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欧州議会:児童ポルノを口実にした全インターネット検索の監視の動き

以下の文章は、スウェーデン海賊党欧州議会議員Christian Engströmの「Written declaration 29, for data retention of Internet searches」という記事を翻訳したものである。

原典:Christian Engström, Pirate MEP
原題:Written declaration 29, for data retention of Internet searches
著者:Christian Engström
日付:May 31, 2010
ライセンス:知らん

今、全ての欧州議会議員が、データ保全指令を検索エンジンにも拡張することを求める「宣言書(Written Declatatoin)( 訳註: 「児童ポルノ廃絶に向けた早期警戒システム」に関する宣言 )」 に署名することができます。 これは、私たち市民一人一人がネット上で見た情報すべてを常に記録し続けることを強制するというものです。 この監視拡大の議論は、例によって児童ポルノとの戦いであるとされています。

私たちのインターネット検索の情報を収集するという提案は、「宣言書 29」という名前で知られています。この宣言を支持する人たちは、smile29.euというキャンペーンサイトを作っています。

どうしてこんなセンスのないアドレスにしたのか理解に苦しみます。議論する内容が性的児童虐待であれ、広範な市民監視の導入であれ、そこにスマイルなどあるはずもないと思うのですが。ちょっと横道にそれてしまいましたね。

宣言書 29の主な要求は以下のようなものです。

2. 欧州委員会ならびに欧州連合理事会に対し、オンライン上の児童ポルノならび性犯罪に迅速かつ効果的に対処するために、Directive 2006/24/ECの施行し、それを検索エンジンに拡張することを求める

(強調は筆者による)

Directive 2006/24/ECをご存じならば、その忌まわしきデータ保全指令についてもよくご存じでしょう。

データ保全指令によれば(現在のところ、その施行段階は加盟国ごとに異なっています)、インターネットサービスプロバイダおよびモバイルネットワーク事業者は、私たちが誰と接触したか、どこにいるかというデータを収集し、保全しなければならないとされています。宣言書 29では、Googleその他の検索エンジンにおいても、私たちが何を検索したのかを収集、保全し、警察機関からの要請に対してそのデータを提出しなければなりません。

XorbotSultanSatmaranGöran Widhamらスウェーデン人ブロガーが、この宣言書 29を警戒しています。

私も彼らの批判に賛成しています。この提案は監視社会をさらに強化するものだからです。

では現在、何が起こっているのでしょうか。

欧州議会に問題に対する見解を表明させるための手段は多々ありますが、宣言書もその1つです。こうした宣言書というのは、欧州議会の通常のワークフローからはやや外れたところにあります。これらは、個々の欧州議会議員のグループが、現在あまり政治的アジェンダにはなっていない問題のイニシアチブをとるため、しばしば討議を開始するための手段として利用されています。

たとえば、宣言書 30は食品へのトランス脂肪酸の使用制限を求めていますし、宣言書 34 は5月22日を欧州肥満予防デーにしようとしています。

宣言書の筆者は最初に、欧州議会としてどのような意見を表明しなければならないか、ということを書きます。長くとも200語程度で納め、事例、リファレンスを冒頭に記し、それに続いて欧州議会として表明すべき意見、アクションの目的などのパラグラフが続きます。

宣言書 29を書いたのは、イタリア選出のTiziano Motti議員とスロバキア選出のAnna Záborskáです。 キリスト教民主主義会派EPP(欧州人民党グループ)のメンバーで、欧州議会での最大会派になっています。

宣言書が提出されると、ナンバーが割り振られ、EUのすべての公用語に翻訳されます。その後3ヶ月間、欧州議会議員に公開され、それを支持する場合には署名することが出来ます。

宣言書が期限内に多数の議員の署名を集めることが出来れば、採択されることになります。その後は、宣言書に書かれたものが、欧州議会の問題に対する見解となります。もし、期限内に十分な署名を集めることが出来なければ、宣言書は不採用となり、それでおしまいです。

現在、欧州議会には736名の議員がいますので、宣言書が通過するには369名文の署名が必要になります。

宣言書の概要のページではそれぞれの宣言書がどのくらい署名を集めているのかを知ることが出来ます。現在のところ、宣言書 29は324名の署名を集めています。

採択に向けて、既に危惧すべき数の署名が集まっているのです。

宣言書が採択されたとしても、宣言書そのものは法的効力を持つものではありません。ある特定の問題について欧州議会はこんなふうに、または、あんなふうに考えるというだけのもので、欧州委員会にその問題に対処ためにこんなふうな、あんなふうなイニシアチブをとるよう促すものです。そうしたイニシアチブをとるか、それとも無視するかは委員会次第というところです。

しかし、たとえ採択された宣言書が直接的には法的効力を持たないとしても、委員会に対する強力なシグナルとなります。ある種の対処が望ましいと思っている人が委員会内部にいれば、委員会に対しそうするよう求めるために宣言書を持ち出します。委員会を動かすためは有効な手段と言えるでしょう。

インターネット検索データの保全を求める宣言書 29が採択されることになれば、おそらくこれはスウェーデンの委員Cecilia Malmströmのもとに届けられるでしょう。彼女は「Fredom, Security, and Justice」部門の責任者であり、彼女自身も最近、児童ポルノを口実にしてインターネット検閲の導入を提案しています。

この宣言書が採択されれば、Malmström氏はさらに激情を煽るでしょう。そして彼女は議会に対しインターネット検索のデータ保全の導入を求めるよう促すことができます。児童ポルノの御旗の下で、自由かつオープンなインターネットへの撲滅運動(crusade)を続けるのでしょう。

この話題については、スラッシュドットでも取り上げられているので、そちらもどうぞ。

EU、全インターネット検索の監視を実施 ? - スラッシュドット・ジャパン 

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