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ニュージーランド:スリーストライク法で初の有罪――権利者への損害賠償額は5.5ドル(505円)

以下の文章は、TorrentFreakの「First Kiwi File-Sharer Guilty, But Lack of Evidence Kills Large Fines」という記事を翻訳したものである。

原典:TorrentFreak
原題:First Kiwi File-Sharer Guilty, But Lack of Evidence Kills Large Fines
著者:enigmax
日付:January 30, 2013
ライセンス:CC BY

ニュージーランドの著作権審判所は、あるインターネット加入者が無許諾で音楽をダウンロード、共有したとして、初となる罰を与えた。このケースはニュージーランド音楽産業協会(RIANZ)の勝利とも言えるが、彼らはその中身は満足はしていないだろう。音楽産業団体は多額の懲罰的損害賠償を求めたものの、証拠不十分として、その主張の大半は認められなかった。

2011年に施行されたニュージーランドの著作権侵害対策法――『Skynet』法であったが、しばらくは同法の犠牲者は出ずに済んでいた――昨日までは。

このケースには、同国ISP Telecomの女性加入者が関与していると見られており、発端は1年以上も前にさかのぼる。

背景

2011年11月24日、Telecomの著作権侵害対策チームはいわゆる『発見通知(detection notice)』を匿名の個人に宛てて送付した。そこでは、当該加入者がリアーナの『Man Down』という楽曲を共有していると述べられていた。これはIsland Def Jam Music Group(Universal)から寄せられたクレームに基づく通知であった。

2012年6月19日、女性加入者が再び同じ楽曲をアップロードしたことが発見されたことで、第二の『警告通知(warning notice)』が送付された。

その後、この女性加入者が今度はホット・シェル・レイの『Tonight Tonight』を共有していたとRCA Records(Sony Music)からクレームが寄せられたことで、2012年7月30日、第三の『執行通知(Enforcement Notice)』が送付された。

この最終『ストライク』の結果、2012年8月、この女性加入者のケースはニュージーランド著作権審判所に送られることになった。

翌月、女性は1つの楽曲に関するクレームを認めたものの、もう1つについては否定する答弁書を審判所に提出した。また、トレントクライアントの停止に困難が伴ったとも述べられた。

自白

「最初にダウンロードした曲はリアーナの『Man Down』です。これについては私の責任を認めます。違法なサイトからのダウンロードだとは知らずにこの曲をダウンロードしてしまいました」と彼女は答弁書に綴っている。

「この曲を私のコンピュータにダウンロードした時、uTorrentプログラムを使用しました。……私のコンピュータを起動した際、その曲はまだダウンロード中でした。同じ曲を2度登録したためだと思います。」

ホット・シェル・レイの楽曲については、不明なままである。

「私および私の家族はこの曲をダウンロードしてはいませんので、責任を認めることはできません。ただし、この曲を私のインターネットアカウントを使ってダウンロードした人物を発見したとすれば、その責任を負っていただきたいと思います」」と彼女は述べている。

有罪(しかし自白は助けにならず)

興味深いことに、著作権審判所はこのケースにおける調査結果が不十分であることを認めながらも、著作権侵害通知において指摘された個々のファイル共有の発生が実際の著作権侵害を構成する「制定法上の推定」にあたるとして、違法ファイル共有が行われたことを認めた。

罰金の計算

著作権審判所は現行法下では有罪になると判断し、罰金について検討を進めた。規則では、ダウンロードについては侵害された製品の価格が考慮されなければならない。Man DownはiTunesで2.39豪ドル(2.00米ドル)、Tonight Tonightは1.79豪ドル(1.50米ドル)で販売されている。

しかし、このケースはアップロード(配信)も含むことから、その分の上乗せも考慮する必要がある。RIANZとしては他のビットトレントユーザにアップロードした責任も課したかったところではあるが、著作権審判所はその提案に乗り気ではなかった。

「(RIANZ)が正しく認めているように、このケースではどれくらいダウンロードされたのか、とりわけこの加入者のアカウントによって当該録音物がどれくらいアップロードされたのかを知ることは極めて難しい。権利者は既存のインターネット監視サービスを用いているが、本件における楽曲をダウンロードした人物の詳細な数を特定することはできなかった」と著作権審判所は記している。

これを考慮して、著作権審判所は加入者に対し、Man DownのiTunesでの価格の2倍(2.39豪ドル×2)、Tonight Tonightについても同様の額(1.79豪ドル×2)――合計6.57豪ドル(5.49米ドル)をRIANZに支払うよう命じた。RIANZにすれば、有罪の裁定を得たことは喜ばしいものの、この点については失望しているだろう。

権利者に支払う罰金は少額に収まったものの、まだ2、3の問題を解決しなければならなかった。著作権審判所は、この加入者が警告通知の送付コストとして50豪ドル(42米ドル)、審判申請費用として200豪ドル(167米ドル)の支払いを命じた。

『抑止的な額』――と不十分な証拠

最後に「抑止的な額(deterrent sum)」の問題があった。これについては著作権侵害の「悪質さ」、侵害が当該作品の市場に与える影響、著作権審判所が命じる他の罰金の総額――の3点が考慮されることになっている。

RIANZはこの点について、この女性加入者がuTorrentをコンピュータにインストールし、8カ月の間に3度も侵害行為が検知されていること、RIANZが指摘した以外の著作権侵害行為をしていないとは「常識的に考えられない」ことを主張した。さらに、この加入者は著作権侵害をしないようにと警告した2つの通知を無視したとも述べている。

著作権審判所はこれに対し、これらの要素は今後審判所が扱うであろうケースにおいても共通する要素であるとしつつ、今回のケースは「特に目に余る」ものではないとした。また、長期間にわたって侵害が行われたことを認める一方で、この加入者が音楽を正規に購入していること、責任を認めていること、謝罪していること、審判に応じていることを挙げた。

著作権侵害の市場に対する潜在的な損害の影響については、RIANZの主張を裏付ける証拠がないとされた。RIANZはIFPIが英国で実施した2008年の報告書を提出していた。

著作権審判所は「この英国の報告書に重きをおくことはできないと考える」とした上で、この報告書では異なるビットトレントクライアントも含まれていること(uTorrentだけでなくAzureusも含まれている)、異なる作品を対象にしていること、個々の楽曲ではなくアルバム全体を扱っていること、5年近く前の調査であることなどを指摘した。

決定

著作権審判所はこれらの点を考慮して、1侵害につき120豪ドル、合計360豪ドル(301米ドル)を抑止的な額として、加入者に支払うよう命じた。

すべての額を合算すると、この加入者は616.57豪ドル(515.64米ドル=約4万7千円)を支払わなければならない。この額はRIANZが数年前、「スリーストライク」マシーンが稼働した際の皮算用とはかなり離れた数字であることは間違いない。

個人的には妥当な決定だと思う。ただ、今後頻度が高くなっていくのであれば、「抑止的な額」はもっと少額でも良いのではないかと思うけども。

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