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カナダ知財弁護士、TorrentFreakは民主主義を悪用していると批判

以下の文章は、TorrentFreakの「Lawyer Claims TorrentFreak Abused Canadian Democracy」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Lawyer Claims TorrentFreak Abused Canadian Democracy
著者:Ernesto
日付:April 20, 2010
ライセンス:CC by-sa

昨年夏、TorrentFreakはカナダの読者に、同国の著作権法改正に関する市民聴聞(public consultation: 公共審議会?)に、彼らの声を届けるよう促した。この行動への呼びかけの反響はすさまじかったようだ。著作権弁護士が、我々TorrentFreakがカナダ民主主義を「組織的に悪用した」といちゃもんをつけてくるくらいにね。

民主主義はかけがえのないものだ。だからこそ、カナダ政府が著作権法改正に当たって市民の声を求めたとき、我々は読者に向けてメッセージを送ることにした。その際、インターネットを著作権ロビイストによってコントロールされてはならないと考える、我々なりの理由を強調した。

我々は著作権侵害に賛同してはいない。しかし、エンターテイメント業界の大手企業の利益が、個々のインターネット・ユーザの権利に優先するという状況は避けねばならぬと考える。世界中の多くの国と同様、カナダには既に十分な著作権法がある。

著作権によって生計を立てている中小企業、個人は、数多くのツールによってその生活を保護されている。しかし、たとえインターネットを完全な監視下に置くプライバシー侵害的措置が講じられたとしても、彼らに利益がもたらされることはない。こうした措置は、著作権から搾取するビジネスモデルを営んできた大手の金持ち企業を利するのみである。

もちろん、著作権法制に対する我々の考えに万人が賛同してくれるとは思ってはいない。しかしそれは、我々の考えに賛同する人々にその声を届けようと促す権利を持たないということではない。それこそが、民主主義というものではないのか?知財弁護士のリチャード・オーエンズによると、そうではないらしい。

「協議の場は、MODチップメーカーの秘密結社、海外ウェブサイトの管理人、主にCCERや『TorrentFreak』に扇動された世界中のBitTorrentユーザによって、組織的に蹂躙された」と彼は長ったらしく書き連ねている。なお、彼の言うところの『MODチップメーカーの秘密結社』は、実際には、Canadian Coalition for Electronic Rightsであり、同団体はMODチップとは何の関係もない

オーエンズの主張に、強いバイアスがかかっていることは明らかである。まぁ、彼が著作権者に雇われ、著作権ロビー団体と強い結びつきを持っていることを考えれば、当然と言えば当然ではある。ただ、彼の他の主張についても目を向けておくことにしよう。

「TorrentFreakや『MOD狂い』の大衆にとって、カナダのような海賊ヘイブンは非常に都合の良い存在なのです。」とオーエンズは言う。さらに「不名誉かつ違法な国際取引のためにカナダを利用しようとする連中の意見を、カナダの著作権政策に反映させてよいものなのでしょうか?」と。

この弁護士は、TorrentFreakやCCERに対する自身のネガティブな特徴付けに凝り固まっているようだ。我々は、「カナダを利用」しようなどという意図はみじんもなかったし、単に民主主義の上に与えられた権利を行使するよう読者に促しただけである。それが犯罪だとでも?

「海外の海賊コピー供給者たちと繋がる日陰者の組織によって、我々カナダ人の市民聴聞の場を悪用させてはなりません。カナダ公共政策をカナダ人を害するよう仕向ける非カナダ人のインセンティブは、無視するにはあまりにも大きすぎるのです。」とオーエンズはこれでもかとばかりに自説を唱えている。

この最後のコメントは実に興味深い。この著作権弁護士は、我々のような外国人がカナダ人の利益を害する陰謀を企てるために、意図して協議を悪用しようとしたと考えているようである。TorrentFreak読者の割合としてカナダ人が第2位を占め、オタワ大学のInternet and E-commerce LawのCanada Research Chairを勤めるマイケル・ガイスト教授もTorrentFreakに寄稿してくれているのだが、それでも無視しろと彼は主張する。

TorrentFreakに対する「海賊コピーの供給者」と繋がっているというレッテル貼り、CCERへの悪評以外にも、我々の関与が、非カナダ人の政策参加を促し、意見を送った回答者のデモグラフィック(人口統計)が、カナダ人のそれを代表しないとオーエンズはわめく。この批判はある程度は有効であるが、手続き的なものであり、提出された意見の内容とは独立したものである。

さらに彼は、人口統計上の問題としてTorrentFreakの読者の大半がティーンエイジャーであると主張している。しかしそれは間違いである。TorrentFreak読者のうちティーンエイジャーの割合は、実はインターネット利用者平均よりも低く、(Quantcastによれば)35歳から49歳の割合が最も多い。もっと言えば、民主選挙ですら、投票者の割合が市民を正確に代表していないのだが、そのことはオーエンズの頭にはないようだ。

オーエンズが、聴聞に関する我々の記事が「デジタル・アナーキーを維持し、無料のコンテンツの流通を継続させる」ことを目的としていたと主張していることからも、彼の問題意識が露呈している。おそらく彼は、市民聴聞の結果が、彼の個人的な意見と一致していたとしたら、このような批判はしていないだろう。

こうした暴言が、彼のお仲間の著作権ロビー団体の依頼によって書かれたものであったとしても、さして驚きはない。こうした著作権搾取団体は、市民全てに声を上げられることを嫌っていることは明白だ。

Update:CCERマイケル・ガイストも同様に、これに反論している。

ちなみに、TorrentFreakはオランダ人Ernestoが主幹を勤めるウェブサイト。なので、カナダ人からしてみれば外国人ということ。とはいえ、P2Pファイル共有系のニュースサイトとしては古参のSlyckやp2pnet.netは、カナダのサイトだったりもするんだけどね。Zeropaidはどうだったっけ?

この弁護士の意見を見るに、ある種の意見を唱える者に難癖つけて、そうした人たち(というよりその意見自体)を民主的プロセスから排除せよ、という方が、よっぽど民主主義を愚弄していると思うけどね。

たとえば、海賊党の主張はすごく極端で、全てにおいて支持できるわけではないし、仮にそれが実現しそうになれば私は反対するだろうけど(保護期間5年はさすがに短い)、でも彼らの意見も守られなければならない。言論の自由や思想の自由が守られ、それが政治的活動においても尊重されることが民主主義を守ることだと思っている。個々人はどのような意見を持ってもよく、それを実現する(または棄却する)プロセスが開かれていることこそ、民主主義の維持に欠くことのできない環境である。

とはいえ、こんな馬鹿げたことをいう人は、親著作権ロビイストの中にもほとんどいないので、みんながみんなそうとは思わない方がいいだろね。日本で言えば、三田誠広氏のような人材は実に貴重である、みたいな。あ、うどん職人の松本零士先生もいらっしゃいましたか。

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