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EFF、JailbreakやSIMロック解除の合法化を勝ち取る

以下の文章は、EFFの「EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers」という記事を翻訳したものである。

原典:Electronic Frontier Foundation
原題:EFF Wins New Legal Protections for Video Artists, Cell Phone Jailbreakers, and Unlockers
日付:July 26, 2010
ライセンス:CC BY

電子フロンティア財団(EFF)は本日、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)における技術的保護手段の回避禁止規定について3つの重要な適用除外を勝ち取った。これにより、自身の携帯電話を改造する消費者、ビデオをリミックスするアーティスト、そして今まで著作権侵害ではないフェアユースにも関わらず訴訟の脅威にあった人々への法的保護を拡大した。

「米国議会図書館著作権局は、EFFからのすべての申請を認めることで、DMCAの弊害を緩和する3つの重要なステップを踏み出しました。」とEFFの自由人権担当ディレクタージェニファー・グラニックは言う。「この法の広すぎる適用範囲から、ジェイルブレイカー、(訳註: SIM)アンロッカー、ヴィッター(訳註: リミックスビデオや批評ビデオの作者)を守れたことを、本当に喜ばしく思います。」

DMCAは、合法で非侵害的な著作物の使用を妨げることのないよう、3年おきに適用範囲について見直すよう定められている。DMCAは、著作物のアクセスコントロールために用いられるデジタルライツ管理(DRM)や「その他の技術的保護手段」の「回避」を禁じている。依然としてDMCAは競争や言論の自由、フェアユースを妨げるものではあるが、本日の適用除外認定は、DMCAの広範囲にわたる制限からの消費者・アーティストの保護に向かう新たな一歩となる。

EFFの第一の要求は、携帯電話の「ジェイルブレイク」-メーカー未承認アプリケーションを動作させるためにiPhoneやその他の携帯電話を開放するソフトウェアの改造-の合法性を明らかにすることであった。百万人超のiPhoneユーザが、無線プロバイダを変えるために、またAppleのiTunes 『App Store』以外のアプリケーションを使用するために「ジェイルブレイク」していると言われており、潜在的なジェイルブレイカーはさらに多い。しかし、これまでDMCAは消費者やオルタナティブなアプリケーションストアを脅かしてきた。

EFFのジェイルブレイク除外申請が受け入れられたのは、著作権局がApple側の主張を却下したためである。Appleは、iPhoneへの未承認のプログラムのインストールは著作権法で禁じられていると主張していたが、著作権局は「ジェイルブレイクが、そのスマートフォンのオペレーティングシステムを相互運用的なものとするために、スマートフォンまたはオペレーティングシステムのメーカー未承認の独自に開発されたアプリケーションを用いて行われた場合、その改造は紛れもなく相互運用の目的で行われたものであり、フェアユースである。」とした。

「著作権法では、これまで長らくプログラムの相互運用化はフェアユースであると考えられてきました。」とEFFの上級スタッフ弁護士コリンヌ・マクシェリーは言う。「著作権局がこうした権利を認め、技術的保護手段の回避禁止規定が相互運用性に干渉してはならないと認めたことを、実に喜ばしく思っています。」

さらにEFFは、近年YouTubeなどのインターネットサイトで活躍するビデオリミックス・アーティストのための画期的な保護を勝ち取った。この新たなルールでは、アマチュア・クリエイターが批評やコメントのための非営利の作品にDVDの一部を使用し(訳註: フェアユースと考えられる使用)、その目的を果たすために技術的保護手段の回避が必要であると考えられる場合には、DMCAの回避禁止規定から除外されることになる。ハリウッドはこれまで、どのような目的であれDVDの「リッピング」はDMCA違反であるとしてきた。

「非営利ビデオは、オンラインのアートの在り方として強力なものです。たくさん人が人気映画からショートクリップを抜き出して使用しています。たとえ作品が明確にフェアユースであったとしても、その製作過程でDMCA違反かもしれないという懸念があったかもしれませんが、もはやその心配は無用となりました。この恩恵はすべての人にもたらされます。作品を作るアーティストに、そして、彼らの作品を楽しむ私たちに。」とマクシェリーは言う。

著作権局はSIMロックの解除に関してもEFFの申請を受け入れ、2006年の除外ルールを改訂、他のテレコム・キャリアでも使用できるようにした。これまでSIMロックの解除は著作権侵害とは何ら関わりがないにもかかわらず、DMCA下では訴訟の危機に晒され、携帯電話にかけられたデジタルロックゆえに、携帯電話の中古販売、再使用、リサイクルは非常に困難であった。EFFはWireless Alliance、ReCellular、Flipswapらクライアントを代表し、このルールの改訂を求めてきたが、2009年の除外ルールでは中古の携帯電話にのみ適用されるよう改定されたに留まり、新規の携帯電話には適用されなかった。

「著作権局は、SIMロックが著作権保護よりも、消費者とキャリア自身のネットワークとを紐づけることを目的としていると認識しています。著作権局は、DMCAがキャリア変更の際、携帯電話を持ち続けることを妨げる障害として用いられてはならないというEFFの主張に同意しています。また、DMCAが携帯電話の中古販売に干渉してはならないという点も同様です。」

EFFからの3つの申請を簡単にまとめると

  • ジェイルブレイクの合法化
  • SIMロック解除の合法化
  • フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化

ジェイルブレイクの合法化に関しては、Apple側から遠回しな反論が出されているようだ。

「アップルが常に目指しているのは、アイフォーンの利用者が最高の使い心地を得られるようにすることだ。ジェイルブレイクは、(アイフォーンの)使い心地を極めて悪くする可能性があるだけでなく、保証契約に違反する可能性もあり、アイフォーンの安定性と信頼性を損なう可能性がある」

米著作権局、アップル端末での非公認アプリの利用を合法化 / WSJ.com日本版

iPhoneユーザはAppleの所有物ではないですよ。

最高の使い心地の提供を目指すのは勝手だが、「使い心地を極めて悪くする可能性」はAppleにもあって、現にJailBreakしている人たちはAppleがそうしていると感じているのではないのだろうか。保証が極めて受けにくくなるのは仕方ないにしても、iPhoneの安定性や信頼性が損なわれて困るのはAppleのビジネス上の都合なので、そのために消費者の自由を束縛してよし、というわけでもない。

もちろん、この辺は建前でしかなくて、著作権局にも見透かされるどころか、言及されるくらい。

「著作権法には、自社の制限的なビジネス・モデルを擁護しようとする米Apple社を支持する根拠はない」

『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

Appleが重視しているのはiTunesによる囲い込みなんだろう。ハードウェアの支配力を利用した、ソフトウェア競争の阻害とも言える。そんなものを著作権法で保護する道理はない、と。

SIMロック解除の合法化に関しては、こちらもハードウェアでサービスを縛り付ける類のものなので、喜ばしい限り。著作権法で保護する道理のなさ加減はこちらの方が上かもしれない。

フェアユース(教育や批評目的)およびドキュメンタリー製作でのDVDリッピングの合法化については、当たり前のかたちに近づいてきたなという印象。他者の映像を勝手に使用したとしても、それが米著作権法にて認められているフェアユースの範囲内であれば、合法的な使用とされるのだが、ハリウッドなんかは、その映像を抜き出すためにDVDに施された技術的保護手段を回避する行為が違法行為である、と言っていると。「フェアユースって言ってっけど、そのDVD、コピー/アクセスコントロールかけてますからー!フェアユース無理!残念!」と悪意を混ぜればこんな表現になる。

そりゃあ馬鹿げてるよって話にはなるよね。ただ、現時点でも私的複製に関しては、私的利用のみを目的としていても見直しの対象外となっている。「かならずディスクから再生してください」ってこのご時世それはナシだろうと思うのだが。まぁ、事実上は解禁されているようなものか…。

米国ではないが、以前デンマークのある男性が、DVDを違法リップしてやった訴えてみろと、権利者団体に挑戦状を叩きつけたなんてこともあったが、権利者団体側は、正規購入品のコピーなら訴えるつもりはないよ、と回答している。まぁ、当たり前の反応だけど(双方)お疲れ様です、という感じなのだが、それでも違法なままというのはあまり気持ちは良くないよね。

EFF以外からの申請で認定されたものについては以下の通り。

  • ビデオゲームのデジタル著作権管理(DRM)機能をクラックして、セキュリティ上の欠陥を調べられるようにすること
  • 電子書籍の音声読み上げ機能が妨げられている場合、視覚障害者がこれをロック解除して使えるようにすること
  • 「プロテクト・ドングル」によって保護されているソフトウェアについては、そのドングルが壊れた、あるいは取り替えできなくなった場合に、ドングル機能を無効にできるようにすること
『iPhone』ロック解除等が合法に:米当局判断 | WIRED VISION

今回の認定範囲の見直しについては、社会情勢・環境の変化に呼応した部分もある一方で、このような申請を根気強く行う市民団体の意義も強く感じさせる。EFFは以前から3年ごとのDMCA見直しに絡んで申請を出し続けており、今回の著作権局の決定もその成果であるといえる。

■ EFF:DMCAの適用免除が必要な方はいますか? :P2Pとかその辺のお話 (2008年10月の記事)

日本だとMIAUに期待しているが、 市民団体のパワーの源泉は市民にこそある。まぁ、支えていきましょうよ。最近では、4月時点での模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)条文案の日本語訳を公開している。実に素晴らしい仕事だ。

ACTAでも「技術的保護手段の回避」を禁ずる条項が存在しており、米国はACTAにてDMCAの輸出を試みていることからも、その米国にてこのような判断が下されたことは実に興味深い。また、マジコン対策に絡んで、日本でもアクセスコントロール回避規制が検討されており、日本も他人事とは言っていられない。これについてはいずれ何か書きたい。

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