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激化する「リンクサイト vs. 映画産業」の戦い

以下の文章は、TorrentFreakの「The War Against Movie and TV Show Linking Websites」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:The War Against Movie and TV Show Linking Websites
著者:enigmax
日付:September 10, 2010
ライセンス:CC by-sa

2010年6月、米国政府の『Operation in Our Sites』により、映画やテレビ番組にリンクする複数の人気ウェブサイトがドメイン名を失った。しかし、リンクサイトとの戦いは、今に始まったことではない。これまでも、リンクサイトのオーナーたちは、訴訟を起こされたり、多額の賠償金を命じられたりして、メインストリームから姿を消してきた。

6月末、米国移民税関捜査局と司法省は、インターネットパイラシーおよび偽造取締の一環として、劇場公開中の映画をリンクしたとされる9つのポータルサイトに対する措置を講じた。これにより、7つのサイト―TVShack.net, Movies-Links.TV, FilesPump.com, Now-Movies.com, PlanetMoviez.com, ThePirateCity.org, ZML.com―がドメインを差し押さえられた。また人気のウェブサイトNinjaVideoに対しても強制捜査が行われた。

しかしこれは、映画産業やそのエージェントによるリンクサイトへの対処のごく最近の一例に過ぎない。これまでも、リンクサイトに対しては相当数の措置が講じられてきた。米国市民などによって運営されていた複数の大手リンクサイトが、ここのところ訴えられている。

ここでは、そうした訴訟や、運営者に対して命じられた多額の賠償金について見ていくことにしよう。以下のサマリーは現時点でのもので、更なるケースが追加されることもありうる。ただし、以下のケースは全て『争われたものではなく』、法の判断は未だなされていない。

Paramount Pictures / Universal Studios v Omegatube.com / Atomicmovies.com

これら2つのサイトは、2008年12月に訴えられた。スタジオは裁判の末にオーナーの個人情報を入手し、彼らがカナダ人であることが判明した。しかし、スタジオは、フィリップ・ブルーノおよび9190-3864 Quebec Inc.の連絡先を入手することはできなかった。3人目の被告であるミショーの連絡先は入手できたものの、スタジオが送付した文書および電子メールへの返答はなかった。ミショーが裁判に応じなかったため、欠席裁判により敗訴。しかし、結局のところ、スタジオは全ての被告に対する訴えを取り下げた。理由は、オーナーらが米国市民ではなかったためだ。

Warner Bros. / Paramount Pictures v Movies-On-Demand.TV ( Began 2008)

Movies-On-Demand.TVのオーナー サルマン・ハクはスタジオとの交渉に応じた。結果、彼は著作権侵害の幇助を認め、210万ドルの支払いに同意した。裁判は2010年1月に終了した。

Warner Bros. / Paramount Pictures v Watch-movies-online.tv (Began 2008)

『ウラジミール・クラムスコイ』は欠席裁判で敗訴。ただし、彼の個人情報をつきとめることはできなかった。ロシア在住だとされている。スタジオは何もせず、裁判は2010年に終わった。

Universal City Studios v VideoHybrid.com (Began 2007)

被告は、リンクサイト(www.videohybrid.com)での、識別、組織化、インデックスにより、著作権侵害の幇助および誘因に関わったとされた。被告に対し、1,075,000ドルの損害賠償が命じられた。

Disney v FOMDB.com (Began 2008)

被告に対し、300,000ドルの損害賠償が命じられた。

Universal City Studios Productions LLLP et al v. YouTVpc.com et al (Began 2007)

2人の被告ビリー・デュランとサム・マルチネスは、抗弁することなく敗訴した。彼らは875,000ドルの法定損害賠償、21,100ドルの弁護士費用、6,017.17ドルの原告費用を支払うよう命じられた。

Warner Bros. Entertainment Inc. et al v. Nabolister.com et al

Warner Bros. Entertainment Inc.およびDisney Enterprises, Inc.が2010年2月22日に提出した訴訟取り下げ通告に基づき、訴訟は取り下げられた。カナダ人のオーナーは後のサイトを閉鎖した。

Warner Bros. Entertainment Inc. et al v. Peekvid.com et al

MPAAは私立探偵を雇い、その人物が裁判にて証言した。被告のフランク・メドースは弁護士を立てず、抗弁を行うこともなかった。欠席判決によりPeerkvidは敗訴、フランク・メドースに対し2,500,000ドルの損害賠償命令。

Disney Enterprises, Inc. et al v. 66Stage.com et al

『同意判決』により、被告に500,000ドルの損害賠償命令。これは両者が審理を行わず和解したことを意味する。

ディスカッション

上記全ての訴訟では、ある問題の違法性についての判断が求められた。いずれの訴訟においても、サイトのオーナーがテレビ番組ないし映画へのリンクを提供したことによる「著作権侵害の幇助」が主張された。

まず始めに、スタジオはサイトのオーナーの個人情報の開示を裁判所に求める。これは60-90日以上かけることはできない。オーナーの特定および提訴ができなかった場合、訴訟は棄却されることになる。オーナーが特定された場合、裁判の被告となる。

上記のケースの中で、スタジオが勝訴したものは、いずれもサイトオーナーが米国市民で、米国内で運営されていた。カナダ人オーナーのウェブサイトに対する訴訟は、スタジオにより取り下げられている。

またいずれのケースも、欠席裁判によって敗訴していたり、または訴訟を回避するための和解を選択している。これはつまり、法的問題が未だ未解決であることを意味している。

著作権侵害コンテンツにリンクすることは、著作権侵害の幇助であるのか?この問題には様々な側面があるが、完全な審理が行われていないため、全ては未解決のままである。

  • 著作権侵害であることを知らずにリンクしてしまった場合、それも侵害行為であるのか?
  • 検索エンジンを運営し、一部に著作権侵害コンテンツを含む膨大なコンテンツにリンクする場合は?(GoogleはNo!と言っている)
  • DMCAに従っている場合には?

さらに、こうしたケースに検索エンジンのためのセーフハーバーはどの程度適用されうるのか?(OCCILAを参照)

問題は実に複雑であり、訴訟大国であり、手厚い著作権/知財権保護の米国においてさえ未だ答えは出ていない。それよりも、新たな問題に対する答えが求められている。

移民税関捜査局は、こうしたウェブサイトの合法性について(米国ですら)先例や判例のない状況であるにもかかわらず、どうしてドメイン名を差し押さえることができたのか?これは権利の濫用とも取れる。また、国民のための機関が、民間の産業、スタジオの利益のために奉仕するのは何故なのだろうか?

ひとつ興味深い余談を加えておこう。英国のサイトTV-Links.co.ukは英国にて訴えられたものの、長らく続いた裁判に勝利した。これは少なくとも、ある条件においては、英国/EUにおける判例となりうるだろう。つまり、こうしたサイトのオーナーは違法行為を行っていないということだ。European Commerce Directive 2000の第17節に関して、TV-Linksは情報のパイプであり、他のウェブサイトへのリンクによる刑事訴訟手続きからは完全に守られている。

リンクサイトに対して多数の訴訟が起こされてはいるものの、米国におけるウェブサイトへのリンクが法律上どのように扱われるのかという問いには、未だ答えは出ていない。

このエントリは、リンクサイトの法的問題を熱心にウォッチするSearchfreekによるゲスト投稿を、TorrentFreakが編集したものである。

へぇ、米国内でこれだけの訴訟があったのか。ちなみに、後半言及されたTV-Linksは裁判には勝ったのだろうが、サイトの運営からは手を引いている。(『ビデオリンクサイトTV-Links管理人逮捕から1年:ビデオへのリンク行為は違法だったのか?』を参照のこと)

今のところ、日本ではそれほどおおごとにはなっていないが、リンクサイトではなく、リーチサイトという名称で、著作権侵害コンテンツにリンクするサイトが問題視されてもいる。いずれ面倒なことになりそうな予感がしているが…。

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