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欧州緑の党、ファイル共有の合法化、DRMの禁止、著作権保護期間の短縮を求めるポジションペーパーを公表

以下の文章は、TorrentFreakの「European Greens Want to Legalize File-Sharing, Ban DRM」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:European Greens Want to Legalize File-Sharing, Ban DRM
著者:Ernesto
日付:October 07, 2011
ライセンス:CC BY

欧州緑の党は、デジタル時代における著作権政策に関するポジション・ペーパーを公表した。全体的なテーマとしては、消費者の利益のための著作権モノポリーを縮小である。とりわけ、緑の党は、個人的な使用のためのファイル共有の合法化、DRMの完全な禁止、著作権保護期間を5年に短縮することを求めている。

緑の党/EFA欧州緑グループ・欧州自由連盟)は、欧州議会の議会グループの1つ。現在、同グループは海賊党欧州議会議員のクリスチャン・エングストロムを含め57の議席を占めている。(訳註:現在の欧州議会議員数は736。緑の党/EFAは会派としては4番目;参考

今週、緑の党はデジタル時代の著作権に関する見解を記したポジションペーパーを公表した。これは海賊党のアジェンダを踏襲したものとなった。このペーパーでは、現在の著作権強化の向きを明確に否定し、極少数の金持ち企業のためではなく、市民の利益を確保する社会を求めている。

キーとなる提案の1つは、個人的な使用のためのファイル共有の合法化である。「個人間の非営利目的での共有は、たとえば私的複製の例外規定の範囲を広げるなどして、許容されるべきである」と緑の党のペーパーにはある。

さらに、DRMのような制限的技術は、完全に禁止、少なくとも制限の回避は解禁されるべきだとしている。

「DRMによる制限の回避は、常に合法的でなければならない。さらに、作品を合法的に使用する自由を制限するDRM技術を消費者保護法において禁止することも検討すべきである」という。

「多国籍大企業自らが作ったルールで消費者を従わせ、技術的手段によってそれを強制することを議会が許すのであれば、たとえ議会が均衡のとれた合理的な著作権法を導入したところで無意味である」。

また、緑の党は著作権の保護期間を70年から5年に短縮することも求めている。これには、著作権者が最長20年間まで保護期間を延長できるオプションがつけられている。彼らは、現在の状況は「不合理」であり、より合理的な著作権保護期間にすることで、社会は恩恵をうけるだろうとしている。

「死後70年間という現在の保護期間は不合理である。それほど長い見返りの期間を想定する投資家はいない」という。

全体として、このペーパーは、創造性に課せられた足かせを解き、インターネットの可能性を最大限に発揮するために後押しすることを提唱している。緑の党によれば、これはネット中立性が保証されなければならないということでもあり、商業著作物のリミックス、マッシュアップも認められるべきであるということも意味しているという。

海賊党議員クリスチャン・エングストロムは、緑の党の提案が、これまで海賊党が長らく求めてきたものと類似している、とTorrentFreakに語った。

「実に素晴らしいことです」とエングストロムは言う。「このペーパーは、はじめに現状がどうであるのか、そして緑の党の展望として何をゴールとすべきかについて書かれています。そして最後に、海賊党が提唱してきたような著作権改革が提案されています。これは実に筋が通ったものです。」

「著作権改革というアイディアは、海賊党が参加する以前から緑の党にありました。しかし、私たちは緑の党を後押しし、それをアジェンダとする手助けをしてきました」と彼はいう。エングストロム、そしてブリュッセルにいる海賊党メンバーらにとって、これは彼らが世界を変えうることを、2009年の選挙で海賊党が受けた支持が正しかったことを確信させるものであった。

「私は、海賊党に投票した225,000人によって、海賊党の意見を議会に広めることを使命として、ブリュッセルに送り出されました。私達が必要とするその意見が、いつかマジョリティを得るために。もちろん困難な仕事ではあります。しかし、今、最初のマイルストーンに到達したのです。機会を得ることで、海賊党は事をなすことができる、それが示されたのです。」とエングストロムは結論づけた。

著作権改革への熱意は、ブリュッセルだけに限られない。多くの海賊党員、ボランティアたちが、世界を変えることができると感じているだろう。

海賊党設立者のリック・ファルクウインエは「私達のアイディアは未来のためにあると、みな認識しています。彼らがますます強い支持を得ているのは素晴らしいことです。欧州議会に7つある会派の1つが、私たちの展望を自らのものとして採用したことは、次世代の市民的自由のための飛躍的な一歩となるでしょう」。

「40年前、緑の党の展望が十分に理解されるまでにはかなりの時間を費やしました。それと同じように、私たちも時間がかかるのでしょう。しかし、海賊党への理解と支持は成長を続けています。それは私達の展望がコモンセンスとして共有されるまで、続くものだと思っています。」とファルクインエは言う。

緑の党のポジションペーパーは、革命的なものだといえるだろう。しかし、欧州議会において同会派は少数派であり、この提案を立法にこぎつけるには長い道のりとなる。それでも、著作権改革がますます広く求められていることを、明確に示すことにはなるだろう。

ポジションペーパー(PDF)をざっと流し読みしてみたのだけれど、著作権保護期間については補足が必要そう。§25では「社会、投資家(制作者)双方の見地から」合理的な著作権保護期間として20年を提案していて、§26, §28で著作物の商業的排他性を維持したければ、発表から5年以内に登録することを義務付けている。保護期間の短縮と、義務的な登録制度の導入で孤児作品を減らそう、というところだろう。なので、登録しなければ5年で保護期間が満了するのではなく、商業的排他性を失うだけでは、と思うんだけどね。

閑話休題、海賊党以外にもこのような途方も無い主張をする政党があるのは喜ばしい。もちろん、海賊党の主張同様、実現可能性は低いのだろうが、著作権議論において対立軸を作り出す役割に期待したい。

主張の中身については、たとえば著作権保護期間の延長など、ベルヌ条約があるから無理だよね、なんて声も聞こえてきそうだが、政党、会派としての姿勢を示すにあたって、既存の条約や法律に縛られねばならない理由はない。既存のルールが常に正しいのであれば、もはや立法など必要とはしない。既存のルール通りでいい。

でも、時代、環境の変化と共に、ルールに綻びが出てくる。だからこそ、権利者側は著作権保護の強化を求め、海賊党や緑の党は保護の緩和を求める。ベルヌ条約のような国際条約がある以上、後者にとっては変えがたい状況があるのは事実にしても、ベルヌ条約があるから正しいということにはならない。

どうあるべきか、と、どう変えていけるか。少なくとも「どうあるべきか」がなければ、変えていくことはできないだろう。

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