誤送であるとの法的に有効な返答がない場合には、迅速にマテリアル(訳註: 侵害コンテンツ)を削除、またはそのアクセスを無効にしなければならない。ただし、オンライン・サービス・プロバイダーがそのシステムまたはネットワークにおいて、転送のためのパイプとしてのみ振る舞う場合には、(II)の規定からは除外される。

これはカナダの法律を変えなければならないことを意味している。先の2度の著作権法改正案(C-60およびC-61)は、ノーティス・アンド・テイクダウンではなく、ノーティス・アンド・ノーティスを求めるものであった。現在、このノーティス・アンド・ノーティスは非公式の取り決めによって実施されているが、その効果についても十分にあったとされている(Entertainment Software Association of Canadaは、今月初旬に開かれた自由党著作権ラウンドテーブルにて、通知を受けた71%の加入者がその後1週間以内に再びコンテンツをアップロードしてはいなかったと報告している)。ACTAは国内法ならびにカナダのビジネス慣習をもねじ曲げることになるだろう。

技術的保護手段の回避禁止(Anti-Circumvention)

技術的保護手段の回避禁止規定はさらに問題がある。これらは事実上、WIPOインターネット条約の再調整であるといえる。提案されたACTA規定では以下のように述べられている。

作者、実演家、レコード製作者によって用いられ、その作品、実演、レコードの不正使用を制限するために有効な技術的手段の回避への適当な法的保護および有効な法的救済措置に関連する 著作権に関する世界知的所有権機関条約第11条 ならびに 実演及びレコードに関する世界知的所有権機関条約第18条の履行に際し、各加盟国は適当な意図的行為のケースにおいて民事的救済措置ならびに刑事罰を盛り込まねばならない。これは以下のものに適用される。

(a) 保護された作品、実演、またはレコードへのアクセスをコントロールする有効な技術的手段の無許諾の回避、ならびに

(b) 有効な技術的手段を回避することを目的として販売、設計、または製造されている、もしくは有効な技術的手段の回避以外に商業的目的を持たない、または使用されない技術、サービス、デバイス、製品、部品またはその一部の製造、輸入、流通

WIPO Copyright Treaty 第11条(技術的保護手段の回避禁止規定)は、加盟国が自国に適当な形でそれぞれに導入できるようあえておおざっぱに定められていた。同条約では、「有効な技術的手段への十分な法的保護と、回避に対する有効な法的救済策」を義務づけるという程度である。つまり、アクセスコントロールも、回避に用いられるデバイスの製造や流通の禁止も求められてはいないということ。実際、アメリカ合衆国でDMCAが議論されていた際、ブルース・リーマン国防次官は、同条約の履行はデバイス規定なしでも実現できると認めている。さらに彼は、DMCAの存在が、他の国々にアメリカの先例に従うよう圧力をかけるために利用されるだろうとも述べていた。

この法律が施行されれば、我々はこれをテンプレートとして使うことができるだろう。通商代表が、商務省が、国務省がこれをテンプレートとして、他国政府との交渉に際して、有効な救済策の提供を求めるこれらの条約の履行のために何をすればよいかをアドバイスすることができる。

つまり、ACTAは1996年ジュネーヴでのポリシー戦争の敗北を覆すためのメカニズムであると言える。たとえACTAが一見それらしい構想を掲げていたとしても、カナダを含む多数の国に米国式のアプローチを採用するよう強制するものとなる。

スリーストライク/段階的レスポンス(Three-Strike/Graduated Response)

このドラフト版のチャプターがリークされたことでようやく、現時点でのACTAにはスリーストライクモデルの導入が義務づけられていないことが判明した。先日、米国通商代表は、義務的なスリーストライク・システムは定められていないと述べていたが、このドラフトでもそれが確認できる。しかし、その厳しい表現は義務的ともとれる。米国の提出したドラフトのチャプターでは、仲介者はネットワークの管理に際してより積極的な役割を負わなければならないとされており、さらにそのモデルとして、スリーストライク・アプローチが例としてあげられている。つまり、条約はスリーストライクを明確に要求するものではないが、責任が制限されるセーフハーバーの資格を得るための推奨モデルとして明示しているのである。仲介者の責任制限のためのセーフハーバーの必要条件の規定にはさらに以下のものが含まれている。

オンライン・サービス・プロバイダが、著作権または関連する権利によって保護された物の不正蔵置または不正転送に対処するためのポリシーを採用し、適切に履行する場合。 ただし、この(a)の責任制限において、いかなる加盟国も、オンライン・サービス・プロバイダーがそのサービスを監視すること、あるいは、侵害行為が生じていることを示す事実を積極的に探すことを条件とすることはできない。

では、ACTAにて推奨されるポリシーとはどういったものだろうか?条約では以下のように記述されている。

そのようなポリシーの例としては、サービス・プロバイダのシステムまたはネットワークにおいて侵害を繰り返す者の契約ならびにアカウントを適切な状況で停止することが挙げられる。

このリークから、米国通商代表のこの問題に対する説明があてにならないことがわかる。彼らは、公式にスリーストライクはないと約束しておきながら、その一方で、推奨されるポリシーのモデルとしてスリーストライクを明確に挙げているのだから。米国での過去の技術的保護手段の回避禁止議論を見ても、初めは大まかな話をしておいて、その後に詳細な要件について話を進めていくというのは明らかで、このスリーストライクの件でも同様の力学が働くことは疑いない。

進行の見通しから察するに、このリークはISP規定が議論されたメキシコでのACTA会合からのものであると推測される。しかし、同会合では技術的保護手段の回避禁止規定については議論されていないことになっている。米国の技術的保護手段の回避禁止規定は、現在のところは、要検討の提案として挙げられているだけなのかもしれない。ニュージーランド政府によると、スリーストライクモデルに代る別の提案があるかもしれない、という。これについては、おそらく4月にニュージーランドで開催される次回会合で議論されることになるだろう。

ACTAのインターネット規定のその他の条文については、無名の一知財政策ウォッチャーの独言の兎園さんが翻訳されているので、是非。

第216回:リークされた模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)のインターネット関連部分: 無名の一知財政策ウォッチャーの独言

しかし、相変わらずリークによっておぼろげに概要がわかるというのも酷い話だ。

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