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米国: 著作権訴訟ビジネスを行う弁護士事務所、半年足らずで1万4千人を訴える

以下の文章は、TorrentFreakの「Hurt Locker Makers Sue 5000 BitTorrent Users」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:Hurt Locker Makers Sue 5000 BitTorrent Users
著者:Ernesto
日付:May 29, 2010
ライセンス:CC by-sa

先週、オスカーを獲得した映画『ハートロッカー』の製作会社は、米国の数万のBitTorrentユーザを提訴する意向であることを明らかにした。古典的な『支払え、さもなくば』戦略の下、まず5,000人の犠牲者たちが裁判所に正式に提出された。ISPがこれに協力すれば、これらのダウンローダーたちのメールボックスには、もうじき和解を要請するメールが届くことになるだろう。

ハートロッカーの製作会社は、彼らが言うところの損失を取り戻すため、濡れ手に粟の『支払え、さもなくば』スキームをとるU.S. Copyright Groupと手を組んだ。このスキームの目的は、出来るだけ多くの著作権侵害ユーザを特定し、法廷に呼びつけるぞと脅すことにある。もちろん、それよりも安く済む和解プランも用意してある。

このスキームの第一弾として、現在5000人の「被告不詳」のBitTorrentユーザがコロンビア特別区連邦地裁に提出された。法廷がこれを認めれば、著作権侵害を疑われたユーザのISPは、IPアドレスと紐付いたユーザの個人情報を提出するよう命じられる。

その後、特定された侵害ユーザは、親切にも和解を進められるか、更なる法的措置に直面することになる。英国では、こうしたスキームはその脅迫的な戦略、決め手となる証拠の欠如により、市民や消費者団体、政治家から強い批判を受けている。

米国でも、このケースは注目を集め、公式に提訴されるより前から、多数報道されている。U.S. Copyright Groupは75%のISPが協力的であるとしているが、大手ISPの多くはこれを懐疑的に見ている。Time Warnerは正式にU.S. Copyright Groupの要求を拒否している

それに対しU.S. Copyright Groupは、ユーザの情報開示を拒むことで著作権侵害を誘発しているとしてTime Warnerを訴えている。U.S. Copyright Groupは、Time Warnerの協力拒否はプライバシーを心配する消費者の支持を得るための、派手な宣伝活動であると主張している。

その反面、U.S. Copyright Groupは、自らの意図についてはオープンにしているとは言い難い。彼らは支払わなかったユーザを訴えるつもりであるというが、現実問題、これほどの規模で訴訟を維持することは不可能である。彼らの狙いは、出来るだけ多くの人が金を支払うよう怖がらせることにあり、一切の法的措置は体裁を整えるためだけにごく少数のユーザを相手取る程度になるだろう。

このメロドラマの真の勝者は、U.S. Copyright Groupということになるのだろう。以前にもお伝えしたが、この『支払え、さもなくば』スキームは権利者を儲けさせるだけではない。彼らは和解金の30%程度を得るのみだ。残りの70%はU.S. Copyright Groupとそのパートナーであるアンチパイラシー企業の懐に入る。

毎度あり!

もし、あなたが和解要請を受け取ったなら、我々に連絡して欲しい。その詳細を知ることができれば、この後も乱発されるであろう訴訟の脅威への対処をアシストすることができるかもしれない。

スラッシュドットでもこの話題を取り上げていて、そのコメントにてU.S. Copyrights Groupの活動に関するArs Technicaの記事の要点がまとめられている。

どうもこれは法律事務所のグループが新しいビジネスとして始めたらしい [arstechnica.com]です。

そのビジネスモデルは、

1. 独立系映画制作者を見つけて、個人を訴える訴訟を無料で起こしてあげると持ちかける。
2. 訴訟は被告不詳で起こし、IPアドレスから個人を明かすことを強制する召喚状をISPに送る。
3. 各個人に$1,500から$2,500で訴訟を取り下げてやるという手紙を送る。
4. ウェブサイトからクレジットカードで金を払えるようにする。
5. 利益を映画制作者と法律事務所で山分けする。

コメント: 映画「ハート・ロッカー」の製作会社、違法ファイルシェアリングした 5000 人を訴える - スラッシュドット・ジャパン

これをU.S. Copyright Groupがやっている、と。このArsの記事「The RIAA? Amateurs. Here's how you sue 14,000+ P2P users(RIAAなんてアマチュア、1万4千人以上のP2Pユーザを訴えるよ)」は実に興味深くて、かつてP2Pファイル共有ユーザの大量訴訟戦略を取ったRIAAとの比較という形でU.S. Copyright Groupの最近の活動を紹介している。

彼らは今年1月からこの手の活動を開始し、半年足らずで既に1万4千件を突破しているという。なお、RIAAが2003年から2008年までの6年間に訴えた件数が1万8千件くらいだといわれている。わずか5ヶ月で、RIAAの6年間に追いつくところまできている、と。

The RIAA? Amateurs. Here's how you sue 14,000+ P2P users

Ars Technicaの記事にあるこのグラフを見れば一目瞭然かな。2010年の件数はU.S. Copyright Groupによるもののみだという。米国でもRIAAの和解戦略を実行する弁護士事務所が出てきてしまった、というところだろう。なお、RIAAは2008年に、この手の個人をターゲットにした大規模訴訟戦略を停止するとアナウンスし、その後は政治家へのロビー活動にいそしんでいる。

また、英国では、Davenport Lyonsや最近では ACS: Lawといった弁護士事務所がこうした脅迫的なスキームで和解金をせしめている。場合によっては、最初から訴えることだけを目的に、権利者とのライセンス契約を行うこともあるという。

餌に食いついた海賊ユーザを釣って脅して儲けるビジネス :P2Pとかその辺のお話

こうしたやり方に対しては、Digital Economy Billの第二読会にてルーカス卿は、

「ポルノはインターネット上で広く流通しており、違法ダウンローダーたちに未払い金の支払いを熱心に請求している産業の1つとなっています。Digital Economy Billの起草を慎重にやらなければ、我々はポルノ企業やその弁護士たちに、市民を差し出すことになってしまうでしょう。」

「第二に、著作権者はこれから導入されるメカニズムを通じて権利を行使するよう義務づけられるべきでしょう。ピア・ツー・ピアファイル共有に対処する新た なメカニズムがあり、その一方で現在ポルノ産業が行っているように、直接弁護士を雇って市民を苦しめることもできる、ということは許容できるものではあり ません。高潔な上院議員の皆様におかれましてはおそらく目を通すであろうとは思われますが、Which?の概要説明を読めば、これが重大な問題であること がおわかりになるでしょう。私たちは、この法案において、こうしたやり方を排除しなければなりません。」

英国上院議員、著作権者の行きすぎた賠償請求を懸念 :P2Pとかその辺のお話

と批判している。まぁ、ポルノ産業だけじゃないんだけど。さらに クレメント-ジョーンズ卿も援護射撃。

「最近、(訳注:ポルノ産業の)弁護士からの警告状が激増していますが、ルーカス卿が指摘されたように、ポルノ産業は、無辜の市民に対して著作権クレームを申し立て、訴訟によって脅迫することもしばしばです。」

英国上院議員、著作権者の行きすぎた賠償請求を懸念 :P2Pとかその辺のお話

まぁ、権利者が権利を行使すること自体は何ら問題はないのだが、著作権がそもそもの目的から離れて訴訟ビジネスに利用されることが社会にとって望ましいことなのか、という点から考えると…。望ましいとは思えんよね。

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