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音楽プロモーションのこれからを考える

以前から思っていたことなのだけれども、音楽業界が音楽を人々に聞かせるための手段として、ここ数十年はテレビ媒体がその主たる役割を担ってきたわけです。ただ、メディアシフト、タイムシフトが進んでいる今、その主たる役割を担いつづけることができるかどうかは微妙になってきたと思っています。もちろん、テレビというメディアがここ数年で消滅するわけもありませんし、有りようの多少の変化は合ってもこれからも存在しつづけるものだと思っています。しかし、その影響力の低下は避けられないものである、ということはメディア関係者自身も、周囲の人間もよく理解していると思います。

あくまでも、私個人の仮定ではありますがそれを大前提として、少し考えてみたいと思います。



YouTubeの日本ビジネス展開、権利者側は協議拒否の方針
より

ユーチューブ側は、著作権問題をクリアした上で、合法的に日本のコンテンツ(情報の内容)を使用しビジネス展開することを狙っているとみられており、日本側は警戒を強めている。
(中略)
 両者の協議入りが決まったが、ユーチューブは違法問題が解決していないにもかかわらず、日本でのビジネス展開に意欲をみせている。「非常識」(関係者)ともいえる強気の姿勢を取っているのは、米国では、その影響力を無視できなくなったテレビ局やレコード会社が、相次ぎ同社との提携に動いたという前例があるためだ。
業界団体がどうしても死守したいのは、利権とコントロール。その辺は理解できないこともないし、当然であるという部分もあるものの、ここにいたるまで時代の変化に対応することもできず、今後の見通しもろくに立っていない状態で、それでも利権とコントロールを死守したいというのはいささかナンセンスではないだろうか。webからお金を得る方法があるはずだと思うのは構わないけれど、機を逸するとwebでお金を得るどころか、もともとの利益自体の低下、つまりCDセールスや配信セールス、広告収入、その他利用料などの低下すら招きかねないのではないだろうか。

れしのお探しモノげっきのエントリーの記述にも非常に同意できる記述があったので、それを引用してみる。
今って情報過多ではあるんだけど、音楽の情報って逆に自分から動いて行かないと得られなくなっているのよね。 レコード会社が短期スパンで利益を上げられるであろうというアーティストの情報はいやでもどんどん入ってくるけど、あまり必要に感じてないし、ホントに聴いてみたいというアーティストに関しては、どんどん自分で収集していかないと着いて行けなくなる。
れしさんは(私も含めて)、音楽業界の動向を注視してみているために、過度にそう思っているという可能性もあるかもしれないけれど、実際にそう思っているリスナーも多いはず。私自身テレビをあまり見ないので、的はずれなことを言っているかもしれないけれど、更にいえば、これまで音楽業界の行ってきたCMやドラマとの連携、音楽番組での紹介、その他報道番組、ワイドショーで取り上げてもらうなどのプロモーションが、これまでどおりの効果を維持できるかどうかすら微妙になってくるのではないだろうか。もちろん、効果が出ないわけではないだろうが、その効果は鈍化していくことは目に見えている。

そうなれば、次はWeb上でのプロモーションを考えるべきではないかと考えるわけです。もちろん、Webでのプロモーションがこれまでテレビで行ってきたプロモーションを補完するというわけでもないだろうし、それ以上の効果をもつなどというつもりはない。それでもプロモーションとは、やらないよりはやったほうがましなのである。しかも、YouTube等のいわゆるWeb2.0のご時世であり、ユーザの資源を利用する、その機能を利用することもやぶさかではない、となってもおかしくはないのだが、一向にその気配すらない。

まぁ、既存の業界の考え方、というか大前提が、情報を与える側と与えられる側、コントロールする側とコントロールされる側という二分された関係であるのだと思われる。もちろん、利用しようと考えていないわけではないだろうが、それでもコントロール可能性が低いということが二の足を踏ませているのかと。

広告費には莫大な金をつぎ込めるのに、もしかしたら損をしているかも程度のことには、容赦のないことだなぁと思う。もちろん、百害あって一利なしと思えるのであれば、それでよいのかもしれないけれど、YouTubeなどは底まで目くじらを立てるほどかなと思うわけですよ。

iTMSやLISMOなどで配信が行われているおり、音楽ビデオも商品となっている以上、YouTubeもつぶさねば、という思惑があるのも理解できるけれど、それ以上に心配してしまうのは、音楽そのものの需要はその音楽を聴きたいと思う人がいてこそである。音楽への興味を持ってもらえない、音楽を知る機会がない人から、音楽の需要は見込めないだろう。

ユーザの能動性/受動性を利用する

じゃあどうすりゃいいのかというのを、素人考えで提案してみる。Webと既存メディアの異なる部分として、その能動性/受動性がある。もちろん、Webにおいても受動性というものはあるのだが、そればかりに期待してしても仕方のないことである。Web自体、ユーザの能動性、選択性に依存しているわけで、それを利用しなければ意味がない。ユーザの能動性にも訴えかけるプロモーションであれば、さらなる効果が期待できると思うのですよ。

個人的に、そのためのツールとしてYouTubeは非常に優れていると思う。もちろん、業界団体はそれに大反対しているわけだけれど、勝手にYouTubeに上げられるのが嫌なら、(YouTubeだけではなく)共有可能な形でプロモーション用の動画やオーディオをあらかじめ用意してしまえばいい。もちろん、視聴に問題ない程度で低品質なもので構わない。トラフィックに問題があるのなら、BitTorrentを利用したっていいだろう。少なくとも、誰かに紹介してもらえる、紹介された人が実際にそれを聴けるという状況が必要だと思う。(もちろん、公式サイトにリンクを張ればいいという意見もあるだろうけれど、実際YouTubeのプレイヤーが張られているのと、公式へのリンクが張られているのとでは、効果は全く異なると思うわけです)

で、もう1つ私が思っていることとして、Webにおけるオーディオの利用をすべきではないかと思うのです。もちろん、Webの常識として、ページを開いて音楽や音声が流れてくるサイトというのは、非常識であり、よっぽどの意図がない限り迷惑なサイト扱いされてしまうわけだけれど、その常識すら今後も続いていくものではない。もちろん反発も多いだろうけれど、それを利用しないというのももったいない話である。そこで、音楽のプロモーションとして、サイトに埋め込みのオーディオプレイヤーを提供していくというのはどうだろうか。もちろん、最初からオープンにするのも難しいだろうけれど、審査付にしてファンサイトのようなサイトだけに許諾するというのでもいいだろう。少なくとも、利用可能なものを貪欲に利用していくことが、今後必要になってくると思われる。アーティストのファンというのは、多少の苦労をしてでもプロモーションしたくてしょうがないのだ。

もちろん、制度的な問題もあるだろうけれど、その制度ですらこれまでの状況を加味して定められたものであり、それにこだわって新たな環境に適応できないのであれば、いずれは淘汰される。シンプルに考えれば、環境を変えることができなければ、制度を変えるしかない。制度を変えられないのであれば、先細りになるのは我慢するしかない。どうしたって、テレビメディアのチカラはこれまでどおりであるというわけではない。そうしたとき、どこで音楽を聞く機会があるだろうか、と考えるとこれまでのやり方でよいわけがないだろう。著作権ビジネスを守りたいのか、音楽業界を守るのか、その辺の腹をくくったほうがいいと思うけどね。中途半端じゃ両方とも失うだろうし。

ただ、リスナーからしてみれば、音楽そのものを道連れにされても困るので、今の環境に適応した、新しい制度を伴ったものを応援していくだけである。もちろん、新しい制度に既存の音楽業界が乗ってくるのであれば、それを応援することもやぶさかではないけれど。

得ようと思ったらまず与えよ、プロモーションってのはそこまで割り切ったもののはずなんだけどね。惜しがってばかりじゃ実はつかない。

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日本の音楽業界は、なぜネットプロモーションに及び腰なのか?─ 鍵を握るソーシャルメディアの活用
ミュージシャンがそのプロモーション(宣伝活動)にインターネットを使うとしたら、...
2007.09.24 22:41 | 専門家や海外ジャーナリストのブログネットワーク【MediaSabor メディアサボール 】
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Comment

れし | URL | 2007.01.07 22:16 | Edit
今年もよろしくです~。
そーなんですよねぇ・・・実はここ数年、業界の動向追うのに精一杯で、本来やるべきことである自分の好きな音楽の情報収集ができなくなっている、という苦い経験をしているので、あのエントリーを書いてしまったのですが、そう考えると、もう電波でも、紙でもなくネットが一番効率いいんですよね。

その点でもようつべはアメリカの本社の動向次第にもよると思うんですけど、気にいったら(自分でも欲しくなるという人間のサガみたいなのはありますから)買うと思いますよ。

ヘタに電波でプロモーションかけるより、よほどいいと思いますけどね。

ただ、同時に危惧しているのは、若い層が音楽への欲求が鈍っている?という部分でして。
自分の好きなバンドの曲しか聴けない、興味持てないというのはあまりにも不毛すぎて、気の毒で仕方ないんですよ。

あれこれと品変えて売り出すことが、将来的に自分たちの首を締めていることに気がついてくれればいいんですがねぇ。
なかなかそこまで気は回らないんだろうなぁ・・・
heatwave | URL | 2007.01.09 16:31
れし様、コメントありがとうございます。

確かに、若い層の音楽に対する情熱、というかその必要性が希薄になっているというところもあるんじゃないかなぁと、私も思っております。特に実感があるとか、そういうわけではないのですが・・・。

少なくとも音楽はアーティスト自身がゼロから作り上げたものではないと思うのです。アーティスト自身が聴いた音楽を模倣したり、インスパイアされたものを、自らの表現で作り直す、そういった営みが連綿と続いていくのが音楽だと思っています。なので、気に入ったアーティストや楽曲を見つけたら、それらのバックグランドとなっているアーティストや楽曲、それらをバックグラウンドとするアーティストや楽曲を調べて、そして聴く、というのを繰り返しています。そうして出会える優れた作品があるからこそ、音楽を聴くことがより楽しくなったりします。

でも、こういうスタイルって音楽業界のほうであんまりプッシュしないなぁと思うのですよ。もちろん、プッシュしたところで他のレーベルの楽曲やアーティストだからというのもあるんでしょうが、それって単に閉塞的になっていくだけなんじゃないかなと。B'zとか見てるとことにそう思うのです。

たとえ他のレーベルの作品であっても、音楽全体を活性化させることに繋がるのなら、情けは人のためならず、いつかは自分のレーベルに返ってくると思うんですけどねぇ。音楽のリンクってそれくらい強いものだというのは実体験としてありますしね。
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